5スパゲッティー 397〜 続き


412 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2013/04/09(火) 23:30:20.92 0
譜久村聖による聖のための美少女の楽園ミズキングダム 第三話

「オデン殿、一体どうしたというのだ、この大勢の兵は?」
集まった兵は数千人はいるだろうか、クドゥーは先頭にいるオデンに尋ねた。
「無論、ミチシ原人を討伐に行くのよ」オデンはクドゥーと目を合わせずに兵士の点呼をとりながら答える。
「そうではない。あんな地方の蛮族ごときに兵を集めすぎではないかと言っている」
クドゥーがやや声を荒げるとオデンはようやくクドゥーの方を向いた。
「・・・クドゥー殿。ミズキングダムの狂犬と呼ばれるほどの蛮勇を誇るクドゥー殿にはわからぬやも知れんが、
戦にもいろいろな方法がある。10の力の者に20の力で挑んでは勝ったとしてもこちらも被害を受ける。
ならば、10の力の相手に200の力を見せつけ戦意を奪ってしまうのよ。
今回の目的は向こうの王を捕らえることだしな」
「・・・もう良い!」クドゥーは踵を返すと、兵の集まった広場を出て自室へ向かった。

413 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2013/04/09(火) 23:31:05.39 0
イライラがおさまらない。オデンのやつ。なにが蛮勇だ。私より強いくせに。腹が立つ。
あの調子だとミズキ様からの直接の命令はオデンに下りたのだろうか?なぜだ。腹が立つ。
そもそもオデンはスマイレージ公国の人間だ。ミズキ様に惹かれて寝返って今や近衛隊長だと?
腹が立つ。私のほうがミズキ様との付き合いは長いのに。
ミズキ様もミズキ様だ。なんで私よりオデンを重用するのか。
さらに、今度は蛮族の王に目をつけている。まったくおもしろくない。
「くそー!ボクは将軍だぞ!おりゃ!」クドゥーは自室に辿り着くやいなや怒りに任せて自室のゴミ箱を蹴り上げた。
ゴミ箱は壁にぶつかってグシャ、と音を立てた。
「クドゥー様、どうされました!?」その音に慌てて別の兵士がクドゥーの部屋まで駆けつける。
「なんでもない」暴れてある程度スッキリしたクドゥーは兵士を持ち場に帰そうとした。
「いや、待って。」クドゥーの頭に一つの策が閃いた。
「オデン殿はいつごろ出発する予定なのだ?」その策はクドゥーの中でどんどん膨れ上がる。
「・・・明後日に出発するんだな?わかった。ありがとう」クドゥーはたちまちその策の持つ甘い魅力に取り付かれた。
そうだ、オデンが出発する前に蛮族の王を討ってしまえばよいのだ。
オデンを出し抜き、邪魔な蛮族の王も消え、ミズキの寵愛も受けられるかもしれない。

414 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2013/04/09(火) 23:31:53.19 0
「ああ〜!リホリホに会いたいよ〜!」
サユミはベッドの上でもんどりうっていた。
「すいませんサユミ様ぁ〜!私が北の砂漠に捨てたばっかりに〜」
サユミから5メートルほどの距離を離れてメシクボが額を床に擦り付ける。
「まったくなの。時期尚早だったの!懐かないのも一つのプレイなの!」
「すいません〜」
「・・・もういいの。謝まられてばっかりじゃ私が悪者みたいだし・・・。
そういえば、ダーイシはまだなの?」
サユミは以前ミズキングダムに送った使者のことを口にした。
計画では、ダーイシはエリーナ姫とのウフフな条件を引き出してくるはずだった。
「まだのようです・・・・」
「ふーん・・・・今日はもういいの。あなたも部屋に戻って休みなさい」
「ありがとうございますぅ〜」
メシクボは今一度額を床に擦り付けた。

415 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2013/04/09(火) 23:32:44.18 0
「フン!」
サユミの部屋を退室したメシクボはググッと背を伸ばした。
サユミの前では卑屈そうに身をかがめているが、背筋を伸ばすとなかなかの長身であった。
(愚鈍な王めがッ!一部族の使いがいきなり姫を寄越せと言ってきて、差し出すマヌケがどこにいるッ!)
思わずこぼれる笑みを手のひらを顔に押し当てることで隠す。メシクボが好むポーズである。
(信用させるためにダンス天国は獲らせてやった。だがここまでだッ!
このメシクボには夢がある。せいぜいミズキングダムと潰しあうがいい。その隙に両国を乗っ取るのは私だッ!)
額にできた土下座タコをさすりながら瞳をギラつかせるメシクボは、先ほどまでの卑屈な側近には見えなかった。
メシクボの部屋は地下にある。サユミの部屋が最上階にあり、サユミの好みの者から上の階に住める仕組みだった。
(だがこれはむしろ好都合ッ)
メシクボは自室に入る。そこには、イスに縛られ猿轡を噛まされた少女が一人いた。
その少女は鋭い眼光でメシクボを睨んでいる。
ダンス公国のリホリホ皇女であった。

416 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2013/04/09(火) 23:34:12.62 0
一方その頃、エリーナ姫は城の窓から夜空を眺めていた。
(いや、話が壮大になるのは結構やけど、いい加減そろそろスパゲッティ食べたいっちゃけど・・・)



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