安斎都の探偵調書

『安斎都の事件ファイル』
『私、安斎都がアイドルになってしばらく経った。』
『レッスンをして調査を進め居ているが、私がアイドルにスカウトされた理由は、いまだにわかっていない。』
『というか、そもそもアイドルとはなんなのか……』
『謎は深まるばかり……』っと。
よしっ、いい感じに書けました。
うーん……こうして文字にしてみてもわかりませんね。
なにか、解決の糸口があれば……。

あっ、プロデューサーさん。
お疲れさまです！
それで、私に何か用事ですか？
まさか、事件の依頼とか？

初仕事！？
むむむ……これは、事件解決の糸口がつかめる予感がします！

いえ、こちらの話です！
ささ、プロデューサーさん。
詳しい話を聞かせてくださいっ。

なるほど、握手会ですか……。
名探偵は握手をしただけで、その人の人生を見極めたといいます。
これは……まさに、私・安斎都の独壇場ですね！

さぁ、最初の方！
こちらべどうぞー！

[ファン]
あ……。ど、どうも……。

いやぁ、応援ありがとうございます！
むむむっ！？
この手の感じから察するに……
ズバリ、あなたは大工さんですね！

[ファン]
あ……。い、いえ、パン屋です。

なんと！これは失礼しました！
ほほう、なるほど。この手がパン屋さんの手ですか。
勉強になりました！
何を隠そう、私もパンはよく食べているんです！
アンパンとか！

ふむふむ……。
この力強い指先は……野球選手……？

[ファン]
いやぁ、球技はてんでダメで……。
柔道なら、ちょっとやってたことがありますけど。

柔道でしたか！これは失礼を……。
ふむ、柔道……。護身術にいいですね。
何か私にもできる技はありますか？

[ファン]
えっと、それなら……。

すみません、プロデューサーさん！
この安斎都、一生の不覚です！

だって、せっかくの初仕事なので、推理を外してしまいましたし……。
ファンのみなさんも、がっかりされたでしょう？

アイドルとしては、もっと重要なことができていたから。

へ？
それは、どういう……？

[主催者]
いやぁ、よかったねぇ、都ちゃん！
ファンのみなさん、とっても喜んでいたよ！

ええっ！？

[主催者]
都ちゃんが話をリードしてくれたり、いろいろ詳しく聞いてくれたりしたから、話しやすかったって！

なんと……。
私は、いつもの私でいただけだったのですが……。
しかし……なるほど。
アイドルにとっても、会話を盛り上げることが重要なのですね。
勉強になりました！

それはまだわかりませんが……
いずれ、今回の件がきっかけだったと振り返るときがあると思います！たぶん！

『安斎都の事件ファイル』
『アイドルの謎は奥が深い。
私がスカウトされた理由も、そう簡単には解き明かせないだろう。』
『しかし、この謎を迷宮入りにするわけにはいかない。
なぜなら……』
『真実はいつだって、都のものなのだから！』
……決まった！