最終更新:ID:pwgd9daLVg 2011年03月11日(金) 18:41:42履歴
モーニング娘。のみんなで打ち上げをした。真夜中になっても大はしゃぎ。
別れまでの時間を惜しむように、めいっぱい楽しんだ。
楽しそうにはしゃぐリンリンを横目に、チューハイを一口飲んだ。
可愛いんだけど、なんかむかつく。
ピュアすぎて、さゆみなんかを腹白なんて信じちゃってて。
あの子といると、自分のもやもやした黒い部分がはっきりと形を持つみたいで、いやだ。
もっと、汚れればいいのに。
ソファから手を伸ばし、リンリンの腕を掴んだ。
愛ちゃんたちは、気づいてない。そのまま腕を引く。
「…リンリン、コンビニに買いものいこっか」
「あ、ハイ、いきましょう」
携帯を手に持ち、立ち上がった。
「ちょっとコンビニいくんだけど、いるものあるー?」
お菓子、コーヒー、ジュース。頼まれたものを携帯に打ち込んで、コートを羽織る。
ドアを開いてすぐに、手を繋いだ。
「寒いね」
「ハイ、息が白くなりますね」
リンリンの吐いた息は白く色づき、そのまま空に溶けた。
「ちょっと寄り道していい?」
「ああ、ハイハイ」
コンビニのすぐ近くの公園。ベンチに腰かけた。
寒そうに肩をすくめて、足元の砂を蹴る。白くなるのにはしゃいで、何度も息を吐く。
そんなリンリンは可愛いんだけどね。なんでだろう。
汚したくなるの。
腕を引いて、抱きしめた。体を離すと、驚いた顔が目の前にある。
ビックリンリンって言いたげだね。笑えるよ。
冷えた指先で、頬に触れた。目線が絡む。
この先どうなるか。いくら純粋でもわかるよね?
抵抗しないから、そのまま口づけた。驚きが唇から伝わる。かまわず、何度も触れあわせる。
回した腕に力をこめた。触れた体が、あったかい。
少し開いた唇から舌をさしこむと、ぎこちないながらもさゆみに応えるように絡めてきた。
右手でコートを開き、シャツの上から胸に触れる。唇を離して、首筋にキスをした。
ビクッと体を跳ねさせて、小さな手はさゆみの肩をつかんだ。
このまま続きをしてしまいたいけど、寒いし、さすがにアオカンはまずいよね。
体を離すと、リンリンは頬を赤く染めたままうつむいた。
「…こういうのは、好きなひととするんですよね?」
「リンリンは、さゆみが好きじゃないの?」
「ちがっ…」
「そりゃそうだよね、愛ちゃんとかのほうがいいよねーこんな、ケチな先輩いやだよね」
「ちがいます」
「何が違うの?」
「モーニング娘。のみんな大好きで、私にとっては家族で…だから道重さんも」
「へえ、リンリンは家族とえっちなことするんだ」
「…しない、です」
「そういうの、きれいごとなんだよ」
なんなんだろ、さゆみ。リンリンが傷つくだろうなって言葉がポンポン浮かんでくる。
どうしてだろう。リンリンのことは大好きなのに。こんなに可愛いのに。
可愛いリンリンが悪いんだ。さゆみの中の悪いさゆみが、どんどん大きくなるんだよ。
「もしさ、リンリンが好きだって言ったらどうする?」
「え…?」
「なんてね、さ、コンビニいこっか」
立ち上がり、右手を差し出した。小さな手は、何も疑うことなくさゆみの手を握る。
戸惑ったような表情で、でも、いつものように笑うんだ。
きっと君なら、どんな悪魔でも真っ白にしてしまうんだろうね。
ほんと、リンリンにはかなわないなあ。思わず笑ったら、息が白く、空に浮かんだ。
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