＊ 閑（しずか）さや岩にしみ入（いる）蝉の声
「閑（しずか）さや」の句について、長谷川櫂氏は続けて書いている。
於多福姉も「俳句」についての思いを続けさせて頂きたいと思います。
櫂氏は、上記『おくのほそ道評釈』を否定するが、それぞれ理はある。
>「岩にしみ入蝉の声」を聞いて天地に広がる「閑さ」に気がついた。
>その驚きこそがこの句の「閑さ」だった。
>俳句では…まず驚いたことを頭にもってくる…それが「閑さや」である。
長谷川櫂氏は「物理的でない心の中の静寂」に芭蕉が驚いたと述べる。
じつは、櫂氏には自説を展開するうえで後ろ盾にする資料があった。
>曾良のメモによると、この句は初め
> 山寺や石にしみつく蝉の声
>という形だったという。……芭蕉はこの初案を……改めた。
芭蕉の詠んだ『閑さや岩にしみ入蝉の声』はそんな詰らない句なの？
初案を見なくては『閑さや岩にしみ入蝉の声』の句意は通じないの？
松尾芭蕉の名句『閑さや岩にしみ入蝉の声』はそれほどの駄作なの？
これは俳句は『独り歩きして良い』と考える私からの問題提起です。
長谷川櫂氏が出してきた初案の存在に問題提起しているのではない。
私は芭蕉の詠んだ『閑さや』の句は名句であると思っているのです。
読む人の自由に読んで、それで作者の心を感じたら好いと思ってる。
説明書を読まなければ正しく読めないような句はそこまででしょう。
長谷川櫂氏の理屈も判らないではないけど、私なりを再度読みます。
＊ 閑（しずか）さや岩にしみ入（いる）蝉の声 芭蕉
山は、蝉だけでなく・小鳥や枝の擦れる音などが聞こえてきます。
そのような山の『静けさ』が一瞬・途絶えるかも知れないけれど、
『静か』であれば静かである程、小さな音が人の耳に入ってくる。
それなら、本当の『静けさ』は山の中で得られる筈もありません。
夏の暑い盛りの景が浮かんできます、その山には蝉が鳴いている。
木陰に入れば涼風が疲れを癒してくれるだろうに、岩だらけなの？
頭上には焼けつくような真夏の太陽がギラギラと照りつけている。
それにしても、山全体が割れんばかりに揺れて、蝉が鳴いている。
烏呼！これはどうした。いきなり・真っくら闇になってしまった。
グラッと揺れたあの一瞬、私は岩山に呑みこまれてしまったのか。
日の光の届かない『閑な』岩の中に閉じ込められてしまったのか。
ぁ！蝉の声がジィジィ響いて『閑な岩の中』までしみ入ってくる。
私は当時の芭蕉の状況は知らないけれど、句の心は伝わってくる。
結局、芭蕉は岩山に登る必要なんか、ちっともありませんでした。
芭蕉はこの句で蝉の声が岩の中にしみ入ってきたと詠んだのです。
(蝉の声が止んだのでなく)蝉の声が閑な岩の中に沁みてきました。
岩の中に閉じ込められた芭蕉さん…誰にも理解されませんものね。
岩の中…芭蕉さんの「頭骨・耳骨」とでも言ったら通じるかしら。
まっ！私と芭蕉さん、二人のナイショ話という事にしておきます。
「閑（しずか）さや」の句について、長谷川櫂氏は続けて書いている。
於多福姉も「俳句」についての思いを続けさせて頂きたいと思います。
なんという静けさ。ふと気がつけば、この静寂の中で蝉の鳴き声のするのが、あたかも四囲の苔むした岩石の中へと沁み透ってゆくかのような気がする。あたりの静寂はいっそう深く、自分の心も澄み切って、自然の生命の中へと融け込んでゆくかのようだ。『おくのほそ道評釈』
櫂氏は、上記『おくのほそ道評釈』を否定するが、それぞれ理はある。
>「岩にしみ入蝉の声」を聞いて天地に広がる「閑さ」に気がついた。
>その驚きこそがこの句の「閑さ」だった。
>俳句では…まず驚いたことを頭にもってくる…それが「閑さや」である。
長谷川櫂氏は「物理的でない心の中の静寂」に芭蕉が驚いたと述べる。
じつは、櫂氏には自説を展開するうえで後ろ盾にする資料があった。
>曾良のメモによると、この句は初め
> 山寺や石にしみつく蝉の声
>という形だったという。……芭蕉はこの初案を……改めた。
芭蕉の詠んだ『閑さや岩にしみ入蝉の声』はそんな詰らない句なの？
初案を見なくては『閑さや岩にしみ入蝉の声』の句意は通じないの？
松尾芭蕉の名句『閑さや岩にしみ入蝉の声』はそれほどの駄作なの？
これは俳句は『独り歩きして良い』と考える私からの問題提起です。
長谷川櫂氏が出してきた初案の存在に問題提起しているのではない。
私は芭蕉の詠んだ『閑さや』の句は名句であると思っているのです。
読む人の自由に読んで、それで作者の心を感じたら好いと思ってる。
説明書を読まなければ正しく読めないような句はそこまででしょう。
長谷川櫂氏の理屈も判らないではないけど、私なりを再度読みます。
＊ 閑（しずか）さや岩にしみ入（いる）蝉の声 芭蕉
山は、蝉だけでなく・小鳥や枝の擦れる音などが聞こえてきます。
そのような山の『静けさ』が一瞬・途絶えるかも知れないけれど、
『静か』であれば静かである程、小さな音が人の耳に入ってくる。
それなら、本当の『静けさ』は山の中で得られる筈もありません。
夏の暑い盛りの景が浮かんできます、その山には蝉が鳴いている。
木陰に入れば涼風が疲れを癒してくれるだろうに、岩だらけなの？
頭上には焼けつくような真夏の太陽がギラギラと照りつけている。
それにしても、山全体が割れんばかりに揺れて、蝉が鳴いている。
烏呼！これはどうした。いきなり・真っくら闇になってしまった。
グラッと揺れたあの一瞬、私は岩山に呑みこまれてしまったのか。
日の光の届かない『閑な』岩の中に閉じ込められてしまったのか。
ぁ！蝉の声がジィジィ響いて『閑な岩の中』までしみ入ってくる。
私は当時の芭蕉の状況は知らないけれど、句の心は伝わってくる。
結局、芭蕉は岩山に登る必要なんか、ちっともありませんでした。
芭蕉はこの句で蝉の声が岩の中にしみ入ってきたと詠んだのです。
(蝉の声が止んだのでなく)蝉の声が閑な岩の中に沁みてきました。
岩の中に閉じ込められた芭蕉さん…誰にも理解されませんものね。
岩の中…芭蕉さんの「頭骨・耳骨」とでも言ったら通じるかしら。
まっ！私と芭蕉さん、二人のナイショ話という事にしておきます。
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