斑目のひみつ
「じゃ、俺はまず櫻井小豆さんとこと２DKさんとこ行ってくるから」
「あ、俺の分も新刊お願いしますよ」「ああ、その代わりお前もちゃんと担当買ってこいよ」
夏コミ三日目。並びに並んでようやく入場できたげんしけん部員たちは、企業ブースを回り終え、それぞれの目的場所へと散っていた。
大手サークルの大行列に並んだ斑目は、両手に大きな紙袋を提げたまま、首を伸ばし、行列の前方へと目をやった。
この人数からして、あと二十数分といったところだろうか。予想以上に早く買えそうだ。
お気に入りのサークルの新刊と、帰宅してからのその使用法に思いをはせ、ニヤニヤと一人口元を緩める。
しかし幸せな空想は、直後打ち切られた。
斑目の後ろから伸びた太い腕が、彼の華奢な上半身を抱え込んだのだ。
すぐに振り払おうとして、斑目は己の手にしている袋の中のものに気づいた。
れんこたんマグカップ、限定置時計、ミニ風鈴、アニメ主題歌オルゴール…。
企業ブースで買ったそれらの品々は、よりにもよってどれもこれも壊れやすいものばかりで、揉み合った拍子に落としでもしたら、壊れてしまうのは確実だった。
なんだかよく分からんが、くじあんグッズには代えられん…！
意を決してそのままの体勢で大人しくしていると、男は意外そうに小さく口笛を吹いた。
「抵抗しないのか？」
いや、しないっていうか出来ないんですけど、などと思う間もなく、男は怪しげな手つきで手の平を胸部へと向かわせた。
やわやわと撫で回す手が、次第に強く揉みしだくように力加減を変えていく。。
「あっ…」
薄手のシャツ越しの毛深い指が、じわじわと胸元の突起に近づく。
汗でじっとりと湿った指先の感触がひどく不快だ。
気にすんな俺…気にしたら負けだ…。頭の中でそう唱えつつ動かずにいると、男は気をよくしたのかさらに大胆に斑目の身体を煽り始めた。
胸の突起を器用に指で摘み上げ、くにくにと弄ぶ。
他人にそんなところを触れられるのは初めてで、斑目は思わず息を飲んだ。
ぞくぞくとした快感が身体の内を駆け上がり、知らず腰が疼き出してしまう。
乱暴にさすられ、こするようにされると、自然と熱い吐息の混じった声が漏れる。
「ん…っや…めろ」
「ならもっと暴れろよ」
言って、男はぺろりと長い舌で斑目の耳を舐めた。
気色悪いはずなのに、肩がびくんと震える。
さすがにこれは逃げるべきだよな…。というかやばい、何がとは言わないが相当やばい！
あ、でもグッズが…それに新刊も…。
身体を捻って何とか腕をかわそうとしたそのとき、
横を向いた斑目の脇を、派手なコスプレの一団が通り過ぎた。
その中の見覚えある一人に、必死に声をかける。
「大野さん！？ こっち来て！」
振り返って側まで来た少女に、有無を言わさぬ速さで紙袋を渡す。
「悪い、俺の代わりにここ並んでて！…すぐ戻るから」
「ど、どこ行くんです？」
「…トイレ」
十数分後、戻って来た斑目は、何故かひどくすっきりした表情をしていた。
大野「…ってことだったんでしょう？」（w
斑目「いや、昨日代わって貰ったのは腹が痛かっただけなんだけど…」
「あ、俺の分も新刊お願いしますよ」「ああ、その代わりお前もちゃんと担当買ってこいよ」
夏コミ三日目。並びに並んでようやく入場できたげんしけん部員たちは、企業ブースを回り終え、それぞれの目的場所へと散っていた。
大手サークルの大行列に並んだ斑目は、両手に大きな紙袋を提げたまま、首を伸ばし、行列の前方へと目をやった。
この人数からして、あと二十数分といったところだろうか。予想以上に早く買えそうだ。
お気に入りのサークルの新刊と、帰宅してからのその使用法に思いをはせ、ニヤニヤと一人口元を緩める。
しかし幸せな空想は、直後打ち切られた。
斑目の後ろから伸びた太い腕が、彼の華奢な上半身を抱え込んだのだ。
すぐに振り払おうとして、斑目は己の手にしている袋の中のものに気づいた。
れんこたんマグカップ、限定置時計、ミニ風鈴、アニメ主題歌オルゴール…。
企業ブースで買ったそれらの品々は、よりにもよってどれもこれも壊れやすいものばかりで、揉み合った拍子に落としでもしたら、壊れてしまうのは確実だった。
なんだかよく分からんが、くじあんグッズには代えられん…！
意を決してそのままの体勢で大人しくしていると、男は意外そうに小さく口笛を吹いた。
「抵抗しないのか？」
いや、しないっていうか出来ないんですけど、などと思う間もなく、男は怪しげな手つきで手の平を胸部へと向かわせた。
やわやわと撫で回す手が、次第に強く揉みしだくように力加減を変えていく。。
「あっ…」
薄手のシャツ越しの毛深い指が、じわじわと胸元の突起に近づく。
汗でじっとりと湿った指先の感触がひどく不快だ。
気にすんな俺…気にしたら負けだ…。頭の中でそう唱えつつ動かずにいると、男は気をよくしたのかさらに大胆に斑目の身体を煽り始めた。
胸の突起を器用に指で摘み上げ、くにくにと弄ぶ。
他人にそんなところを触れられるのは初めてで、斑目は思わず息を飲んだ。
ぞくぞくとした快感が身体の内を駆け上がり、知らず腰が疼き出してしまう。
乱暴にさすられ、こするようにされると、自然と熱い吐息の混じった声が漏れる。
「ん…っや…めろ」
「ならもっと暴れろよ」
言って、男はぺろりと長い舌で斑目の耳を舐めた。
気色悪いはずなのに、肩がびくんと震える。
さすがにこれは逃げるべきだよな…。というかやばい、何がとは言わないが相当やばい！
あ、でもグッズが…それに新刊も…。
身体を捻って何とか腕をかわそうとしたそのとき、
横を向いた斑目の脇を、派手なコスプレの一団が通り過ぎた。
その中の見覚えある一人に、必死に声をかける。
「大野さん！？ こっち来て！」
振り返って側まで来た少女に、有無を言わさぬ速さで紙袋を渡す。
「悪い、俺の代わりにここ並んでて！…すぐ戻るから」
「ど、どこ行くんです？」
「…トイレ」
十数分後、戻って来た斑目は、何故かひどくすっきりした表情をしていた。
大野「…ってことだったんでしょう？」（w
斑目「いや、昨日代わって貰ったのは腹が痛かっただけなんだけど…」
2006年07月12日(水) 00:18:30 Modified by korewanetadesu