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DARK SOULS II SCHOLAR OF THE FIRST SIN

 ダクソ2のPS4向けに再調整されたバージョン(原作はPS3)です。いわゆる、「ハイスペック版」です。原作のDLCが最初から全部入っており、画質やfpsが向上しているほか、敵やアイテムの配置などが原作から細かく変更されています。

 ダクソ2のネット上での評判は正直あんまり良くなかったので、私も身構えていたのですが、上記の再調整が施されているハイスペック版は言うほど悪くなかったです。むしろ、おもしろかったです。ボスの数も全体的なボリュームも元祖からだいぶ増えています。
 原作のダクソ2に対する批判の最たるものは「道中の雑魚戦でもボス戦でも一対多の状況を余儀なくされる場面が多々あり、高難度と理不尽を(仁王みたいに)履き違えている」というものでしたが、この「理不尽」はハイスペック版ではだいぶ大人しくなっていました。確かに多数の雑魚がこっちを向いて待っている局面は多々ありましたが、「元祖でもこれぐらいはあったな」という程度のレベルでした。まあ、私が死にゲーや仁王に慣れただけかもしれません。こういうシチュエーションでは敵を1体ずつ釣り出して各個撃破していくのがこのシリーズのセオリーなのですが、どこまで逃げても集団で追いかけてくる(=なかなか分断ができず時間がかかり、ストレスが溜まる)あたりに旧版の批判点の名残は感じられました。

 このように雑魚戦はだいぶ改善されていましたが、反面、ボスは原作の悪さがそのまま残っている感じがしました。複数戦のボスがやたらたくさんいます。複数の敵を一度に相手にするとなると、いくら立ち回りを磨いても、四方八方から飛んでくる敵の攻撃を適切にいなしていくにはどうしても運が必要になってくるため、「自分の実力の向上を楽しむ」というゲームのコンセプトに合わなくなってくるのです。他方でタイマンで挑むボスはロックオンして盾を構え、周囲をグルグルしながらペチペチ殴っていけば倒せるのがほとんどで、シリーズ特有のキツさとか、手に汗握る死闘感とか、死にながら戦い方を覚えていく快感とかはどこへやらという感じでした。私はサクサク進めることができたので、自分の実力が向上していると勘違いできてむしろ快感ではありましたが、難しいボスは決まって数的不利の状況を強いられる奴ばかりなので、「難易度の上げ方が安易」という批判があるのもよく理解できました。そんな中で、2つ目のDLCに出てくる「煙の騎士」というボスと「騎士アーロン」というボスは、シリーズ特有の「タイマンなのにキツいボス」なので、人気なのも頷けるところです。両者とも盾がほとんど役に立たない相手なので、ブラボみたいに回避主体で立ち回る必要があるのです。

 とはいえ、このゲームにはシリーズ伝統のオンラインプレイがあるので、複数戦で他者と協力しながらバトるのが楽しいという声もあるようです。私はオンラインは一切やっていないので、オンライン周りの褒めどころも貶しどころも全く分かりませんが、他者との協力が楽しいというのも、分かります。一人でやると理不尽でストレスが溜まるけど、他者と共闘すると楽しいゲームなんです。すなわち、ソロプレイを重視する人は本作を批判することになるでしょうし、多人数プレイを重視する人は本作を賞賛することになるでしょう。このゲームに求めるものに違いがある以上、意見が分かたれるのはどうしようもないことです。そして、ソロプレイの楽しさもオンラインプレイの楽しさも本シリーズが最初から兼備している要素であるため、双方のバランスをうまくとりながら両立させるのは並大抵のことではないでしょう。

 この程度のことは、もう別の誰かが言っていると思います。

 さて次は、待ちに待ったダクソ3です。仁王の2も出ますね。やるのかしら。やるんだろうな。

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