暗号化すべき代表的なデータが、Internet Explorerのキャッシュ（一時ファイル）だろう。

インターネットオプションで一時ファイルを消去しても、復元ツールによって、ユーザーの閲覧したファイルの一部をリストアップ・復元することは可能だ。

そこで、IEのキャッシュをTrueCryptの暗号化ボリューム内に置く。ディスマウント時はランダムなデータにしか見えないため、復元される可能性は低くなる。
※OperaやFirefox等も、設定を書き換えることで、キャッシュを暗号化ボリュームに格納することが可能である。
＜方法＞

１　暗号化ボリュームの作成

1. TrueCryptボリュームを作成し、適当なドライブにマウントする。

サイズは100MB以上が望ましい。
※キャッシュ用暗号化ボリュームの空きサイズよりも大きなファイルをIEでダウンロードすると、ダウンロードが不完全なまま終わる。そのため、極端に小さいサイズにしない方が良い。

2. コントロールパネル→インターネットオプションから、「設定」→「フォルダの移動」を選択。

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3. 「フォルダの参照」ダイアログで、マウントした暗号化ボリュームを指定する。

4. 「OK」を押す。

２　スタートアップ登録

＜スタートアップに、暗号化ドライブマウント用のダイアログを表示するためのショートカットを登録する＞

1. デスクトップの何も無いところで右クリック。

2. 新規作成→ショートカット

3. ファイルパスの指定

「項目の場所」に、TrueCrypt.exe本体のファイルパスに続けて、
「/q /a /L＜キャッシュをおいた暗号化ドライブのドライブ文字＞ /v＜コンテナファイルのファイルパス＞」を指定する。

例："c:\Program Files\TrueCrypt\TrueCrypt.exe" /q /a /Lv /v"c:\Temp\cache.tc"

※TrueCrypt.exeのパス、及びコンテナファイルのパスは必ずダブルクォーテーションでくくること。

4. 適当なショートカット名をつけて「OK」を押す。

5. 作成したショートカットを、「スタートアップ」フォルダに移動する。

利用方法

PCの起動時に、パスワード入力ダイアログが表示される。正しいパスワードを入力すれば暗号化ボリュームがマウントされる。
その後IEを起動すると、キャッシュは暗号化ボリュームに記録される。

注意

• 暗号化ボリュームをマウントせずにIEを立ち上げたりすると、キャッシュ記録用フォルダがデフォルトの位置に書き換わってしまう。

• キャッシュ用ボリュームのサイズよりも大きなファイルをダウンロードすると、ダウンロードが不完全な状態で終了する。

• この方法では履歴及び index.dat は暗号化されない。

履歴も含めた確実な暗号化を行うには、TCGINAを利用してDocuments and Settings\ユーザー以下を丸ごと暗号化する。