達成感?実プレイ?何の事です?

対応レベル:2〜4



導入

PCはある村の領主に手紙を届ける仕事を受けたとする。
その村には何事もなく到着するが、領主の屋敷はどこか沈んだ雰囲気。
手紙を受け取った領主はPCに依頼を持ちかける。

領主にはソフィアという名の美しい娘がいるが、彼女が数日前から部屋に閉じこもるようになった。
理由を尋ねると、顔に醜い出来物が広がってしまったのだという。
お抱えの薬草師に診てもらっても原因は不明だったが、
彼の娘で助手を務めるゲイルによるとこの症状に効く薬草が裏山にあるらしい。
薬草の形は彼女しか知らないそうなので、護衛をつけて探しに行こうという話になった。

と言っても小さな村であるため、頼りになりそうなのは騎士見習いの少年アランしかいない。
裏山にはオーガーが棲んでいるという噂もあり2人だけでは非常に心配だった。
なので、どうかPCも一緒について行って欲しいと領主は語る。
領主(人間、男、40歳)
一般技能:ノーブル3
面倒なので名前なし。小さな村を治める庶民派の貴族。娘を可愛がっている。
ソフィア(人間、女、16歳)
一般技能:ノーブル1
領主の娘で村一番の美少女。天然お嬢様。下の2人とは幼馴染み同士。
アラン(人間、男、17歳)
冒険者技能:ファイター1
領主の家に仕える騎士見習い。ソフィアに想いを寄せる熱血少年。
ゲイル(人間、女、17歳)
一般技能:ヒーラー2
領主お抱えの薬草師の娘で助手。アランに想いを寄せているが顔は醜い。陰気。

なお、ここでPCが診察を申し出たとしてもソフィアは丁重にそれを辞退する。
思春期の少女としては自分のひどい顔を他人に見られたくないのは当然。

裏山の探索

領主の依頼を受けるならPC、アラン、ゲイルの一行が裏山に向かうことになる。
アランは「お嬢様、必ず薬草を見つけてきます!」と大張り切りだが、
ゲイルはPCに対しても無愛想で本心が見えない。ちなみに顔はゴブリン並にひどい。
村でも彼女は疎外されている様子で、注意して見ていると彼女に普通に接する村人はアラン以外ほとんどいないことがわかる。

翌朝の出発時には領主や家臣らが一行の無事を祈りながら見送ってくれる。
以降は山探索モード。ランダムで狼やオーガーに襲われたりする。
このあたりはGMが適当にマップを作成しておくように。
なお薬草探し担当のゲイルに任せるなら彼女は暗く危険そうな方向の道ばかりを選ぶ。
PCが薬草を探しても構わないが、それらしい草は決して見つからない。

日が暮れかかった頃、ゲイルは変わった形の草を発見する。
目的の草が見つかったらしいが、彼女は素早くそれを鞄に隠してPCの目から隠す。
ここでPC全員が冒険者技能+敏捷度ボーナスを基準値として目標値14の成功ロール。
成功したなら、彼女が隠した草がその日何度も目にしたありふれた種類の草だと分かる。

その事実を指摘しても、ゲイルは醜い顔を歪めてこれで合ってると強弁する。
どんなに問い詰めても単なる雑草だとは認めようとしない。
アランも彼女の腕は確かだと援護し、PCの勘違いだろうと仲裁に入る。

すぐに日が落ちるので一旦キャンプすることになるが、
草の件を強く問い詰めていた場合のみ、ゲイルは観念してPCに真相を告白してくる。

事件の真相

深夜、アランが眠っている時間帯、ゲイルは起きているPCに密かに真相を語る。
醜い顔が焚き火で照らされて悪魔のようだ…とGMは不気味さを演出するように。

表面的には階級を越えた友人同士だったが、実はゲイルはソフィアに対して激しい嫉妬と憎しみを抱いていた。
美しさ、地位、富、人気、清らかな心、アランからの愛情……彼女が望んでも得られない多くのものをソフィアが持っていたからだ。
幼い頃から抱いていた嫉妬の心は、もはや邪神ゴーヤマーの声を聞けるまでに燃え上がっていた。
ゲイル(人間、女、17歳)
冒険者技能:ダークプリースト5
醜い薬草師ゲイルの真の姿。ソフィアを嫉妬し憎悪するゴーヤマーの暗黒司祭。

彼女は数日前、ソフィアに暗黒魔法ジェラシック・タッチをかけ、その美しさを奪った。
そして特効薬となる薬草が裏山にあると嘘をついた。
その目的は騎士見習いアランに功績を立てさせるためだった。
なんの効力もない草だがそれを飲ませると同時に呪いを解除するつもりだった。
そうすれば、危険な裏山から薬草を取ってきたアランは領主とソフィアから大きな賞讃を受けるだろう。
もしかすると正式に結婚を許されるかもしれない。
(ゲイルがわざと危険な道を選んでいたのは大変な任務だったことにするため)

実はソフィアに対する嫉妬よりも、アランに対する愛の方が遥かに大きかった。
どんなにソフィアを苦しめても、彼女を愛するアランも同じだけ苦しむだろう。
ゲイルはこのような板挟みに耐え切れなかった。
なのでこの件が解決したら村を出て二度と戻らないつもりだった。

どうかこの話はアランには黙っていて欲しい、とゲイルは涙を流しながらPCに懇願する。

正義の使徒

薬草を手に入れた翌日、屋敷へ戻るとなぜか使用人たちに取り囲まれてしまう。
今朝たまたま村を訪れた旅のファリス司祭がソフィアの症状をゴーヤマーの呪いだと見抜いたのだという。
ファリス司祭(人間、男、42歳)
冒険者技能:プリースト3、セージ3
面倒なので名前なし。独善的かつ狭量なファリス信者。
たまたま通りすがっただけのくせに嫌がるソフィアを無理やり診察した。
妙に勘が鋭く、ソフィアの症状が毒でも病気でもなく呪いの影響だと気づく。
しかも事情を聞いてゲイルが暗黒司祭だと見抜く無駄な有能ぶり。

出てきたファリス司祭曰く、「そこの醜い娘がゴーヤマー司祭だろう」
「何を企んでいるかは知らんが、私の前で邪悪を為せるとは思わんことだ!」

そこに布で顔を隠したソフィアが現われ、私の友達を侮辱するのは許さないとファリス司祭を怒る。
ソフィアは「採ってきた薬草を早く飲ませて」とゲイルに信頼しきった声をかける。

冒険の結末

1.採ってきた薬草を飲ませる

ゲイルはソフィアに薬を飲ませると、密かにリムーブ・カースを唱えて呪いを解除する。
顔が元に戻って一同大喜びだが、ファリス司祭は「早すぎだろ!」と常識的なツッコミ。
正体が薄々気づかれはじめたゲイルはそのまま密かに村を去っていく。
ファリス司祭はそれを追うが、2人が出会えば戦闘になりファリス司祭が負ける。
これをどうするかはPC判断。
この事件の数週間後、アランは功績を認められソフィアとの結婚を許される。
2人はいつまでも幸せに暮らす。1000経験点

2.ファリス司祭に寄り添う

PCがファリス司祭に同調する態度を見せるようなら、ゲイルは開き直り暗黒司祭だと自白する。
その場で戦闘開始。ゲイルが死ねば呪いは解けてソフィアの顔は元に戻る(生け捕りにしても隙を見て自殺する)。
ファリス司祭は大満足だがソフィアは大きなショックを受け、以前の明るい性格は失われてしまう。
暗黒司祭の父ということになってしまった薬草師は心労に耐えかねて服毒自殺する。
また暗黒司祭と親しくしていたという理由でアランも村八分にされるようになる。
やがて彼は逃げるように村を去るはめになる。700経験点

3.その他

別の展開になった場合はGMが成功か失敗か判断。
なおゲイルは恒常的に嫉妬と憎悪を抱いているので、センス・イービルを受けると必ず反応する

このページへのコメント

まだファリスバッシングをしてる人がいるんですね。山本作品ばかりでなく水野先生や清松先生の小説も読むようにして下さい。では、また。

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Posted by 某 2008年06月21日(土) 14:24:20 返信

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