曹洞禅・仏教に関するwikiです。人名・書名・寺院名・思想・行持等々について管理人が研究した結果を簡潔に示しています。曹洞禅・仏教に関する情報をお求めの方は、まず当wikiからどうぞ。

【定義】

読み方は「しっすい」。六知事の一であり、叢林の寮舎の建造・修理や什物の整備を行う。他にも、普請の際の人夫や工事の監督も行う。元々は一年間の当直で、寺院管理を司った。なお、道元禅師は『知事清規』「直歳」項にて、直歳は、他の知事と同様に庫院にいるべきとしつつも、「直歳司(現在の直歳寮)」にあるべきだとしている。他にも、直歳の役割として、寺内を警備するというものもあった。

また、どうやら道元禅師の会下には、慧運という究めて有能な直歳がいたようで、その働きぶりに感動した道元禅師が法語を授けたことが『永平広録』の記述に伝わっている。
慧運直歳充職、乃ち延応庚子の歳なり。去冬除夜に請を承けて、今、供衆す。五月二十五日、梅雨霖霖として、草屋漏滴す。因みに、山僧入堂坐禅するに、照堂雲堂と、両屋の簷頭、平地に波瀾を起こす。清浄海衆、進歩退歩、中間に兀立す。時に直歳に告ぐるに、匠人と等しく裰を脱ぎ笠つけず、屋上に上って管す。雨脚、頂に潅げども辞労の色無し。予、潜かに発意を感ず、一句、他に与えん、と。乃ち、本祖の時、他を鑑憐するのみなり。爾して自り以来、月六箇を経、日、二百に将んとす。未だ工夫有らずも、其の意、忘れ難し。暑中に未だ筆をとらず、寒に至って墨を使う。是、則ち先仏の骨髄なり。一身の卜度に滞ること勿れ。吾子充職より已来、光陰将に一年に近づきなんとす。堂宇漸く数堵を成す。幸に是、縁成果熟の弁肯なり。或は、北方より来って下載、是、大なるを見る。或は、対面に玄機を呈す。尊子の励力為り、他の喜ぶ所なり。況んや、此の刹、道路深遠にして閑人到らず、唯、挑嚢の高人、畳足して至り、逞尽の英雄、出格入草す。耳に聞き心に喜ぶ、悉く是、白契を執って、祖父の田園を争わんとす。或は、修羅の相を現じ、或は、千手眼を具す。伝法継祖、誰か作者の能に非ずと道わん者や。供衆務力の句、有りと雖も、且く、作麼生の道か、他に与うる一句。動は必ず百当、作は必ず十成、と。 『永平広録』巻8−法語6

コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

管理人/副管理人のみ編集できます