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 すっかり日も落ちた郊外の住宅地。先日進学したデュエルアカデミア生である僕は、上京して借りたアパートにとぼとぼと帰っていた。

 今日も講義は大変だった。大学に相当する講義は高等部の授業に輪をかけて複雑になっており、僕はついていくので精一杯だったのだ。指定された初手からどれだけ盤面を伸ばせるかという実技をし、特定のサポートを適用できる通常モンスターを探して覚え、カテゴリ同士のシナジーを言語化してレポートにし……頭をフル回転させてなんとかついて行ったが、当然心身は重く疲労する。

 頭はぼんやりするし、足取りは重い。せっかく始めた新生活だというのに、もう不安が襲いかかってきていた。

 ……こんなんでやっていけるのかな。

 そう思いながらアパートのエレベーターに乗り、ゆっくりと借りた部屋の前に行く。そしていつも通り鍵を出そうと思った所で、突然妙なことが起こった。

 ガチャンと、内側から鍵を開ける音が聞こえたのだ。

 ……え?

 戸惑っている内に扉の向こうで電気が点き、ドアがゆっくりと開いていく。もしや泥棒か、それとも自分が部屋を間違えたかと思い慌てているうちにドアは開いていき、ドアノブを持つ手が見えてくる。

 黒い手袋を着けた細い指が見え、その先に細くしなやかな腕が見え、スレンダーで女性的な身体が覗き、そしてバイザーを着けた端正な顔が見え、

「おかえりなさいませ、マスター」

 そこには何故か見知らぬ女性がおり、僕をマスターと呼んで出迎えていたのだ。

※※※

「……というわけです、マスター。ご理解頂けましたか」

 とりあえず部屋に上がった僕は、彼女……オペレーターさんから、詳しい事情の説明を受けていた。どうやら彼女は上京して一人暮らしを始めた僕に地元のじいちゃんが送ってくれた、サポートAIアシスタントらしい。鍵もじいちゃんに預けていた分を使い、じいちゃんの指示でサプライズ的に待っていたとのことだ。

 確かにじいちゃんはデュエルも強かったし妙にお金持ちだった。「俺も昔は相棒の混沌帝龍とブイブイ言わせたもんだぜ」「大会優勝を掻っ攫い、精霊界の危機を救い、地下組織の陰謀を阻止したもんよ」と嘘のような自慢をよくしていたものだ。たまに虚空を見ながら「お前も牙抜けちまったな……お互い年取ったもんだ」とか言っていたので危ない予感はしていたが、面白いしデュエルも強いしで僕はよく懐いていたのだ。

 確かにじいちゃんなら目新しい物好きだし、こういう最新のAIアシスタントも寄越してくれそうだ。本人曰く家事や料理など、生活に関わるサポートはだいたいしてくれるらしいし、一人暮らしを始めた学生の身にはとても助かる助っ人だろう。だが、

「? どうか致しましたか」

 その見た目は知的な美女といった雰囲気で、あまり女性に対して免疫が無い僕のような男には正直言って刺激が強い。きっちりと正座をして座っているだけで、黒いタイツに包まれた太ももやスレンダーで整った肢体が目についてしまい、少し心臓の鼓動が早くなってしまう。

 今は首を傾げてこちらを見ているが、その顔も改めて見ると思わず見惚れてしまうように整っている。感情を読み取れない端正な顔はバイザー越しでも美人だと確信でき、喋る度に動くぷるんとした唇は田舎で見たどの女性とも異なっていて、何故か目が離せなくなる。黒い手袋に包まれた長くしなやかな手指も美しく、そしてその手がこちらに向かって伸びてきて、

「……失礼。少し体温が高いようですが、お体は大丈夫ですか」

 額に、ぺたりと触れられていた。手袋越しの柔らかくひんやりとした感触が伝わり、意識に喝が入れられる。

 僕はそこでやっと自分が呆けていたことに気付き、慌てて少し後ずさった。大丈夫です平気です、と度々噛みながら返すと、オペレーターさんは無表情を崩さないまま手を引っ込めて口を開く。

「申し訳ありません。マスターはお疲れでしたね。家事やお食事の用意は私がしますので、まずは心身を休めてください」

 そう言うとオペレーターさんは立ち上がり、キッチンに向かって歩いていく。そして事前に操作でもしていたのか、ほぼ同じタイミングで風呂が沸いたというアナウンスが流れる。

「先にお風呂に入り、リラックスすることをお勧めします。その間に料理の準備はしておきますので、ごゆっくり休憩なさってください」

※※※

 ……結局押し切られてしまった……。

 オペレーターさんがキッチンに立った後、流石にいきなり至れり尽くせりなのに申し訳なくなって何か出来ることは無いか聞いたのだが、彼女は不必要の一点張りで取り付く島も無かった。結局そのまま押し切られ、僕は今風呂に入りゆっくりと湯船に浸かっている。

 一人で落ち着いていると、ようやく頭が整理できてきた気がする。家事や雑事をこなしてくれるというのは多忙な学生の身にはありがたいし、料理までしてくれるのなら日々の食事に頭を悩ませることも無くなる。一人暮らしの学生には本当に助かるサプライズプレゼントだ。だが、

 ……見た目がなぁ。

 そう、見た目が美人の女性なのだ。未だに彼女の一人も出来たことが無く、上京したばかりで異性との接点も無い現状の自分には、いささか刺激的過ぎる状況だ。

 これから彼女と一つ屋根の下で一緒に過ごすと考えると、悶々としたよからぬ妄想がつい頭を過ってしまう。彼女の手や唇につい見惚れてしまった自分を思い出し、自分にはあんなフェチがあったのかと自問自答してしまう。気付けば頭の中が彼女でいっぱいになっている自分に気付き、思わずため息が漏れてしまった。

 ……これから大丈夫かな、僕。

 そうしてゆっくりと浸かっていると、唐突に扉をノックする音が聞こえた。ビクリと飛び跳ねながら返事をすると、オペレーターさんの落ち着いた声が扉越しに聞こえてきた。

「マスター、お湯加減はいかがでしょうか」

 僕はちょうど良いですと返事をし、続けてありがとうございますとお礼を返した。扉のすぐ先にオペレーターさんが居ると意識すると、何故か妙に心臓が高鳴ってくる。

「それは何よりです。お食事の用意はできましたので、いつでもお好きなタイミングでお上がりください。また、お背中を流す、マッサージをするなどのサービスも可能ですので、ご希望でしたらいつでもご用命ください」

 オペレーターさんの言葉に、僕は思わずごくりと唾を飲んでしまった。先程まで考えていた事が頭をよぎり、顔が熱くなってくるのが自覚でき、どうしてもピンク色の妄想が脳内を占めてしまう。

 温もった思考で頭がいっぱいになった僕は、去ろうとするオペレーターさんを呼び止め、背中を流してもらいたいと言ってしまった。

「かしこまりました。では準備をしますので、少々お待ちください」

 オペレーターさんはフラットな声でそう言うと、ドアの向こうで服を脱ぎ始めた。

※※※

「お待たせしました。それではお背中を流させていただきます」

 まったく変わらない無表情のまま、オペレーターさんが浴室に入ってくる。その姿は裸ではなく、サイバーなスーツやスカートを脱いだインナーのボディスーツ姿だ。彼女のスマートの女体がよりはっきりと感じられ、浴室にボディスーツの女性という非日常感も相まって、裸とはまた違う色気を感じる。

「どうぞ、そちらにおかけください」

 彼女は手にハンドタオルを持ち、風呂場用の腰掛けを指してそう言う。言われた通りに腰掛けると、オペレーターさんもその場に腰を下ろした。そしてこちらの背中側に移り、ボディソープをタオルに染み込ませる。

「それではお背中を洗いますので、そのままでお待ちください」

 そう言うと彼女は僕の背中に手を置き、上から下にごしごしとタオルを動かし始める。男性用ボディソープのシトラスの香りが漂い、その心地良さに思わずため息が漏れてしまう。

「力加減はいかがでしょうか。痒い所などあれば仰ってください」

 オペレーターさんは僕の背中全体をタオルで擦りながら、時折肩や腕もマッサージするように揉んでくれる。その手つきはとても丁寧で優しく、僕はよりリラックスして身を任せていた。

 彼女の背中を流すとは、本当に単純に身体を洗ってくれるというだけなのだろう。以前見たAIアシスタントは介護業界で主に活躍しているというニュース記事を思い出し、僕は少し前の自分を恥じながら心地よさを感じていた。

 そうして身を任せていると、オペレーターさんの手が急にピタリと止まった。何か、と思うと同時、僕はリラックスしすぎたせいで、そして妄想を繰り返していたせいで勃起してしまっていることに気付いた。

「これは……マスター、勃起しておられるようですが」

 終わった。軽蔑されてしまうだろうか。セクハラで契約解除とかになるのだろうか。そうなったらじいちゃんに申し訳がないな。

 咄嗟にそんなことを考えて絶望していたが……彼女の反応は、予想外のものだった。

「私でよければ対応しますが、いかが致しますか」

 僕のそそり勃った性器を無表情のまま見つめながら、平然とそんなことを言ってきたのだ。

 つい股間を隠しながらそんなことまではと返すと、彼女はこれまた平然と言葉を続ける。

「私の用途は生活のサポートと申し上げたはずです。生活の中には性的な事項も含まれています。マスターが望まれるのでしたら、どうぞご用命ください」

 オペレーターさんはそう言って僕の顔をじっと見つめる。その非人間的に整った顔が、ぷっくりとした唇が目の前にあり、僕は思わずゴクリと唾を飲み込む。本当にいいのか。してもらえるのか。

 なんでもしてもらえるのか、と思った疑問をそのまま口に出すと、彼女は無表情のまま答える。

「内容によっては対応しかねるものもありますが、概ねどんな行為も対応可能です」

 そう言う彼女の唇に目を奪われた僕は、じゃあ例えば口でしてもらうことはできるか、と言ってみる。

「口淫ですか。かしこまりました」

 彼女はそう言うと、僕の股間を隠す手をそっとどけ、性器が彼女の目の前に曝け出される。少し萎えてしまったそれを見て、オペレーターさんは表情一つ変えずに大口を開け、「では、失礼します」

 僕の性器を、一気に口に咥え込んだ。

「ん……む、ちゅるっ……」

 オペレーターさんは無表情のまま僕の性器を咥え込み、頭を前後させて口淫を始めた。彼女の口内の暖かさと柔らかさが竿を包み込み、戸惑いながらもその心地良さに逆らえず、抵抗できずに身を任せてしまう。

 彼女はゆっくりと頭を動かしながら舌で裏筋を舐め上げ、そして喉奥まで使って僕の性器を刺激してくる。その動きは機械的でありながらも丁寧で優しく、まるでこちらを気遣っているかのようだ。

「ちゅ、る……んむ、じゅるっ……」

 彼女は無表情のまま口淫を続ける。その端正な顔と淫靡な行為のギャップに、興奮を煽られより性器を硬くしてしまう。

 やがてオペレーターさんの舌使いにも熱が入り始め、頭を前後させる動きも早くなる。喉奥まで僕の性器を咥え込み、口全体をきゅうっとすぼめて性器を包み込んでくる。

「ちゅっ、んっ……ちゅぽっ」

 まるで精液を吸い出すかのようなその強い動きに、思わず腰が浮いてしまう。女性経験も無い僕は耐えることもできず、そのままオペレーターさんの口内に射精してしまった。

「ん、んっ……ごくっ……」

 彼女は僕の精液を吐き出すことなく飲み干していく。喉奥が動き、まるで僕の性器から精液を吸い出そうとしているかのようにぎゅうぎゅうと締め付けてくる。

 やがて全てを飲み込んだのか、ゆっくりと口を離した彼女は顔を上げて僕を見る。その端正な顔には先程までしていた行為の面影は無く、クールで美しい無表情のままこちらを見つめていた。

「いかがでしょうか。ご満足頂けましたか」

 オペレーターさんは淡々とそう尋ねてくる。僕は初めて味わう快感に何も言えず、ただコクコクと首を縦に振るばかりだ。

 そんな僕を見て彼女は無表情のままこくりと頷くと、またも無感情な声でこう言った。

「それでは引き続きお身体を洗いますので、そのまま楽にしていてください」

 そうして再びボディソープを手に取り、ぐったりとした僕の身体を優しく洗い始めた。彼女にとっては、家事も性的な行為もすべて等価値な業務なのだろう。淡々と身体を洗われながら、僕はなんとなくそう感じていた。

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