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18年10月18日 総会 議事録6

議事録1         10


○陰山委員 立命館大学の陰山でございます。よろしくお願いいたします。
 実は私は今日、日本の学力問題を象徴する一冊の本を持ってまいりました。これを是非とも総理始め皆さんに見ていただきたいと思って持ってまいりました。これは、この春まで私の息子が行っておりました中学校の地理の教科書でございます。その地理の教科書の中で、世界の国々が何か国記述されているか皆さん御存じでしょうか。3か国です。そして、書かれている国は、アメリカ、フランス、マレーシアです。中国も韓国も、勿論北朝鮮もありません。そして、フランス文化の記述ではルーブル美術館は書いてありませんけれども、書いてあるのはフランス料理です。信じられないかもしれませんけれども、フランス料理のメニューが出ています。興味、関心欲を大切にするということは、こういうことになっております。

 都道府県名を学習することは、現在義務教育ではもう既にありません。その結果、現在富士山の位置がわからない教員志望者が国公立で2割、私学にあっては6割であります。
 来年から富士山の位置がわからない教員が学校現場に入ってまいります。これはもう止めようのない現実であります。

 ですから、本当に100 年後というのではなく、私はもう今すぐにでもやらなければいけないと思っています。中教審でもこのことは大分議論しましたけれども、安倍総理がおっしゃっておられるように、もうこの答申を現実化しようと思ったら3年かかってしまうのです。今すぐにでもやれることが幾つもありますので、是非ともそれを実行に移させていただきたいというのが、私の願いであります。

 もう既に山口県山陽小野田市、高知県室戸市、京都府八幡市では、すぐに学力向上プログラムをやれる状態で、もう準備に入っております。室戸市の教育長さんが昨日、高知県の教育委員会の方にやらせてほしいというふうに直訴されましたけれども、現在の指導要領の枠組みを一部曲げることになりますので、国の指示があればOKだという返事でございました。もう今日、OKだけ言っていただければ、私は明日からでもやっていただこうと思っておりますので、それも本当にごく一部なのです。そういうことを是非お願いしたい。もう一点、生活習慣の問題でございます。生活習慣につきましても、今、親子問題等いろいろございましたけれども、何とも国の力でこれがよくなるような方向で御努力いただければと思います。

 どうもありがとうございました。

○野依座長 ありがとうございました。
 それでは、葛西敬之委員、よろしくお願いいたします。

○葛西委員 葛西でございます。私は、この席に御一緒にいらっしゃいます、トヨタ自動車の張会長、その他民間企業の経営者たちが集まりまして、今年の4月から海陽学園という中高一貫校を開校しました。学校教育の使命を考えるとき、「学ぶ」ということと、「思う」ということと、「行う」ということのバランスが大事だと思います。「学びて思わざれば則ち罔し、思いて学ばざれば則ち殆し」。更に「不言実行」ですとか、「知行合一」ですとか、いろいろな言葉がありますが、3つのバランスを取らなければいけないと思います。そしてこのバランスが不全であることが問題の原点です。
 やはり公教育、初等教育でまず第一に学ぶことは「読み・書き・そろばん」などの基礎知識だと思います。そして「思う」というのは、子どもたちにとっては自由な空想であり、それは、読書によってはぐくまれるものだと思います。また、「行う」というのは、学校の子どもたちにとってみれば、遊んだり、あるいはスポーツをしたり、自然を体験するということなのだと思います。今の教育の中で最大の問題というのは、小中学校で基礎知識を徹底的、効率的に学ばせないため、子ども達は放課後に塾で勉強することが日常となっており、その結果として「思う」「行う」といった他のことに充当する時間がなくなってしまっていると思います。

 先ほど総理から御指示がございましたように、学校教育のレベルを上げ、効率を上げて、そしてその他のことに取り組める時間をつくってあげることが大切だというのが、海陽学園のねらいであります。

 そして効率を上げるためには、先生の資質が高いこと、情熱を持って教えるということと、規律を守らせるということが非常に大切であります。いかに規律を守らせるかという点において、日本の教育は今まで欠けていたのではないかということで「海陽学園」では、全寮制を採用し、生徒20人に1人の各企業から派遣された独身の男性社員が、1年間生徒と寝食を共にして指導する仕組みを実験しておりますが、これは何らかの参考になるかもしれませんし、また多くの学校にとって、そこまではなかなか手が届かないという特殊な例になるかもしれません。しかし、問題意識は同じではないかと思います。一生懸命やりたいと思います。

○野依座長 どうもありがとうございました。
 それでは、門川大作委員、よろしくお願いいたします。

○門川委員 京都市の門川でございます。公教育の再生ということを国政の最重要課題として取り組んでいただくことに現場の教育長として本当に、心強く思っております。学校、家庭、地域の教育力の向上が大事であります。学校が、そのための役割を果たさなければならないわけですけれども、親と地域が変わらなければ、子どもは変わないということをまた実感しております。その三者が足りないところを批判し合うのではなく、足りないところを足し合う、そして相互に高め合う。そんな仕組み、きっかけづくりが大事ではないかと思います。連携と共同行動が求められております。
 ただ、私どもは連携というと相手にまず求めてしまう。連携というのは、情報を共有し、課題意識、危機感を共有すると同時に自己変革である。自ら変わらなければ相手が変わらないということで、教職員の意識・行動改革を進め、開かれた学校にしていこうと、学校評議員制度でありますとか外部評価、あるいは京都方式での学校運営協議会の拡大等をしてきました。改革はまだ緒についたばかりですけれども、お蔭様で2万人のボランティアが、何らかの形で学校教育に関わっていただく、子どもたちの安心、安全に取り組んでいただくようになってきました。

 ただ、現実には、まだまだたくさん問題があります。確かに現場に問題があります。同時に、現場に答えもあります。解決への糸口もあります。教職員、親、あるいは地域の潜在能力をどう引き出し、モチベーションを高めていくか。そのために経済界も含めた大人社会全体がともに協力していただく、そんな仕組みづくりが重要ではないかと考えております。

 同時に、たくさんの予算を今、公教育のために使っていただいていることも事実でありますけれども、公的教育費のGDP比率がOECDや主要先進国で最下位であることも事実でありますので、公教育充実のための財政制度も議論していただきたいと思っております。
 以上です。

○野依座長 ありがとうございました。
 それでは、川勝平太委員、よろしくお願いいたします。

議事録1         10

2007年05月30日(水) 07:12:14 Modified by nipponkamoshjka




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