第1話 
2023年1月20日
（背景：青空）
毎日、私たちは思っています。
今日も、輝くアイドルでいられた。それは、あなたのプロデュースのおかげだって。
今日も、輝くアイドルでいられた。それは、あなたのプロデュースのおかげだって。
このまま、ずっと一緒に歩み続けられたら、どれだけ幸せだろうって。
だけど……どれほど願っていたとしても、終わりの日は、やってきてしまうかもしれないんです。
（背景：事務所）
本当に、もうお別れなんですね……。
やっぱり、寂しいなあ……。
やっぱり、寂しいなあ……。
ここで、たくさんのことがあったよね。私たちの始まりの場所で、大切な場所……。
寂しいけど……それでも最後は笑顔で、ありがとうって言いたいですっ！
そうね。時代の流れもあるしお別れは覚悟していたもの。
私たちは、ここで作ったたくさんの思い出を抱きしめて、これからを生きてきましょう。
私たちは、ここで作ったたくさんの思い出を抱きしめて、これからを生きてきましょう。
……！ はいっ！
あの！ しんみりてるところ悪いんですけど、手を貸してください！
このままでは、予定日までに引っ越しが終わりませんっ！
このままでは、予定日までに引っ越しが終わりませんっ！
事務所の引っ越しが決まったのは、つい先日のことでした。
建物が古くなってきたからという理由だそうです。大きなLIVEも控えている私たちは、オフの日に少しずつ、事務所を掃除することにしました。
建物が古くなってきたからという理由だそうです。大きなLIVEも控えている私たちは、オフの日に少しずつ、事務所を掃除することにしました。
私物だけでもすごい量でしから。各自、持ち帰るものと新しい事務所に持っていくものを分別してもらっています。
そして、みんなが私物を整理している間に、私たちが自慢のテクニックで、事務所を掃除して−−
[？？？]
どこいったの〜！？
うわああああああん！
なしてや！？
ワンワン！！
どこいったの〜！？
うわああああああん！
なしてや！？
ワンワン！！
……今、何か不穏な声が聞こえたような……？
トラブルでしょうか？
探し物が見つからないとか……少し、様子見てきますね！
探し物が見つからないとか……少し、様子見てきますね！
いってらっしゃい♪
お掃除は、私と清美ちゃんにお任せあれ！
お掃除は、私と清美ちゃんにお任せあれ！
（背景：廊下）
最初に声が聞こえたのはこの辺りですけど……
アッキー！
どこいったの〜！？
出てきてぇ〜！
どこいったの〜！？
出てきてぇ〜！
これは探し物というより……
探しアッキーです！
その……私たちは、事務所の絵画やポスターといった作品の搬出作業をしていたんですが……
その様子を、アッキーさんが珍しそうに首を傾げて見ていたんですよね！
だから、教えてあげたんだぁ。
事務所をお引越しするんだよ〜って☆そしたら、どっかにいっちゃったの〜！
事務所をお引越しするんだよ〜って☆そしたら、どっかにいっちゃったの〜！
私の推理では、引っ越しを寂しく思ったアッキーさんが、この辺りでストライキをしているはずだったんですが……！
そういえば、さっき、犬の鳴き声も聞こえたような……？ たしか、応接スペースの方でした！
なるほど……間違いありません！ 犯人はそこにいます！
都ちゃん、犯人ではなくアッキーですよ……。
（背景：会議室）
うわあああああああん！
あたしのお山クッション捨てないでえええええ！！
あたしのお山クッション捨てないでえええええ！！
[アッキー]
ワン！ ワンワン！！
ワン！ ワンワン！！
カ、カオス……ですね……。
あの、清良さん、一体何が起こってるんですか？
私は衣類やクッションの整理担当ということで……愛海ちゃんのクッションも洗濯しようとしたんです。
そこで、愛海ちゃんがとびかかってきて、アッキーが鳴いて、この状況に……。
そこで、愛海ちゃんがとびかかってきて、アッキーが鳴いて、この状況に……。
アッキー、いつもはちゃんといい子にしてるのにぃ〜。
都ちゃんの言う通り、寂しかったのかなぁ？
都ちゃんの言う通り、寂しかったのかなぁ？
やはり、事務所の思い出の品がどんどん片付けられていくわけですからね！
そういうことね……愛海ちゃんもアッキーも、安心して？
大切な物を、取り上げたり捨てたりするわけじゃないわ。
綺麗に、ふっかふかにして、新しい事務所に持っていくのよ。
大切な物を、取り上げたり捨てたりするわけじゃないわ。
綺麗に、ふっかふかにして、新しい事務所に持っていくのよ。
そうなの！？ お山の感触を完璧に再現したクッションだからダメだったのかなって思っちゃった……。
大丈夫よ。
公序良俗に反しない限りは。
公序良俗に反しない限りは。
古い物は、古いだけでなく歴史あるものですから……大切な価値があるんです。
いくつかは新しい事務所へ持って行っていいとプロデューサーさんから許可をいただいていますよ。
いくつかは新しい事務所へ持って行っていいとプロデューサーさんから許可をいただいていますよ。
全部がなくなるわけじゃないんだよ〜。アッキー、わかってくれたぁ？
[アッキー]
ワンワン！
ワンワン！
よいしょ、よいしょ……ダンボールが通りまーすっ！
わぁ、みなさん、すごい荷物ですね！
えっとね、こっちのは次の事務所に持っていく、みんなの似顔絵だよ！
こっちは、各自持ち帰る私物です。みんなで作ったアクセサリーとか、ぬいぐるみですね。
全部詰めたら、ダンボールいーっぱいになったんだよね！
運ぶのもたいへん！
運ぶのもたいへん！
でも、全部大切なものだから、捨てたくなくて……そしたら、お姉さんたちが手伝ってくれました♪
任せてください〜♪
こういう時に頼りになるのが、オトナのお姉さんですからね〜！
こういう時に頼りになるのが、オトナのお姉さんですからね〜！
それに、みんなで力を合わせれば、引っ越し準備もすぐに終わりますからね♪
はーいっ！
よかった。ここはもう大丈夫そうですね。次に声が聞こえて来た場所は……
なしてや、って……きっとあかりちゃんの声ですよね。
（以下、出番がないので省略）
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