達成感?実プレイ?何の事です?

対応レベル:4〜6



導入

PCが街を歩いていると、遠くの通りから素晴らしい音色が聞こえてくる。
そちらに向かうと黒山の人だかりが出来ている。
通行人に話を聞くと高名な吟遊詩人の一家が興行していると教えてくれる。

その一家は有名なのでPCも噂を聞いたことがある。
音楽家の夫婦の間に生まれた息子ルナは生まれつき重度の障害を負っていた。
しかし両親と自分自身の努力によって楽器演奏の技術を身につけた。
その他の分野でも優れた才能を示しているためルナ少年は「奇跡の詩人」と呼ばれているらしい。
彼ら一家は恵まれない人々を力づけるため、数年前から各地を旅して命の尊さを歌っている。

人だかりに割り込めば、母親に支えられながら竪琴を奏でる少年の姿を目撃できる。
演奏を聞いていた人々はその技術だけでなく親子の絆にも感動し、賞讃の声を送る。
一家はその日の演奏を終えると、聴衆に丁寧に礼を告げ去っていく。

聖戦士の依頼

PCが冒険者の店に戻ると、高額報酬で極秘の依頼が舞い込む。
依頼人はロバートという名の聖戦士で、依頼内容はなんとあのルナ少年の暗殺だった。
ロバート(人間、男、32歳)
冒険者技能:ファイター5、プリースト4
ファリスを崇める聖戦士。邪悪は抹殺すべしという信念を抱いている。

ロバートはあの一家に関わる重大な秘密を語る。
実はルナは生まれつき虚弱で、数年の命しかないと医師に診断されていた。
その事実に耐え切れなかった両親は古代遺跡で魔界の力に頼った。
ある特殊なデーモンをルナの肉体に憑依させることで高い生命力を与えたのだ。

楽器演奏をはじめとする超人的能力の数々はデーモンの力の一端に過ぎない。
厄介なことに両親は自ら記憶を改竄し、息子がれっきとした人間だと信じきっている。
聖戦士はルナが悪魔だとこれまで何度も説得したが、両親は聞き入れようとしなかった。

ルナに憑依しているデーモンは専守防衛の呪いのため人を襲うことができない。
しかしデーモンのような不自然かつ邪悪な存在を認めることはできない。
もう強行手段しかない。デーモンは強いので私に力を貸してくれ・・・と聖戦士は頭を下げる。

PCが聖戦士に味方するか、一家に味方するかは自由に選べる。

魔神の力

ロバートの依頼を受ける場合、念のため夜間はルナ一家の泊まっている宿を見張るように言われる。
あくまで見張りであるので、依頼人のロバート自身は手伝わない。
なお、一家はこの街に1週間ほど滞在する予定になっている。

見張りを続けて数日目の夜、なんと宿に盗賊グループが侵入しようとする。
PCは知る由もないが、巡業で集まった大量の銀貨を狙った盗賊ギルドの下っ端。
そいつらはPCに気づかないまま一家の泊まる部屋へと忍び込んでいく。

もしPCが傍観するなら、一家の中でルナだけが目を覚まして盗賊の足にしがみつく。
盗賊は邪魔なルナを殴りつけるが、それで反撃の条件解除。
4人いた盗賊はあっという間にルナに皆殺しにされる。
ルナは同士討ちで盗賊が全滅したように偽装工作すると再びベッドに戻る。
夜が明けると、高名な詩人の一家の部屋で起こった怪事件として街中の噂になる。

なおPCが介入した場合はルナは本性を見せずに見物に徹しようとする。
もし両親が起きて事件を目撃してもルナを疑うようなことは絶対にない。
両親はどんな事態が起こっても自分らの都合のいい真実を作り出すことができる。

決戦

ロバートはルナらが街を去る日、街道上で襲撃する案を出す。
PCが別の案を出して有効であるようならロバートはそちらを受け入れる。
ルナ(魔神憑依人間、男、11歳)
冒険者技能:ファイター7、ダークプリースト7、バード7
外見的には体の不自由そうな少年。しかし心は邪悪な魔神。
見た目に反して身体能力が高く、能力値オール20に相当する。
先制攻撃はできないが、もし襲われでもしたら嬉々として敵を皆殺しにする。
妄想の世界に生きる両親と話を合わせることが一番の愉悦。
わざと邪悪な一面を垣間見せて知らない人間を混乱させるのも趣味。

ルナは戦闘になれば父から護身用のブロードソードを奪い取って戦う。
両親は目の前でルナが激しく動き回ってもなぜか気にならない様子。
しかしルナが少しでも傷つけられると悲鳴を上げる。
一般人であるので戦闘には介入しないが、もしルナが無力化されたら両親は必死で庇おうとする。

もしルナが死んだらデーモンの魂は魔界に帰り、体の不自由な11歳児の死体だけが残る。

冒険の結末

1.ルナを倒した

ルナを倒すことができたならシナリオ達成。1000経験点
しかし両親まで(どちらか一方でも)死なせてしまったら700経験点
両親が健在であっても、もう彼らの脳内フィルターによる自己防衛機能は働かなくなる。
ルナの父母は激しく嘆き悲しみ、今後は悲しみの歌しか歌わなくなる。
また真相を知らない世間ではルナを殺した謎の襲撃者への怒りが燃え上がる。
もしPCが殺人犯だと明らかになれば指名手配は免れない。

2.ルナを庇った

両親を不憫に思って一家を庇うという選択もあり。
その場合、ロバートはPCの手の届く範囲ではルナに手を出すのを控える。
しかしPCが今後ずっと一家を見張っていない限り、いつかはロバートはルナを襲撃する。
明確な解決案を出さない限りシナリオ達成とは見なさない。600経験点

3.傍観した

もし聖戦士にも一家にも組しないとしたら、聖戦士は別の冒険者グループを雇う。
その場合、ロバートらは返り討ちに遭い全滅。
一家は何事もなかったかのように旅を続ける。500経験点

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