安価スレ「【安価あり】わとしとまことにちいさなくに【内政?】」のデータやこれまでの歩みなどを纏めておくwikiです。

大蔵の官人、陸奥の新しき金みあひて田豊かなるを聞きて、げにもうれしきことかなとておもひけり
秋の田の 城のあたりの 金色 山のささへる くらしなりけり
                   詠み人しらず

仁郷の帝の御世にては、よき蚕の多くありければ陸奥、坂東に広ごりて山の金を産まば蚕銀産みぬと称されり
桑の葉にて みつぎ産みたる おしら様 荒れし奥羽の 頼りとならむ
                   詠み人しらず

人々、宮に参り初むる官人待ちとりて、歌を詠めよとて催すが内のならはしなり
さるとき、今様にはやれる飛鳥物を入りてある官人のいみじふよみけり
冬の賀ぞ 皆よめよめと かみぞいふ おつる心地ぞ わがあきつかみ
                   詠み人しらず
かれにいといたがりていづれかの助のとりわきてかへす
さらさらと 若く輝く 詠み人の 心に来たる 白き雪路よ
                   詠み人しらず

ある官人、参り初めを偲びて初の官人に詠み屈んず
大人立つ 背を負うた日も はや昔 今宵すがるは 公達の袖
                   詠み人しらず

四十ばかりなる人、からふじて官人になりけれどもまねびだにつきてほかなることの手につかざればならはしにて繰言詠む
よみふけて よめよよめよの おおわらわ ふけるまにまに よめぞあらまじ
                   詠み人しらず

官人をくるはすもの、春の川、夏の五月雨、秋の野分、冬の大雪となむいいける
秋告げる 野分参りて 山撫でる しがらみなきは 風としらがみ
                   詠み人しらず

大和より隋へのつかひなる人、いづるさきの難波津にて隋土へのあくがれ出でつりけり
この国は 道の際とぞ 人の言ふ いかでか見ばや 西なる大秦
                   詠み人しらず

ある人、いかなことを神代にはなされむとてみはの宮司にたづねば、仏の道我が道にはあらねど神の道なら答へむと
神々の なさるも今や 霧の中 我らがことは しかと残さむ
                   詠み人しらず

西国のあきびと、薩摩の日の本にいりてさだまるを聞きて、
新しき 竹立つ庭に 念願の 日の出立つこと 感慨深し
                   詠み人しらず

富士の高嶺、仁郷帝の御世に噴く 一度は弥生の春麗なるころなり
甲斐国の人、高嶺の噴くをみて神にねぐ
冨士の山 弥生の頃に 雪降らす 鎮まりたまへ 咲耶姫神
                   詠み人しらず

富士の高嶺のふたたび噴きけるとき烽火にて音せり 
都より遠江に下る官人、駅の景気見ければ噴くことききしとき偲びて詠む
初春の 富士の白雪 消え果てて 白き煙の 上がりけり 灰のおつるは 初梅の 白き花こそ 紅く染めにけれ
反歌 うちひさす 都の矢倉 上りたる 煙が白は 富士の高嶺か  
                   詠み人しらず

南の方に下る水手、いみじき船頭に具して、しみかへりて詠む
船主の 旅に具してゆ ひととせは 賽振るごとく ぢきに過ぎけり
                   詠み人しらず

今は昔、元旦に因幡の石井山登りたる人あり。人具して登るに、二合ばかりなるところ此方から上はまたの年に登らむとて言ひけり
具したる人あやしふおぼへて、いかでか還る、人の命の短しは華のごとしととへば
さればこそ、人の命短かしと言ひて、急きて奈良を見む、阿波を見むとてこちごちを巡りてせちに景気を守らざれば、生きる命も萎むべし
また山に登ること、神に参ることなれば未だ我にはかしこきことなりとてかへして、詠む
ひととせを めでたきかなと 岩井山 登る我には 頂みへず
                   詠み人しらず

今帝に東宮となるべき子のあり給はざりければ、帝、弟の伊藤の親王が子を春宮に出すこと父にこひ給ひけれども、否みけらし 
宮内が官人さをききて、国家安寧ねぎて詠む
願わくは ただすべらかに 日を越さん 勢多が動かば 日ノ本震ふ
                   詠み人しらず
次なる歌、ある人がためにはうれしきことにこそあらめ
葉擦れ絶え 埃なすかと 枕替え 海凪ぎそよぐ いでし髪かな
                   詠み人しらず

匹布、緯なる糸のめづらしけれど、経糸なからばほぐれおつるなり
いと高き 経糸紡ぐ 年月や など緯糸の 色ぞ尊き
                   詠み人しらず

北平寺の麒麟児、名をあぐ法師の二名あり 北平寺別当、行ひけるを気なつかしふ思ひ給へば、詠み給ふ
井の魚 教わりたくは 海の青 馳せる心は 空の如きか
空海法師を許していはく、なにもすべし法師なれば我やこえたることのあらむとぞのたまふ
広き野の 春の香りが 澄みたるは 冬の枯れ草 台となりけり                   
最澄法師を許していはく、おのれが信を徹す者にこそあれば、門より出づこともやすきことならめ、とか

西海、筑紫が方にあやしき教への入りにけると聞こへければ、三輪の宮の宮司、詠みき
日ノ本は 稀なるものも 天朝に 傅き共に 居るがよしとす
                   大神宮司

穏七御門が御時、文章博士山岡某なるひと、己が弟子なる生の我たけく小石どものざふげんののしりければいぶせく覚へて
路傍の さざれ石とて 蹴出だせば わが身わが家に 不仁めぐらむ
                   文章博士某
とぞ詠みける さる生、戒み聞かざらむらし、七位になりたるころに失せりとぞ

餌なき梟、いと目を開きて、いと首まはして、いといとふ子をあなぐるなり
夜翔る 上のふくろも 飢えかねて 明けに古びし 空地をば発つ
                   詠み人しらず

歌を詠むこと、肝太き人のわざにあらず
たおやめ、益荒男、翁、嫗いずれにあれども歌は心に浮かぶこと詠むものにあれば詠むべき
かはある女房の歌合の持て成しするに、ひととせばかり経て客人の喜びて歌合によばひて詠むに
己にては え加われじと 思うたに 一歳後には 先んじて詠む
                   詠み人しらず
とぞ詠みければ、玉江御前えまひてさもありなむとて詠む
語らうに 六月学べと 聞きしかば ひととせ廻らば 歌も詠わむ
                   玉江御前

年のめぐりて、ある里人の雁の発つを見て、春風の吹くを寒しとぞおもひて詠む
天飛ぶや 雁の黒きは 天に発ち 間疎白鳥 地にぞ残れる
                   詠み人しらず

天朝が昔のことに詳しき東人、みつきの納めむとて勢多の都に入りける関をとほりしかば
黄昏に 重荷を背負う 坂道が 辛くも延びる 道を進まん
                   詠み人しらず

大いなる岩も、せめて見れば真砂の集まりて成すものなり。歌合、歌垣もかくのごとし
大岩の よりてみすれば 砂石の 都につどふ 人のごとしと
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