SC2の日本語による戦略・ビルドオーダー解説wiki. ビルドwikiなどと呼んでください。Starcraft2: Heart of the Swarmの内容が中心です。有志で書いてます。

スタークラフト2のプレイヤーだと言う事の裏側にある心理に関する記事*1
SC2スキルが上達する事でより良い人間になれるかもしれない

筆者:Grubby(2014年10月5日)
原文:An Article about the Mentality behind being a StarCraft II Player

これを読んでいる君は今ゲームを遊びつつ、いつかプロゲーマーになると言う事を熱望しているかもしれない。もしかしたら君は既にSC2を遊んでいて、単純に自分の潜在能力に深く潜り込み、どのレベルまで自分が上達出来るか見たいだけなのかもしれない。SC2をプレイする場合のストーリーは必ずしも「僕はいつか次のBonjwaになるのか?」と言うわけではなく、むしろ自分を知り、自分を改善し、自分に挑戦し、困難を乗り越える事である。より上手いSC2プレイヤーになると言う行為は自分自身と向き合う事になる。これはとても対立的な事で、その旅はしばしば自分を蔑む傾向になる為、自分を悪く思うようになってしまう。ラダーを回す事への不安がこれの象徴だ。単純に言うと、どれだけ自分が「駄目」かを見る事で自分を悪く思うようになり、自尊心が傷つくのだ。相手にたやすく勝利し屈辱を与える事は、逆にとても良い気持ちになり、これは自尊心を増幅するからだ。見ての通り、明らかな技術的な要求(速度や機敏さなど)だけでなく、SC2はとても感情的なゲームである。そこに問題の核心がある。どうすればSC2プレイヤーとして上達し、それの延長線でより良い人間になれるのだろうか?

より良い人間になると言う事


僕がWarCraft3を遊びだした17歳の頃、あまり出しゃばらず、自分のプレイのレベルや結果にはあまり心配していなかった。昔の自分の結果より「悪い結果」を残すようになれたのは、何回かトーナメントを優勝した後からだった。優勝候補としての自分にプレッシャーを感じるようになり、それらは僕の意識に「僕はこいつとあいつとXとYとZよりは上手い」と言う考えの種を植えつけた。これは競争的なオンラインゲームをプレイした事ある人全員が心当たりのある考え方であるはずだ。インターネットでは常時自分より上手い人がいると同時に自分より下手な人がいる。自分が相手より上手いと確信を持っている場合、しばしばその相手に正当に与えるべきである敬意を示さない場合がある。それは相手の過小評価になり、さらに自分が出来るプレイより酷いプレイをする事に繋がる。そのような展開で負けた場合は怒りや不満を感じる事となる。いつ頃からやりだしたは覚えてないが、僕は19歳だった頃、怒った時は拳でテーブルを思いっきり叩いていた。その怒りは「負けるはずのない」相手に負けた事に対しての怒りだった。20歳になり彼女が出来た時、このテーブルを叩く行為がかなり問題になった。それが彼女を怖がらせた事はもちろん、自分の未熟さや自分の感情を然るべき態度で処理する事が出来ない事を強調していたからだ。表面上はとても簡単だ。怒ったから、テーブルを叩いた、大事ではない。でも深く掘り下げて見てみると、それは僕が度々相手にそれなりの評価を与えていなかった事を明らかにしていたのだ。

その後、僕は自分が理論上で「優位」だったとしても「勝ったはずだった」シチュエーションなど存在しない事を学習したのだ!バランスが取れていて運の要素が少ないゲームにおいては、僕が自分の敗因と示せる理由は常時何個もある。僕は自分が勝つ「べきだ」と思った瞬間に自分を精神的に弱体化させていたのだ。僕は最悪の事態を予測しないから、それに対する備えもしなかった。僕は相手に敬意を示さなかった。僕は相手の事を欲望や野望(その場では「僕を倒す」と言う野望)を持つ、血と肉で出来た人間だと認識しなかった。自分を倒すと言う挑戦を受ける準備が出来ている人がいるのに、その人と同等の敬意を示さない理由がどこにあるのだろうか?テーブルを叩く癖を辞め、対戦相手は誰もが危険性を持ち、自由にかつ自分が幸せになるようにゲームを遊ぶ権利があると言う理解をした事が、僕にこの性格の欠点及びSC2での欠点を克服させてくれた。


イラスト:一番大事なのは自分が自分をどう見ているか

怒りを乗り越える


自分に正直で居続ければ、ゲームの仕組みについて苛つく事はほとんどないだろう。特定のユニットや種族バランスの原状が苛つきの本当の理由ではないのだ。本当の理由は相手の無謀・生意気なプレイスタイルや、自分の短所(自覚してる・しないに関わらず)なのである。例を挙げてみよう!僕らはスワームホストと言うユニットが強力だから、このユニットに対して苛つくと思っている!だが実際にはユニットそのものよりかは、僕らがこのユニットに対し合理的で美しい対処法を取っていない事に対して苛ついているのだ。もし他のプレイヤー全員がスワームホストの対処に失敗し、自分が唯一効果的な対処法を持っているとしたら、自分に誇りを持ち、唯一と言う栄光を浴びれる事に酔いしれるのだ。「他が失敗する中、私は成功者なのだ!」と。これは美しい夢である。先述の怒りは(失敗は実は存在しないので)遅延された成功への不満から来るものであり、ユニットそのものに対してではない。「怒りを乗り越える」と言う課題に取り掛かるにあたり、解決の鍵は何に対して怒っているのかを理解する事である。これはとても対立的になるかもしれないが、ここで僕らは人生の基本的な教義を思い出さないといけない。(1)僕らは生きていて、幸せも悲しみも含めた感情を感じる事。(2)他の人も生きていて、彼らなりに賞賛されたい・愛されたい等の要求があると言う事。(3)僕らはいつも原状を嘆く事も、それを改善しようと頑張る事も出来ると言う事。そして最も重要なのが(4)どんなに分が悪い状態に置かれていても、自分の潜在能力を理解しようともしなければ、その潜在能力のピークがどこにあるかは永遠に判らない事。


写真:僕のクッキー取ったな!?!? 怒!!!

スキルに天井はない


僕らは、たまに「もうこれ以上は上達出来ない」と思う事がある。だけど僕は問う。何を上達するのか?勝率?所属するリーグやランク?統計は現代において目に見えないマラソンのメダルのようなものだ。僕らの父親が勝ち取った後、僕らに手渡したトロフィーのようなものだ。賞賛は算数のテストに答えを書くも、数式や答えに辿り着いた経緯を示さないようなものだ。ぶっちゃけ、メダルなど意味はない。自分の「トロフィー棚」に置く物を殖やす事は、試験で満点を取ったのに問われた内容を全く理解していない事と同等の価値しかないからだ。確かに格好いいし、友達や同僚に好印象を与えるかもしれないし、更に(刹那的な)満足感を与えてくれるかもしれない。それはそれでOK!でも、それが自己判断の基本的な計り方であってはいけない。人生で何か(SC2含め)において、より深い熟練度への到達と言う経験は長続きする良い感情の輝きがある。僕らは大きな問題を小さな挑戦に崩してから挑み、その輝きに到達する事が出来る。練習の質。この単語をググってみると、インターネット上に海のように情報が広がっていて、更に課題に時間と量だけ投げつけず効率的に上達するためのコツを教えてくれる本が沢山ある。

科学的に言うと、プレイしたどのゲームにおいても、より良くできた事がどんな些細な事であれ存在するならば、そこには自分のプレイに組み込める上達の要素があるのだ!ただ一つでも自分のプレイを良くする事があるなら、「僕には何も出来なかった」や「もう上達出来ない」と言う文句は無効になる!君は「どっちみち結果は変わらなかったよ」と言うかもしれないが、それに僕は「君は塵が積もれば山となる事のありがたみを一生理解できないだろう」と言い返すだろう。僕らは残念ながら人間であり、想像力には限度があるから、いつも大局的に物事を見据える事が出来ない。だけど、沢山の小さな強みを土台にし、将来機会があった時に有効利用出来るようにする方が単純に気が楽になると言う事を信じていかなければならない。


最後に


RTSを競技としてプレイしてて、僕は何度も栄光と絶望を経験してきた。苛立ちも恍惚も感じたし、愛されも嫌われもしたし、自由も束縛も感じた。僕は間違えもしたし、学んだし、上達したし、修繕したし、旅行もした。SC2は万人のためのゲームではない。このゲームを愛する人は、自分に挑戦を課す事が好きな人だ。メダルは大切な物ではなく、偉大なマクロゲームに勝ったりタイミングアタックが綺麗に決まったりした時の満足感のみが大切なのだ。対戦相手を尊敬することで、自分の事も尊敬出来るようになり、それが一番良い行動である。それは、その他の心配事を全て排除し、ゲームを必要最低限(種族間の戦い・勝利と敗北の2択)まで簡略化させる事になる事となるのだから。コマンダー達よ、ご武運を。

ーGrubby著

このページへのコメント

これはSC2をある程度プレイした人間なら誰もが経験したであろう感情の処理の仕方の参考になるだろう。
そしてここに書いてある事はゲームだけではなく、人生にも当てはまるとも思える。

この素晴らしい記事を翻訳して下さったrikapi氏に感謝するばかりである。

1
Posted by OrangeCP 2017年03月09日(木) 15:55:58 返信

ものすごく古い記事ですが今頃読みました
最後の「対戦相手を尊敬することで、自分の事も尊敬出来るようになり、それが一番良い行動である。」がすっと入ってくる感じでした
rikapiさん、いい記事の紹介と翻訳ありがとう

0
Posted by 無名のすたくらー 2016年04月14日(木) 18:27:57 返信

コメントをかく


利用規約をご確認のうえご記入下さい

DayCraft応援広告

詳しくはこちらで。

今後のイベント一覧

メンバーのみ編集できます

閉じる
イベント一覧
右上にイベント一覧を追加してみました。海外大会に興味があるけどどんな大会があるか調べるのが面倒..と言う人たちで協力して手抜きしようというのが設置のきっかけですが、テスト中に月何でもコメントください。