上級民法

2006年度冬学期
担当教官 能見or広瀬or森田(修)or大村


民法の原理原則を各自が深く探求するレポート授業。
準備討議1回+レポート発表講評1回=2回のサイクルで授業が進む。

「新司法試験に関係ないじゃないか」

という批判をする方はそもそもご退席願いたい、といわんばかりの科目。
問題抽出→文献調査→論文読破→執筆、という頭で考える貴重な訓練の場所。

クラスに資料をすばやく収集しわけてくれる方が大抵いるので、
感謝しつつ資料を活用させてもらうのも一つの手である。

東京大学法科大学院の醍醐味ととらえるか、つまらないととらえるか、
下記の先輩の執筆も要参照。




2004年度冬学期
担当教官 能見or大村or森田宏樹

必修7法の中で、なぜかこの科目だけは試験がなく、レポート科目。
何回かレポートを出した後、
最後に全体への最終レポートが課される。

能見先生は、6つくらいのテーマ・設問について、
基本的な知識を確認する回→担当グループがレポート提出→討論する回、
というようなサイクルで授業が行われた。
しかし、最もやるべき範囲の広い民法なのに、
わずか数問ですますのは無謀に思えた。
その数問も、先生の専門の信託法がからみそうなものばかりで、
全体をカバーしているとはとても思えない。
現在新司法試験の短答試験対策を始めてみて、
改めて無謀さを痛感して、冷や汗が出る。
また、細かい話で止まりすぎて、授業がなかなか進まない。
延長があまりに多くて、みんな笑うしかない。
自分が担当でない回については、ボーっとしている人が多数。


(大村先生)
※記憶が正確ではないので、どなたか加筆訂正をお願いします。
2週でワンテーマを扱い、議論参加(確実に指名される)グループとレポート提出グループが割り振られる。
レポートは全員提出のテーマが1回、グループとして指定されるテーマがひとつ、あと任意提出のテーマが2回、さらに最終レポートと、合計5本書いた受講者も多いはずである。
最終レポートが8000字程度、その他が5000字程度の分量だっただろうか。

任意といっても結局は相対評価なので、提出必須の3本だけでAを取るのは、かなり苦しかったのではないだろうか(配点について失念)。
負担が教官によってかなり異なり、大いに不満が残る。
大村教授はA+を誰にもつけず、成績評価の平等性も疑問である。
レポートは返却され、若干のコメントも付された。

民法については、どのみち2単位では全体をカバーする授業はおよそできないので、発展的な分野をいくつかかじるという内容になるのは、仕方のないことなのだろう。

司法試験の短答などは元々地道に暗記であるし、新司法試験に直結する何かを期待する科目ではないので、学部時代には読んだこともない、未知の問題・分野の判例に触れ論文に触れ、純粋に興味を持って楽しむのがいいと思う。


(森田宏樹先生)
2週で1テーマで
1週目が基本的な知識確認回で
レポートの提出を挟んで
2週目がレポート提出者の発表、突っ込み回。
レポート提出者には別途個別に講評をしてくださる。

企画倒れ感満載で、みんなそれなりに不満があるのは他の先生の上級民法と同じだが、前向きに考えたほうがいいのでは?

民法のような広い分野を
2単位で
広く浅く
学部と同じことをやっても意味がないだろう。

今までの知識を前提とした発展的な問題を、
既存の文献、論文に頼ることなく、
他の関連法規にも目を配りつつ、
しかも同じレポートに取り組んでる人が多くないので
大量に流通する資料に振り回されることなく、
自分なりに論理的に取り組む。

これこそ、ロースクールの醍醐味でしょ。


ただ、より少人数にしたり、
隔週二コマ連続を組み合わせたり、
改善の余地は大いにありそうではある。

ちなみに、レポート提出は一人2回。
評価は50%ずつ。
2007年03月11日(日) 12:24:51 Modified by appendix2006




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