（きっと、俳句は・切れ字は「縁を結びたい心」の発露なのです。）
＊此山のかなしさ告よ野老堀 (このやまのかなしさつげよところほり)
>伊勢の菩提山神宮寺での句。野老とは山芋の仲間で長い鬚根をつけるので長寿を願って正月の蓬萊（ほうらい）の飾りにする。
>「野老堀」に枯木や落葉を掻き分ける音を聞きとらなければ「此山のかなしさ」はみえてこない。
>野老堀が枯山でごそつく音に芭蕉は「此山のかなしさ」を聞きとったのである。
山芋も所替れば形も呼び名も変ります。山ノ芋・自然薯・野老。
岩だらけの山の土中深くまで細いほそい山芋が潜って伸びています。
自棄をおこして無理矢理に引っ張ると途中でぷつッと切れてしまう。
その苦労を味わったか聞き伝えにか、長谷川櫂氏もかなしさを知る!?
彼の山・此の山・どの山にも、それぞれに歴史があるだろうけれど、
私・芭蕉が立っている此の山よ！野老堀の長い歴史を語っておくれ。
こう読めたとき「切れ字」は此方と彼方を結ぶ「縁」の働きをする。
詠み人(芭蕉)と対象(此山)の心を繋いでいるのが、実に此の句です。
この句が、またこの句の一字一字が切れ字となって両者を結びます。
苦労して苦労して、しかし固い岩に阻まれて、断念した悔しい気持、
苦労した甲斐あって、長い山ノ芋を見事・手にした時の嬉しい気持、
見事に見える山の芋、みんなで協力しあい掘った思い出も懐かしい、
そんなこんな思いを全部ひっくるめて「かなしさ」に籠めたのです。
そんな山の歴史の重みを芭蕉も共に背負っていきたいと告げている。
山に心を告げよと迫るとき、既に芭蕉は山に心を告げているのです。
山と芭蕉とが渾然一体になって、そしてこの句は一人歩きし始める。
この句を読んでくれる人に心を繋ごうとして、いっぱい語りたいと…
＊此山のかなしさ告よ野老堀 (このやまのかなしさつげよところほり)
>伊勢の菩提山神宮寺での句。野老とは山芋の仲間で長い鬚根をつけるので長寿を願って正月の蓬萊（ほうらい）の飾りにする。
>「野老堀」に枯木や落葉を掻き分ける音を聞きとらなければ「此山のかなしさ」はみえてこない。
>野老堀が枯山でごそつく音に芭蕉は「此山のかなしさ」を聞きとったのである。
山芋も所替れば形も呼び名も変ります。山ノ芋・自然薯・野老。
岩だらけの山の土中深くまで細いほそい山芋が潜って伸びています。
自棄をおこして無理矢理に引っ張ると途中でぷつッと切れてしまう。
その苦労を味わったか聞き伝えにか、長谷川櫂氏もかなしさを知る!?
彼の山・此の山・どの山にも、それぞれに歴史があるだろうけれど、
私・芭蕉が立っている此の山よ！野老堀の長い歴史を語っておくれ。
こう読めたとき「切れ字」は此方と彼方を結ぶ「縁」の働きをする。
詠み人(芭蕉)と対象(此山)の心を繋いでいるのが、実に此の句です。
この句が、またこの句の一字一字が切れ字となって両者を結びます。
苦労して苦労して、しかし固い岩に阻まれて、断念した悔しい気持、
苦労した甲斐あって、長い山ノ芋を見事・手にした時の嬉しい気持、
見事に見える山の芋、みんなで協力しあい掘った思い出も懐かしい、
そんなこんな思いを全部ひっくるめて「かなしさ」に籠めたのです。
そんな山の歴史の重みを芭蕉も共に背負っていきたいと告げている。
山に心を告げよと迫るとき、既に芭蕉は山に心を告げているのです。
山と芭蕉とが渾然一体になって、そしてこの句は一人歩きし始める。
この句を読んでくれる人に心を繋ごうとして、いっぱい語りたいと…
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