| セリフ |
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| 第2話 - 土の香りと陽の光 |
| (レッスン初日) |
| ベテラントレーナー「よし、さっそく始めるぞ。まずは、基礎からだ。お前たちの能力を見せてもらおうか。」 |
| 柚「へへー、基礎ぐらいヨユーヨユー。今までずっとプロデューサーサンとレッスンしてきたんだもん!はやく次のステップに進んじゃおー!」 |
| 比奈「うーん……。そんな上手くいきまスかねぇ……。」 |
| ベテラントレーナー「やればわかる。さぁ、はじめ!」 |
| 巴「普段通りにぜんぜん動けん……!なんじゃ!狭っ苦しいのう!」 |
| 裕美「や、やっぱり……。私、みんなの足手まといになっちゃってた……。」 |
| ベテラントレーナー「……ふむ。初めてならこんなところだろうな。気長にやるしかない。その為のレッスン期間だからな。」 |
| 肇「そうですよね。ユニット初心者として、学ばせていただきます。」 |
| (TOUCH:一歩ずつ進んでいこう) |
| 巴・裕美「はい!」「はい!」 |
| 柚・肇・比奈「はい!」「はい!」「はい!」 |
| (レッスン2日目) |
| 柚「比奈サン、びっくりするぐらい身体硬いね。もう一回押すよー。……よいしょっと!」 |
| 比奈「あだだだだだだっ!ちょ、も、もうちょっと手加減を〜!レッスン前から動けなくなったら、洒落にならないっスよ!」 |
| 肇「柚ちゃん。よければ私の背も押してもらえないでしょうか。」 |
| 柚「はいはーい。柚にお任せ〜。…………にひ♪こちょこちょこちょこちょ〜。」 |
| 肇「へっ!?あ、ちょ、ちょっと!柚ちゃん、や、やめ、あ、あはははっ!す、ストレッチ、し、しなきゃ、あ、あぁっ!」 |
| 比奈「いや……あの、柚ちゃん。肇ちゃん、ビクビクしてまスし……そのぐらいでやめてあげたほうが……。」 |
| 柚「うりゃうりゃうりゃうりゃ!こっちか!こっちか!」 |
| 肇「あっ……あのっ……柚ちゃ〜んっ!や、やめてください〜!」 |
| 比奈「あーあー……。真面目な肇ちゃんとお気楽な柚ちゃん……なんか対照的っスね。これから仲良くできるのかな……。」 |
| ベテラントレーナー「今日は3人か。ストレッチが済んだら始めるぞ……ん?お前ら、何を遊んでいるんだ……。」 |
| ベテラントレーナー「ファイブ、シックス、セブン、エイト!そこまで!」 |
| 比奈「はー、はー。いやー、これくらい、軽いっス、軽い、軽い……。」 |
| 柚「ふぃー。あ、肇チャンのダンスさー。なんかもっとこう、ヒュンヒュンって動いた方がよくない?あ、もっとセクシーにお尻振ったりとか〜♪」 |
| 肇「ひゅ、ヒュンヒュン?せくしー?えっと……すみません、柚ちゃん、もう少しわかりやすく……。っと、えっと、こ、こうでしょうか……?」 |
| 比奈「あ、肇ちゃん、それたぶん適当に言ってるだけなんで、あんまり気にしない方が……。ああ、どんどんリズムが崩れて……。」 |
| ベテラントレーナー「…………うーむ。これはもうダンスレッスン以前の問題というべきか……。プロデューサー殿。これは時間が掛かりますよ。」 |
| (TOUCH:まずは、もっと基礎からやりますか) |
| ベテラントレーナー「ふむ……。もっと基礎、か……。そうですね。時間もありますし。よし、お前ら、仲良くランニングでもするか。」 |
| (土手) |
| 比奈「はー。なんていうか、青春て感じっスね……。いまはもう、遠い思い出っスけど……。」 |
| 柚「……わかるわかる!アタシも、バド部でよくこうやって走ってた〜!最近走ってなかったから、なんか懐かしいな〜。」 |
| 比奈「あー……自分は運動部じゃなかったんで、みんな走ってたなーって感じっスけど……。肇ちゃんも、わかりまス?」 |
| 肇「私は、早く帰って窯にこもっていたので放課後にそういう経験をしたことはありませんね。ですが、なんだか、新鮮で気持ちがいいです。」 |
| 比奈「ふぅ……はぁ……ぜぇ……。げ、限界っス……、ひきこもりに、スポ根はちょっと……。す、少し、休みません……?」 |
| 肇「そうですね。ちょうどいい時間ですし、お昼ご飯に戻りましょうか。」 |
| (食堂) |
| 比奈「アタシは……うぇ。いまは食べれそうにないんで、少し休んできまス……。ふたりは、食べちゃっててください……。」 |
| 肇「そうですか。……じゃあ、元気になったら来てくださいね。柚ちゃん、いきましょう。」 |
| 柚「かまぼこ、もーらいっ!」 |
| 肇「あっ!もう、柚ちゃんってば……ふふっ。じゃあ、お返しに私もなにかもらっていいですか?」 |
| 柚「んー、いいよー。っていうか、そういうのは、聞く前にとっちゃわないと!柚のをとれるなら。とってみよー♪」 |
| 肇「……ハンバーグ定食から、ハンバーグをいただくのは、ちょっと……ふふっ。」 |
| 柚「そういえばさー.。肇チャンって、食器とか作ってたんだよね?こういう感じのやつ?」 |
| 肇「そうですね……私がやっていたのは備前の陶芸です。こう、土をこねて形を作って、それを焼いて固めます。器とか、湯飲みなどを作っていました。」 |
| 柚「へぇー、すごいじゃん!あれでしょ、粘土みたいなやつ。テレビで見たことあるよ〜。職人サンみたいじゃん!あれ?んじゃあ、なんでアイドルになったの?」 |
| 肇「それは……。私が未熟者だったから、でしょうか。土を通して、器にこめるべき『なにか』……それを持っていなかった私は……探しに来たんです。」 |
| 肇「アイドルという華やかな、私の知らなかった、憧れの世界。そこで自分を磨いていくうちに、なにかが見つかる気がして。」 |
| 肇「まだまだ、探している途中ですから……今回、それが見つかったら……うれしいですね。」 |
| 柚「ふぅーん……肇チャン、難しいこと考えてるんだねぇー。アタシなんて、ふつーに道を歩いてたらプロデューサーサンにスカウトされただけだよっ。」 |
| 柚「歌って踊って、アタシは楽しいし?お客さんも楽しそうにしてくれたら、超嬉しいしっ!それでいっかなーって。へへぇ、肇チャンには怒られちゃうかなー?」 |
| 肇「いえ……怒るだなんて、そんな。自分もお客さんも楽しい……。それは、とっても素敵なことだと思いますよ。」 |
| 柚「えへへ。ありがとー。そうだよねー。何事も、楽しいのが一番!今回は、肇チャンとみんなと楽しいのが、超一番!」 |
| 肇「超一番、ですか。ふふっ。」 |
| 比奈「ふぅ……やっと復活してきたっス……。あれ、ふたりとも、なんだか楽しそうっスね。」 |
| 柚「あ、比奈サン。でしょでしょ〜?柚チャンのウリは、楽しくハッピー超一番だからね〜。」 |
| 肇「ふふっ、そうですね。柚ちゃんと話していると、私も楽しくなってきます。」 |
| 比奈「はぁ……?なんだかわからないっスけど……楽しそうなんで、よしとしまスか。」 |
| 比奈「アタシも復活したんで、練習再開といきましょ。ちょっとずつちょっとずつ、みんなでやってくっス。」 |
| 柚「みんなで、楽しくね!」 |