架空国家を作ろう2.2

アルメニア人民共和国の議長を務め、カフカス地方や西アジアでの革命運動の指導者として尽力した。
議長としての任期は3か月に過ぎなかったが、その短期間ではイスラーム軍による侵攻などの苦難に満ちたものだった。
しかしながらシャウミャンは同時代の他の革命者とは異なり、平和的な紛争の解決を求めていた。
その後、1918年7月に臨時政府が崩壊すると逃亡したが、エレバンでアルメニア共和国政府に捕らえられ、処刑された。

1878年10月13日、ロシア帝国チフリス県チフリスで生まれた。1899年にアルメニア最初の社会主義サークルを組織。1902年にはジャラル・オグルィでアルメニア社会主義労働者党の前身となるアルメニア社会民主同盟の創設者の一人となった。同年にドイツへ渡ってフリードリヒ・ヴィルヘルム大学哲学部に入学し、1905年に卒業。この間は現地組織で活動し、1903年に生涯の同志となるウラジーミル・レーニンと面識を持った。ユーリー・マルトフ、ゲオルギー・プレハーノフなど他の亡命者たちやカール・カウツキーとも親交を持った。党では出版分野で活躍し、アルメニア語訳を行った。

1905年にチフリスへ戻り、アルメニア革命組織の指導者となる。チフリスの石油王アレクサンドル・マンタシェフの家庭で教師も務め、まもなく石油会社最高幹部の娘と結婚した。この頃、シャウミャンは同地で協同していたヨシフ・スターリンと対立し、収監されたが、自らの表向きの雇い主である石油王に金を払ってもらい、釈放された。

1917年12月、シャウミャンはカフカス人民連邦共和国の指導者となった。
1918年3月、現地の富豪であったハジ・ゼイナラブディン・タギエフの息子の葬儀に出席するため、ランカランから船に乗った一団がバクーに到着した。それに反対する夥しい数の群衆がモスクに集結して抗議したため、革命軍は兵士から没収した武器を返還する決議を採択した。一方で現地の革命組織であるヒンメートは、調停を試み、シャウミャンもこれに同意した。
ところが、ムスリムの代表へ革命軍が武器を受け渡す時刻である同月31日の午後にはすでに街中で銃撃が始まっていた。人民委員のアリョーシャ・ジャパリゼは武器の受け渡しを拒否し、ヒンメートの指導者であったナリマン・ナリマノフに「ムスリム」が「戦争」を始めた、と語った。最初の発砲者が何者だったかは明らかになっていないが、革命軍はムスリムを非難し、ムスリムの住居を攻撃した。

我々はあの要求を拒絶する必要があった。そして我々は騎兵部隊が攻撃を受けたことを奇貨として、前線全域で攻撃を開始した。チフリスやサリカミシュから駆け付けたカフカース軍の軍事革命委員会と現地の革命組織の応援によって、我々の軍勢は6000人まで増大した。3000人から4000人の軍勢も我々の指揮下にあった。これにより紛争は内戦の様相を呈し、民族的な虐殺も発生した。
およそ1万人のオスマンの軍勢に対して、革命軍側が保持していた軍隊はおよそ6000人のみであった。
シャウミャンは三月事件によってカフカースにおける社会主義の勝利が決定付けられたと考えた。しかし、ボリシェヴィキの指導者がアゼルバイジャンのナショナリストに対抗してダシュナク党に支援を申し出たとき、この紛争はアルメニア人によるムスリムへの、所属政党や社会的、経済的地位を問わない殺戮に成り果ててしまった。この時にバクー一帯で虐殺されたムスリムとアゼルバイジャン人の数はおよそ3000人から1万2000人と推計されている。

4月初旬にアルメニアの革命防衛委員会が発行した宣言では、ミュサヴァト党とその指導者が非難された。この宣言はさらに、自身の体制を確立するための陰謀を周到に練っていた、とも主張した。