『TRPGオンセン』で活動しているSW2.0のコミュニティ【希望亭】のwiki


「アオイ様、肩車してもらえませんか?」

私が急に何を言っているかというと、嬉しいことにどうやら私は人として生きてもいいと、
皆様が言ってくださったので人としての心を学ぼうと思った次第です

「どうした?急に」
「童心…というものを知りたいと思いまして」

アオイ様は少しの間考えます
そして答えを出したようで、こちらを見て

「分かった」
「ありがとうございます!」

アオイ様は屈んでくれます
私はその肩に足をかけて・・・アオイ様の頭をふとももではさみます

「よし、じゃあ立ち上がるからしっかりつかまってろ」
「はい」

少しくらい、ふとももに反応してくれてもいいんですけどね
ともかく、私はアオイ様の頭に手を乗せます
アオイ様はそれを確認して、立ち上がります

「きゃあ!高い……」
「まあ、俺とお前の身長合わせて結構高いからな」

少し落ち着いて、周りをみるといつもと違う風景が広がります
中々新鮮で、いい気持ちです。元々視線の低い子が、大人の視線を見てみたいとかそんな感じなんでしょうか
それにしても・・・

「重くないですか?」
「いや、問題ない」

大人の女性を重くないと思えるのは素晴らしいことだと思います

「いつも重い鎧を着ているんだ、それと比べたらフィフスは軽い」

軽いと言われて嬉しいですが、比較対象がおかしいのですよ
少しむっとしたので、アオイ様の髪の毛を少し引っ張ります

「いた、いたた。な、何をするんだ?」
「いえ、少しバランスを崩してつい掴んでしまって」
「そ、そうか」

一言が余計なんですよもう・・・
そろそろ、降りようと思います

「アオイ様、ありがとうございます。下ろしてください」
「分かった。満足したか?」
「はい、ありがとうございます。では次は、お医者さんごっこを……」
「それは却下だ」

ダメでしたか……
ですが、さっきまで私の大事なところがアオイ様の後頭部に……

な、なぜでしょう。急に恥ずかしくなってきました…
私にとっては些細なことなのに…ユリア様に教えてもらった、恋でしょうか……
う…あ…心臓が強く脈を打っています
……そうですね。この気持ち打ち明けてしまいましょう。きっと…アオイ様に愛してもらえれば幸せなことだと思うから…

「あの、アオイ様」
「どうした?」
「お慕いしています」
「え?」
「言いたいことはいろいろありますが、私を…今までそばに置いてくれたこと。そして人として扱ってくれたこと…とても嬉しかったです」
「い、いや、そばに置くかはともかく。ルーンフォークは人族なのだから、俺以外も人だと言うはずだ…」

私は、アオイ様の後頭部に手を回して、アオイ様の頭を自分の胸に押し当てます

「イオン様に教えてもらいました。触れ合っていると、心がつながって絆が強くなる、と。こうしていると私は胸がポカポカします。そして…聞こえますか?この心臓の鼓動…とても早く、強い…勘違いではないのです。私はアオイ様をお慕いしております」

私は…アオイ様に思いを伝えました…が、アオイ様は私を引き剥がしました

「すまない。俺はそれに応えることができない」
「そう、ですよね。私では…ダメですよね」
「それは違う…」
「ならなぜ!」

その言葉を言うと私は何かに引っ張られ、目の前が真っ暗になりました

「すまない…俺が不甲斐ないばかりに…これは俺の問題だ。俺は…人を愛する資格なんてないんだ」

私は…アオイ様の胸に顔を押し当てられたのに気付きました

「怖いんだ…また誰かを悲しませることが…俺は…すまない、だから駄目なんだ」

何を言っているんだこの人は…
謝られたら…悲しくなる…

「う…うっ…ふぇ…うわあああああああああん!!!」

強く抱きしめられていることに気づいても、涙が止まらない
こんな気持ちは私は知らない…こんな苦しいなんて…
そんな中「すまない、すまない」と何度も何度も聞こえてくる。きっとこの人も苦しいのかもしれない…
アオイ様に負担はかけたくない…私が、しっかりしないと

「ぐすっ…ひっく…」
「落ち着いたか?」
「はい…」
「そうか、よかった」

アオイ様は、まだ私の頭を胸に押し当てています

「こうすると…絆が強くなって、胸がポカポカするんだったか?」
「はい…」
「それで…聞こえるか?」

何が…と思いましたが、ドクドクとその音を聞きました

「はぁ…まあ、お前は魅力的だと思うぞ?」
「ずるい、です。人を振っておいて、そんな事を言うなんて」
「…すまない」
「謝らないでくださいよ。私が、アオイ様のことを勘違いしていたんです。もっと強い人かと思っていました」
「ああ…俺は弱い」
「そうですよ。いつまでも昔のことをうじうじうじうじ…男なら、何人も囲う甲斐性を見せてくださいよ!」
「は、はは…まさかお前にそんなことを言われるとはな…」
「ずるい人にはこれぐらいでちょうどいいんですよ…それとも、こんな事を言う私はそばに置いてくれませんか?」

そのような事を言うと自分で不安になりました
アオイ様はどう答えてくれるんでしょう…

「俺は、お前が愛想を尽かしてどこか行かない限りはお前を離そうとは思わないな」
「そうですか。それは良かったです…不甲斐ないアオイ様を支えるためには、そばにいないといけませんからね」
「そうか…それなら、よろしく頼む」
「はい!」

私は今、きっと変な顔をしているのでしょう
笑顔のような泣き顔のような、そんな顔

私は、アオイ様を支えていこうと思いました。今までは役に立っていないと、捨てられると思っていただけ…今ははっきりと自分の意志で決められる
そして、いいパートナーを見つけて、アオイ様をびっくりさせてあげます

そう、私は誓いました

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