最終更新:ID:1gbQW6V2Lg 2011年02月27日(日) 07:36:06履歴
カイムSide:戻る
夕暮れの影が伸びた先に
−−−・・・一体どうすればいいんだ 冷水で身体を冷したものの現状は全く変わっておらず、 ガシガシとタオルで水気を拭き取りながら自分のテントへと戻る。 そして、そのままタオルを投げ捨てると襲ってきた倦怠感と共に寝床へと倒れこんだ。 −−−こんな事を・・するのは・・・どうせ・・禿・・・血祭・・・ 横になったカイムは物騒な事を呟きつつ息を吐き出し、 その眼は段々と虚ろになっていく、そのうちに重くなった瞼をゆっくりと閉じた・・・。 −−−・・・? なにやらゴソゴソとテントの入り口から聞こえ、物音で目を覚ます 手元にある剣へ手をかけると、入り口の戸をさっと引き開けた。 「きゃっ・・・」 行き成り開くとは思わなかったのか甲高い女性の声とともに何かが転がってくる。 その白い塊が天幕へと転がってくると、それはうめき声を上げながら腰を擦っていた。 しかし、行き成り開けられて一番驚いたのは、その女性でもなんでもなく他ならぬカイムであった。 −−−お、まえは・・・何故こんなところに?・・・ 「あいたたた・・・兄さん・・・会いたかった」 未だに驚きを隠せないカイムだが、当の本人であるフリアエはお構い無しにカイムへと笑いかける。 それはフリアエだった。しかし、この僻地の、それも戦場に一番近いこの場所に・・・。 −−−天使の教会に攫われた筈だ。何故、ここに居る? 「兄さんの為に抜け出してきたの・・・」 確かに、人の道を外れたカイムであっても兄妹であるフリアエに会いたくなかった訳ではない。 それでも染み付いた警戒心は抜けず、剣を納めた今でもフリアエを見る眼は疑心暗鬼である。 ふと、その瞬間、フリアエの影が揺らぐ、次に見た時は異常は無かった。 が、しかし、一瞬見た物を"見間違い"で済ませられるほどカイムは抜けてはいない。 一度視線を逸らすと、再びフリアエへ鞘をつけたままの剣を向けると言った。 −−−お前はフリアエではない。 「いいえ、フリアエよ。服も、声も、身体も、頭髪の一つ一つに至るまで、 フリアエのそれとは、全く変わらないわ・・・。」 開き直るように言い切るフリアエに戸惑うカイムだが、素振りに表すことも無く 自分に言い聞かせるように、それを行動に移そうと言い放つ・・・。 −−−だが、お前は違う、お前は幻術のまぼr・・ 「それ以上言っては駄目、兄さんに会いたかった。 この気持ちは嘘じゃない、それを言ってしまうと夢から醒めてしまう」 そう言ってフリアエは剣の切っ先をそっと押し下げ、カイムの唇へと指を当てた。 迫ってくる兄妹の容姿を問答無用で叩き切れれば、それで済んだのだろう。 しかし、容姿、声、全てが兄妹と同一な存在を切る事が出来るほど、冷たくは無かった。 −−−フ、リアエ・・・ そろそろと後退りすると、その内に何かに躓きトサッと寝床へとしりもちをつくカイム フリアエはそんなカイムへと近づいていき、"ハラリ"と薄着を肌蹴させ脱ぐ・・・。 床へパサリと音を立てて落ちる服に目を取られ目の前が翳った瞬間フリアエに押し倒された。 「お兄ちゃん、嘘でも良い、今だけは私を好きでいて」 −−−・・・フリアエ 下着だけを纏ったフリアエに押し倒されカイムは覚悟を決めた。 一度限りの儚い夢に付き合うことを・・・。 「ずっと・・・こうしたいと思っていた」 ---・・・そうか フリアエはカイムの胸へと抱かれ何を思うのか、目をそっと閉じてそう言うが 容だけ似せられた者が妹の本心を語る事にカイムは顔を顰めた。 ・・・が一言呟くのみでカイムの手は目の前の者の頭を撫でた。 ---っ!・・・ 突如、カイムの身体がビクリと跳ねる。 フリアエの身体が己の物に触れる事により再び欲望が露になった為だ。 フリアエも小さく声を上げ履物の下からでも分かるカイムの物の形に息を呑む 「兄さん・・・私で興奮しているの?」 ---こ、これは違・・・ 「兄さんっ・・・」 誰かが盛った薬の所為だ・・・そう言いたかったカイムだが それを遮るかのように語気強く兄と呼ばれカイムは言葉を続けられなかった。 妹(フリアエ)で興奮している等、信じたくはないが否定も出来ないからだ。 「軽蔑なんかしないわ・・・寧ろ嬉しいの兄さんが想ってくれて」 ---フリア・・・エ・・・ フリアエのその白い手が形に沿う様にカイムの物を一撫ですると一段と硬さを増して キツそうだったズボンも、じんわりと濡れた下着も全て剥がされて 露になったカイムのペニスをまじまじと見つめ裏筋をゆっくりと舐め上げた。 「これが、兄さんの・・・大きい・・・」 ---・・・無理はするな 「大丈夫よ・・・っん」 次の瞬間にはカイムの物がフリアエの口の中へ中程まで消えて行った。 カイムは顔を歪めて、声無き声を上げ徐々に息を荒くしていく・・・。 「初め・・・て、だけど・・・良さそうで・・・良かった・・・」 ---っが、そんな・・・顔をするな・・・ ジュプジュプと淫らに水音を響かせながら頭を上下させ、 何度もカイムの物がフリアエの咥内へと出し入れされる。 そんな中カイムの顔を見上げたフリアエの表情を見たカイムは 一言そう言って顔をそらし、呼吸を荒くしていった・・・。 「っん・・・ふ・・・っく・・・」 ---っ駄目だ!、フリアエ・・・で、る・・・ 「っきゃ・・・あぁ、ん・・・っ・・・」 一瞬張り詰めた肉棒が次の瞬間には弾けて その大量の精液に受け止め切れなかったフリアエは 口から精液を垂らし、未だ射精を続ける物を押さえる。 しかし、勢いよく出るそれを押さえきれる筈もなく頭から盛大に被ってしまった。 「お兄ちゃ・・・きゃっ!」 カイムを非難するように不満気に声をあげたフリアエを カイムは飛び起きて押し倒してしまった。 押し倒され突然の事に戸惑うフリアエにカイムは軽く触れるだけのキスをする ---我慢が出来そうにもない、すまないフリアエ 「そ、んな急に・・・っひゃ・・・ぁ、痛・・・」 カイムはフリアエの返事を待たずして己の肉棒を宛がうと メリメリと嫌な音と共に一気に刺し貫いた・・・。 ---そうか、初めて・・・だったな・・・ 「・・・う、ぁぁん・・・」 答える余裕のないフリアエとの結合部からは破瓜の血が滲む その行為がどれ程までに辛い物なのかはカイムには分からない・・・。 ・・・故に"すまない"と謝ることしかできなかった。 やがて、どちらともなしに身動ぐ 幾分か和らいできたフリアエもこれには甲高く声を洩らす ---フリアエ・・・っ! その身体を抱きしめると軽いストロークも直ぐに激しいモノへと変わり お互いの体液で水音を立て肉のぶつかる音が辺りに響く・・・ 自分の下で喘いでいる妹を見ると昂りと共にふと脳裏を過る "フリアエが女神にさえならなければ・・・" 束の間でも平穏に過ごす事が出来たのだろうか 何処か場違いだと、言葉に出さなかったのは最後の理性 込み上げる愛おしさ抱擁に変え己の精をありったけ注ぎ込んだ ---・・・・・・ 倦怠感もあるがそれ以上にかける言葉が見つからなくての沈黙 塞いでいたそれから解放し抜いてやるとまた1つフリアエが啼いた 「兄、さん・・・っ!」 カイムは何が起こったのか把握できずにいた 目の前のフリアエに突き飛ばされ脇を鈍色の物が通って行く それがナイフだと言う事に気付いたのはそれがフリアエの胸元に刺さってからだった 「ごめん・・・なさい、兄さん・・・」 次の瞬間にはフリアエは陽炎の様に消失し 初戟を失敗した侵入者は暗殺を遂行するべく二撃目をカイムへと叩きこもうと動く しかし気付いてからは早かった・・・暗殺者の首は地面へと転がりカイムの剣は振り切られていた それはまるで噴水のように部屋を赤色で染め憤怒の表情のカイムはその骸へと何度も剣を突き刺した "ごめん・・・なさい、兄さん・・・" 何故自分は謝られたのだろうか?騙していたから?兄を愛してしまったから? 分からない・・・自分には何も・・・ただ確かにあの行為には愛はあった・・・ ふと、騒がしくなってきた外へと眼を向ける・・・ 分からないなら・・・解る事をしよう、俺の生き場は其処しかないのだから 衣類を羽織整えると、一瞬扉の前で振り向いて物悲しげな表情をするが ニヤリと笑みを浮かべるとカイムは勢いよく剣を振りかざし外へと駆け出して行った
夕暮れの影が伸びた先に
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