『TRPGオンセン』で活動しているSW2.0のコミュニティ【希望亭】のwiki

オープニング

貴方達は"銀枝の金りんご亭"の店主コノアに勧められ、旅慣れするためにセルウス村に来た。
貴方達が村の門を潜り中の様子を窺うと、何やら村の人々は慌ただしく動いているのが見える。
そして、老夫婦らしき2人が貴方達に気付くと、縋るようにして貴方達に頭を下げた。
「お願いだ、私達の娘━━シルヴィを探してきてくれないか!?」
 ではPLの皆さん、RPをどうぞ。

・依頼人は人間の老夫婦。男性の方はドゥクトー、女性の方はレカルカという名前。
・依頼内容は昨夜から突然姿を眩ました少女、シルヴィを探し出し、村に連れ帰ること。もしもシルヴィが死んでいたならば、その遺品を村に持ってくる事。
・依頼の報酬は各PCにつき3000ガメルである。なお、この報酬金額は老夫婦がどうにか工面したものであるため、これ以上の増額はできない。
・老夫婦はシルヴィが見つかるなら、と自らの知る限り殆どの情報をPC達に伝えるつもりであること。

依頼を受けたとき、老夫婦はシルヴィという少女についてのある程度の情報を話してくれるだろう。PC達が質問するなら、それについても答えてくれる。

・【必ず得られる情報】シルヴィは、濃い銀色の髪と瞳をしており、身長は低め(詳しい身長は村なので測った事はないらしいが、身長が145前後のPCがいるなら「大体君くらいの身長だったよ」と教えてくれるだろう)、白い肌からは火傷のような痕が見える。年齢は恐らく14歳くらいで、種族はエルフだろうと老夫婦から聞くことができる。
・【情報の不明確さ、疑問文になっているところへの指摘】シルヴィは2年程前に、老夫婦の家の近くでボロ布を纏って座り込んでいたところを発見した。あまりに可哀想な有様だったため、養子として育てる事にした、と答える。なので、年齢や種族はシルヴィ本人から聞いたものであるらしい。
・【シルヴィが姿を眩ます前、何をしていたかを村人に聞く】老夫婦の家で毎週行っている山菜摘みに行ったと思う。シルヴィは優しい子で、何かドゥクトーとレカルカの2人の為に出来ることはないか、と考えていたので、山菜摘みを提案したらしい。それ以来、毎週シルヴィは山菜摘みに出掛けていたという。そして、南門の門番に話を聞けばシルヴィに向かった場所も分かるんじゃないかな、とも教えられる。
・【南門の門番にシルヴィについて聞く】シルヴィは森の深いところに入っていった事を教えられる。いつも山菜摘みに行く時は、森の浅いところまでしか行ってなかったので、おかしいとは思っていたらしい。
・【聞き込み判定で難易度11に成功する】シルヴィは優しく村の人々とよく交流しているらしく、最近村の周辺で旅人や商人が蛮族に襲われている事と相まって、シルヴィは村の人気者になっている事が分かります。

シルヴィの向かった先が分かった場合、PC達は森に向かうことができるようになる。

ミドルフェイズ

貴方達が森へ行き、ある程度進むと山菜の入った籠が落ちていた。これは大変かもしれないと、貴方達が歩む足を早め、暫くすると1人の少女がヴァルグ(→IB156頁)の群れに囲まれているのが見えた。少女は濃い銀髪の髪と瞳で、火傷のような痕が窺える━━貴方達は気付く、彼女こそ貴方達、そして村の人々の探している少女、シルヴィだ!このままでは彼女は危険だろう、早く助けなければならない。そして、ヴァルグもそんな貴方達に気付き、戦闘態勢を整えるだろう。戦闘開始です。

[配置]
敵後衛:なし
乱戦:ヴァルグ×2,シルヴィ
 追記:もしシルヴィのデータを知りたい場合は、真偽判定の目標値24に成功した後に、魔物知識判定11/15に成功しなければならない。成功した場合、弱体化したルサルカの幼児(魔物レベル9-4)である事が判明する。また、PC人数が5人以上であったなら、ヴァルグを追加で1体増やす。

ヴァルグの群れを倒し終えて貴方達がシルヴィに近付こうとすると、彼女は怯えを含んだ目で、
「ダメッ、来ないで!」
と拒絶し、森の奥へ走って逃げる。その逃げ足はただの村の少女にしては異常に早く、すぐに姿を見失う、しかし、貴方達がシルヴィの逃げたであろう方向に進むと、寂れた屋敷のようなものがそびえ立っていた。きっと、彼女はこの中に入っていったのだろう。
ここでPLが屋敷についての見た感じの情報を求めるのなら、屋敷は年季が入っており所々に破損も見受けられるが、不思議と清潔にされている事を伝えても良い。

屋敷の中に入ると正面に2階へ続く大きな階段があり、その左右に2つづつ部屋があるようだ。

 左上の部屋→入ると、その部屋の中には多くの本棚がそびえ立ち、圧迫感を感じさせられる。此処は書庫だろう。少なくともこの部屋からは生き物の気配はしない。もし、PC達が探索判定を望むなら、目標値15で判定させ、成功で1枚の書類を発見させる。書類には汎用蛮族語でセルウス村の人口や、門番や兵士の入れ替わりのタイミングなどがまるで近くで見ていたかのように書かれていた。しかし、その書類の文字は不思議と歪んでおり、所々にあるシミから「泣きながら書いたのではないか」と思えるだろう。

 左下の部屋→部屋には長い机が1つ、真ん中に鎮座させられており、奥にはキッチンが見える。この部屋は食堂だろう。食堂はある程度の広さはあるものの、屋敷の規模から考えると狭く、この屋敷に住む者が少数であることが窺える。少なくともこの部屋からは生き物の気配はしない。この部屋では探索判定を行っても何も手に入らない事も伝えること。

 右上の部屋→この部屋には多くの薬品が所狭しと置かれている。研究室だろうか。棚に置かれた多くの薬品にはドクロのラベルが貼られており、部屋中に消毒液のような匂いが充満している。PCのうち誰かが不用意に薬品に触れようとした場合、そのPCに危険感知判定の目標値15で判定を行ってもらう。失敗した場合、下記の文章を読み上げること。危険感知判定に成功したなら、薬品に触れようとすると部屋が揺れ、薬品がそこらかしこに落ちて悲惨な目にあうという事に気づいても良い。
君が薬品の入った瓶に触ろうとすると、突然部屋が大きく揺れる。PCは全員冒険者Lv+敏捷Bの目標値17で判定し、失敗した者は薬品を落としてしまう。失敗者は2D6を振り、出目が6以上であれば薬品は爆発し「2d6+9」点の炎属性魔法ダメージを受け、出目が5以下であったなら薬品からは毒ガスが漏れ「2d6+6」点の毒属性魔法ダメージを受ける事になる。判定に成功した者は、見事薬品をキャッチして落とさずに済み、特に何らかの効果を受けずに済んだだろう。

 右下の部屋→扉を開くと、強烈な腐臭を感じ取ることが出来る。そこには割れた瓶やクシャクシャに丸められた紙と一緒に、農民・商人・冒険者関係なく、人の死体が捨てられていた。廃棄所、あるいは物置だろう。少なくともこの部屋からは生き物の気配はしない。この部屋では探索判定を行っても何も手に入らない事も伝えること。

 2階→円を描くように廊下が続いており、廊下からは3つほどの部屋が隣接している事が分かります。うち、2つは家具も最低限しか置かれていない空き室であり、その空き室に挟まれるようにして豪奢な扉がある。PCの中に汎用蛮族語が読める者がいるなら、豪奢な扉には汎用蛮族語で「主の部屋」と書かれてある事が分かっても良い。

クライマックス

貴方達が豪奢な扉を開けると、傷痕を増やし倒れているシルヴィと、バジリスクと他数人の蛮族の姿がそこにはあった。そして、貴方達は見てしまう。シルヴィの手脚が緑の鱗に覆われている━━ここでPC達は魔物知識判定の目標値11/15を行う。成功した場合、彼女がルサルカという蛮族である事を知ってしまう。
バジリスクは入ってきた貴方達に気付くと、
「なんなのだ?私は今、連絡もせず姿を眩ましていたコイツに仕置きをしてやっているのだ。・・・うむ?もしや君達は冒険者かな?最近、少し派手に人を襲いすぎただろうか・・・」
などと言って、考える素振りを見せる。そんな考え込むバジリスクは隙だらけであり、君達が何かしらの行動を起こしたとき、対応もワンテンポ遅れてしまうだろう。貴方達は奇襲を仕掛けてもいいし、倒れているシルヴィを助けに行ってもいい。

・【PC達が奇襲を仕掛けた場合】突然攻撃を仕掛けてきた貴方達に対し、バジリスクは「なっ!ヒトが考え事をしている間に突然攻撃するとは、許しがたい!貴様達など、私の贄にしてやるわ!」と怒り狂い、変身して襲いかかってきます。戦闘開始です。
・【PC達がシルヴィを助けた場合】シルヴィは小さく掠れた声で「あ・・・ありがとう、ございます・・・」と礼を言うだろう。さらに、大粒の涙を溢しながら、「もう、イヤです・・・冒険者さん、私を助けて・・・おじーちゃん達の所に帰して・・・っ!」と訴えるようにして言う。君達がその言葉に何らかの反応を返す前に、バジリスクはシルヴィの声に気付き、君達がシルヴィを持っていくつもりだと考え、「ソレは私のモノだ!持っていくつもりなら、容赦せんぞっ!」と怒り狂い、変身して襲いかかってきます。戦闘開始です。
[配置]
敵後衛:バジリスク×1
乱戦:リザードマンマリーナ×2
 追記:リザードマンは全員剣の欠片が2つ積まれており、バジリスクは9つ積まれている。また、バジリスクのHPは+20されている。また、PC人数が5人以上であったなら、リザードマンマリーナを追加で1体増やす。

エンディング

バジリスクを倒すと、シルヴィは貴方達に顔を俯かせながら、問いかける。
「その・・・私を、どうするつもりなのですか?もう分かったと思いますが、私はルサルカ━━蛮族です。本当は、あの村に居るなんてダメなのに・・・」
そう言うシルヴィの顔は青ざめていて、自身のこれからの事を考えてからか不安で震えているだろう。

・【村に居て良いと思う、内緒にするから帰ろうなどの返事をする】シルヴィは再びポロポロと涙を溢して、声をあげて泣く。そして、泣きじゃくりながら
「ありがとう・・・ありがとうございます・・・」
と繰り返し、言い続けます。その後、シルヴィと一緒に村に帰ると、シルヴィはあの老夫婦に正体を明かすことを貴方達に告げて、笑顔で老夫婦の家に向かっていく。遠目から、老夫婦とシルヴィが話をしている様子、そして両者が涙を浮かべて抱き合ったのを見届けることが出来ただろう。
その後、村を出る前に門番をしている人から依頼の報酬金を渡され、貴方達はまた、冒険者としての日常に帰るのだった。
・【村に居てはならない、蛮族だから倒すなどの返事をする】シルヴィは顔をより深く俯かせ、
「です、よね・・・分かりました。でも、これをあげるので私を見逃してください・・・もう村には近付きませんから・・・」
と言って、「不思議な貝殻(130G/金赤A)×PC人数」を差し出す。そして、シルヴィは寂れた屋敷へ残ることを告げ、村へ向かう君達を見送るだろう。そして、村へ帰った君達がシルヴィと一緒でないことを見た村の人達は涙を流し、シルヴィが帰らなかった事を悲しむだろう。もし、PC達がシルヴィを倒すことを選択したのなら、シルヴィのHPを5点まで減少させ、倒したとしても戦利品は得られないものとする。

後者の選択をした場合、老夫婦への報告によってエンディングを以下のように変える。

・【シルヴィは蛮族によって殺されていた、自分達が来た時には既に死んでいた等のように報告する】貴方達のその報告に、老夫婦は涙を流して悲しむ。そして、悲しみながら重い足取りで君達に近付き、
「ああ・・・残念だけど、これも仕方ないのだろう。冒険者さん、これがお礼だよ・・・」
と言って、依頼の報酬金の入った袋を渡して家へと入っていく。そして程なくすると、家の中からは老夫婦の泣く声が聞こえてくるだろう。君達の心の中に重くのし掛かる何かを残して、君達も冒険者としての日常へ帰るのだった。
・【シルヴィは蛮族だったから殺した、村に帰らせなかった等のように報告する】その言葉を聞いた村の人達は、怒りを滲ませた表情で、
「例えそれが本当であったとしても、シルヴィは私達にとって優しくて愛らしくて・・・大切な、とても大切な存在だったんだ・・・!」
と言い、君達に怒りを向けてくるだろう。そして、門番をしている人も君達を睨み、
「金が欲しいならくれてやる!さっさと帰って、もう二度とこの村に顔を見せるな!」
と言い、報酬金の入った袋を投げ、そのまま貴方達を村から閉め出す。君達の心の中に重くのし掛かる何かを残して、君達も冒険者としての日常へ帰るのだった。

裏設定について

シルヴィが村に拾われたきっかけ、及びこのシナリオについて

シルヴィの火傷の様な痕について

ヴァルグ戦終了後のシルヴィの発言について

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