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東の山の奥深くにあるという、廃工場。そこはかつて、古代の機械の生産・整備工場と謂われていた場所だった。しかし、過度なオートメーション化による弊害で、工場は無人になっていた。そして、整備する者が居なくなったために、工場は瞬く間に荒廃していった。
だが、此処には奇妙なウワサがあった。工場に近付いた人間は必ず行方不明になると。
マルファ「ここから先が、問題の廃工場だ」
そう言って、マルファ達は山道を外れ、獣道へと入って行く。するとその先には、廃墟のような古い建物があった。この廃工場探索のため。マルファを始め、イレーヌとソフィア、ステラとステラら、エクソシスターが派遣された。行方不明者の捜索と、忌み地なる前に大規模な除霊を行うためである。
マルファ「此処が……例の廃工場か。」
イレーヌ「真っ暗ね……。」
ソフィア「早く探しましょう。」
ステラ「ちょっと怖い……。」
エリス「なるべく、早めに済ませましょう。」
廃墟の入り口に到着した一行は、懐中電灯を点けた。すると、辺り一面は蜘蛛の巣だらけになっており、壁には得体の知れぬ染みがあった。そして、窓から差し込む光で一層不気味さを醸し出す。そして、マルファは、部屋に3つの扉がある事に気がついた。
マルファ「これは、手分けして探した方が良さそうね。イレーヌとソフィアはあっちを、エリスとステラはそっちから、私はこっちを探す。」
イレーヌ・ソフィア「了解!」
マルファの指示で、一行は手分けして調査する事にした。まず最初に見つけたのは、ステラとエリスの方だった。

エリス「此処にも居ないわね……。」
ステラ「何処に行ったのかしら……?」
2人は廃工場内の部屋を入念に調べて行ったが、やはり無人である事は変わらずだった。そして最後に調べる部屋を後にしようとしたその時、彼女の目に妙なモノが映った。
ステラ「あら?」
それは、機械の蛇のような頭をしていた。
ステラ「何かしら……?」
彼女はそれを調べようと近づいた、次の瞬間。
ギュオオオオオオオオオッ! 蛇は突然動き出し、彼女に襲い掛かった。
エリス「ステラ!!」
咄嗟にエリスは彼女を突き飛ばした。が、 ギュオオオオオオオオオッ!
2人はそのまま蛇に飲み込まれてしまった。そして、そのまま何処かへと消え去ってしまった……。
一方、イレーヌとソフィアの方はというと……。
イレーヌ「此処にも居ないわね……。」
ソフィア「おかしい、所々何かの部品が転がってるわ。」
イレーヌ達は廃工場内を探索していた。しかし、中々人らしき物は見つからなかった。
イレーヌ「まいったわね……ん?」
すると、彼女は床に一枚の紙切れがある事に気がついた。そこには、『ニンゲンノカラダ』と書かれていた。
ソフィア「これって……。」
イレーヌ「……もしかして!」
2人は慌てて部屋を調べ始めた。そして……。
ギュオオッ! 部屋に転がっていた部品に眼をやった時、突然動き出したのだ。
イレーヌ「ソフィア、危ない!」
咄嗟にイレーヌは彼女を突き飛ばし、自らも間一髪で逃れた。
イレーヌ「何よコイツら!?」
ソフィア「分からないけど、とにかく今は逃げた方が良さそう……!」
2人は急いで部屋から出たが、その後を追うかのように、機械の蛇達は襲い掛かる。2人は必死に逃げ続けるが、やがて追いつかれてしまう。
イレーヌ「まずいわ!このままじゃ……!」
2人が襲われそうになったその時だった。二人の足下が崩れ落ち、そのまま落下してしまった。

マルファ「迂闊だった。こんなにも危険な場所だったなんて・・・。」
所変わって、工場の地下。そこにはマルファがいた。彼女もまた、機械の蛇に襲われて、足を滑らせた結果、ダストシュートに落ちてしまったのである。
エリス「マルファお姉様!」
声がする方に体を向けると、そこには、エリスとステラが居た。蛇に呑まれた後、二人はそれぞれ、ミカエリスとカスピテルに変身して、何を逃れたのだ。この変身は、主に除霊用に用いられる。
マルファ「エリス、ステラ。無事でよかった……。」
ミカエリス(エリス)「此処は一体……?」
マルファ「分からない……ただ、かなり深い所まで来てしまったようね……。」
カスピテル(ステラ)「とにかく、早く脱出しましょう。」
そう言うと、一行は出口を探す為、探索を始めたのだった。すると、ドサリと大きな音を立てて、ソフィアとイレーヌが落ちてきた。彼女達も、身の安全のため、アソフィールとジブリーヌの姿に変身して逃れた。
ミカエリス「ソフィア!、イレーヌ!。」
マルファ「二人共、無事で良かった……。」
アソフィール(ソフィア)「マルファさん!皆無事だったんだ。」
ジブリーヌ(イレーヌ)「私達も、大きな怪我は無くて、良かったわ。」
アソフィール(ソフィア)「此処は一体何なの?私達、何かに襲われて……。」
カスピテル(ステラ)「それが……襲われた所までは覚えているんだけど、それ以降の記憶が無いのよ。」
ミカエリス(マルファ)「それなんだけど……実は……。」
マルファは皆に説明した。自分達が廃工場で機械の蛇に遭遇した事と、その蛇に飲まれた事を。そして、吐き出されて捨てられたこの場所は恐らく、廃棄場らしき所である事を。
マルファ「そうか。ならば話は早い。一刻も早く、ここから出よう。」
マルファの言葉に、全員が同意する。そして、彼女達は廃工場から脱出する為、出口を探す事に専念し用としたその時、天井から灰色の霧が降りてきた。
ジブリーヌ(イレーヌ)「な、何!?」
アソフィール(ソフィア)「霧……一体何処から……?」
カスピテル(ステラ)「待って!私達の体に、どんどん入っていく!」
3人はそれぞれ体を見始める。すると、彼女達の体にも灰色の煙が纏わり付き始めた。そして、その煙は瞬く間に彼女達の体を包み込むと、徐々に形を変えていく。
マルファ「これは……!」
ミカエリス(エリス)「う、ウソ!か、体が・・・!」
マルファ達が吸った霧の正体。それは、廃棄された機械整備用のナノマシンだった。そのナノマシンが彼女達の体に取り込まれ、その姿を変貌させる。
マルファ「あ、アがが・・・!から、ダが・・・!」
ミカエリス(エリス)「い、いヤアアア!」
カスピテル(ステラ)「うウ・・・!な、何これエ!?」
ジブリーヌ(イレーヌ)「い、痛い……!体が……!」
アソフィール(ソフィア)「あがが・・・!」
シスター達の体は、内から徐々に機械化されていく。このナノマシンを吸ってしまった為に、除霊用の礼服ごと、彼女達の体を機械と化していく。だが、彼女達には為す術も無く、ただこの地獄のような苦しみに耐える事しかできなかった。
そして、しばらくした後、マルファ達の体は、完全に機械人形にされたのだった。
マルファ「ウウ・・・!迂闊ダッタ・・・。コノ工場二、トンデモナイ秘密ガアッタナンテ・・・。」
ミカエリス(エリス)「モシカシテ、行方不明ニナッタ人達ハ、皆アレヲ吸ッテ・・・?」
カスピテル(ステラ)「ウグ・・・!セ、折角ココマデキタノニ・・・。コンナ目ニ遭ウナンテ……!」
ジブリーヌ(イレーヌ)「ク、悔シイワ……。コンナ形デ、終ワッチャウナンテ……。」
アソフィール(ソフィア)「デ、デモ!マダ手ハアルハズダ。コノ体ヲ使ッテ、私達ガ無事ダッタ事ヲ、報告シナケレバイケナイ。」
彼女達がそんな事を考えていると……。
ギシャアアアアアアアアア!!!!!
一際大きな機械の蛇が現れた。それはもはや、「龍」と呼んでも相応しい物だった。この機龍は、マルファ達とは別の世界では「サイバー・ドラゴン」と呼ばれる存在に酷似していた。
カスピテル(ステラ)「ウ、噓……!マダアレガ……!?」
マルファ「ゲホ!グフ……!」
アソフィール(ソフィア)「オ、大キイ……。」
ミカエリス(エリス)「コ、コノママデハ……!」
ジブリーヌ(イレーヌ)「マサカ、コンナ所デ……!」
彼女達は最後の力を振り絞って立ち上がった。もはや此処までかと思ったその時だった。機械龍の眼が激しく点灯した。それは、モールス信号で、「Fuse me for be fort」を意味する信号だった。
マルファ達「ア・・・。」
明滅を長時間続ける機械龍を見て、彼女達はようやく理解した。自分が何者なのかを。そして、何をするべきかを。
マルファ達『『「融合コードヲ確認シマシタ。只今ヨリ、私達ハ変形シ、貴方様ノ部品ノ一部トナリマス。』』」
そして、彼女達の背中に、先程の蛇のような魔物、サイバーー・ドラゴン・コアが取り憑き、いよいよシスター達は、自分が機械龍の部品にされるのだと自覚し始めた。
マルファ「サア、皆デ一ツ二ナリマショウ。」
ミカエリス「ハイ、マルファオ姉様・・・。」
カスピテル「コレデ、私モ・・・。」
ジブリーヌ「ホントニ何ヨリデス……。エヘへ……。」
アソフィール「ウフフフフ……!ヤッタ……!」
彼女達は、バラバラに分散すると、そのまま機械龍に取り込まれていくのだった。そして、取り込まれる刹那、彼女達は悟ったのだった。行方不明になった者達も、こうやって取り込まれてしまったのだろう。そしてきっと、自分達も同じ運命を辿るのだと……。
マルファ「サア!合体ノ時ヨ!」
ミカエリス「ハイ、お姉様……!」
カスピテル「グウ……!頭ガ……!」
ジブリーヌ「ウギ……!イダイイダイ!!」
アソフィール「オオオ……!カラダガ……!」
彼女達は、機械龍の体に次々と組み込まれていく。そして、その体の中で、彼女達は意識を失いながら、一つになるのだった。

すっかり静かになった工場に、巨大な機械の龍がいた。それは、無数の車輪が連なって、大きな機械の蛇竜のような形になっていた。名前は、キメラテック・フォートレス・ドラゴン。サイバー・ドラゴンが、異なる機械を取り込んで産まれた、新たな機械の龍である。車輪状の胴体からは、サイバー・ドラゴンを模した、機械の龍の頭が顔を出していた。そしてそこには、素材にした者の顔が浮かんでいた。
マルファ(融合完了。個体名:エクソシスター・マルファ。キメラテック・フォートレスシステム二接続。親機トシテ、子機デアル姉妹機達ト同期シ、行動ヲ開始。)
桜色の金属で覆われたサイバー・ドラゴンの額には、微笑みを携えたマルファの顔が埋め込まれていた。どうやら彼女が、他のエクソシスターの親機として、ユニットの制御をしているようだ。
ミカエリス(融合完了。個体名:エクソシスター・ミカエリス。キメラテック・フォートレスシステム二接続。僚機のカスピテルト共二、子機トシテ、親機ノマルファ・ユニット二、全権ヲ譲渡シマス。)
カスピテル(融合完了。個体名:エクソシスター・カスピテル。キメラテック・フォートレスシステム二接続。僚機のミカエリスト共二、子機トシテ、親機ノマルファ・ユニット二、全権ヲ譲渡シマス。)
ジブリーヌ(融合完了。個体名:エクソシスター・ジブリーヌ。キメラテック・フォートレスシステム二接続。僚機のアソフィールト共二、子機トシテ、親機ノマルファ・ユニット二、全権ヲ譲渡シマス。)
アソフィール(融合完了。個体名:エクソシスター・アソフィール。キメラテック・フォートレスシステム二接続。僚機のジブリーヌト共二、子機トシテ、親機ノマルファ・ユニット二、全権ヲ譲渡シマス。)
マルファに同行していたシスター達も、機械龍の額に装飾として、ユニットに接続されていた。全員が銀色に統一されていて、それぞれ剣を模した角を生やしているのが、ミカエリス。顔の側面に、槍の刃先が付いているのがカスピテル。口の中に銃口があるのがジブリーヌ。口ひげが弓になっているのがアソフィールだ。シスター達は仲良く、機械龍の部品として、機械の龍を制御していた。
マルファ(各姉妹機ヨリ、制御権、及ビ、管理権限ノ譲渡ヲ承諾。只今ヨリ、エクソシスター・ユニットハ、正式二キメラテック・フォートレスノシステム二、認識サレマス。)
ミカエリス・カスピテル・ジブリーヌ・アソフィール((((当該権限、全テマルファユニット二譲渡完了。私達ハ只今ヨリ、親機ノマルファ・ユニットノ子機トシテ、エクソシスター・ユニットノ構成二、加ワル事トナリマス。)))
こうして、マルファ達は、機械龍の制御ユニットとして融合したのだった。機龍の額から覗く彼女達の顔は、まるで新しい物に生まれ変わったことを、祝福するかのような、柔らかい微笑みを携えた、美しい表情だった。
マルファ(メインシステムヨリ受信。周囲二敵影ナシ。エクソシスター・ユニットハ武装解除シ、スリープモード二移行セヨ。)
ミカエリス・カスピテル・ジブリーヌ・アソフィール((((了解シマシタ。直チ二武装解除シ、スリープモード二移行シマス。))))
マルファ達は、武装の攻撃形態を解除した。そして、自身の体を円盤状の胴体に収納したのだった。こうして、エクソシスター・ユニットは、機械龍の制御システムとして生まれ変わる事に成功したのである。そして、廃工場から飛び立つ、機械龍の噂がまた一件増えたのだった・・・。

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