移動中、隣の席で眠る道重さんを眺めてた。
可愛い顔、こんなにずっと見ていられる機会あんまりないから

ちょっと触ってもいいかな、って思って、人差し指で唇に触った
わずかな刺激のせいか、ちょっとだけ口が開く
寝ぼけたみたいに唇が動いてドキッとする。

私にいつもキスしてくれる唇
『すきだよ』って言ってくれる唇
私の体の隅々まで愛してくれる唇

私が自分でもあまり知らない部分まで、この唇は知ってる
恥ずかしいけど、幸せになる

「…す…き、デスヨ…」

小さく小さく囁く

するとその瞬間、道重さんの目が薄く開いた

「アッ」
「……さゆみも大好き」
えっ
お、起きてたんだ…

道重さんは、とっさに引っ込めた私の腕を掴んで、指先を少しかじった
「…リンリンのえっち」
「そんな…っ」

言いかけたけど、否定はできない
どうすることもできなくて固まってたら、そのまま腕を引っ張られた

「…キスしよ」
バスの中なのに
誰かに見られても知りませんから、ね…

そう思ったけど、拒むなんてできないこと
わかりきっていたから、あきらめてそっと目を閉じた

どなたでも編集できます