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種類 | 第四世代主力戦車 |
開発国 | ヨーロッパ連合 |
開発元 | ヨーロッパ共同防衛装備品開発機構 |
試作車完成 | 2018年9月 |
製造開始 | 2020年2月 |
配備国 | スペイン共和国 カリフォーニエン=ドイツ? |
総製造数 | 640輌 |
主要諸元 (3A1) | |
全長 | 11.76m |
全幅 | 3.87m |
全高 | 2.97m |
重量 | 70.7t |
懸架方式 | トーションバー方式 |
最高速度 | 71km/h |
行動距離 | 490km(整地) |
主砲 | 140mm滑腔砲 NPzK-140A5 |
副武装 | 20mm機関砲F2(対空用) MG3A1 7.62mm機関銃(同軸) H&K GMW 連装自動擲弾発射器 スパイク対戦車ミサイル発射機 |
装甲 | 複合装甲, 電磁装甲(着脱可) |
アクティブ防御システム | アイアンフィスト・アクティブ防御システム,発煙弾発射機等 |
エンジン | MTU MT883 Ka-500/501 27.4-litre(2,000RPM) |
乗員 | 3名 |
価格 | 12,000,000ユーロ |
1977年にレオパルト2が登場して以来、ヨーロッパ諸国の多くはそれを改修しながら使用している。しかしレオパルト2は旧式化しており、これ以上の改修による性能向上はあまり期待できなかった。そこで2010年にレオパルト3の計画が始まった。
防御面でセラミックやケプラーによる複合装甲に加え、通電式の電磁装甲装甲を付加装甲として装備している。従来の装甲技術では、爆発反応装甲の付随被害やタンデム成形炸薬弾、多重被弾などの対処能力の不足に対応するために、新しい装甲が戦闘車両に求められるようになっていた。2017年にヨーロッパ共同防衛装備品開発機構が電磁装甲の開発に成功した。高速運動エネルギーに頼るAPFSDS弾や金属ジェットによって穿孔を図るHEAT弾に対しても、共に有効な防御手段となっており、レオパルト2に比べて非常に防御力が高まった。またアクティブ防御システムもアイアンフィストと呼ばれる新型システムを導入した。このシステムは幅広い種類の脅威に対する試験に成功し、この中にはRPG、対戦車ミサイル、また戦車から放たれるHEATや運動エネルギー弾が含まれた。そして砲塔は無人化され、生存性が高まった。
![](https://image01.seesaawiki.jp/k/u/kakutetsu/acd3dc4d3748b43a.jpeg)
![](https://image02.seesaawiki.jp/k/u/kakutetsu/e4098c5e98ee3ee9.jpeg)
砲塔が無人化されている
![](https://image01.seesaawiki.jp/k/u/kakutetsu/acd3dc4d3748b43a.jpeg)
![](https://image02.seesaawiki.jp/k/u/kakutetsu/e4098c5e98ee3ee9.jpeg)
砲塔が無人化されている
電磁装甲の方式はそれぞれ、コイル方式、放電衝撃方式と通電方式の3種類がある。コイル方式と放電衝撃方式は、真正面からの直撃弾は貫徹力を相殺し切れない点が弱点となり、現在廃れつつある爆発反応装甲と同原理であり、防御時に自車も傷つく可能性があり、飛散する防弾板が味方の随伴歩兵を殺傷する危険性があるため、レオパルト3はこれらの導入を見送った。そこで導入したのが通電方式である。通電方式とは、大電流を蓄えたキャパシタからの大電流によって、敵弾を流体化・気化させようというものである。主装甲の外部に2枚の金属板を間をあけて取り付け、これらの間にキャパシタからの数千ボルトの電圧をかけておく。コイル方式と放電衝撃方式とは違い、センサを必要とせず、導電性の敵弾が貫通した瞬間に2枚の金属板の間をショートさせることで回路が閉じられ、数千アンペアの大電流によって敵の弾芯や貫徹体をジュール熱によって溶かし、気化させる、又は突然流れる大電流によって生まれる電磁場によって横方向の力を与え弾芯や貫徹体を分断するという原理である。高電圧による漏電事故が起きないよう、レオパルト3設計時は最新の注意を払って製作された結果、危険性はほぼないと考えてよい。通電方式は、被弾部の金属板に穴が開くが蓄電力が回復できれば付加装甲としての機能の喪失範囲が比較的小さく済む。
![](https://image02.seesaawiki.jp/k/u/kakutetsu/4326bf8b1fdf7fb9.png)
通電方式のメカニズム
![](https://image02.seesaawiki.jp/k/u/kakutetsu/4326bf8b1fdf7fb9.png)
通電方式のメカニズム
価格が高価なことが玉に瑕である。しかし、攻撃能力や防御能力は世界トップクラスを誇り、次世代の欧州主力戦車として君臨することだろう。現代では戦車懐疑論も出てきているが、装輪戦闘車などと運用することでその心配を払拭しようとしている。
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