迷子にならずに旅するには 第2巻

 ウォーリー・エルコノム

 親愛なる読者の皆さん、私ウォーリー・エルコノムは、世界で最も博識である地理学者のうちの1人、いや、私こそが最も博識であると自負しているところにより、この本を執筆した。
 この本を読むことで、キミは我々のこの壮大な世界について考え、その世界を歩きまわる目的を見つけることだろう!
 これ以上書くのはよそう。しかし、もっと詳しい話を聞きたくなったときには、私はアマクナの図書館にいるということを忘れないで欲しい!

ブウォーク兵営地

 迷宮の北にあり、クラックラー山脈からアクセス可能。ブウォークが住む小さく堅固なこの村は、いつの時代も侵入者を防いできた。アシッドリック・ガットスプリッターも言うように、「そこでは、知能の高い生き物は長く生きることができない」。この言葉から、平均的なブォーク知能指数を伺い知ることができる。

 ブウォークの魔法や能力、とりわけ戦士としての能力は、荒削りだが類まれなほど強力だ。よく考えてから行った方がいい!

湿地

 湿地にはクロコダイルやどろり、アラックロクモが住みついている。そこまで詳細な情報はいらないと思うかもしれないが、経験豊かな冒険者にとっては重要な情報だ。

 湿地の奥では、緑がかったほのかな光が輝いている。クロコブリオの剣であるクロコブールが、石の中に埋め込まれている。この石から解放してくれる冒険者がやってくるのを待っているのだ。

ドラゴンエッグ半島

 この美しい半島はアマクナの南に位置している。行き方はたった一つ。島を守る衛兵の存在を乗り越えることだ。

 この辺りには盗賊たちがウロついている場合もあるが、最も警戒すべきは彼らではない。ドラゴンエッグの大群がこの地に襲いかかり、住民たちを恐怖に陥れたのだ。どうやら、この出来事の発端は呪われたドフスにあるようだった。ドフスというのはドラゴンが心から愛するドラゴンに贈ったたまごだということは、冒険者なら誰でも知っていることだ。だが、奇妙なことにこのたまごが孵化することは決してない。つまり、ドラゴンの魔法が全てその中に詰まっているのだ。ドラゴンのスピリットが殻の中で守られているために、そのたまごにはそんなにも強力なパワーが秘められているのだ。

 小型で好戦的なドラゴンだけがそこにいる。それは紛れもなく天才的な頭脳を持つ悪魔の仕業か、そうでなければ、魔術師の見習いが自分の力を乱用したかのどちらかだろう。

ワビット島

 ワビット島への上陸は簡単だ。アマクナの港から船に乗り、船長のリリィにわずかな運賃を渡すだけでいい。リリィはなかなかキレイな船長だ。船には、ワビットの宝物を手に入れるために自ら故郷を捨てた移民たちがたくさん乗っている。

 ワビット島では、柔らかな尻尾を持ち、抑圧された生活を送る住民、レナルドに出会うことになるだろう。島は残忍なワビットたちに侵略されてしまっているのだ。

 島を歩き回り、ワ・ワビットの王宮を目指すには、勇気と力とヒーリングポーションが必要だ。ワ・ワビットはメスのワビットやカロットに似つかわしくないものは全て疎み嫌い、レナルドたちを独裁的に支配している。城に足を踏み入れるつもりなら、覚悟をしておいた方がいい。ワ・ワビットの腹心ヲボットは情け容赦ない生き物だから!

ムーン島

 ムーン島に行くには、格安旅行を企画している旅行代理店に行ってみよう。

 砂浜に足を踏み入れるとすぐに、楽園の光景が広がる。現地民たちとの出会いに期待で胸を膨らませながら、コココの木陰で休む。それこそがムーン島ライフ!海賊シュクーたちがキミを迎え、カンニボールは何かおいしいもの(一体なんだろう?知らない方が良いかもしれない)を御馳走してくれるはずだ。

 海岸は穏やかだが、島の中心部のジャングルはそれとは正反対の趣だ。そこは伝説のムーンの住処。伝説のハンマーを持っているということ以外、ムーンについてはほとんど知られていない。

コアラック山

 その昔、好奇心旺盛で、あまりお利口とは言えないサディダの4姉妹がいた。彼女たちはカニアの道を歩き回り、そこで男の子たちから声を掛けられるのが大好きだった。その遊びに夢中になっていたある日、彼女たちは葉で覆われた大柄な男たちに連れ去られてしまった。そして、シドモート泥地からほど近い、人々にはまだあまり知られていない一帯に連れて行かれた...。彼女たちについて我々が知っていることは、彼女たちが永遠に悪戯好きな子供であり続けることを誓ったということ。

 彼女たちは問題児だった。自然のスピリットによる教えをないがしろにし、両親にも迷惑をかけてきた。そして、そのシドモートの近くで、美しく快活なスケンクと出会ったのだった。スケンクはポーションや薬用植物に詳しく、いつも紫色のラピーノを連れていた。

 スケンクは彼女たちの影の助言者となり、良き指導者となった。その時から、彼女たちはサディダやエニリプサの神の魔法を利用する術を身につけていった。彼女たちはエレメント魔術を習得し、エレメンタルドラゴンやパンダ武術マスターが操る4つの基本属性を操れるほどまでになった。人々が声を潜めて語るところによると、スケンクはクーリッチュという生き物の大切なアイテムを盗んだと言われている。

ドラゴンエッグ聖域

 ときに、1つの村にまた別の村が隠れていることがある。ドラゴンエッグ半島にあるアマクナ村の廃墟には、それ以上のことが隠れている。それらはある悲劇の歴史の痕跡だ。傲慢な民に怒った神が与えた罪の痕跡。

 この村には、巨大な洞窟、ドラゴンエッグ聖域がある。かつて、ドラゴンエッグたちはここで平和に暮らしていた。ある日、アマクナの住民たちはこの聖域とドラゴンたちを発見した。天分からか狂気からか、ある恐ろしい考えが彼らの中に浮かんだ。もう一度言おう。それは本当に恐ろしい考えだった。神によって守られた聖域の中で暮らすドラゴンたちを発見した彼らの心に最初に浮かんだのは、ある推論だった。「ドラゴンはたまごを産む。ドフスはドラゴンのたまごだ。上手くいけば、ドラゴンエッグにドフスを産ませることができるかもしれない。」

 あとの出来事は未だ謎に包まれている。

 この飼育活動は、聖域の存在と同様、完全に秘密裏に行われた。そしてこの活動は数世代に渡って受け継がれていった。しかし、ある不吉な日のこと、ドラゴンエッグたちは人々が自分たちのたまごを弄ぶことを拒んだ。彼らは反抗し、飼育者たちを次から次へと攻撃していった。いずれにせよ、そうでもしないと自分たちの不満を人々に理解させることはできなかったのだ。

 識者たちは終焉が近付いているのを感じ取った。聖域の入口は塞がれ、非難されるべき自分たちの行為を隠蔽するため、その上にカノジェドを建てた。これは神の怒りを見くびった行為だった。

 哲学者プラトゥンは著書の中でこの悲しい歴史を語っている。残念ながら、その原稿は一部しか残っていない。そのうちの1つが以下の文章だ。

 「法の下に君臨する神の中の神オサモダスは、かつて高潔な種族であったドラゴンエッグたちの不幸を目の当たりにし、飼育者たちに謙虚さと思慮深さを学ばせるため、罰を与えることを決めた。彼は神々を宮殿、もっと適切な言い方をすれば、宇宙の中心にあり、世界で起こっていることを見ることのできる場所に集め、こう言った...。」プラトゥンの言葉はここで途切れている。

 とにかくオサモダスは神々に話をしたのだろう。そしてその時に話されたことは、アマクナの住民たちにとって歓迎されるべきものではなかった。聖域は神々によって再び開かれた。復讐心の満たされていなかったドラゴンエッグたちがアマクナ村に押し寄せ、村は瞬く間に粉砕された。いち早く逃げた人々は、今日ではアマクナ城と呼ばれる場所に避難した。逃げ遅れた人々は強火で焼かれ、ソーセージやパスタとなってドラゴンエッグの食卓に並んだ。

 ドラゴンエッグ聖域についての章はこのあたりで終わりにしよう。いずれにしても謎めいた場所だ...。それでも飼育者たちは自分たちの目的を果たせたのだろうか?ドフスを産ませるという目的は?謎は全て謎のままだ。

ノエル島

 636年12の月のいつもと変わらないある朝のこと、世界の北西に位置する灯台の守衛エリオット・ナグロンドは、いつもと同じように、仕事場である灯台のてっぺんに登った。そしてまたいつものように、海と水平線をじっと見つめ、漁船の帰りを待っていた。しかし結局のところ、その朝はいつもの朝とは違った。遠くの海の表面に目をやったとき、朝靄が消え、全く新しい光景が広がっていたのだ。昨日まで何もなかった海の真ん中に、巨大な氷の塊があった。この大発見の噂はまたたくまに広がり、そしてそれと同時に前代未聞の寒波がやってきた。1日も経たないうちに、世界中の冒険者、地理学者、学識者たちが、この謎の島への渡航のためにチャーターされた船の席を手に入れようと海岸に押し寄せた。

 勇気ある旅行者たちがその新しい大地に足を踏み入れたとき、彼らは仰天した。その島は、冬のバカンスを楽しむためにやって来るような単なる氷の島ではなかったのだ。そこには見たこともない生き物が住んでいた...。最初こそそれらの生き物は冒険者たちを脅かしたが、それらは素晴らしい無尽蔵の資源であるということに彼らは気が付いたのだった。そういうわけで、12の月の間中、世界中の人々がこの島に集まり、島の生き物たちを絶えず狩り続けた。しかしこのとき彼らは、12の月の守護者であるジャウルの欲望を知らなかった。

 というのも、その外観に反して、この島は神々の手による産物ではなかったのだ。この島をアマクナ大陸の近くまで漂流させたのはジャウルだった。ジャウルはその刺すような寒さによって、12の世界の住民たちの心臓を、そして魂までも凍らせようとしていたのだ。そしてそれを利用して、貪欲なジャウルは12の月の期間を延ばそうとしていた...。

 1の月から数日奪い取ること。それが彼の黒い思惑だった。だが、美しい戦士ジヴァはこの悪魔と、世界中を脅かしていた雪と氷を打ち負かした。ジャウルはかつてジヴァが言っていた言葉を忘れていた。「最後に凍らせる者がよく凍らせる」。真実は誰も知る由はないが、彼はやり直すと誓ったのだった。

 発見された日からノエル島と名付けられたその島に対する熱狂は、島が現れたときと同じくらいあっという間に引いた。冒険者たちは大陸に戻り、通常の生活を取り戻した。しかし数人の識者たちは、突然出現したこの島に興味を示していた。というのも、ジャウルはこの島をどこからか引き離して流したに違いなかったからだ。その島はどこか知られていない遠い大陸から切り離された氷の一部に過ぎないのではないかという説が上がった。この説の生みの親であるサディダの識者オウガー・リレオは、嘲笑と軽蔑の眼差しにさらされた。しかし、これらの評判を無視し、リレオの説に関心を寄せた若い男がいた。

 その若者、キリス・トーフは後に有名な開拓者となった。彼のおかげで知られることとなった次のフレーズが全てを表している。「明日の2人のオウガーより今日の1人のオウガー」
タグ

Menu

文書

地域

同盟(絶版)

指名手配

未整理

【メニュー編集】

管理人/副管理人のみ編集できます