TrueCryptで隠し暗号化ボリュームを作成

• TrueCryptで隠し暗号化ボリュームを作成
  • はじめに
  • １．隠し暗号化ボリュームの作成方法
    • １−１．外殻ボリュームの作成
    • １−２．隠しボリュームの作成
  • ２．隠しボリュームのマウント
  • ３．外殻ボリュームのマウント

はじめに

　TrueCryptは、オプションで一つのコンテナファイル（暗号化ボリュームデータを格納するファイル）の中に二つの暗号化ボリュームを格納できる。
　下の図のように、コンテナファイルの後半に「隠しボリューム」を作成することが可能である。
　　

　外殻ボリュームのパスワードを入れれば外殻ボリュームのデータにアクセスでき、隠しボリュームのパスワードを入れれば隠しボリュームにアクセスできる。

たとえば、
　　・外殻ボリュームに嘘のデータを入れておく。
　　・隠しボリュームには、本当に隠蔽すべきデータを入れておく。
　　・敵対者に暗号化ボリュームのパスワードを自白するよう強要された際に、外殻ボリュームのパスワードだけ教えれば、隠したいデータを守れる。
といった状況を想定している。
（もっとも、敵対者がこのようなTrueCryptの仕様を知っている場合、外殻ボリュームのパスワードだけではなく、隠しボリュームのパスワードも自白するよう強要するかもしれない。）

１．隠し暗号化ボリュームの作成方法

ここでは、外殻ボリュームと隠しボリュームを持つコンテナファイルを新規に作成する方法について解説する。

１−１．外殻ボリュームの作成

TrueCrypt Format.exeを起動する。


「隠しボリュームの作成」を選択し、「次へ」をクリック。

　　　↓


「TrueCryptボリュームを作成してその中に隠しボリュームを作成する」を選択し、「次へ」をクリック。

　　　↓



「ボリュームの位置」で、任意のファイルパス、ファイル名を入力する。
（既存のファイルを選択すると、そのファイルの内容は上書きされるので注意。上書きしたくなければファイル名を変える。）
ファイルパスの入力後、「次へ」をクリック

　　　↓

次に、外殻ボリュームのオプションを選ぶ画面に移る。



「次へ」をクリック
　　　↓



外殻ボリュームの暗号化アルゴリズム、ハッシュアルゴリズムを選択する。
特にこだわりがなければデフォルトの設定（AES）でよい。
「次へ」をクリック。
　　　↓



コンテナファイルのサイズを入力する。
【希望する隠しボリュームのサイズ×２】程度の値を入れる。
1024GBまで指定できる。
　　　↓


パスワードを入力する。パスワードの長さが短い場合警告が出るが、そのまま進むことも可能。
「次へ」をクリック

　　　↓


フォーマット画面。
隠しボリュームを作成する場合、外郭ボリュームのフォーマットはFAT形式しか選択できない。
「フォーマット」をクリックするとコンテナファイルがフォーマットされる。

　　　↓
１−２．へ続く。

１−２．隠しボリュームの作成

（この時点で、外殻ボリュームが空きドライブにマウントされる。
隠しボリューム作成後外殻ボリュームにデータを追加する場合は、マウント時にオプションで「隠しボリューム保護」を設定する必要がある。
そのため、この段階でダミーのデータを外殻ボリュームに入れておくと手間が省ける。）

「次へ」をクリック

　　　↓



ここでは隠しボリュームに書き込めるデータの最大サイズが自動的に計算される。
「次へ」をクリック。
　　　↓


隠しボリュームの暗号化オプションを選ぶ。
デフォルト設定で問題ないため、「次へ」をクリック。

　　　↓


隠しボリュームのサイズを入力する。
最大サイズが表示されているため、その数字以下の数値を入力する。
このサイズが大きいほど、後で外殻ボリュームに追加できるデータは少なくなる。

　　　↓


隠しボリュームのパスワードを入力する。
※外殻ボリュームのパスワードと同じものは指定できない。

　　　↓　　　


隠しボリュームのフォーマットを指定する。ここではNTFSも選択可能。
「フォーマット」をクリックすると、フォーマットが開始される。

　　　↓


フォーマット終了後、「終了」をクリックする。

２．隠しボリュームのマウント

　隠しボリュームをマウントする場合は、隠しボリュームのパスワードを入れるだけでよい。
　特別なオプションは不要。

３．外殻ボリュームのマウント

　外殻ボリュームをマウントする場合は、隠しボリュームへの上書きを防ぐため、以下のようにする。

　　
　パスワード入力画面で「マウントオプション」をクリック

　　　↓

　　
　マウントオプションで、「隠しボリュームを外殻ボリュームへの書き込みによる破損から防止する」にチェックを入れる。
　さらに、隠しボリュームのパスワードを入力する。
　「OK」をクリック。

　※「TrueCryptの常駐を有効にしますか」という警告画面が出た場合は「はい」を選ぶ
　↓

　　
　　パスワード入力ダイアログに戻ったら、外殻ボリュームのパスワードを入力。
　「OK」をクリック。

※上記のオプションを設定すれば、隠しボリュームの破損を防げる。
外殻ボリュームのマウント中、隠しボリューム領域へデータが書き込まれようとした場合、TrueCryptは、以後の書き込みを禁止する（読み出しのみ可能になる。）
外殻ボリューム及び隠しボリュームの両方をアンマウントするまで、外殻ボリュームには書き込めなくなる。

---

• TrueCryptで隠し暗号化ボリュームを作成
  • はじめに
  • １．隠し暗号化ボリュームの作成方法
    • １−１．外殻ボリュームの作成
    • １−２．隠しボリュームの作成
  • ２．隠しボリュームのマウント
  • ３．外殻ボリュームのマウント

---