あんこもんの食材加工
最終更新：
yakumoizumi 2024年01月08日(月) 16:29:25履歴
作者：イズミヤクモ 
※この話は「あんこもんの生態」の続きとなっていますが読んでいなくても楽しめます。
ここはあんこ妖精、別名あんこもんの大きな群の巣。ここの巣ではおよそ500体のあんこ妖精が生息している。
彼らには鋭い爪と牙があり、狩りや食事などに使う他に木の中や根元に穴を掘り棲家を作っている。
自分達の棲家や物置、そしてずんだ妖精を閉じ込めておくための牢屋などを作る器用な個体のグループを建築班という。
「だせだせだせだせ！」
「せまいのだ！うごきがとれないのだ！」
「もう3日も食べてないのだ！」
「ヘコヘコしたいのだ！げんかいなのだ！」
「おこったのだ！ぷくーなのだ！」
「おかあちゃ！おかあちゃ！」
ずんだ妖精は鬱陶しい声を上げながら、成ずん(大人の個体)一匹がギリギリ入れるほどの牢屋に入れられている。
動きが取れない上にずんだ妖精はとてつもなく非力なため、例え動けたとしても建設班が作った牢屋はびくともしない。
この牢屋に入っているずんだ妖精達は先日あんこ妖精に巣を襲われた。最初は長がいるから大丈夫だろうと油断していた。しかし長があっという間に殺され、逃げようとしたがもう囲まれていた。
歯向かう個体もいたが、ずんだ妖精とあんこ妖精では戦闘力の差は天と地ほどだ。傷はおろか体当たり一回も決められずに殺された。
そして逃げられなかったずんだ妖精はこの有り様だ。
牢屋に入れられた後、彼らを率いていたずんだ妖精の長の遺体が牢屋の前を通って運ばれていった。
長は通常の数十倍の力を持つ特殊個体だった。だから油断していた。
「長がいれば例えあんこもんでもらくしょうなのだ！」
彼らの考えは変わり果てた長の姿を見た事で粉々に打ち砕かれた。
そして巣を襲ったあんこ妖精を率いていた顔に傷があるあんこ妖精から伝えられた。
「お前達ずんだもんは一匹残らず俺達あんこもんの食料となる。…せめて美味しく喰ってやる。」
あんこ妖精が何故ずんだ妖精と同じ言葉を使えるのか。「あん」という鳴き声ではないのか。そんな疑問は目の前の理不尽な状況に対する怒りと絶望でかき消されていた。
「ふじゃけんな！ぜったいいやなのだ！」
「だせ！ここからだせ！」
「しにたくないのだ！」
「おなかの中におチビちゃんがいるのだ！」
ずんだ妖精達は次々と甲高い声を上げた。
あんこ妖精の隊長はしばらく無言だったが一匹の子ずんが入れられている牢屋の目の前に近づいた。
「お前、生きていたいか？」
「ちぬのはいやなのだ！ちにたくないのだ！パパずん！ママずん！たしゅけてなのだ！」
「そうか…」
隊長は一瞬悲しい表情を浮かべ、すぐに冷酷な顔になり、子ずんの首にその鋭い爪を突き刺していた。
「ｱ…ｶﾞ…ｶﾋｭｯ…ｶﾋｭｯ…ﾏ…ﾏ…」
呼吸器官を貫かれた子ずんは呼吸困難になる。突き刺された痛み、呼吸をするごとに喉を襲う激痛。
子ずんは牢屋の中で涙や糞尿を漏らした。隊長はその様子を見るとゆっくりと爪を引き抜いた。
もう騒ぐずんだ妖精はいなかった。あんこ妖精の判断しだいで一瞬で殺されることを頭の悪いずんだ妖精でも理解できたからだ。
「…恨むなよ…俺達も喰わなきゃ生きていけないのだから…」
隊長はそう言うと牢屋の監視を部下に頼んだ。
刺された子ずんは牢屋から出され、ずんだ妖精を調理する「料理班」に引き渡された。
彼らは美味しいずんだ妖精をより美味しく食べるために料理を行う。
「ア"…ｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞ…ﾋｭｯ!ﾋｭｯ!…ｧ"ｧ"ｧ"…ｧ"ｧ"!!!!」
手足と耳をちぎられ、自慢であったずんぽは噛みちぎられた。
傷口には塗られるほど傷口に染み、激痛が走る白い粉を塗られていた。
(いちゃい…パパずん…ママずん…いちゃいのだ…どうしてぼくがこんな目に…どうしてぼくは…生まれてきた…のだ…？)
子ずんは味付けされ、保管庫に連れてかれた。保管庫には子ずんと同じ姿をしたずんだ妖精が胴に針を刺されて吊るされていた。
子ずんは他のずんだ妖精と同じく吊るされた。
子ずんを吊るしたあんこ妖精は前に入れたであろう他の吊りずんだ妖精を2匹持って出て行った。
(ｺﾛﾁﾃ…ｺﾛﾁﾃ…)(ｺﾛﾁﾃ…ｺﾛﾁﾃ…)
(ｺﾛﾁﾃ…ｺﾛﾁﾃ…)(ｺﾛﾁﾃ…ｺﾛﾁﾃ…)
保管庫には塩漬けされ、味が凝縮されたずんだ妖精が生きたまま保存される。
彼 ら は 苦 し め ば 苦 し む 程 美 味 く な る の だ か ら
場所は戻ってずんだ妖精の牢屋。
「あががががががが！！！！！」
「やめちぇ！赤ちゃんが出ちゃうのだ！」
「いちゃいいちゃいいちゃいいちゃい！！」
雌のずんだ妖精が料理班の手によって締め上げられている。
しかし今日食べられるのは雌のずんだ妖精ではない、そのお腹にいる子ずんだ。
「ｵｷﾞｬｰｵｷﾞｬｰ!」「ｵｷﾞｬｰﾉﾀﾞ!ｵｷﾞｬｰﾉﾀﾞ!」
「ｵｶｱﾁｬ!ﾀﾞｯｺﾁﾃ!」「ｵｷﾞｬｰ!ｵｷﾞｬｰ!」
「はう…はう…」「ﾉﾃﾞｬｯ!…ｯﾉｼﾞｬｯ!」
雌ずんの腹から次々と子ずんが出てくる。
中には手足が生えていない通称「たりないずんだもん」や頭が変形しているが故に知能に異常をきたしている「頭たりないずんだもん」も混ざっている。
「おねがい！やめて！」
「おチビちゃんだけはゆるちて！」
「食べるならわたしだけにちて！」
雌ずんは必死に懇願するが料理班のあんこ妖精は仲間に食事を作ってあげることで頭がいっぱいだ、といっても、そんな事を考えていなくてもずんだ妖精の言うことなど気にはしないが。
『ﾉ"ﾀﾞｧｧｧｧｧｧｧｧｧ!!!!!ﾉ"ﾀﾞｧｧｧｧｧｧｧｧｧ!!!!!!』
人間が森に置いて行った鍋を変形させて作ったずんだもん丸焼き機。その中に生まれたばかりの子ずんを入れて回転させながら焼いていく。
中からは子ずん達の断末魔がかすかに聞こえ、辺りには美味しそうな焼き枝豆の匂いが立ち込める。
雄のずんだ妖精は調理方法が比較的簡単かつ、処理もしやすい。
「いちゃい…！くちょ！はなちぇ！」
「死にたくないのだ！」
「くしょ野郎！じごくにおちるのだ！」
「こんしんのぷくー！なのだ！これに恐れたらぼくをはなすのだ！」
四肢を木の枝で貫かれ動きが取れない雄ずんは必死に抵抗している。
中には頬袋を膨らませる個体もいる。爪や牙、力、体力を持たない彼らずんだ妖精にとっての威嚇が、この「ぷくー」と呼ばれるものだ。
しかし彼らは理解できていない。
こんな滑稽で馬鹿げた威嚇が通じるのは同じずんだ妖精だけだと。
「くんくん…いいメスの匂いなのだ！」
「はぁ…はぁ…ずんぽが勃ってきたのだ」
「ヘコヘコ…ヘコヘコしたいのだ！」
「ヘコヘコさせるのだ！ぶっころちてやるのだ！」
あんこ妖精はメスの子ずんを潰し、その死体の匂いを嗅がせた。すると雄ずんのずんぽがその体の小ささに見合わぬほど大きくなった。
ずんだ妖精はたびたび「ヘコずん」や「淫獣」「ずんぽ妖精」と罵られる事があるが、それはこれが原因である。
危機的状況に至っても交尾を求めるその姿は汚らしい淫獣そのものだ。
あんこ妖精は淫獣のずんぽをわざと荒く仕上げた木鋸(きのこ)で一才の躊躇なく切断していく。
「あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"‼︎‼︎‼︎」
「い"ぢゃぁあ"あ"あ"あ"あ"あｯｯ‼︎」
「ぎゃあ"あ"あアアアアッ！！！！！！！」
仮にも生き物とは思えないような絶叫を上げる雄ずん。
それはもはや激痛どころではなくショック死寸前だった。
雄ずんにとってずんぽは雄の象徴であり、大好きなヘコヘコをするために大切なもの、雌ずんにモテるためのチャームポイント…など
雄ずん=ずんぽと言ってもいいほどだ。
自分のそんな大切なものを取られた。この複雑な傷ではいかに回復力が高い妖精であっても治ることはない。
それを分かっているのかずんぽを切り落とされた雄ずん達は、糞(ずんち)尿(しーしー)を撒き散らしながら大粒の涙を流す。
「ぼくの…ずんぽ…ずんぽが…」
「ｼﾞｭﾝﾎﾟ!ｼﾞｭﾝﾎﾟ!ｼﾞｭﾝﾎﾟ!ｼﾞｭﾝﾎﾟ!」
「ずんぽ…ずんたまが…」
「いちゃ…い…ずんぽ…」
「もう…ヘコヘコ…出来ないのだ…？」
「イヤだイヤだイヤだイヤだ！！！！」
しばらく雄ずんは騒いだ後静かになり、こう呟いた。
「「「「ころ…して…」」」」
雄ずんはこれからゆっくりと潰されてずんだ餅になったり、全身の血を抜いて保存食になったりする。
ずんぽは雑味となるため基本的に除かれるが、群の中には好んで食べる者もいるため(あんこ妖精の隊長など)焼いたりスライスにして出されるのだ。
あんこ妖精は人間でいう嗜虐心を持っておらず、傷つけた反応も彼らには関係ない。ただ美味しくするため、これから訪れる本格的な冬のため、ずんだ妖精を苦しめている。
しばらくして巣のあんこ妖精全員の食事が揃った。人間にとっては焼きすぎていたり、塩分が多かったりするが彼らにとってはこれがご馳走なのである。
あんこ妖精が多く集まると真ん中の棲家から少し小柄で、足が動いていないあんこ妖精が隊長に抱えられて出てきた。
彼女はこの群を率いる「姫」と呼ばれる特殊個体だ。生まれつき足が動かないかわりか、姫はあんこ妖精特有の耳が４つもある。
特殊な周波を持つ事で統率力に優れており、特殊な力で天候を読む事もできる。
その為ずんだ妖精の長のような役割を担っている。
「あん…あーん…(皆様、命に感謝しましたか？それでは、いただきます)」
『あーん！(いただきます！)』
姫の鳴き声を合図にあんこ妖精達は仲良さげに料理を食べる。
見張りをしているあんこ妖精には後程料理が運ばれるため誰かが食べれないことは無い。
ずんだ妖精は自然界の最底辺にいる。しかしそれはあんこ妖精を含めた他の生体系の支えになっている。
あんこ妖精は命に感謝しながらずんだ妖精を捕食するが、ずんだ妖精がその事に気づく事はない。
夜になり、見張り以外のあんこ妖精以外はほぼ寝静まった。隊長と姫は人に酷似した姿に変化した。
2人は妖精種の中でも特に希少な自分の意志での「擬人化」が可能である。
隊長は大柄で筋肉質、赤黒い短髪にシワが多い老人の男性に。
姫は小柄で長い紅色の髪、端正で可愛らしい顔の女性に姿を変えた。
「…隊長…いつもごめんなさい…誰よりも優しい貴方に…狩りを…殺しをさせるのは…やっぱり辛いわ…」
「俺は俺の意志でずんだもんを殺している。ずんだもんを殺す事で群れの皆が腹を空かせる事が無くなるなら俺が戦わない理由は無い」
心苦しそうな顔を浮かべる姫に隊長は少し微笑みながら返事をする。
隊長と姫は少し他愛のない話をした後、姫は棲家へと戻った。
明日からはまた木の実や果実を適度に集める生活が始まる。ずんだ妖精はまた半年後、あんこ妖精を忘れているであろう時にお世話になるだろう。
隊長はそんな事を考えてながら新人と一緒に巣の警備を開始した。
ここはあんこ妖精、別名あんこもんの大きな群の巣。ここの巣ではおよそ500体のあんこ妖精が生息している。
彼らには鋭い爪と牙があり、狩りや食事などに使う他に木の中や根元に穴を掘り棲家を作っている。
自分達の棲家や物置、そしてずんだ妖精を閉じ込めておくための牢屋などを作る器用な個体のグループを建築班という。
「だせだせだせだせ！」
「せまいのだ！うごきがとれないのだ！」
「もう3日も食べてないのだ！」
「ヘコヘコしたいのだ！げんかいなのだ！」
「おこったのだ！ぷくーなのだ！」
「おかあちゃ！おかあちゃ！」
ずんだ妖精は鬱陶しい声を上げながら、成ずん(大人の個体)一匹がギリギリ入れるほどの牢屋に入れられている。
動きが取れない上にずんだ妖精はとてつもなく非力なため、例え動けたとしても建設班が作った牢屋はびくともしない。
この牢屋に入っているずんだ妖精達は先日あんこ妖精に巣を襲われた。最初は長がいるから大丈夫だろうと油断していた。しかし長があっという間に殺され、逃げようとしたがもう囲まれていた。
歯向かう個体もいたが、ずんだ妖精とあんこ妖精では戦闘力の差は天と地ほどだ。傷はおろか体当たり一回も決められずに殺された。
そして逃げられなかったずんだ妖精はこの有り様だ。
牢屋に入れられた後、彼らを率いていたずんだ妖精の長の遺体が牢屋の前を通って運ばれていった。
長は通常の数十倍の力を持つ特殊個体だった。だから油断していた。
「長がいれば例えあんこもんでもらくしょうなのだ！」
彼らの考えは変わり果てた長の姿を見た事で粉々に打ち砕かれた。
そして巣を襲ったあんこ妖精を率いていた顔に傷があるあんこ妖精から伝えられた。
「お前達ずんだもんは一匹残らず俺達あんこもんの食料となる。…せめて美味しく喰ってやる。」
あんこ妖精が何故ずんだ妖精と同じ言葉を使えるのか。「あん」という鳴き声ではないのか。そんな疑問は目の前の理不尽な状況に対する怒りと絶望でかき消されていた。
「ふじゃけんな！ぜったいいやなのだ！」
「だせ！ここからだせ！」
「しにたくないのだ！」
「おなかの中におチビちゃんがいるのだ！」
ずんだ妖精達は次々と甲高い声を上げた。
あんこ妖精の隊長はしばらく無言だったが一匹の子ずんが入れられている牢屋の目の前に近づいた。
「お前、生きていたいか？」
「ちぬのはいやなのだ！ちにたくないのだ！パパずん！ママずん！たしゅけてなのだ！」
「そうか…」
隊長は一瞬悲しい表情を浮かべ、すぐに冷酷な顔になり、子ずんの首にその鋭い爪を突き刺していた。
「ｱ…ｶﾞ…ｶﾋｭｯ…ｶﾋｭｯ…ﾏ…ﾏ…」
呼吸器官を貫かれた子ずんは呼吸困難になる。突き刺された痛み、呼吸をするごとに喉を襲う激痛。
子ずんは牢屋の中で涙や糞尿を漏らした。隊長はその様子を見るとゆっくりと爪を引き抜いた。
もう騒ぐずんだ妖精はいなかった。あんこ妖精の判断しだいで一瞬で殺されることを頭の悪いずんだ妖精でも理解できたからだ。
「…恨むなよ…俺達も喰わなきゃ生きていけないのだから…」
隊長はそう言うと牢屋の監視を部下に頼んだ。
刺された子ずんは牢屋から出され、ずんだ妖精を調理する「料理班」に引き渡された。
彼らは美味しいずんだ妖精をより美味しく食べるために料理を行う。
「ア"…ｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞ…ﾋｭｯ!ﾋｭｯ!…ｧ"ｧ"ｧ"…ｧ"ｧ"!!!!」
手足と耳をちぎられ、自慢であったずんぽは噛みちぎられた。
傷口には塗られるほど傷口に染み、激痛が走る白い粉を塗られていた。
(いちゃい…パパずん…ママずん…いちゃいのだ…どうしてぼくがこんな目に…どうしてぼくは…生まれてきた…のだ…？)
子ずんは味付けされ、保管庫に連れてかれた。保管庫には子ずんと同じ姿をしたずんだ妖精が胴に針を刺されて吊るされていた。
子ずんは他のずんだ妖精と同じく吊るされた。
子ずんを吊るしたあんこ妖精は前に入れたであろう他の吊りずんだ妖精を2匹持って出て行った。
(ｺﾛﾁﾃ…ｺﾛﾁﾃ…)(ｺﾛﾁﾃ…ｺﾛﾁﾃ…)
(ｺﾛﾁﾃ…ｺﾛﾁﾃ…)(ｺﾛﾁﾃ…ｺﾛﾁﾃ…)
保管庫には塩漬けされ、味が凝縮されたずんだ妖精が生きたまま保存される。
彼 ら は 苦 し め ば 苦 し む 程 美 味 く な る の だ か ら
場所は戻ってずんだ妖精の牢屋。
「あががががががが！！！！！」
「やめちぇ！赤ちゃんが出ちゃうのだ！」
「いちゃいいちゃいいちゃいいちゃい！！」
雌のずんだ妖精が料理班の手によって締め上げられている。
しかし今日食べられるのは雌のずんだ妖精ではない、そのお腹にいる子ずんだ。
「ｵｷﾞｬｰｵｷﾞｬｰ!」「ｵｷﾞｬｰﾉﾀﾞ!ｵｷﾞｬｰﾉﾀﾞ!」
「ｵｶｱﾁｬ!ﾀﾞｯｺﾁﾃ!」「ｵｷﾞｬｰ!ｵｷﾞｬｰ!」
「はう…はう…」「ﾉﾃﾞｬｯ!…ｯﾉｼﾞｬｯ!」
雌ずんの腹から次々と子ずんが出てくる。
中には手足が生えていない通称「たりないずんだもん」や頭が変形しているが故に知能に異常をきたしている「頭たりないずんだもん」も混ざっている。
「おねがい！やめて！」
「おチビちゃんだけはゆるちて！」
「食べるならわたしだけにちて！」
雌ずんは必死に懇願するが料理班のあんこ妖精は仲間に食事を作ってあげることで頭がいっぱいだ、といっても、そんな事を考えていなくてもずんだ妖精の言うことなど気にはしないが。
『ﾉ"ﾀﾞｧｧｧｧｧｧｧｧｧ!!!!!ﾉ"ﾀﾞｧｧｧｧｧｧｧｧｧ!!!!!!』
人間が森に置いて行った鍋を変形させて作ったずんだもん丸焼き機。その中に生まれたばかりの子ずんを入れて回転させながら焼いていく。
中からは子ずん達の断末魔がかすかに聞こえ、辺りには美味しそうな焼き枝豆の匂いが立ち込める。
雄のずんだ妖精は調理方法が比較的簡単かつ、処理もしやすい。
「いちゃい…！くちょ！はなちぇ！」
「死にたくないのだ！」
「くしょ野郎！じごくにおちるのだ！」
「こんしんのぷくー！なのだ！これに恐れたらぼくをはなすのだ！」
四肢を木の枝で貫かれ動きが取れない雄ずんは必死に抵抗している。
中には頬袋を膨らませる個体もいる。爪や牙、力、体力を持たない彼らずんだ妖精にとっての威嚇が、この「ぷくー」と呼ばれるものだ。
しかし彼らは理解できていない。
こんな滑稽で馬鹿げた威嚇が通じるのは同じずんだ妖精だけだと。
「くんくん…いいメスの匂いなのだ！」
「はぁ…はぁ…ずんぽが勃ってきたのだ」
「ヘコヘコ…ヘコヘコしたいのだ！」
「ヘコヘコさせるのだ！ぶっころちてやるのだ！」
あんこ妖精はメスの子ずんを潰し、その死体の匂いを嗅がせた。すると雄ずんのずんぽがその体の小ささに見合わぬほど大きくなった。
ずんだ妖精はたびたび「ヘコずん」や「淫獣」「ずんぽ妖精」と罵られる事があるが、それはこれが原因である。
危機的状況に至っても交尾を求めるその姿は汚らしい淫獣そのものだ。
あんこ妖精は淫獣のずんぽをわざと荒く仕上げた木鋸(きのこ)で一才の躊躇なく切断していく。
「あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"‼︎‼︎‼︎」
「い"ぢゃぁあ"あ"あ"あ"あ"あｯｯ‼︎」
「ぎゃあ"あ"あアアアアッ！！！！！！！」
仮にも生き物とは思えないような絶叫を上げる雄ずん。
それはもはや激痛どころではなくショック死寸前だった。
雄ずんにとってずんぽは雄の象徴であり、大好きなヘコヘコをするために大切なもの、雌ずんにモテるためのチャームポイント…など
雄ずん=ずんぽと言ってもいいほどだ。
自分のそんな大切なものを取られた。この複雑な傷ではいかに回復力が高い妖精であっても治ることはない。
それを分かっているのかずんぽを切り落とされた雄ずん達は、糞(ずんち)尿(しーしー)を撒き散らしながら大粒の涙を流す。
「ぼくの…ずんぽ…ずんぽが…」
「ｼﾞｭﾝﾎﾟ!ｼﾞｭﾝﾎﾟ!ｼﾞｭﾝﾎﾟ!ｼﾞｭﾝﾎﾟ!」
「ずんぽ…ずんたまが…」
「いちゃ…い…ずんぽ…」
「もう…ヘコヘコ…出来ないのだ…？」
「イヤだイヤだイヤだイヤだ！！！！」
しばらく雄ずんは騒いだ後静かになり、こう呟いた。
「「「「ころ…して…」」」」
雄ずんはこれからゆっくりと潰されてずんだ餅になったり、全身の血を抜いて保存食になったりする。
ずんぽは雑味となるため基本的に除かれるが、群の中には好んで食べる者もいるため(あんこ妖精の隊長など)焼いたりスライスにして出されるのだ。
あんこ妖精は人間でいう嗜虐心を持っておらず、傷つけた反応も彼らには関係ない。ただ美味しくするため、これから訪れる本格的な冬のため、ずんだ妖精を苦しめている。
しばらくして巣のあんこ妖精全員の食事が揃った。人間にとっては焼きすぎていたり、塩分が多かったりするが彼らにとってはこれがご馳走なのである。
あんこ妖精が多く集まると真ん中の棲家から少し小柄で、足が動いていないあんこ妖精が隊長に抱えられて出てきた。
彼女はこの群を率いる「姫」と呼ばれる特殊個体だ。生まれつき足が動かないかわりか、姫はあんこ妖精特有の耳が４つもある。
特殊な周波を持つ事で統率力に優れており、特殊な力で天候を読む事もできる。
その為ずんだ妖精の長のような役割を担っている。
「あん…あーん…(皆様、命に感謝しましたか？それでは、いただきます)」
『あーん！(いただきます！)』
姫の鳴き声を合図にあんこ妖精達は仲良さげに料理を食べる。
見張りをしているあんこ妖精には後程料理が運ばれるため誰かが食べれないことは無い。
ずんだ妖精は自然界の最底辺にいる。しかしそれはあんこ妖精を含めた他の生体系の支えになっている。
あんこ妖精は命に感謝しながらずんだ妖精を捕食するが、ずんだ妖精がその事に気づく事はない。
夜になり、見張り以外のあんこ妖精以外はほぼ寝静まった。隊長と姫は人に酷似した姿に変化した。
2人は妖精種の中でも特に希少な自分の意志での「擬人化」が可能である。
隊長は大柄で筋肉質、赤黒い短髪にシワが多い老人の男性に。
姫は小柄で長い紅色の髪、端正で可愛らしい顔の女性に姿を変えた。
「…隊長…いつもごめんなさい…誰よりも優しい貴方に…狩りを…殺しをさせるのは…やっぱり辛いわ…」
「俺は俺の意志でずんだもんを殺している。ずんだもんを殺す事で群れの皆が腹を空かせる事が無くなるなら俺が戦わない理由は無い」
心苦しそうな顔を浮かべる姫に隊長は少し微笑みながら返事をする。
隊長と姫は少し他愛のない話をした後、姫は棲家へと戻った。
明日からはまた木の実や果実を適度に集める生活が始まる。ずんだ妖精はまた半年後、あんこ妖精を忘れているであろう時にお世話になるだろう。
隊長はそんな事を考えてながら新人と一緒に巣の警備を開始した。
あとがき
2023/09/06
あんこ妖精の隊長の見た目の変更、細部の修正を行いました。
あんこ妖精の隊長の見た目の変更、細部の修正を行いました。
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このページへのコメント
ずんだもんはせめてもう少し態度を改めたら死亡率も下がると思うんだ
しょせんクズはクズなのだぁ・・・(ブロリー)
調理を行うとは・・・その他の生活様式も合わせて考えると、あんこもんは立派に文化と呼べるものを有していて、野生生物というよりも人に近いようですね
その内立派に「文明」と呼べるものが築かれるかも？
知能が高い個体は人間の言葉も覚えるので習慣というよりはおっしゃる通り文化に近いですね。
あんこ妖精はホント賢く、美しい社会を築いているなぁ……下手したら人間よりも上かも。
にしても文句ばっかりでなんの抵抗も出来ずに調理され続けているずんだ虫どもの滑稽さよwwwわざと逃がされた個体が半年であんこ妖精のことも忘れたり(まぁアイツら｢教育｣やら｢継承｣というのもしなさそうだし、半年で生き残ってあんこ妖精のことを覚えてる個体もそうそういなさそうだしな)、頬を膨らませることしか出来ない、自然界で生きられるのが不思議すぎるゴミどもだが、逆にそれが色々興味深くも思えるなぁ……。
知能は人間と同等かそれ以上です。(技術は圧倒的に人間が上ですが)
ずんだもんは汚い手を使っても種を残そうとしているのです。ほぼ無意味ですが