＊ 下京や雪つむ上の夜の雨 凡兆
>『猿蓑』に収められたこの句について去来が書いている。
>先師曰、「兆、汝手柄に此の冠を置べし。若まさる物あらば、我二度俳諧をいふべからず」ト也。
>芭蕉が決めた「下京」は…その中下を包み込んでしまう。…（心の中の京）に似た手触りをもつ言葉である。
芭蕉が「下京」に抱いていたイメージという事なのでしょう。納得。
>一方の去来はまず心を先立て、その心がものをいう風な詠みぶり。
手をはなつ中に落けり朧月 去来
湖の水まさりけり五月雨 去来
あき風やしら木の弓に弦はらん 去来
尾頭のこゝろもとなき海鼠哉 去来
>凡兆には現実を写しとる感覚の冴えがあるだけで、やはり去来の現実を破る気概や滑稽が欠けている。
櫂氏は、凡兆が同門の路通をあしざまにののしって以降、芭蕉が凡兆を遠ざけたと述べた。
面と向かって注意する姿勢を私は理解できるけれど、凡兆が陰口を叩いた件は理解しない。
>もし子規以降の近代俳句が凡兆的なものを目指すあまり、去来的なものをどこかに置き忘れてきたとすれば、それは『猿蓑』編纂の際、病雁の句を捨てて小海老の句だけを入れるような誤りをおかしてきたということだろう。
現実を写しとる感覚の冴えは優れた能力の一つでありましょう。
優れた能力を備えない余人を劣った者と感じる性向が人にはある。
結局、凡兆の能力は多くのどんな人にも理解されやすいでしょう。
去来的なものを理解する能力は誰にでも有るものではありません。
心を学ぶ場は人間を友とする人・自然を愛する人のいる場所です。
現近代の日本は、心を学ぶ場が失われつつある時代と思われます。
すなわち、私たちは去来的な場を意識して求めなければならない。
去来的な場を求めずして凡兆的に過ぎては、俳句の心が失われる。
しかし、去来的にのみ、価値を求めても絵に描いた餅の如しです。
芭蕉が求めたのは、去来と凡兆を併せ持った人の俳句になります。
すなわち、小学低学年からの俳句教育の導入は急ぎたいものです。
>『猿蓑』に収められたこの句について去来が書いている。
>先師曰、「兆、汝手柄に此の冠を置べし。若まさる物あらば、我二度俳諧をいふべからず」ト也。
>芭蕉が決めた「下京」は…その中下を包み込んでしまう。…（心の中の京）に似た手触りをもつ言葉である。
芭蕉が「下京」に抱いていたイメージという事なのでしょう。納得。
>一方の去来はまず心を先立て、その心がものをいう風な詠みぶり。
手をはなつ中に落けり朧月 去来
湖の水まさりけり五月雨 去来
あき風やしら木の弓に弦はらん 去来
尾頭のこゝろもとなき海鼠哉 去来
>凡兆には現実を写しとる感覚の冴えがあるだけで、やはり去来の現実を破る気概や滑稽が欠けている。
櫂氏は、凡兆が同門の路通をあしざまにののしって以降、芭蕉が凡兆を遠ざけたと述べた。
面と向かって注意する姿勢を私は理解できるけれど、凡兆が陰口を叩いた件は理解しない。
>もし子規以降の近代俳句が凡兆的なものを目指すあまり、去来的なものをどこかに置き忘れてきたとすれば、それは『猿蓑』編纂の際、病雁の句を捨てて小海老の句だけを入れるような誤りをおかしてきたということだろう。
現実を写しとる感覚の冴えは優れた能力の一つでありましょう。
優れた能力を備えない余人を劣った者と感じる性向が人にはある。
結局、凡兆の能力は多くのどんな人にも理解されやすいでしょう。
去来的なものを理解する能力は誰にでも有るものではありません。
心を学ぶ場は人間を友とする人・自然を愛する人のいる場所です。
現近代の日本は、心を学ぶ場が失われつつある時代と思われます。
すなわち、私たちは去来的な場を意識して求めなければならない。
去来的な場を求めずして凡兆的に過ぎては、俳句の心が失われる。
しかし、去来的にのみ、価値を求めても絵に描いた餅の如しです。
芭蕉が求めたのは、去来と凡兆を併せ持った人の俳句になります。
すなわち、小学低学年からの俳句教育の導入は急ぎたいものです。
コメントをかく