※18歳未満の方、二次創作小説の苦手な方は閲覧をご遠慮ください。

「はぁ…憂鬱ですわね」

夜の校内。窓から夜空を見上げていると、背後に忍び寄る物影が。

「誰ですの?」
「いやだなあ、僕ですよ」

声の主は私の部下、怪盗トゥエンティ。
食えぬ男ですが…その分付き合いは長いとも言えましょう。

「丁度良かったわ…最近物寂しくて」

服を脱ぎ捨てるのは、行為の合図。
ちらりと鍵が閉まっているのを確認すると、彼もにやりと笑います。

「また貴方の美しいお身体を抱けるのですか、光栄です」
「抱けるなどと軽々しく口に出さないでくださいまし」
「これは失礼、ですが…貴方も欲しいのでしょう?
この僕のビューティフルな身体を…」

服を脱ぎ捨てる彼の表情は、まさに軽薄。しかし。

「もう少し静かにしてくだされば美形ですのに」
「しかし世の常とは変わらぬものですね…美しいものは常に惹かれ合う!」
「少しは人の話をお聞きなさいな…!」

自分が全裸であるのも忘れ、馬鹿な彼の頭を小突きます。

「んっ…くちゅっ…んむっ…!」

軽く抱擁しつつ舌を絡ませ、約一時間ほど。

「私最近退屈しておりますの、普通のやり方では満足できなくなったというか」
「僕にできることなら何でも」
「そう言うと思って頼みごとを用意しておきました。
私に命令なさい、トゥエンティ。二時間だけなら貴方の言うことを何でも聞きましょう」
「そんな僕が…アルセーヌ様に命令なんて畏れ多い…!」
「だからこそ求めているのです、貴方は行為中ですら私のことを思いやり、
遠慮すらしている節があります。いつものように欲望を解放すればいいのです」
「では…」

彼の提案は「裸のまま壁倒立をすること」でした。

「なかなか…変わったご趣味をお持ちね…!」

(頭に血が上りますわ…!)

「素晴らしい…この背徳感…!今まで味わったこともないよ…!
嗚呼…もっとこの感覚に早く気づいていれば…!」

虚ろな目で彼を見つめると、とても嬉しそうな表情で腰をくねらせておりました。

「そのふとましい脚を触らせておくれ」

脚を開かれ、真ん中の毛を舌で掻き分けられ…さらに指が…!

「んっ…んんっ…!」

興奮を感じる間もなく、お互いの胸を擦り合わせ始める彼。

「もっと感じて…?」
「…それっ…いじょ…うっ…!」

自分の胸が顔に垂れ下がって、その上頭も痛い。
そこでなお襲い掛かる興奮。
私はいずれにも耐えきれず、壁からずり落ちてしまったのです。


「アルセーヌ様?大丈夫ですか?」

気が付けば、もう二時間が過ぎておりました。
心なしか彼の態度も冷静に見え…いや、気のせいでしょうね。
彼に限って、それはあり得ない。

「流石アルセーヌ様、あれだけ恥ずかしいことをしておいて復活もお早い」
「随分酷い言い草ですわね。もう時間は過ぎたと言っているでしょう?」
「これはご無礼を…しかし、覚えておいてくださいよ?
僕は二度と貴方を裏切らないと。マイラブリーエンジェル、アルセーヌ様」
「はぁ…分かりましたからさっさと行きますわよ、そろそろ夜も更けますし」
「了解です」
「それにしても貴方には…」
「はい?」
「なんでもありませんわ」

これ以上はやめておきましょう。
だって、言えるわけありませんもの。
貴方に心を奪われた、なんて怪盗にかけた言葉にしてもクサすぎますもの。

おしまい

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