886 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2013/06/03(月) 00:12:36.75 0
「おねえちゃんも、おかあさんも、みんな、だいっきらい!」
さゆみちゃんは、そう叫んで、泣きながらおうちをとび出しました。


いつものように、ダンゴむしくんと遊んでおうちにかえってきたさゆみちゃん。
今日のおやつは、きのう来たお客さんがもってきてくれたケーキです。
だいすきなショートケーキを、おかあさんはさゆみちゃんにとっておいてくれました。
ところが、さゆみちゃんが手をあらっているあいだに、かえってきたおねえちゃんが、
じぶんのケーキとさゆみちゃんのケーキを食べてしまったのです。

手をあらってもどってきたさゆみちゃんが見たのは、からっぽになってしまったお皿と、
ショートケーキのクリームを口のはしにくっつけて、いたずらっぽく笑っているおねえちゃんでした。
ケーキを楽しみにしていたさゆみちゃんは、それを見て泣き出してしまいました。
「ええやん。テーブルにあったんやもん」
と、おねえちゃんはケロリとしてこたえます。

おかあさんは、さいしょはおねえちゃんを叱ってくれました。
さゆみちゃんにも、かわりに好きなおかしを買いに行こうと言ってくれました。
でも、さゆみちゃんは、きのうからケーキを食べるのをたのしみにしていたのです。
やさしいおかあさんの言葉にも、首をふっていやいやをします。

887 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2013/06/03(月) 00:15:33.15 0
いつまでも泣きやまないさゆみちゃんに、とうとうおかあさんも怒り出してしまいました。
「そんなに聞き分けのない子は、もう知りません!」
おかあさんに叱りつけられてかっとなったさゆみちゃんは、とうとう
「おねえちゃんも、おかあさんも、みんな、だいっきらい!」
と叫んでしまったのです。


さゆみちゃんは、わんわん泣きながらかけ出していきました。
どこをどう走っていったかもじぶんではわかりません。
とちゅうで、車のクラクションもたくさん鳴らされました。
「おい、危ないぞ!」
と、おじさんたちに何回もどなりつけられました。
さゆみちゃんには、それも聞こえていません。
ただ、あやまってくれないおねえちゃんにはらを立て、叱りつけられたお母さんの言葉に
ショックをうけていたのです。

888 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2013/06/03(月) 00:18:49.26 0
気がつくと、さゆみちゃんは、見知らぬ場所にまよいこんでいました。
「あれ?ここ・・・どこ?」
泣きすぎてかすれた声で、さゆみちゃんはつぶやきます。
こんなにも、まるで森のように木が多い場所は、見たことがありません。

さゆみちゃんはこわくなって、おうちにかえろうとしました。
ところが、泣きながら走っていたせいで、来た道がわかりません。
何かめじるしになるものがないかな・・・?と、まわりを見回したときです。
さあっと霧がかかり、目の前がまっ白になってしまいました。

もう、まわりは何も見えません。
じぶんの手も、霧にとけて見えなくなってしまいそうです。
さゆみちゃんは、こころぼそくなって、また、泣きだしてしまいました。


そのとき、霧のむこうから、だれかの声が聞こえてきました。

889 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2013/06/03(月) 00:21:04.39 0
その日、衣梨奈は、夜遅く家路に着いていた。
新曲発売のイベントを終え、帰宅の最中だったのだ。


好きで選んだ道である。
仕事が嫌な訳では無い。
ファンの励ましを直接聞いて、もっと頑張ろうと勇気が出る。
こんな自分でも、楽しんでくれる人が大勢いると実感できる。
だから、コンサートやイベントは、楽しみのひとつなのだ。

・・・しかし、度重なるイベントで、正直、疲れが出るのも事実だった。
休日の筈の日に、朝早くから叩き起こされ、あちこちへ移動する。
どこかで見たような顔もあるが、無論初めての顔もある。
その人達全員に笑顔で接し、ぎゅっと握手をする。
疲れがピークに達すると、笑顔が引きつって顔が痙攣しそうになることも無い訳では無い。
現に今も、唇の端がピクピクと動き出しそうだ。

890 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2013/06/03(月) 00:23:19.74 0
仕事ではあるが、楽しみでもあるから乗り切れる。
それでも、疲れは否応無しに衣梨奈の体を襲う。
若いからまだ風呂に浸かって体をほぐし、そのまま眠れば疲れは取れる。
だけど何年か後にはどうなるんだろう?
先輩の道重さんは、年齢を重ねると疲れて眠れなくなることがあると言っていた。
本当は、いくら年上の道重さんと言えども疲れ過ぎて眠れない程では無い筈だが、
自分が道重さんの年齢に達したときにはどうなるんだろう・・・?


ぼーっと歩いていたら、突如目と耳に入った車のヘッドライトとクラクションに驚いた。
慌てて立ち止まり、罵声を聞き過ごして、また、歩き始めた。
街灯の灯りに照らされて出来た、自分の影に驚く。
(えりな、こんな歩き方、してたっちゃろうか?)
背を丸め、とぼとぼと歩く姿は、一気に二十も三十も歳を取ったようだ。
その影を見て、思わず苦笑した。


今の生活が嫌な訳では無いけども・・・・・・
「ああ、偶には人の居らんところに行きたかねぇ・・・」
と、我知らず呟いたときだった。

891 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2013/06/03(月) 00:25:41.20 0
闇の中に、さあっと濃い霧がかかる。
自分の来た道も、行く先も全く見えない。
「な・・・何ね?一体どうしたっちゃん!」
これには流石に衣梨奈も慌てた。

ともかく、ここは路上だ。ぼけっとしていると車に撥ねられかねない。
危険が無いかと辺りを見回すが、闇夜のこと、そもそも周りがよく見えない。
しかも、この霧の中に、自分が溶けていってしまいそうだ。
驚きが、だんだん怖れに変わっていく。


そのとき、霧の中から、子どもの泣き声が聞こえた。




※作品元(?)ネタ

818 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2013/05/31(金) 18:11:59.41 0
生田が過去にタイムスリップしてダンゴムシ時代の道重の友達になってあげるという設定でスパーリー書いてくれさい

820 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2013/05/31(金) 21:00:28.41 0
逆に道重が過去にタイムスリップして子供時代の生田によくしてあげて
結果生田はアイドル好きになってモーニング娘に入って「覚えてますか?」みたいなスパーリーでもいいです

821 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2013/05/31(金) 21:01:51.61 0
いや良くないw

822 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2013/05/31(金) 21:19:05.12 0
 >>818
過去に行った生田は幼少の道重と友達になる
そこで現在に戻って来れない生田を心配する現在の道重

823 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2013/05/31(金) 21:24:50.90 O
過去に行った生田に優しくされた道重が変態にと目覚めていくのかw

824 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2013/05/31(金) 21:35:03.45 0
 >>818
さてはおぬし、水曜プレミアでバック・トゥ・ザ・フューチャー2を見たんだな?
それほどまでにタイムスリップに拘るとは。

825 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2013/05/31(金) 21:38:28.94 0
見てないお

826 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2013/05/31(金) 21:40:26.28 0
幼少同士であることが必須条件だから
コナンの薬を飲む必要があるな

827 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2013/05/31(金) 21:53:03.01 0
トゥル(ry

828 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2013/05/31(金) 21:56:24.11 0
ぼーぼータイ

829 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2013/05/31(金) 21:58:22.10 0
>825
完璧と思われた推理が外れるとは・・・大したやつだぜ   ヤシ

830 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2013/05/31(金) 22:30:33.46 0
タイムスリップした生田を追いかけてタイムスリップしたヤシが何の拍子かダンゴムシに乗り移って
さゆ生幼女にいたづらされまくってトラウマを抱えるSSも待ってるよ

831 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2013/05/31(金) 22:38:58.12 0
石田の寒いギャグでスリップして過去に行っちゃう生田と鞘師
興奮してストリップしちゃうふくちゃん






タグ

どなたでも編集できます