『TRPGオンセン』で活動しているSW2.0のコミュニティ【希望亭】のwiki

私は今寝室で、ベッドで寝ています
ただ単に睡眠時間という訳でなく、風邪をひいて寝ています

「はぁ……どうしてこうなったのでしょう」

発端は今朝、アオイ様を起こしに行った時でした

――――――

「アオイ様、朝ですよ。起きてくださいませ」

お布団がめくれ、肌着だけで、豪快な寝姿を見せるアオイ様
その下着の隙間から何かが見えてしまいそうで、目を逸らします

「う、ううん……」

アオイ様が目を覚まし、ベッドで起き上がりこちらを見ます

「ああ、おはようフィフス」
「お、おはようございますアオイ様。申し訳ありませんが、なるべく早く服を着てくださいませ……」
「……?分かったが……」

アオイ様は首をかしげながら服を着替える。私の目の前で。

「あ、私は部屋を出ていますね!失礼いたします!」
「……やはりフィフス、お前おかしいぞ。いつもなら出て行けといっても出て行かないはずなのに」

あら、そうでしたか?どうにも頭がボーっとしてよくわからな――

「おっと……大丈夫か?フラフラしてると危ないぞ」
「私は大丈夫です」

どうやら私はアオイ様に倒れ掛かったようです
なので今、アオイ様の胸板が私の目の前に……
突然アオイ様が私を抱きしめます
えっ……私は何をされたのかよくわかりませんでしたが、ただただ、自分の心臓がうるさかったことだけがわかりました

「やはりな、体が全体的に熱い。お前熱が出ているな。あとは俺がやっておくから、フィフスはゆっくり寝ていろ」

ドクン、と私の中に音が響きます

「だ、大丈夫です。熱が出ていても完璧に仕事をこなしてみせます。だから、捨てないで!」

私は自分で何を口走っているのかわかりませんでした
ですが、アオイ様は指でご自分の頬をかき、こう言います

「捨てる捨てないとか、まだ自分がものだと思っているのか?俺は簡単に人を捨てるほど非情ではないつもりなんだがな。フィフスにはそう見えたのか?」

ああ……私は失礼な事を言ってしまったのですね
早く、早く否定しないといけません

「そのようなことは思っておりません……アオイ様はお優しい方です」
「ふっ、ありがとう。では優しいついでに、お前をベッドまで運んでやろうか」
「えっ?」

アオイ様は左腕を膝裏あたりにおき、右腕を腰あたりにおいて、私を持ち上げます
これはデータの中に存在するお姫様抱っこというもののはず……

………………………!!!!!

「お、おい!体がすごい熱くなってるが大丈夫か!?」
「大丈夫じゃないので、急いでベッドで下ろしてください」
「わ、わかった」

私の言葉でアオイ様は走り出します
申し訳ありませんアオイ様。ただこれ以上は熱がひどくなりそうなので頑張ってください
揺れと、アオイ様の体温と、アオイ様の私のために必死な表情を楽しみます
私は悪い女ですね。自分のために苦しんでいる人の顔を見て喜ぶなんて……
そんなことを思いながらしばらくすると私の部屋につきました

「ハァ…ハァ…ついたぞ。ほら、鍵を出せ」

私は、服の裏、胸の間にあるポケットから鍵を取り出します

「どこから取り出してるんだ…まあいい。借りるぞ」

アオイ様は鍵を受け取り、扉を開けます
そして部屋に入り、ベッドまで行き、私をそこで寝かせてくれます

「ふぅ、走ったせいで、かなり揺れただろう?気持ち悪くなったりはしていないか?」
「大丈夫です。それより、女性の寝室に行く時は了承を得てからのほうがいいと思いますよ。もちろん私は構いませんけど」
「あ、ああ、そうだな。すまない」

アオイ様はホッとしたような、痛いところをつかれてギョッとしたような、複雑な表情を浮かべます

「ところで、お前が熱出すなんて珍しいな」
「そうですね。私としたことがお恥ずかしい限りです……」
「完璧な人などいないからな。まあ、俺は風邪ひいたことないんだが」
「それは……」

人によっては、バカと言われますよ。と言いかけてやめます

「俺は、朝飯作ってくる。おかゆ、とかでいいか?」
「い、いえ。私は栄養カプセルのおかげで後五日間は大丈夫です」
「だからだ。そんなものだけではダメだといっているんだ。大人しく食え。温かいものを食えば心が安らぐぞ」
「わかりました。ありがとうございます」

アオイ様は優しげな笑顔を私に向けてくださってから、部屋を出ていきました

そして、冒頭に戻ります


しばらくすると、部屋の扉が開かれます

「アオイ様…?」

扉を開いた人物を見ると、カゲちゃん様でした

「おかゆ作ってきたよー」
「あら?アオイ様が作りに行ったはずでは…」
「まねっこ」

カゲちゃん様はどうやらアオイ様が作っているのを見て、珍しいと思い、アオイ様に私が風邪であることを聞いてきてくれたそうです

「ありがとうございます。カゲちゃん様」
「えへへ」

カゲちゃん様にお礼を言うと笑顔になってくださいます
釣られて私も笑顔になります。単純におかゆを作ってくださったことも嬉しかったです


そこで部屋の扉が開かれます

「おかゆできたぞ、フィフス」

アオイ様が、おかゆを持ってきてくださいました
そして、私がカゲちゃん様のおかゆを手に持っているのとカゲちゃん様を見ます

「ん?スキア、隣で何か作っていたと思ったらスキアもフィフスにお粥作ってくれたのか」
「うん」

どうしましょうか……私はそこまで量が食べられません
そんな事を思っていると扉を開ける人がいました

「話聞いたから見舞いに来たぞー……何だこの状況?」

ライカ様が飲み物を持ってきて、お見舞いに来てくださったのです

「ライカ様もお見舞いに来てくださったのですね」

と、その言葉にアオイ様が

「俺が、お前の風邪治るまで、代わりに仕事をするとみんなに言ってるからな」

私はお粥と、ライカ様を見ます
そして、申し訳ないと思いながら言います

「その…お粥をアオイ様もカゲちゃん様も作って下さって、二人前になってしまいました。全部食べられないので…ライカ様半分ずつ食べてくださいませんか?」
「お、おう」

その返事をしたライカ様は少しだけ困惑した表情を浮かべていました

「追加の食器もってくるー」

といって、カゲちゃん様は部屋を出て走り去っていきました

「別に食べられないなら、スキアのだけ食べればいいんじゃないか?」

と、アオイ様は仰ってくださいましたが

「せっかく私に作ってくれたものを食べない訳にはいきませんよ」

そんな会話をしていると、カゲちゃん様が戻ってきて、おかゆを新しいお皿に分けます
それで私と、ライカ様にお皿を二つずつ渡してくれます

「それでは、いただきます」
「いただきます」

私とライカ様はおかゆを食べ始めます
こっちが、アオイ様、こっちが、カゲちゃん様

「アオイ様のは少し味が濃いですが、どちらも美味しいです」
「そ、そうか。いや風邪をひいていたら、味がわからなくなるらしいからな。今度から気をつけよう」
「えへへ、ありがとー」

ライカ様は静かにご飯を食べておられます
私も、静かに味わいながら食べ勧めていると、三度扉が開かれます

「フィフス、いるか?」

そこにはシュンカ様が立っていました

「シュンカ様?申し訳ありません。このような格好で」

せっかく訪ねてくれましたのに、私はお粥を食べていました
しかし、シュンカ様はそのようなことは気にせずにいてくれるようです

「ルーンフォークも、薬は効くよね?」
「そうですね。一応生身なので」

シュンカ様は背中のかごを下ろして目の前に置きます

「はい、色々薬草持ってきたよ」
「ありがとうございます。シュンカ様…私のようなものに薬草などと…」

沢山の薬草を持って来てくださったシュンカ様

クスノキ、アジサイ、バナナ、イチジク、キンカン、キウイ、ミカン、イソギク、
イブキジャコウソウ、ウド、ウスバサイシン、ウメ、エゾアジサイ、オナモミ、
オオマツヨイグサ、カタクリ、カミツレ、キバナカタクリ、クズ、ケイガイ、
ゴボウ、シイタケ、シシウド、ジャノヒゲ、トクサ、セネガ、チャ、
ツユクサ、ナギナタコウジュ、ネギ、ネズ、ネズミモチ、ハマゴウ、
ヒオウギ、ホウセンカ、ミシマサイコ、レンギョウ、アキノキリンソウ

これほどの薬草、持ってくるのに手間やお金がかかっているはずです……
先程から、私のために何かをしてくださる皆様に申し訳なく思います
しかしこれだけの薬草を持ってきたとなると……

「お昼は薬草粥ですかね」

と、つぶやくと、カゲちゃん様が手を挙げます

「がんばるよ!」

その言葉にシュンカ様がこう言います

「私は料理できないから、任せた」
「がんばる」

カゲちゃん様はそう言ってから、果物の皮などを剥いて、一口サイズに切ってまた皿に並べます
しかし、私が何もしないで、なにかされるというのは…存外落ち着かないものですね

「私が手伝えたらいいのですけど……」
「めっ フィフスは休んでて」

カゲちゃん様にそう言われてしまいました……
仕方ないので任せるしかありません

「そうですか…では、よろしくお願いします」
「まかされよ」

カゲちゃん様は手で胸を叩く

「あ、お薬作るのは高レベルレンジャーの皆にお願い」

カゲちゃん様がそう言います
その言葉にシュンカ様と、アオイ様が返事をします

「了解」
「ああ、わかった」

シュンカ様はお薬をつくりに部屋を退出します

コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

メインメニュー

参加者名簿


個人ページ作成は
名前横の?マークから!
ご自由に作成くださいませ
テンプレートもご利用ください

どなたでも編集できます