アイドルマスター シンデレラガールズに登場するアイドル「村上巴」のWikiです。

あらすじ

セリフ
オフの日。ゾンビ映画を楽しんだ涼と小梅は、ありすと巴を加え、貸しスタジオへとやって来た。 3人と話す中で、これまでを振り返る涼。彼女の歩んできた道にはいつも歌があった。3人と別れ、 夏樹と合流する涼。演奏に乗せ、叫ぶのは過去と今。 自分が選んで進んできた先━━アタシはここにいる。

本編

セリフ
━━50話 - That's why I'm here
涼「ハァ、ハァ……。クソっ、いったい外はどうなってるんだ……!」
小梅「ひゅー………ひゅー………。ひゅーーー……。」
涼「だ、大丈夫だ。安心しろッ。この地下室なら絶対安全だ!あんなッ、あんなノロマなゾンビどもにあのドアは壊せっこない!フットボールの選手が束になったってビクともしないさ!」
小梅「…………。…………ぁぁぁぁ……。」
涼「……は、はははっ。オイ。オイオイオイ、なあ、冗談キツイぜ?いつまでエイプリルフールでいるつもりだ?」
小梅「あぁあおおおううぅぅ……。」
涼「そんなっ……お前までッ……!ああっ、クソ!やめろッ、やめてくれ!あッ、あああ!」
小梅「うがーーーー!!」
涼「NO-ーーー!!」
小梅・涼「あれ?ん?」
ありす「わ、わあーーーー!」
涼「ありすッ!?おい、どうした?フライパンなんか持って。」
ありす「はい、橘です!だ、だって、さっき悲鳴が……!強盗が……!」
小梅「強盗……いないよ?そんなひと……。」
ありす「……へ?」
涼「悲鳴……あぁ、そういうことか。悪い、ありす。驚かせちまったな。アタシたち、ちょうど映画観てたとこなんだよ。な?」
小梅「うん……ゾンビの映画。それで、この映画、吹き替えがないから……。ふたりでアテレコしてたの。」
ありす「ま、待ってください。整理します。その……つまり、ですね。………私の勘違いですか?」
小梅「ごめんね、ありすちゃん。迷惑かけちゃって……。あと……心配してくれて、ありがとう……。」
ありす「あ……ええと、こほん。いえ、大丈夫です。私も早計でした。何事もなかったのなら、それでいいです。」
涼「ありがとな。そう言ってもらえると、こっちも気が楽だ。……しかし、ありすもロックじゃないか。強盗がいる部屋に、武器持って飛び込んでくるなんて。」
ありす「これは……その、たまたまキッチンにいたものですから。料理の練習に場所を提供してもらおうと思っていまして。」
ありす「まぁ、私のことはいいです。それよりも……涼さんと小梅さんは本当に仲がいいんですね。オフの日も一緒にいるなんて。」
小梅「意外、かな?」
涼「まあ、出身も違うし歳も離れてるしな。ありすが首を傾げるのもわかるぜ。」
小梅「仲良くなれたのは……偶然。出会った時のこと、今でも覚えてるよ。」
ありす「へえ………素敵な出会いの物語があったんですね。よかったら、聞かせてもらえませんか?」
涼「それじゃあ、ちょっと思い出話といこうか。あれはアタシが事務所に入ったばっかりの頃だったな……。」
涼「ふう……ハードなんだな、ダンスって。体力はそこそこあるつもりだったんだが……。」
小梅「プロデューサーさん、どこかな……。名作ホラー映画……一緒に観て、お喋りしたい……。」
涼・小梅「おっと。ひゃっ。」
涼「ごめんな。怪我してないか?」
小梅「だ、だ、大丈夫です。ご、ごめんなさい。私、よそ見してて……。あ、映画………拾わないと……。」
涼「手伝うよ。割れたりしてなきゃいいんだが……。ん……おぉ、この映画、懐かしいなー。……よし、パッケージも中身のディスクも大丈夫だ。」
小梅「あ、ありがとう、ございます……。あ、あの……こ、この映画、知ってるんですか?」
涼「ああ!もう何度も観たよ。特に高速のシーンなんか……っと、危ない。もしかして、まだ観てなかったりするか?」
小梅「う、ううんっ。大丈夫、ですっ。いっぱい、いっぱい観ましたから……あそこのゾンビ、かわいくて……。」
小梅「じ、じゃあ、こっちの映画は……?ちょっと昔の作品なんですけど……。」
涼「おお、これか!ははっ、なかなか渋いチョイスだな。チェーンソーの音がイカしてるんだよなー。それに、フィルムの粗い画質がまた雰囲気出てて。」
小梅「うん、うんっ!映像も音楽も、不気味で素敵……えへへ。」
涼「ははっ、いい顔するじゃないか。おっと、まだ名乗ってなかったな。アタシは松永涼。涼でいいよ。よろしく。」
小梅「白坂小梅、です。よ、よろしくお願いします。り……り、り、涼さん……。」
涼「あぁ!よろしくな、小梅。」
小梅「えへへ……。……え?……あ、そうだね。あの、涼さん。あの子も、ご挨拶したいって……。」
涼「あの子?んー……ここにはアタシたち以外、誰も……。」
小梅「い、いますよ?……ほら、ちょうど涼さんの後ろに……ふふ、ふふふ……。」
涼「……え。」
ありす「そんなことがあったんですか……。なんだかドラマみたいですね。……最後のほうは、よくわかりませんでしたけど。」
涼「人生なんて、そんなもんさ。何がきっかけでどう転ぶかなんて、わからないもんだ。それこそ、アタシたちがアイドルになったのもな。」
小梅「そう、かも。涼さんは、スカウトされたんだよね。プロデューサーさんに。」
涼「ああ。ハコで……LIVEハウスでな。ステージもバイトしてるとこも見られちまったよ。確か、小梅はオーディションだったな。」
小梅「うん。最初はムリだと思ったけど、歌うことが楽しかったから……。ありすちゃんは、どうしてアイドルになったの?」
ありす「私はスカウトです。アイドルには、あまり興味はありませんでしたけど……。将来は歌や音楽に関わるお仕事をしたかったので、その勉強に。」
涼「へぇ。歌う仕事がしたかったってのは初耳だな。」
ありす「そうですね。あまり話す機会もないことですから。」
ありす「その……歌や音楽には、力があると思うんです。演奏する人や、演奏を聴いた人の心を動かす、なにか特別な力が。適切な言葉で伝えられないのが、もどかしいですけど……。」
涼「特別なカ……か。ふふっ。」
ありす「な、なんですか。ちゃんと答えられないなんて、子どもっぽいとでも?」
涼「あぁ、悪い。そうじゃないよ。アタシも同じクチだから、ついな。」
ありす「涼さんも……。あ、すみません。子どもっぽいなんて言って……。」
涼「構わないよ。実際ガキさ。お気に入りのものを誰にも取られたくなくて、ずっとダダこねてるんだ。ロクな大人じゃあないな。」
ありす「つまり……その、子どもをこじらせてしまったんですか。」
涼「あははっ、言うじゃないか!でも、その通りだな。」
涼「まぁ、そういうヤツもいるってことさ。世の中は広い。理屈じゃ説明しきれないこともある。その歳で、それを知れただけでも儲けモンじゃないか?」
ありす「理屈ではないこと……。そうかもしれませんね。アイドルの活動をしていると痛感します。」
小梅「そうだね。あ……それに、他にもあるよ。説明できないこと。幽霊とか……。」
ありす「幽霊?そんな非科学的な存在、いるはずありません。理屈以前の問題です。議論の余地も……。」
ありす「ひゃっ!?」
ありす「え……えっ?急に大きな音が……!こ、こ、今度は窓がガタガタって!」
涼「お、おい、小梅……?これって……。」
小梅「ふふふ、ふふ……。」
ありす「と、とにかく!幽霊さんは、いないと思いますので!えっと、あの、失礼します!!」
小梅「あ……行っちゃった……。あ、フライパン置きっぱなし。」
涼「ありすのヤツ、大丈夫か……?いや、アタシもマジなヤツは止めて欲しいけどな。はぁ……。」
━━映画鑑賞後
小梅「はぁぁぁ……。楽しかったぁ……!やっぱり、名作は何回観てもいい……!」
涼「だな!って、もう昼過ぎか。どうりで腹が空くわけだ。よし、どっか食べに行こうぜ。」
涼「あ、そうだ。途中、事務所に寄ってくか。たぶん、アイツのレッスンも終わったころだろ。」
小梅「アイツ……?………あ。」
━━事務所
巴「なにぃ!?改良版……じゃと……!?」
ありす「はい。まだ研究中ですが、完成したあかつきには、ぜひ巴さんにも……。」
巴「それはこっちも望むところじゃ。橘流の心意気、楽しみにしとるぞ!」
涼「おっ、ドンピシャだったな。おはよう、巴。っと…ありす?」
巴「おお、涼の姉御に小梅!」
ありす「あ……どうも。」
小梅「今日はよく会うね……。もう落ち着いた?」
ありす「わ、私はいつでも冷静です。さっきは突然のことだったので、少し動揺しましたけど……。」
巴「なんの話をしとるのか、わからんが……まあ、ええわ。姉御たちはなんで事務所に来たんじゃ?今日は休みじゃろ。」
涼「ああ。そろそろ巴のレッスンが終わったころだと思ってね。よければ一緒に飯でもどうだ?」
巴「まさか……うちを誘いにきてくれたんか?そりゃ、また……ううむ、そうか……。」
小梅「もしかして……忙しい?」
巴「ああ、いや、そうじゃないんじゃ!断る気ぃはこれっぽっちもない。喜んで、ご相伴させてもらおう。」
涼「決まりだな。ありすも一緒にどうだ?」
ありす「私も、ですか?いいんですか?」
涼「ああ!どうせ食べにいくなら、人数が多いほうがいいからな。」
ありす「そういうことでしたら……その、はい。お断りするのも悪いですし、私の用事も済みましたから。事務所のキッチンの使用許可ももらったので。」
涼「よし、それじゃあ行くぞ!何か食べたいもの、あるか?」
小梅「うーん……何がいいかなぁ……。」
ありす「私は……あ、そうですね。パスタを提案します。」
巴「うちが誰かと飯に行ったなんて知ったら、親父たちがまた騒ぎそうじゃなぁ。まったく、こそばゆいのぉ……。」
━━街中
涼「そういえば、巴。今日のレッスンはどうだった?本格的な演歌の歌い方を教わったんだろ?」
巴「ほうじゃ。いや、演歌っちゅうのは本当に奥が深い!改めて思い知らされたわ!」
涼「ははっ、その様子じゃあ相当充実してたみたいだな。」
巴「おう!レッスンルームの空きがあれば、もっと歌いたかったくらいじゃ。」
ありす「巴さんがそこまでいうなんて……興味深いですね。」
小梅「うん。巴ちゃんの演歌、聴いてみたいな。」
涼「なら、こういうのはどうだ?腹ごしらえが済んだら、歌いに行くってのは。」
巴「おお、うちは賛成じゃ!」
小梅「私も、いいよ。」
ありす「私も異論ありません。それでは、カラオケのお店に予約を……。」
涼「いや、待った。歌うんだったら、もっといいところを知ってるぜ。」
巴・小梅・ありす「いいところ?いいところ?いいところ?」
━━レンタルスタジオ
小梅「わぁ……ここが貸しスタジオ……!」
ありす「レッスンルームとは随分、雰囲気が違いますね。建物の入り口も、色んなバンドのポスターがいっぱいで……。」
巴「楽器も貸出しとるんか。ドラムとキーボードくらいはわかるが……あれはギターか?涼の姉御の電話が終わるまで、触らんほうがええな。」
涼「……ってわけだ。メッセージ聞いたら連絡くれ。時間は長めにとってある。なんなら直接来てくれもいいぜ。じゃあな。」
涼「悪い、待たせたな。どうだ、スタジオの感想は。音楽やるにはいい場所だろ?」
小梅「うん。ちょっと狭くて……落ち着く広さ。涼さんは、こういう所でバンドの練習してたんだね……。」
巴「ほお、涼の姉御はバンドをしとったんか。」
涼「昔の話さ。お……なんだ、ありす。そんなにギターが気になるか?」
ありす「あ……その、あまり間近で見たことがないものですから。今後の参考のために……。」
涼「ははっ、そっか。なら……参考ついでに弾いてみるか?どの楽器でも、初歩の初歩くらいなら教えてやれるぜ。」
ありす「……本当ですか?」
小梅「じゃあ、私も……!」
巴「せっかくじゃ、うちも頼む!」
涼「よし、わかった。じゃあ、歌う前にバンドの練習でもするか!」
━━バンド練習後
涼「もしもし?」
夏樹「よう。パーティーはもうお開きだったか?」
涼「まさか。ツレたちを送ってきただけさ。こんな時間まで連れまわすわけにもいかないからな。」
夏樹「そりゃよかった。ハコん中、あっためとくぜ。」
涼「ハコか。ははっ、そりゃあいいな。」
涼「おう。随分とゆっくりだったな。もしかして、デートだったか?」
夏樹「まぁ、そんなとこさ。後ろに乗っけたやつが、安全運転しろってうるさくてね。そっちはどうだったんだ。」
涼「似たようなもんさ。相手は3人だったけどな。」
夏樹「ははっ、いい女はオフの日も大変だな。」
涼「お互いにな。しかし……オフの日、か。ここで歌ってたときは、そんなもの考えたこともなかったよ。」
夏樹「本当、いいご身分になっちまったよな。お互いに。」
涼「まったく。すっかり、贅沢なぬるま湯に浸かってるように見えるかもな。」
夏樹「かもなぁ。」
涼「なあ、夏樹。」
夏樹「なんだ?」
涼「ナメてもらっちゃ困るよな。」
夏樹「……あぁ、困るな。ロックもアイドルも、ナメてもらっちゃ困る。」
涼「だな、アタシたちはぬるくない。さて……いつもどおり、まずはセッションでもするか?」
夏樹「いや、弾くのはアタシだけでいい。」
夏樹「涼は歌えよ。そのために、ここにいるんだろ。」
涼「悪いな。なら遠慮なく……歌わせてもらうぜッ!」
━━LIVEへ
━━LIVE終了後
涼「……ありがとな、プロデューサーサン。アタシに歌う場所をくれて。いや……アタシが歩いてきた道を、無駄にしないでくれて。」
涼「別に過去が恋しいわけじゃないさ。ただ、捨てたいのかって言われると違うんだ。生まれも育ちも、バンドの思い出も忘れようとは思わない。」
涼「過去があって、今のアタシがいる。自分が選んで進んできた場所で、アタシはここにいるって叫んでるんだ。」
涼「たったそれだけのことが……なんだか、たまらなくてね。」
涼「おっと……はは、なんだろうな。ちょっとセンチになっちまった。らくないな。……さ、打ち上げいこうぜ!」
[……涼]
涼「ん?なんだい、プロデューサーサン。」
[いい歌だった]
涼「ヘヘ…おう!」

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