「この前、愛ちゃんち泊まったんだって?」
「……? ハイ、そーですよ。めっちゃ楽しかったデス!」

悪びれる様子もなく、リンリンは明るくそう答えた。
まあ、悪びれることがないってことは特にやましいことはなかったってことなんだろうけど。
けど!面白くない。

よりによってなんで愛ちゃんなんだろう。
せめて相手がれいなだったら、ジュンジュンにあることないこと吹き込んで復讐してやったのになぁ。
さすがに先輩相手に復讐したりはできないよね。ずるいよリンリン。
だいたい、さゆみだって愛ちゃんとそんな濃厚な時間過ごしたことないのに!

……あれ? 今さゆみはどっちに嫉妬してるんだろう。

「でも、道重サンいたらもっと楽しかったと思いマス。今度は、道重さんも一緒にお泊りしましょう!」

さゆみが不本意な疑問を浮かべてる横で、相変わらず無邪気な笑顔を見せるリンリン。
あぁ、もう、まいっちゃうな。
そんな顔されたら、些細なことに嫉妬してるさゆみがバカみたく思えちゃうよ。

だから、せめてもの仕返し。
やられっ放しじゃ、先輩としての立場がないでしょ?

「じゃあ、今度二人のオフが重なった日はうちに泊まりにおいで?
 ……愛ちゃんちに泊まるより、ずぅーっと楽しい思い出作ってあげる」

リンリンの目をじっとりと覗き込んで、誘うように。
照れて目を逸らすかなーとも思ってたんだけど、意外にもリンリンは
さゆみの目を見つめたまま、嬉しそうに頷いた。

「……ハイ。楽しみにしてますね」

まったく隙のないさわやかな笑顔。
ねえリンリン。言葉の意味、ほんとにわかってる?

その答えは、今度のオフに聞いてみよう。

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