820 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2013/06/30(日) 11:40:35.65 0
エリナは激怒した。
必ず、かの邪知暴虐のカビを除かなければならぬと決意した。
エリナには歌もダンスもわからぬ。エリナはただのアイドルヲタである。
CDを聞き、握手会に行ったりして暮らしてきた。
けれども湿気に対しては、人一倍に敏感であった。
エリナには父も母もない。十六の、巨乳の嫁との二人暮らしだ。
エリナには竹馬の友があった。サユミンティウスである。
今はアメーバの町でブログをしている。その友を、これから訪ねてみるつもりなのだ。

821 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2013/06/30(日) 11:41:20.43 0
しかし、町の様子がおかしい。二年前に来たときよりも、やけに寂しい。
エリナはスレンダーだが魅力的な唇の少女に昔はもっと賑やかであったはずだが、と話しかけてみた。
石田は答えなかったが、エリナは両手で石田のからだとゆすぶって質問を重ねた。
石田は、あたりをはばかるように低い声でわずかに答えた。
「王様は、カビを生やします」
「なぜカビるのだ」
「植物を育てている、というのですが、誰もそんなカビた植物を見たことがありませぬ」
「たくさんカビを生やしたのか」
「はい。はじめはミニ大根を。それから、ミントを。それからラディッシュを」
「おどろいた。王は乱心か」





タグ

どなたでも編集できます