伊福部昭の年表と作品のデータベース。暫時更新中。編集は不可能としているので、データの誤りなどありましたらコメントでご一報ください。

編成:編成:フルート2、ピッコロ、オーボエ2、コール・アングレ、クラリネット、バス・クラリネット、ファゴット2、コントラファゴット、ホルン4、トランペット3、トロンボーン2、バス・トロンボーン、テューバ、ティンパニ、打楽器奏者3人(トムトム2、大型クラベス(Thick Claves)、カウベル2、コンガ2、キューバン・ティンバレス)、ハープ、独奏ピアノ、弦楽5部(《ピアノとオーケストラのためのリトミカ・オスティナータ》総譜、全音楽譜出版、1975年)

小林、2004、p49ではバス・クラリネット2とあるがこれは誤り。同じく、小林のトロンボーン3はトロンボーン2とバス・トロンボーンの誤り。同じく、拍子木とあるのはThick Clavesのことを指していると考えられる。

作曲年:1961年
なお、「二台ピアノ版は1971年に作曲者が本作を現在の版に改訂した際に同時に作成された版」」(山田令子、CD「伊福部昭ピアノ作品集第2集」ブックレット、p7)という記述もあり、現行の総譜(1975年出版)は改訂版の可能性が高い。>>下記の通り、初演版を改訂したものが現行版であることが初演録音によって判明した。

ネットラジオOTTAVAによる「TBS VINTAGE CLASSICS SPECIAL」において初演の録音が放送された(2013年9月15日開始)。これによると細かい箇所での改訂も多いが、一番大きな改訂はA(急)-B(緩)-C(急)-D(緩)-A(急)の現在の改訂版の構成の中で、初演版ではCとDの間に第一主題によるマーチ的な音楽が入っており、この部分は現行版では完全に削除されている。。(現在はCD「伊福部昭:ピアノとオーケストラのためのリトミカ・オスティナータ(初演)」ユニバーサルクラシックス&ジャズ、ユニバーサルミュージック合同会社、TYCE60014、2014年で聴くことができる)

2016年9月26日、NHK-FM「クラシックの迷宮」にて1969年の再演版が放送された。よって少なくとも本曲には初演版、再演版、現行版の3版があることが判明した。再演版では1961年の初演版から細かな箇所が現行版と同じように編曲されたが初演版のマーチ的部分は残っている。

初演:1961年10月9日、金井裕(Pf)、上田仁指揮、東京交響楽団、第116回定期演奏会、東京厚生年金会館(プログラム確認済み)。

再演:1969年2月10日、日比谷公会堂、若杉弘指揮、小林仁ピアノ、読売日本交響楽団(『音楽藝術』1969年4月号)(NHK-FM「クラシックの迷宮」2016年9月26日)(プログラム確認済み)

出版:全音楽譜出版、1975年

編曲:1971年に二台ピアノへのリダクション版が書かれた((伊福部、全音楽譜出版、2002)。この版の初演は二〇〇四年五月、川上敦子と岡原慎也の二台ピアノによって「伊福部昭卒寿記念個展演奏会」において行われた。

小林、2004、p63では「ピアノの特殊奏法があまた採り入れられている」とあるが、伊福部昭《リトミカ・オスティナータ》総譜、全音楽譜出版、1975年、を見る限り特殊奏法は使われていない。

(調査途中報告)日本近代音楽館所蔵資料の調査により、1961年筆初演版、1971年筆2台ピアノのための編曲版、1972年筆の現行の出版譜の原譜が確認された。これによって、1971年の2台ピアノ編曲版において1961年初演、1969年再演にあったマーチ的部分が削除されたことが判明。1969年再演版の楽譜は現在所在不明。
(調査途中報告)上記の調査を進め、「1961年初演版」と想定した総譜が「1969年版」のためにそのまま消しゴムやペンを使用して改訂され、さらに(おそらく1971年に)現行版に改訂するためにさらなる加筆・削除の訂正を加えたものであることが判明。従って1961年初演版ならびに1969年再演版そのままの総譜は現存しない。

このページへのコメント

重箱かもしれませんが、正しくは山田"令"子さんですよ。

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Posted by NS 2014年12月23日(火) 01:25:06 返信

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