新司法試験雑考〜4.論文編1(総論的分析) 

こんばんは。全く計画性のかけらも無い連載である証拠
がページ名にも現れてますね。

今日から論文編をはじめたいと思います。
ということは、察しの良い方はお分かりだと思いますが、
成績が返ってきたわけですね。
一部の地域が早いのか、一部の地域が遅いのか良く分かりませんが、
相変わらず、局地的に届いていない地域があります。

ただ、この成績表が曲者で、系統別の点と、合計点と論文順位、
総合点と総合順位しか載ってません。
系統別の得点分布は法務省のHPで公開されていますので
調べれば系統別の順位も分かるのですが、
それ以上の細目については分かりません。
よって、系統内の各法についての結果への言及は予想でしかありません。
予めご了承ください。

1.公開できるところは公開してしまおう。

皆様に役立つ記事を目指しているので公開できるところは
公開してしまいましょう。
公開すべきなのはおおよその点数なのかおおよその順位なのか
考えてみましたが、あんまり公開しすぎるのも恥ずかしいので
適当に順位を公開してみます。
選択科目は、そのまま公開してもデータになりにくいんで
変えてみました。

公法系 100位以内
民事系 100位以内
刑事系 800位台
選択科目(知的財産法) 選択者中の三割程度
論文総合 100位以内
総合評価 100位以内

結論から言えば、きっと何かの間違いです。
総合百番以内なんて望外でしたから。なんせ択一は500番台後半でしたし。
論文対策をはじめたのは3月くらいからでしたし。
サレンコとかスキラッチみたいなもんですね。
例えがマニアックですみません。

2.分析してみよう

私の性能諸元については第1回を参考にしてください。
それと関連して考えますと、
まずいえるのは、旧試験の経験が
全くなくてもこのような結果が出るということです。
つまり、現行でどれだけ論文試験を受けていても足を掬われる危険
は常にありますし、現行を受けてないことはビハインドにはなりません。
自信を持って頑張れば良いだけです。
ワールドカップ初出場だろうが、練習を積み、体調を整えれば
強豪相手にも良い試合が出来ます。

次に、答案の書き方についても予備校方式ではないと点が取れないという
こともありません。ただ、自分の答案作成方法は人に教えられる
ようなものではないのですし無手勝流ですので、
後輩の方々の自己流が適切かどうかは分かりません。
ぜひ一度成績説明願いの時にでも確認してみましょう。
レポートの評価の際に聞いてみてもかまわないと思います。
また、自分でプレテスト、本試験を早めに解いて、
教育支援室の先生に診て頂くという方法もあると思います。

教授も採点答案を返却しない以上こういった質問には答えるべき
だと思いますし、答えてくれるでしょう。
法律文章の書き方が成ってないのであれば、それは指摘しない
教授の責任でもあると思います。
成績評価とは関係の無い中間テスト等をして、個人能力を確認すべきです。
定期試験の講評会でいきなり「ぜんぜんなってない」という印象論の
台詞をはかれても学生も困ります。
受験指導をしないとはいえ、それがロースクールってものだと思いますし、
こういうことすらしないのは、東大ローが怠慢だといわれても仕方ない
と考えます。

次に、在校生が気になるであろう、ロースクールの成績との相関関係を
考えてみます。
結論から言うと、はっきりとした相関関係は無いのではないでしょう。
悪い成績でも挽回できますし、
(例えば、私は上級憲法はB、上級商法はBとCでした)
良い成績でも気をぬくことはできません(知的財産法はA+でした)。
強いて言えば、良い成績を取った科目については多少の貯金はある程度の
関連性でしょうか。勉強時間の割り振りの際には参考になると思います。
一方で、知識量のわりに成績が芳しくない方は
原因が文章の書き方にある可能性が高いので、
早めに質問制度、教育支援室等を利用してみて下さい。

最後に、択一試験との関係について。

いままで口をすっぱくして択一をしろと言ってきた割には
論文でごぼう抜きしたわけですが、私の考え方は変わりません。

まず、択一は問題による点数の振れ幅が比較的少ない試験です。
択一対策というのはそういうものだと思います。
当たりはずれが少ないのですから、安定した得点源になります。
決勝戦に使うならアドリアーノよりもフリオ・クルスです。
また、来年の脚きり点数は神のみぞ知るところです。
さらに、試験は4日連続であり、しょっぱなから不安を抱える
ことは精神的に重大な影響を与えます。
悪い予感に苛まれる場合、論文初日の為の最終確認なんか手がつきません。
寝れないかもしれません。論文試験自体に集中できないかも知れません。
教科書を調べながら無駄な採点をしてしまうかもしれません。
ここで歯を食いしばれる人もいますが、そうで無い場合
論文中にパニックを起こすなど致命傷になる可能性も高いです。

択一は、論文試験の際の精神安定剤として働きます。アレはアレ
と忘れられるひとはそれだけで新司法試験に耐える精神力を
備えていますが、世の中そのような人ばかりではありません。
だからこそ、択一をしっかり腰をすえてやるべきだと思います。
論文の知識確認にもなります。


というわけで、次回以降は各科目の勉強法について考えたいと思います。
2006年09月29日(金) 04:17:56 Modified by gp009




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