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地雷の脅威への対処ガイド(ウクライナ)


ウクライナ文化情報政策省戦略広報情報安全センターは開戦前夜の2022年2月16日に、民間防衛ブックレットを改訂するとともに、追加コンテンツ(ウクライナ語・英語・ロシア語)をウェブ掲載、順次更新を行っている。

以下は、2022/04/12 Update更新の「A Guide to Handling the Threat of Mining(地雷の脅威への対処ガイド)」[英語版]の訳:


地雷の脅威への対処ガイド


  • 地雷と爆発装置の主な種類
  • 地雷原の徴候
  • 地雷原にいる場合
  • 誰かが地雷で負傷した場合

ウクライナでの敵対行為が始まって以来、ウクライナ非常事態庁の兵器技術者は約12,000個の弾薬を破壊し、そのうち398個は爆弾だった。敵対行為の分野での地雷の脅威は依然として重大である。地雷やその他の爆発装置に遭遇するリスクがある地域での行動方法に関する推奨事項リストを提示する。

地雷、爆発装置、および未爆発の兵器(これらには、軽兵器の弾薬、砲弾、迫撃砲の砲弾、クラスター弾、手榴弾、信管、ミサイルなどがある)は見えない場合がある。領土内に敵対行為がある場合、または軍事侵略中に敵対行為が発生した場合は、それを危険と見なし、それに応じて行動する必要がある。したがって、すべての民間人に対する主な推奨事項は、潜在的に危険な領域を可能な限り回避することである。

地雷の除去と廃棄、簡易爆発物と未爆発の兵器の無力化は、軍事専門家または非常事態庁の専門家のみが実施する必要がある。地方自治体や非常事態庁が危険の排除を報告するまで、そのような地域を自分で移動することは危険である。


地雷と爆発装置の主な種類

地雷は、爆発、破片、または一部の対戦車地雷の場合は溶融金属の噴流による損傷よって、人を殺し、傷つけ、車両を無力化するように設計されている。ほとんどの地雷は意図的に隠されているため、めったに目にすることはない・それらは通常、地面から15 cm以内に埋められるか、地面の上または、それらの上方に配置される(たとえば、杭の上または木に取り付けられる)。

地雷は、直接の圧力や、トリップワイヤーやロッドや遠隔指示、あるいはこれらの組み合わせにより爆発させられる。通常、地雷のケーシングの色は、茶色、オリーブ、緑、黒、茶色、灰色、またはこれらの色の組み合わせである。一部の爆発性地雷は依然として金属または木材で作られているが、最新の地雷のほとんどはプラスチックでできており、標準の金属探知機では探知が困難である。このような地雷は水密である可能性があるため、たとえ水で覆われていても危険である。

もう1つの一般的なタイプの爆発装置は、「バタフライ」対人地雷である。このような地雷は花びらの形をしており、場合によってはケースの色が明るいため、子供たちにとって非常に魅力的である。このタイプの地雷は通常、比較的限られた土地に多数設置される。

未爆発の兵器には、手榴弾、ミサイル、迫撃砲、砲弾、爆弾、クラスター弾、および信管がある。それらはほとんど地雷のように機能し、動きや接触から爆発する。一部の軍需品には、動きに敏感な熱検出器または磁気センサーもある、他の軍需品には、自己破壊タイマーの機能を備えている場合がある。未爆発の兵器から半径15メートル以内ではトランシーバーを使わないこと。送信時にトランシーバーは爆発を引き起こす可能性のある電波を放出する。

ブービートラップは、人や車が一見無害な物体に近づいたり邪魔したり、一見安全な行動をとったりすると、怪我をしたり殺したりするように設計された装置または材料である。雑誌、タバコのパック、時計、おもちゃなど、ほとんどすべてのアイテムをブービートラップに変えることができる。ブービートラップはどこにでも置くことができ、通常の家庭用品のように見える。

地雷が適切に配置され、カモフラージュされている場合、地雷設置された領域を探知することは、不可能ではないにしても、非常に困難になる。したがって、活動を開始する前に、居住地域の地雷や爆発装置に関する最新情報を入手することが重要である。


地雷原の徴候

戦争状態では、危険な領域の境界を明確に定義できるとは限らないため、次の徴候を観察すること:
  • 動物の死骸や骨格が見られる
  • 地雷を保管するために使用されるワックスパッケージ、あるいは軍用のものに似た木製、プラスチック、または金属の容器が地面でみつかる
  • 頭蓋骨と交差した骨の形の伝統的な「STOP!地雷!」標識があるか、棒や石やテープなどの応急手段で地雷原であることを表示された区画
  • 敵対行為の徴候がある:損傷または破壊された車両や機器や構造物及び、爆発の結果のように見える金属片
  • 乱れた土壌と植物:地雷を敷設する際には、結果として奇妙または不適切に見える自然環境の混乱を引き起こすことがよくある。たとえば、小さな轍、草の生えていない隙間などが土壌に目立つなど


地雷のリスクの高い場所

地雷と爆発装置はさまざまな場所に仕掛けられることがあるが、避けるべきリスクの高い場所がある:
  • 軍事ポイント。地雷はしばしば軍の陣地や対立線の中や周辺に仕掛けられる。それらは、指揮所または監視所として使用される民間の建物、軍のレクリエーションエリア内およびその周辺、待ち伏せエリア、および検問所の近くで見つかる
  • 重要なインフラ施設:空港、橋、工場、倉庫など
  • 破壊された建物や車両、設備
  • 輸送ルート。地雷は、小道、道路、線路、交差点、およびルート沿いの瓦礫きやスクラップに見られる
  • 個別の民間の構造物。爆発装置は、河川横断場所、井戸、給水網、農地、ブドウ園、果樹園、管理棟や事務所、墓地にも見られる


地雷原に立ち入るリスクを低減する方法
徒歩で移動する場合:
  • その地域が安全であるかどうかについては、公式の情報源に確認する。ルートを計画するときは、常に最新の情報を収集する。地雷があることがわかっている、もしくわ疑われるエリアがある場合は、それを避ける
  • 常に応急処置キットを携帯する
  • グループで移動する場合、グループのメンバー間の距離は約25メートルとる
  • 草に覆われたエリアを絶対に歩かない。代わりに、頻繁に使用される歩道や小道を歩くこと
  • 廃墟となった建物に立ち入ったり、人里離れた場所を訪れない
  • 地雷や砲弾はもちろん、疑わしい物体には触れない。戦闘地域から「お土産」を手に入れようとしない。不安定な発射物をアクティブにしたり、注意を引くように特別に設計されたブービートラップを起動したりすることがある
  • 破壊された軍事機器を撮影しない。衝撃の際、装甲を突き刺す発射物は有毒物質を蒸発させる可能性があり、その吸入は健康への悪影響につながる可能性がある
  • 潜在的な攻撃目標(軍用車両や装備)から可能な限り遠ざかる
  • 潜在的な攻撃目標が通常使用しないルートを選択する
  • 爆発装置だと思われるものに偶然出くわした場合は、何もしない。安全な距離に戻って、他の通行人に危険を警告する。調査結果を非常事態庁・救急等に連絡する

自動車で移動する場合
  • 夜は移動しない。日没の2時間前に移動を終了するように計画する。これにより、緊急事態に事前に対応できる。また、夜間あ警告標識を見れない。
  • 複数台で運転している場合は、可能であれば、車両間の距離を100メートル離す
  • 通りの多いルートをたどり、車道内にとどまる
  • 舗装された道路は地雷の頻度が低い傾向があるため、可能な限り舗装された道路にとどまる。ただし、舗装された道路の穴や側面は地雷を隠すことができるため、穴や道路からの出口は避ける
  • 未舗装の道路では、わだちの上を通る
  • 以前の軍事ポイントのチェックポイントを迂回しない。道路上の何かの上を運転しない。紙の袋、一枚の布、または板には地雷が隠れていることがある
  • 常に応急処置キットを携帯する。車内に置きっぱなしにしない
  • 障害物は地雷が仕掛けられている可能性があるため、動かさない。


地雷原にいることに気づいた場合
徒歩で移動する場合:
  • ただちに立ち止まる。動いたり、足を動かしたりしない
  • 立っている位置が安全であることを確認するために、足の周りの地面を見回す
  • ゆっくりと注意深く、移動せずに、地雷やワイヤーなどを見つけることができるかどうかを確認する
  • すぐに他の人に警告する。非常事態庁・救急等に助けを求めるが、他の人は危険な場所からできるだけ遠ざける
  • 周辺を確認する。地雷、ワイヤー、地雷の警告標識など、他に何が見えるか?
  • 最も近い安全な場所を見つける 舗装道路、未舗装道路、コンクリート、または鉄骨構造などで、安全性の高い場所にいることを最後に確認した場所
  • 安全な場所を特定または到達できない限り、移動しない
  • 救援の到着を待つ

自動車で移動する場合
  • 車両のそれ以上の動きを止め、ステアリングホイールを後進させたり動かしたりしない
  • 車内にとどまります。冷静さを保つ
  • 可能であれば、応急措置を必要とする車の乗客に最初の措置を施す
  • あなたの周りの人々に通知し、警告する。車のクラクションを使用して自分自身に注意を向けるが、危険な場所に人を近づけないこと。非常事態庁・救急等に連絡して救援を求める
  • 周辺を確認する。他に何が見えるか?
  • 周辺に、地雷、ワイヤー、地雷の警告標識などがあるか確認する
  • 動かないこと。専門家が救援に来る
  • 車両を離れる必要がある場合(たとえば、車両が燃えている場合)は、車両を出て、入ったときの逆向きに道路に着くまで地面に触れる必要がないようにする。安全を保つ必要がある。救援が到着する前に安全な場所から移動しないこと。複数の人がいる場合は、25メートルの距離を保ちながら一人ずつ外に出る
  • 地雷原を出るときは、必ず非常事態庁・救急等に脅威を報告する。自分で地雷原に標識を作ろうとしないこと!


誰かが地雷で負傷した場合

地雷と爆発装置の事故を目撃し、認定救急車が利用できる場合に取るべき重要な行動を考える。

負傷者を病院に連れて行く時間は、「ゴールデンアワー」と呼ばれることもある。これは、約60分間、負傷に応じて傷の周りの血管と毛細血管が狭くなり、出血が抑制され、損傷した皮膚が自然に圧迫されるためである。これにより、救助者は負傷者を輸血と適切な外科的ケアが利用できる場所に連れて行くことができる。

救援が到着するのを待つ間、次の手順に従う:
  • あなたが安全を確認する
  • 冷静さを保つ。負傷者のもとに急いで駆けつけないこと。そして、地雷原で負傷者を救おうとしないこと
  • 非常事態庁・救急等に電話し、救急車を呼ぶ
  • インシデントの時間と正確な場所に注意する
  • 負傷者に動かないように警告し、救援が進行中であることを知らせる
  • 負傷者に安全に到着できる場合は、出血を止め、受けた訓練のとおりに応急処置を行う
  • 負傷者を安定させ、搬送の準備をする
  • インシデントの場所を離れるときは、その座標と標識を当局に連絡するか、緊急番号に電話する。自分で地雷原に標識を作ろうとしないこと!





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