RRR RRR RRR....
「もしもし、リンリン?」
「ハイハーイ?ア、道重サン!」

何度この声に元気をもらっただろう。
さゆみはもともと体力あるほうじゃないし、このところ春コンのリハ続きで合間にはラジオだったり撮影だったりで、正直キツい。
ありがたいことに、テレビのお仕事も結構あるからてんてこ舞いで。
付き合い始めのころは毎日どっちかの家に泊まりっこしてたけど、
「道重サンはみんなの道重さんダカラしっかり休んでクダサイ」って。
本当に彼女は優しい。でも、やっぱり寂しくなったりしちゃって。
だからこうして、毎晩リンリンに電話を掛ける。
3コール以内に必ず出てくれる彼女に安心するんだよね。


「今日もお疲れさまデシタ!」
「うん・・・お疲れ。今日はたくさん間違っちゃって、みんなに迷惑かけちゃったよね」
「そんなことないデス!まだ時間アルので明日からまた頑張りましょう!」

マイナス思考なさゆみにこんなに前向きな言葉をくれる。
リンリンが大丈夫って言ってくれると本当に大丈夫な気がしてくるから不思議。
からかっちゃったり口が達者になっちゃっても信じてくれてる、本当に大切な人。
彼女だってたくさん辛いはずなのに、いつだって励ましてくれる。
いくら感謝しても足りないくらい。
今のさゆみが頑張れてるのはあなたのおかげだから。
なんて、ちょっと照れちゃうから上手く言えそうにないんだけど。

「・・・ありがとう、リンリン」
「エ?」
「ふふ、なんでもなーい」


今日はたくさん反省しよう。明日はちゃんとできるように。
どんなにバラエティや雑誌のお仕事があっても、娘。は一番大事にしたいから。
それに明日は・・・

「ところで、明日はウチ来るよね?」
「エ・・・いいんデスカ?」
「当然なの。二人でお祝いしようね?」
「ハイッ!」

彼女の19歳のお誕生日。
明日は彼女のこと一番にするって決めたの。
1ヶ月も前からプレゼントも用意してあるし、ちゃんとシーツも新しくしたし。
まだお酒は飲めないから、ちょっと高級なグレープタイザー買ってきたし。
きっと、喜んでくれるよね。

「じゃあまた明日ね、おやすみリンリン♪」
「おやすみなサイ、道重サン!明日楽しみにしてるデス!」

どなたでも編集できます