安価スレ「【安価あり】わとしとまことにちいさなくに【内政?】」のデータやこれまでの歩みなどを纏めておくwikiです。

七篠和歌集雑体巻参

年始
千代松の 常磐の色は 青ならず 巌の色と 人はいふなり


歌会始
手本
叢雲に 橋かけまじき 天の川 星ぞ集めて 舟をなさなむ

しんしんと 積もる大雪 暮れの空 帰省も掃除も 炬燵にゃ勝てぬ

草食むと 山に入りにし 牡鹿にも 呼び鳴く声の 響く冬かも

船ゆかば 物も巡らむ 年明けに 我が背巡りて 赤子へ還る

友なれば 十や二十は 会わらねど 会えば分かろう 俺もお前も

懐かしむ 顔に昔の 名残あり 俺もそうかよ 顔を撫でつつ

ダイス振る 当たりは何か 見てみたら 何故バレたのか 掃除のサボり

ももしきの 人の大波 疲れ果て 柚子湯に浸かる 心地よさかな

天つ神 またや岩戸に 籠るらむ 常より早き 伊勢の初雪

初春の いものかみより つたえくる 柚子湯のにほひ こころあらたむ

鳰海(におのうみ) 静まり返る 水面(みなも)から のそりと首を 出すカイツブリ

白波の 泡立つ波止場の 元日に 鮮やかなりし 明けの東雲

歌詠みて 詠みては直しを 繰り返し 気付けば餅の 黒く焦げたる

店売りの 雑煮の味に 慣れつつも 子が恋しがるは 母の手作り

金網に 並べた餅の 膨らむに 似たり赤子の 育つ早さよ

八方より 還りし船に 満つる荷の 国を富ますは 民に返るや

雪積もる 道なき山を ただ歩く 重き背負い荷 妻らの布をば

年賀状 送りての名を 並べ見る 最後に会ったは 何年前か

久方に 出した厚着の 袖に手が 通らず餅を 一つ減らさん

湊にて 大船眺め 想うのは 海の彼方に 浮かぶ微笑み

仕事場の ディスプレイふと 眺めれば あと数分の 年の暮れかな

清らなる 水面の底に 鯉眠る 風の冷たさ 春まだ遠し

年玉は 我と妻とで 食い尽くさむ 遠き吾孫や 夏には来たれ

古に 名高き隋の 温州よ 知る由無きや 大和の蜜柑を

ゆく年の 明けるを惜しみ カレンダー そのままなだけ ずぼらにあらじ

広き世を 見ると抜かして 出た馬鹿よ いつぞや帰らん 何時ぞや戻らん

見よや子が 鼻を赤くす 初詣 息も白くて これも紅白

都鳥 聞きて想ふは すみだ河 小石といえど 故郷恋しき

雪もなく 霜さえ見えぬ 土地なれど 春を待つ身に 沁みるおでんよ

女書院御製
風吹けば 首すくませて 浜千鳥 こちやいざたまえ さぞ寒かるらん
しわぶきの 病みのかごとを いかさまにか 川原に呼び鳴く 千鳥ゆえかも

雪玉を 投げて転がる 子供かな(下の句なし)

遠つ人 雁が集うた 草原も 混凝土の 森となるかな

素うどんに 柚子を少々 すりかけて わずかにこころ なぐさめる初春

冬かわや そのせつなをも 行きまうく こたつぬけるか 恥をみるかと

わやわやと 家に集うは 我が孫ら 無数の双眸 我が懐を射す

つごもりの 宵の一時 年玉を くれと消え入る 火にかづきやる

女書院御製
たらちねの 母の吹く火の あかあかく 入り日の影の さす餅を焼く

待ち人を 待つのに少し 草臥れて お先に一人 飲む酒の味

澄み渡る 白無き黒に 点の火に 足りなき物は 桃の風波

指差せば 雪の降る降る 冬の空 遊ぶ子の為 風呂沸かす母

雪残り まつと定めし 木にてよばふ 春告げ鳥は 一人身にして

ひんがしの 初日もよけれ 人を呼ぶ 声なき市ぞ などめさめさる

女書院御製
鳰海 揺らぐ月見て そと隠る 君に見初まなむ 針の励みを

篝火の 神寂びなりや 神楽舞う 彼の子の顔 斯くも可愛く

気まぐれに 作り置きたる 鏡餅 ついぞ忘れて 梅花開く

年明くる この日に食べし 家雑煮 啜る瞼に あの日の微笑み

薄氷 解かす漁り火 うみに写す 鯉の鱗の こがねやらなむ

暮れの夜に 治部の務めも 絶え果てて 見よや天朝 ほこり高きを

独り身の 布団に温み 時過ぎて 二人ならばと 思い首振る

あら寒し 吐く息白く 子は呻く されどもその目は 光の如し

正月は 年の始まり 初春と 言うなら終われ 冬の寒さよ

連歌
試される 大地渡りし 温突の
 煙は空を 渡る雲かも
  新玉の 春をのぞみて お水取り
   いずこへ続く 過去帳の縁
    みなみなも 集い居る(座る)今日 冬の家に(女書院)
     おらぬ誰ぞの 消息を問う
      同窓と 二年詣でに 集まりて
       出でぬる朝日 夢かとぞ思ふ
        新年の 書に尾を引くは かたつむり
         我が書を直し 伝い去るかな
          初夢に 待ちいでたるは 弘法の
           投げてぞ袖の 墨に染まれる
     来られぬ友の 寂しさ募る

正月に 犬に布団を 寝取られて
 嫁にからまれ 朝寝するなり
  朝寝から 朝酒朝湯 流しきて
   朝は過ぎにき 昼酒になり
 こたつの猫に 詫びて裾借る(女書院)

思うのは 歪む屋根の下 障子を替えて 聞く聞くことの 寝ねかてぬかも(女書院)

雪降らぬ 寒き夜空に 白の息
 龍の流した 星の跡を追う(女書院)
  龍勢と 言うも昇りは なぜ見えぬ
   三日月ばかり 夕暮になむ
    溶けて消えても 気づかないかも(女書院)

息白く 雪を運びつ 春を待つ
 霞になさむ 更に息はき
  降り来る 雪の欠片に 臓の冷え
   ひと杯 ふた杯 溶かす心地は(女書院)

注連縄の ないし余りの 稲藁に
 転がす蜜柑 少し酸いめの(女書院)

番外
終わってる 嘆くな君よ 顔あげよ 野良にうたいて 憂い去れよと


勇み鳴く 小夜啼き鳥も 鶯も 祝い声なる 春の夜かも

花の香の 薫るを待たず 匂い鳥 一足二足 首をかしげて(わとしちゃん)

枝先の 蕾の先の 細く空けて 春待つ声に 心染むかな(わとしちゃん)

夢見月 庭に鶯 風軽く 誰が身に咲くや 桜舞いはな

雨降るな 庭の片隅 雪の果て 蕾開くな 今しばらくは

雲多く 空の青さよ 忘れるな 花木の芽吹く 春の盛りを

雪の降る 夜が明けた日の 土の黒 白の色なし 日差しは温し

曇天の 空をば割りて 出でますは 朱の夕日や 黄金(こがね)の月や

風光り 枯れゆく松の 大幹や 竦むな我と 夕日を待たむ

春ならば 梅の香りか 桜花 和らぐ陽射し 微睡む子猫

鶯の 呼ぶ声に集う 鶯の 姿に似たり わとし歌会

ちはやふる かみよのごとく さえずりし 鶯たちの 集う歌会

連歌
さびつけど うしないはせぬ ちのきおく
 西風(ならい)の吹けば 梅香るかも
  花ならば 憂いあるまじ 東(やまと)の地
   さかり過ぎても 実を結べばこそ

常ならむ 夏は蝉の羽 一重なれど 凍みて空蝉 宿にこもらむ

鄙にては 都に蔵の あるらむと 言へど淡海も また鄙なれば

高波を 蹴上げて韓の 明け星に 貴人祈れや 濫妨なきを

和が成りて 平な日々へと 願いし世 令和の朝に 時は遷れり

返歌
手を引かれ かすんで見えた 梅の花 手が届くとは 思いもせずに(女書院)

千歳なる 君の立つらし かくしこそ 流れし年の 物語せめ

岬より 来たる鶴ども 歌ひけり 白木の揺れて 里は寒しと

冬来れば 白木も割って 薪となし 焚火に思ゆ 大木の頃

月隠れ 暗い夜空で 道迷い 白絹燃やして 灯りともすか


即興歌会
梅雨空に 吹き抜く風よ 颯々と 雲よ退け 令和の世より

子がねだり 新たに買った 緑傘 晴れにはさすな 雨よ来い来い

親子鷹 晴れ往く空を 仰ぎ見て 滴る露の 虹渡りける

積乱雲 山の緑に 影差して 手繋ぎ急ぐ 親子の帰り路

さみだれに めばえいろづく なつのいろ わがこもかくあれ ただねがうなり

杯の 縁をば濡らし 一人酒 儚き父と 交わす心よ

親子丼 緑の葉っぱは なんだろう それは三つ葉 と いふものなりけり

草木の 茂るを見たり 雨が下 平和の花は 散るや誇るや

五月雨の 音を聞きつつ 傾ける 喉に染みいる 梅雨の梅酒

雨降れば 傘を恋うなり 午後の市 朝露見れば 並ぶ唐傘

子が跳ねて 水と遊ぶか 雨のあと 親心かな 緑の合羽

ゆるゆると 流れた月日 数えれば 久しき友に 駆け寄る我が身

通り雨 共に軒借る となりびと おやこの人は 緑のチェック

雨降れば 雷来るか 待つ子かな 怖がりなのに 怖がり好きの

はつなつの 若葉てらせる 五月雨は 秋の恵みの しるしにやあらむ

今はただ 雨よ降れ降れ 草よ萌え 茂る稲穂よ 黄金に変われ

夏の日の 強き陽射しと 草緑 梅雨は恋しき 清々しい日を

てんきあめ きつねのおやこも わかれどき しきがおわれば はれやかなそら

帳下り 美味なる食に 鼓打つ いつまでできる 親子の卓

三吉野に 赤子のなりし 峰ありしと 聞かばまた見む 夏山桜

雨の中 森に出かけた 子を思う ああこれこそが 親の気持ちか

ミンミンと うだる暑さに 蝉鳴きて 打ち消せ風鈴 涼やかになれ

夏来れば 暑さと虫も やって来て 寝苦しくなる から今は寝る

目を閉じて 耳をすませば 雨の音 家に帰れば 洗い直しだ

池の辺の 菖蒲の下に ゐかくれば 飛びつ蛍の 我を照らしき

蒸し暑く 虫のうるさい 夏の夜 眠れないから 一杯やるか

雨すぎて 湿度が上がって 熱こもる どうせだったら 一日降れよ

うすぎぬの 蝉の衣も たえかねて おとづるるなり 宿のかげかも

しんしんと 闇の帳が 心地よく 無音の音色 鈴虫のよう

うだる夏 去年は聞こえた 蚊の羽音 今年は聞こえず 年をくったか

むしむしと むしむしむしと むしむしと むしむしむしと むしむしむしか

鎌持つ手 萌えいず緑の 勢いに 勝てぬと萎れる 初夏の長雨

雨降れよ 雨さえ降れば 祈る夏 蝉の声すら 暑苦しくて

白河の なこそといえど 涼しきと 音にぞ聞けば いりまほしきな

夕立後 繁茂の奥より 蝉の声 縁側見れば 親子でしんどる

すずのねに ときのうつりを かんじとり むしにさわがれ そっとおいだす

雨音が 壁の向こうに 聞こえゆる 明日の晴れ間に 思い馳せゆく

村雨の こぼるる苫屋 鳴きつ鳴く 早松虫と 我のわびしさ

洗車場 出たと思ったら 通り雨 エンジンの音 むなしく響く

目には青葉 雨露光る 木々の間に 耳に虫の音 風鈴の音

梅雨入りて やがて明けたる この頃は あはれ皐月を 失せにけるかな

おやこどん まーぼーはるさめ はらのむし どちらをえらぶ てもちせんえん

子が寝てて 枕にしてる 父の腹 いびきと寝言 虫の声だけ

柴垣の 組みつ組みつる 摺り合えば ながめとならむ ときふらずとも

初夏来たり 牧場を庭に 走りたる 健やかなるか あの親子馬

目には青葉 耳に蝉の音 口西瓜 五体で感じる 夏の暑さよ

選外・女書院御製
たらちねの 母の小言の さわがしく さわがしいのが 少し嬉しく
まだ少し いびつな月を 杯(つき)に飲む 緑の杯(つき)の香り豊かに
 返歌
 喜べや 澄みの味酒 たまはりき 欠けたる月も まどろみ満つる
君が戸を 開ける音は しただろか 雨の音が うるさかったから
三人で パピコを分けて 帰り道 残る一つは 明日食べよか
雨宿り 蝶と二人で 並びおり 肩を気遣う 少し狭ければ



高砂の まつにはしかじ かれるとも うらにあらたき 芽吹きこそせめ

あづまはや 妹の語るは 稲に猿 我は知れども 家にかごとす

我などと 語る者らに 肩ならべ 迎ふる様ぞ うれしかるべき

その様を 思ひつれども あしたなる 長鳴き酉の 声ぞえならず

肩並べ 遊ぶ輪の中 和ゝの中 楽しきことよ 帰るべき場所(女書院)

かれがたの まつに緑の 葉もふきて ことぶきなりと ひとはいふなり

連歌
あつものを 恋しく思う 夜になり(女書院)
 杯重ねて 明けの涼風
 ひぐらしすぎて すずむしをきく
 薄羽の行方 しるものもなく

葉月過ぎ 暑さの盛りも 瞬く間 思い返すも 仕事しかねぇ

蝉隠れ 暑さの盛りも 瞬く間 夏の思い出 仕事しかねぇ

長月と 人こそ呼べど 我は知る これより先も 仕事しかねぇ

葉月散りて 白菊置くに 惑いては とみには散らむ 峰のもみぢば 

すめらきの はさみの音の かるやかに こぞより子らの くはしきくなり(女書院)



長白山大噴火以降
中原の 大地を埋むる 馬と火焔 何時また終わる 何時また始まる
返歌
 いさなとり わが秋ないに きわみなし 韃靼にても 同心ならん

あらましは みそひとことに ことこめて ことにめでたき ことのねのごと

草原の あらぶる馬が 西に発ち 東の風は 海原に吹く

功しの 軍旗を馬に 先立てて 鳴らす勝どき 万里を駆ける
 
兵の 荒ぶる呼気が 天に満ち 馬蹄踏み立ち 玉(珠)ぞ曇らん

連歌
輝ける 珠も墜ちれば 割れて散る
 落ちたる片を 取りしが王か

中つ原 たま露置ける 萩の葉を むま踏みわたる 秋の夕暮れ

隋土の 華咲けれども 北の花 まことの華の 春は遠しか

草原を 大地の涯に 見つけるは 雲を従え 駆け行く人馬

草莽の からしし出でて 名の変わる 暇あればこそ 我が飛鳥山

連歌
朝焼けの 雪を馬蹄が 踏み鳴らし
 雪の山彦 彼は誰時かな
 響く嘶き 我目覚めんか

珠に瑕 馬肥ゆるとき 洲人は
 漁夫に倣ひて 蝦ぞ吊るらむ

華を見て 華を摘もうと 馬降りる 我に返るも 馬走り去る

連歌
手の中に 華を握りて 天仰ぐ
 乱れし轍 誰そ顧みん

赤づきし 木々の木の葉は 燃え尽きて 山野埋めるは 溶けぬ初雪

返歌
対岸の 枯れ木に萌ゆる 赤い花
 中つ原にては など飾るらむ

なだれなす 死魔のおおこぶ 弾けては あおり干し来り 果てぬ泥川

泥川に 流れ来るは 蓮の種 花を辿らば 茎には清水

連歌
よもの海 波風荒ぶ 時なれば
 動ける者は 賊とて使えよ

過ぎ去りし 時代を遠き 白雲の 流るる先に 思ひ馳せなん

何時か来る その日が来たり 今過ぎる 月日は回れど 思いは留まり

過ぎたれば 留まりしもの 天神が 照覧あるぞ 無明の誉れ

及ばざる わが身悲しき さだめかな 若きに託す 邯鄲の夢

父の背に 負われて歩く 遠き日を 坂の上より 振り仰ぎ見る

内蔵に 塵こそなけれ 守人の つくよの天に 風は吹きけり

我が手では 父の背中は 追えねども 振り返り見よ 続く人あり

大いなる 背を仰いでは 萎え足の 何するものぞと また一と歩み

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