生まれてきてくれて、ありがとう。

「あのねぇ」
「ハイ」
「こうやって…一緒に、お祝いできるって、すごくない?」
「ハイ、すごいです」
「ほんとに思ってるの?」

ほんとですって、と笑うリンリンに少し呆れながらも、用意してあったグレープサイダーをワイングラスに注ぐ。
今まではみんなと一緒に祝ってた誕生日。今年は、あたしが彼女を独占。

「じゃあ…リンリン」
「ハイ」
「19歳のお誕生日、おめでとう」
「…ありがとうございます」

照れたようにはにかむリンリンに軽くキスをして、ケーキに火をつけた。
一気に吹き消してよ。促すあたしに、リンリンは目一杯息を吸い込んで、ろうそくに灯った火を消した。
部屋は暗闇に包まれる。電気をつけると、子どもみたいにはしゃぐリンリンの笑顔が明るみになった。

「嬉しい?」
「ハイ、とっても」
「好きだよ」

リンリンは驚いたようにあたしのほうを向いて、すぐに笑った。わたしも好きです、小さく呟くリンリンの頬を撫でる。
髪を耳にかけて、さっきよりも長いキスをした。吐息と吐息が混ざり合う。

「プレゼントと、さゆみ、どっちが先に欲しい?」
「…み、みちしげさん……」
「じゃあ、さゆみをあげる」

二人してベッドに沈む。ケーキもサイダーも、時間が経っても美味しく食べられるからね。
今、欲しいのはリンリン。リンリンの誕生日なのに、欲張りでごめんね。

生まれてきてくれたから、モーニング娘。に入ったから、お互いに惹かれ合ったから。
今、こうして触れ合える。幸せだなって思える。

本当に、ありがとう。
また来年も、再来年も、ずっとずっと、一緒にお祝いしようね。
大好きだよ。えっと…そうだ。我愛イ尓。愛してる。

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