※関連 5スパゲッティー 871-875(鞘師編) 6スパゲッティー 513-516(鈴木編) 7スパゲッティー 185-189(譜久村編) 7スパゲッティー 438-440(飯窪氏編)11スパゲッティー 28-30(石田編) 12スパゲッティー 153‐156(工藤編) 12スパゲッティー 932‐937(小田編)


「鬼ごっこしてくださぁい!」 
「えぇー、またなのぉ」 
「だって、次の回まで時間あるんですよね」 
「・・・もう、仕様が無いなぁ」 
ちょっとだけ眉を下げて困ったような顔をして、でも、にっこり笑って遊んでくれるひと。 
時々ものすごく怒られて、そんなときはちょっと恐いけど、いつもは笑って甘えさせてくれるひと。 
甘えて抱き付くと、優しくって柔らかい笑顔でぎゅうぅぅって抱き締めてくれるひと。 
母より、もっとお母さんみたい。 
道重さん、だぁいすき。 


前は、もうひとり優しいお姉ちゃんみたいな、田中さん・・・たなさたんがいた。 
抱き付くとよしよしって頭を撫でてくれて、それを道重さんがにこにこ笑って見ててくれて、それがとっても幸せだった。 
いつだったか、言い間違いをしてから、田中さんを「たなさたん」って呼ぶようになった。 
だから、不公平にならないように、道重さんを「みにしげさん」って呼ぶようにした。 
ふたりとも、とっても大好きだから。 
ちょっとでも不公平になるようなことはしたくなかったから。 
ふたりの間に挟まって笑ってるときが一番好きだったなぁ。 

だけど、たなさたんは卒業して、時々しか会えなくなった。 
忙しいのは分かってるけど、やっぱり淋しいな、って思うと、みにしげさんがいてくれる。 
「おっきい赤ちゃん」なんて呼ぶんだけど、さ・・・。 
抱き付いたら抱き締めてくれて、膝に乗っかったらあやしてくれて。 
そんなこと、他の人にはできないもん。 
いつまでも、こんな風に甘えられるといいな。 
卒業なんかしないで、ずっとこのままいてくれないかな。 


もちろん、他の人たちも大好きだよ。 
どぅーはとっても頼りになるでしょ。 
はるなんとかあゆみんも優しいし、面倒見てくれるでしょ。 
鈴木さんとか譜久村さんも、甘えさせてくれて、鈴木さんなんかおんぶまでしてくれるでしょ。 
鞘師さんや生田さんも、ダンスを教えてくれたり、練習に付き合ったりしてくれるでしょ。 
小田ちゃんも、一緒に歌の練習とかしてくれるでしょ。 
みんなみんな、まーちゃんに優しくて、だからとっても大好き! 
モーニング娘。がとっても大好き! 


だけどね、最近、おかしなことがあるんだ。 
前はにこにこ笑ってただけの筈なのに、生田さんが、みにしげさんに甘えに行くと 
「あんまり甘えてると道重さんが疲れちゃうでしょ」 
って、まさを引っぱがすことがあるの。 
「ちょっとだけだし、そんなにしなくても・・・・・・」 
って、どぅーが言ってくれることがあるんだけど、じろ、って強い視線に俯いちゃったことがあって。 
それをみにしげさんが見て、生田さんを 
「大人げないことしないの!」 
って怒って、今度は生田さんが泣きそうになっちゃったことがあって。 

でも、ね。 
そういうとき、大抵、気がつくとふたりとも居なくなっちゃうことが多いんだぁ。 
あれ?って思ってはるなんに聞くと、 
「大丈夫でしょ」 
って、ちっとも気にしてないの。そして、 
「まーちゃん、それよりさ、この漫画なんだけどね・・・」 
って、他の話が始まっちゃうことがあるんだ。 
はるなんがしてくれる漫画の話や、あゆみんが遊びに行ったときの話が面白くって、それを聞いてるうちに、 
ふたりともいつの間にか戻ってきてて、いつの間にかみんなが揃ってたりするの。 

いっぺんだけ、ふたりがいないのに気がついて、ぱぁって探しに行ったことがあってね。 
そのときは、いつもは膝に乗っけて甘えさせてくれるみにしげさんが、生田さんの膝に乗っかってたの。 
ふたりでこそこそ内緒話なんかしてたんだけど。 
あのときのみにしげさん、生田さんに抱えられたおっきな花束みたいだった。 
その後は・・・あゆみんに両目をふさがれて、はるなんが口をふさぎながらそぉっとドアを閉めて。 
「これは、3人だけの秘密だからね。誰にも言っちゃ駄目だよ!」 
って、はるなんとあゆみんとまーちゃんで指切りげんまんしたっけなぁ。 
・・・でも、なんで秘密にしなきゃいけないんだろ。 
あんなに綺麗なみにしげさん、見たことないからどぅーにも話したかったのに。 


「あれ?みにしげさんと生田さん、どこ行っちゃったんだろ?アイス、溶けちゃうのに」 
休憩時間もそんなに無いのにな、って思ったら、はるなんが 
「気にしなくてもいいんじゃない。あ、そうそう、ふたりとも戻ってこなかったらさ、溶ける前にどぅーとアイス食べちゃいなよ」 
って言うから、今日はふたつ食べられるかな、って思ったけど。 
もうすぐひとつめを食べ終わる頃に、ふたりとも戻ってきたんだ。 
「あらら、まーちゃん、道重さんと生田さんが戻ってきたからアイスはひとつだけね」 
って、はるなん。 
「えー、何々、そんな話してたのぉ?」 
「だって勿体無いじゃないですか。まーちゃんとどぅーならふたつ食べても大丈夫だし」 
「で、さゆみ達の分が無くなっちゃう、って訳?」 
「溶けちゃったら仕様が無いですからね。道重さん、溶けたアイス、飲みます?」 
「うーん、それもヤだなぁ・・・」 
「でしょ?」 

でも、もうひとつ食べたかったな、って思ってたら、 
「あらら、佐藤、そんなに残念な顔しないの。ほら、ひと口あげるから」 
って、多めにスプーンにすくって食べさせてくれた。 
そのままみにしげさんがアイスを食べだすと、生田さんが不満そうに 
「えぇー、道重さん、えりなにも食べさせてくださいよ」 
って言って、 
「何言ってんのよ、あんたは」 
って呆れられてた。 
生田さんの食いしん坊さんだったっけ?って、ちょっと思った。 
だって、みにしげさんと生田さんのアイス、同じだったんだもん。
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