Space Development

Abstract

2009年2月24日、25日に開催されたPMChallenge2009というプロジェクトマネージメントに関するカンファレンスに参加してきました。参加と行っても聞いてきただけですけど。

Topic


(c)Hilton

PMChallengeとは

  • テーマは?
プロジェクトマネージメントに関するカンファレンス。1年に一回開催されるようで、今回で6回目みたいですね[1]。
  • 規模は?
少なくとも1500人くらいはいたような気がする。下手すると2000人くらいいたかも。
ホテルの部屋を大小合わせて15個以上借りていました。大規模だ。いくらかけてるんだろう。
  • 対象は?
NASAによるNASA職員及びコントラクタのためのカンファレンスという感じ。たとえば、JAXAやESAの人には一人も会いませんでした。ちなみにNASAとしては、HQ、GFSC、GRC、ARC、MSFC、JPL、KSC、JSCの人を見かけました。実際はもっといたんだろうと思います。
  • 目的は?
印象としては、職員-職員、職員-コントラクタのネットワーキングが一番。もちろん、知識の共有も。という印象です。
  • 場所は?
フロリダのデイトナビーチにあるヒルトンホテル[2]。いやー目の前に大西洋のビーチがどーん。バカンスとしてここに来ることは、非常に贅沢なことだと思います。今回は、来てカンファレンスに出て、終わったら、早朝のまだ暗いうちに帰ったので、ビーチとしては楽しんでいません。朝日がきれいだったなー。そう大西洋が東側にあるので、朝日が海から上がってくるのです。写真に撮っておけばよかったと後悔してます。

ここで学んだことは


  • Case-studyとして実例を使った研修
自分の組織で実際に起こったこと、起こっていることをCase-Studyとして扱った研修は、かなり効果的なのではと思いました。
このカンファレンスでもケーススタディをかなり扱っていて、主は、プロジェクトマネージメントをどう実際の活動に活かしたかという観点で下が、NASAでも重要視しているのだと感じます。その情報をいかに有効利用し、職員の知識向上に役立てるかという観点も散見され、面白いと思いました。その中で、NASAの職員が研修の先生として各センターを回っているという活動の話をなるほどと聞いていたわけです。
以前、自分の会社で、プロジェクトマネージメントの研修を受けたことがあり、そこには、用意された架空の状況の中で、その場で学んだ、プロジェクトマネジメントの手法を適用して、問題の解決のアプローチをグループでディスカッションするというものでしたが、グループには、会社の各部署から集まった、熱い人たちが来ているわけで、ここで、自分たちの会社で実際に起こっていることをそのディスカッションのテーマにできれば、非常に効果的だと考えたのを思い出しました。それをコントローするする人には、非常に高いスキルが求められると思いますが。
  • KMに関係すること
覚えているのは、Risk Managementにナレッジを関連付けて管理しようとしている話(詳細はこちらにも)、職員は忙しいものだとする話、ナレッジマネジメントは仕事のためにするんだという話、Wikiがいいという話あたり。興味深い。
  • リスクマネージメント
NASAでそれなりのシステムを受注するときに契約上守らないといけない要求事項として、リスクマネージメントがあるそうです。その要求事項はNPR 8000.4Aという文書でWEBに公開されています[3]。NPRとは、NASA Procedural Requirementsの略です。当然、その作業に対し、お金も支払われるわけです。リスクマネージメントにもちゃんとお金をかけているんですね。現場で、とあるリスクマネージメントをやっているコントラクタの方にお会いしました。毎日、リスクを識別(Identify)して、その確率と影響の大きさを計算して、リスク軽減などの対応を提案し、検討結果を蓄積しているという作業をしているそうです。リアルワールドです。
  • ”3割削減”悪のルールか賢いウソか
このタイトルうまいですよね。予算3割削減ありきで物事を進めることについて、「現場を分かっていなくて精査もしていないひどいルールだ」とするか「明確な数値目標として、残念ながら最もうまく機能する予算削減方法だ」とするか。実は、この発表には開始時間に行くことができず、観客がいっぱいで中に入れなかったので、内容を聞けませんでした。なのでNASAの中でこんな3割削減の話が本当にあるのかもわかりません。でも面白いタイトルですよね。みんなこのタイトルに惹かれたんだと思います。結論のスライドをちょっとだけ見たのですがそこには「正確なトップダウンの予算削減見積もりは無理。reward honest」と書いてありました。どんな話がされたんでしょうねー。

Reference

  1. ヒルトンホテル、2009、ヒルトンホテル デイトナビーチ ホームページ、ヒルトンホテル、http://www1.hilton.com/en_US/hi/hotel/DABDHHF-Hilt...
  2. NASA, 2009, Project Management Challenge 2009 ホームページ, NASA, http://pmchallenge.gsfc.nasa.gov/
  3. NASA, 2008, Agency Risk Management Procedural Requirements NPR 8000.4A, NASA, http://nodis3.gsfc.nasa.gov/displayDir.cfm?t=NPR&c...
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このページへのコメント

>研修で実際の問題を取り上げて、議論するって無理かな。

普通の日本人が研修に感じているイメージを持っている人たちが集まっても無理でしょう。
Hiroさんも「授業」に対する日本とアメリカの認識の差を感じてはいませんか?

>以前どこかの内部の報告会で報告されていた・・・
去年の3月に僕がプレゼンしたあの報告会ですよ。

>なぜWikiなのか・・・

おもしろい発見があったら教えてください。機能はシンプルだけど構築が簡単だということ以外、何がよいのかピンときてません。

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Posted by bigakira 2009年03月09日(月) 19:27:00 返信

研修で実際の問題を取り上げて、議論するって無理かな。

去年の日本からの参加者って、向井先生だ。プレゼンしてる。。この話は以前どこかの内部の報告会で報告されていた気がするけど、このPM Challengeのことだったのか。

結構自分の周りでは、Wiki大好きな人が多いです。Wikiについては、もう少し踏み込んでResearchしてみたいと思っています。なぜWikiなのか、どうやって使っているのか、その効果はなど。

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Posted by Hiro 2009年03月08日(日) 03:46:30 返信

PM Challenge面白かったようで何よりです。
実務経験から来る問題点を公の場で議論する雰囲気は日本の組織にはまだまだ希有な事ですが、クローズドな場所で議論されている事は普通でしょうね。ただこれは研修という観点ではできないことかと思いますので工夫が必要ですね。

KMは活動の結果から得られるものだから、大概の活動に関連づけられるでしょうね。全く新しいことを始める場合か、確率論が支配的な場合を除いて。

しかし何故Wikiが良いのでしょうか?

ちなみに去年は日本からも参加者がいました。
HPでプレゼンが見られて聞けます。
http://pmchallenge.gsfc.nasa.gov/presentations2008.htm

今年の分もアーカイブされることを期待して待ちます。

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Posted by bigakira 2009年03月04日(水) 10:53:11 返信

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