Nostalgia AB
最終更新：
saiyan_party 2024年05月16日(木) 19:58:38履歴
はじめに 作：祭屋 
紅井の日記より：優しくて、頼りになる仲間。みんなとずっと一緒にいたいな・・・。
大井:RXF-91A オリジナリティ溢れる穴ハイム製。
本文
今日も今日とて山狩り。お呼びとあらば即参上で惨状メイカーな大井チーム。妖精駆除は体力勝負なのだ。
「準備はできてますぜ隊長」
「隊長にはいつも世話になってますからね、今日も頑張りますよォ！」
「隊長大丈夫？足痛くない？お腹空いてない？？」
「アタシはまだまだ元気いっぱい！今日もサッサと片付けて帰ろうな！！」
「・・・」
隊長、と呼ばれる紅井と和気あいあいとしたやりとりを交わす部下。
その輪から外れた大井は後方腕組みしつつ、ほんのちょっとだけ複雑な心境であった。
(勝手に部下に懐かれ惹きつけている。これが奴のスタイルか・・・)
(俺が隊長だった頃、こんな敬意払われた記憶ないんだが？？)
「何しょぼくれたツラしてんだ、荷物重いんか？置いてくぞー先輩」
「はいはい。立派な隊長ぶりじゃねえか、押し付けて正解だったな」
「やっぱりオマエそのつもりだったんだな！めんどーそうなことは全部アタシにやらせる！！」
ぷぅと頬を膨らませる紅井へ優しい視線を向けつつ『カワイイカワイイ』『俺たちが担ぐからどっかり構えててネ』『担ぐときお尻やら脚触っても事故だよね』などと声をかける部下たちであった。
・・・
話は前回、紅井が3日間の有休から復帰した直後に遡る。
「早速だがアンズ、今日からお前が隊長！頑張ってくだしあ！！」
「待ってどういうこと？話が全然見えねーぞ！？」
突拍子のない大井の言葉にまた冗談かよ・・・などと思っているうちに
『アンタが隊長！』『本日の主役！！』などと書かれたタスキやら王冠を被せられ大分おめでたい格好にさせられている紅井。
部下に至ってはどこから持ってきたのかクラッカーなぞぶっ放している。パーティー気分かよ。
「まず言いたいのはだな。お前が現場復帰してくれて、ヤル気に満ち溢れてるのはイイが今日は非番だ。出動の予定は、ありまっせーん」ｹﾞﾗｹﾞﾗ
「ナニソレ！？あんな張り切って、決意表明までしたアタシ恥ずかしい奴じゃん！！さっきのところカットして？捨てて！？」
羞恥と激情で真っ赤になり悶える紅井。そんな様子にも構わずどんどんと話は進んでゆく。
やむにやまれぬ事情とはいえ突発で休暇を貰い、3日3晩寝込んで、悩み、考えて考え抜いた末の答え。
それはそれとして、非番なら非番と一言言ってほしかった。コイツ等のことだ忘れていたに違いない。説明書は読むくせに何なんだ全く。
「出て来ちゃったもんは仕方ないですよ」
「突発ながら隊長就任パーティーと洒落込みますか！」
「ああっ！こんなところにケーキも、シャンペンも落ちてるぞ！こんな偶然ってあるんだねー」
「あんちゃんたちもグルなのかっ！？信じてたのに裏切られた！あーんあーん！！」
大井よりも信頼を寄せていた先輩たちにも裏切られ(？)退路を塞がれてしまう紅井の肩がポンと叩かれる
「諦めろ。お前が隊長になるのはティームの総意だ。みぃんなそれがいいってヨ」
「あーん！あぁーんっ！！」
「お・・・おぉいぃ・・・」
「大体俺は隊長なんてガラじゃなかったんだ。参謀なり補佐役が適任だよ。全員で担いでやっからドーンと構えて神輿に乗ってな」
「やだーっ！たすけてーっ！！わ、わああああああ！！？」
「わーっしょい、わーっしょいっ！」×n
紅井隊長、爆誕！
周りに担がれる形で拒否権など無く隊長にされてしまった紅井だが、実際にはそれほど困るところもなかった。
控えめに言って脳筋で、書類仕事が苦手。他チームとの軋轢等の政治にまつわる部分がサッパリなのだが部下連中がさっさと片付けてくれる。紅井の目に触れない勢いでそれはもう迅速に。
『あんこもんとはいえ人型に使われて恥ずかしくないのか』『元からバカチームだったが知能が底をついた』等と心無い言葉を投げられたりもあったらしいが、大井含め全員ケロリとして意に介さない。
特に部下3名はファンクラブという固い絆で結ばれた、魂の兄弟のようなものでノーダメージ！大井は・・・知らない。
・・・
回想終了。
あれよあれよという間に本日のターゲットである妖精の集落を突き止め、あっさりとお縄にしてしまう一同。
無駄口無駄喧嘩を挟みつつもそこは妖精狩りのエキスパート。元より人間様が妖精に後れを取る道理などどこにもない。
[やめてーっ！だちてーっ！！]
[たちけて！たちけてほちいのだーっ！！]
[うわーん！うわああああんっ！！]
(虫カゴに妖精すし詰め、いつもの風景)
「みんなご苦労様。頑張ってくれたおかげで早く終わったな！」
ニコニコと撤収準備を始める紅井。しかし・・・
[おねがいです にんげんさん！ぼくはいいから せめておちびちゃんを、こずんだけでも たすけてほしいのだっ！！]
「あー、ああーっ！しょうがないなーっ！！うわーっ！こんなこと言われちゃあなーっ！！」
カゴの中から声を振り絞って訴える妖精の姿。
その様子を見るや否や、物凄くわざとらしく言いながら伸びをして見せる大井。他の部下たちもニヤニヤと笑みを浮かべながら集まってくる。
まただよ、とこれから訪れる未来を想い溜息をつく紅井。こうなると自分には止められない。いつかは帰れるといいなぁ・・・。
「見上げた親心だなァパパさん。そんなにお子さんが大事かい？」
[あたりまえなのだ！おちびはたからもの なのだ、ぼくが まもってみせるのだ！]
「へー、守護れてないけど？」ｱｯﾁｱｯﾁｸｲｸｲ
[ぎゃばーっ！？]
[きょわいのだあああああっ！！]
[ぐべっ！？]
「コロ・・・転がしちゃうぞ！えいっ！」
「あっはっはっ、力加減下手くそですねえ。目標は無事かな？」
「僕は激しく振っちゃうぞ！シェイキンッ！！」
[あああああああ！やめちぇ！やめちぇええええええっ！！！]
ニコニコと、この上なく愉快そうに父妖精を冷やかす大井。
指さす先の部下たちは子ずんが入ってそうな箱を手当たり次第に、ひっくり返す勢いでつっつき回している。軽く数匹が死んだが大した問題ではない。
「わかったわかった、子を思うお前に心を打たれた。ガキは何処だ教えてくれよ」
[あ、あそこなのだっ！ぼくのおちびちゃん！おちび！おちびいいいいいいっ！！]
「ふーん・・・お前の子を助ける代わりに他を皆殺しにするって言ってもその決意は揺るがないか？」
[あ、ああっ、あっあっあっあ・・・]
昼飯に行こうぜ、くらいの軽いテンションで(妖精にとっては)とんでもない提案をする大井。
気の早い部下は対象のガキを器用につまみ出し、残ったカゴへ水を流し込む準備を始めている。窒息必至の阿鼻叫喚地獄絵ずんが見れそうだ。
「お前が抱えているのは過ぎた願いだ。それを叶えるにゃあ世界の全てを敵に回す覚悟が必要と思わんか？」
[ふじゃけるな！ぼくのおちびをたすけろ！！]
[くちょにんげん！おまえたちをぶっころちてやるのだ！！]
[ここからだせ！だせーっ！！]
(他の妖精目線では)特別扱いされた父妖精に対する非難の声が上がっているが、そんなことはもはや関係なかった。
覚悟を決めた父妖精が『全てを犠牲にしても、我が子だけでも助けてくれ！』と叫ぶ。
待ってましたと言わんばかりに注がれる水。酸素を求めて押し合いへしあい潰れ、溺れ死んでいく子妖精たち。
[ぐるぢ！ぐるぢ！！]
[(いきが、いきができないちゃ！)]
[もぉだめぢゃ！ごぼぼぼぼぼっ！！！]
[ばぎゃーっ！！わばばぎゃーーーーーーっ！！！]
[どうちて！どうちてあいつだけがあああああっ！！]
[おぢびいいいいい！ばあーっ！！！！]
子を助けられず、目の前で奪われる絶望を叩きつけられたモブ妖精のカゴにはついでで火が点けられる。
(妖精にとっては)大水と大火事、なぞなぞのようなお遊び感覚で摘まれてゆく意味のない命。
[はあっ・・・は、はあっ・・・]
[みんな、みんなごめんなのだ。でも、それでもぼくはおちびを・・・]
[お、おとーちゃあ・・・！]
人間たちの心無い所業により、あんなにいた群れが自分と子だけになってしまった。
安堵する間もなく次は自分の番・・・。しかし、しかし子の命だけは助かるのだ。それだけを誇りに思おう。
子よ、強く生きてくれ。そのために父は全てを裏切ったのだ！
妖精親子の胸にそのような思いがあったのかどうか、ヒトの身では知りようがないし大した問題ではない。
「さて、約束だったな。別れは済んだか？」
[はいなのだ・・・。やくそく、は まもってほしいのだ]
「もぉちろんさあ☆」
[ほっ・・・]
「今からお前の大切なガキを目の前でバラバラだッ！特等席で最期を看取らせてやるぞぅ！嬉しいなあ嬉しいだらう？」
[ええ！？]
[ええーっ！？]
予想外の展開に硬直する父妖精を押さえつけ、子の方を向き直らせる。
ご丁寧に目を見開かせ閉じたり逸らすことを許さない大井。
「うわあ手が塞がっちまったあ。アンズー、そっちを頼むぜいっ！」
「チッ。早く終わらせて帰るぞー」
元よりずんだ妖精を殺すことに対して何も思うところが無かった紅井。
こいつらウキウキで面倒くさいなあ早く済ませて帰りたいなあ、程度の感情しかない。
しかし彼らが娯楽として取り組んでいる以上、雑な処理をすると文句を言われかねないためどういう落としどころにすべきか。クソ真面目ゆえに悩んでいた。
[おどーぢゃ！だぢげでええええっ！]
[やべべーっ！どちてえええええええ！！]
[たすけるって！たすけるってゆったあ！やくそく、したのだあっ！！]
[ぼくはおちびのため、みんなをうらぎったのにいいいいいいっ！！！]
「約束ゥ？知らないなあ〜。お前が他をブッ殺してくれって言うから、その通りにしただけじゃなかったっけ〜？」
押さえつけられながらもバタバタともがき、顔を泥だらけにしながら吼える父妖精に大井の楽しそうな声が投げられる。
「俺達は仕事。雇い主はお前らの全滅がお望み。話し合いの余地なんて最初からないよ」
[あ、あええ・・・]
「悪りぃなあ年取ると独り言が多くなってよォ。奇跡的に噛み合って勘違いさせちゃったかな？」
「人間様が目線を合わせてお話してくれてる〜なんて、随分思い上がったもんだなムシケラ」
[しょんな、しょん、な・・・！！]
「約束は大事なんだぜ？だからお互いが対等で、信用に値しないと成立しないんDA」
「部下との約束をすっぽかすとマズイし、アンズ相手も・・・ま、まア可哀想だから守る、かな？？」
「・・・オイ、ふざけるなよ先輩ヤロウ。アタシにも考えがあるからな？」
[ひいいーっ！？おとーちゃ！おとーちゃたちけてえええええ！！！]
ジト目を向けながら今にも子妖精の首を刎ねようとする紅井。
冗談じゃない、ここで介錯くらいラクな殺し方されてたまるかとなだめすかし機嫌を取る大井。
「ああー。まあ、お前ら妖精は信用とかそれ以前の問題だし、何よりメリットを感じないね」
「だから反故にされても文句を言えないんだよ？保護されてないからね」
「大体自分のガキと引き換えに仲間を見捨てるなんて最低な奴だな、ホント汚らわし」
「ダメ元で自分の価値をアッピルしてみるか？『誰よりも面白く鳴きます！なるべく死なないようにしますので、長く苦しめてお楽しみください！！』とか？」ｹﾞｰﾗｹﾞﾗｹﾞﾗｹﾞﾗｹﾞﾗ
「はあーっ、おっかしい。自分で言ってて腹痛くなってきた。アンズ、そいつ刻んでいいぞー」
バシバシと地面を叩く勢いで爆笑する大井。もうやだこの上司・・・と思いつつも言われた通り子妖精を凌遅刑に処す紅井。
末端から寸刻みというイカレたプレイも心を殺せばなんのそのだ。
蟲がどれだけ泣こうが喚こうがノーダメージ。大井も、みんなも嗤っている。それだけでいい。
[あががががががっ！]
[ががっ、があああ！！]
[おぢびいいいいっ！やべろ！やべざぜでえええええっ！！！]
無視☆
[お、おどうぢゃ、おどーぢゃ・・・]
[おどーぢゃの、おまえの、こにうまれて さいあく、だったのだ・・・]ﾌﾞｼｬﾌﾟｼｬｯ
[へえあああっ！？な、なにを、いっ、て・・・？？]
[おまえの・・・おまえのせい、で、よけいくるしむことに なったちゃ・・・]
[こんなことなら、みんなでおぼれてしんだほう、が らくだったのだ。うまれてこなきゃ よかったのだ]ﾄﾝﾄﾝｻｸｻｸ
[やべぢゃ！ぞんなごどいわないでええええ！！]
[さいあく、の、おや・・・。さいあく、の、ずんせい・・・]
[さいあく、さいあくさいあく。さいあくさいあくさいあくさいあくさいあくさいあくさいやくべっ！？]ﾌﾞｼﾞｬｯ
呪詛を吐き出す最悪botと化した子妖精の首が刎ねられる。紅井の顔が嫌悪感で歪む。
断じて親妖精の心境を憐れんだものではない。
「・・・すまん。聞くに堪えなくてつい」
「構わん構わん。寸刻みにされながらよくあそこまで喋る元気があったよな。こいつにとっちゃ悲鳴上げるよりダメージ逝ってて笑えるぜ」
[お、おちび・・・。おちびぃ・・・]
「あんなこと言われたのにまだクソガキの事思ってんの？愛が深いのかどっかオカシイかわかんねーな。正気じゃねえ」
[どちて。ぼくたち、なんの、ために・・・？]
「今日この時、俺たちのお賃金とオモチャになるために生きてきたんだよ。ご苦労さん」
[う、うまれかわったら・・・こんどは、こんどこそは、みんなしあわせに・・・]
「『生まれ変わったら』ァ〜？お前らのシューキョーではそうなってんの？おっめでたいねー、そういうのは今を精一杯生きてから考えろ気がはえーよ」
[ぅぶぶ・・・あば、ばばっ・・・]
「でも俺はやさしいし気が向いた。お前らに倣って来世を祈ってやろっかな？」
「次があればもっと面白いオモチャに生まれ変われよ！またな、はあっ！！」ﾍﾞﾁｬｯ
失意のどん底の中、今を捨て来世を願った妖精を文字通りに踏み躙る。
前世も来世もない。今この時を生きて楽しくやってこその人生だろう。ずん生は知らん。
「終わったな。やっと帰れる」
楽しい時間もあっという間。さっさと片づけを済ませ帰り支度をする一行。そんな中・・・。
「先輩、明日からおやすみだろ？予定なかったらウチに来てほしいんだけど・・・」
「いいよー。何の予定もなくヒマだったからちょうどいいや」
部下たちにとって、特大の爆弾が投げ込まれた。
「へー、デートかよ？」
「俺は許しませんよ！隊長はみんなのもの！ですからね！？」
「みんなで仲良くシェア・・・っていうと物凄くエッチに聞こえるよね」
「待って！ちょっと待ってみんな！弟が紹介してほしいって言うから・・・！！」
「やめろ！ヘンな言い方して火に油を注ぐな！！」
「お前らなあ・・・。俺は大人のおねーさんが好きなんだ、こんなおこちゃまに言い寄られても靡かないしナニも起こらないよ。たぶん」
「おこちゃまって何だ！バカーッ！！！！」
「身体はともかく中身がおこちゃまなのは同意しますがね・・・」
「それがいいんじゃあないかな？」
「無知シチュは最高だよ！」
・・・
煽ってくる部下どもと別れ、二人は予定の擦り合わせの話をしていた。
「して、遊びに行くのはいいけど弟クンが俺に何の用だ？果し合い？？」
「アタシにもわかんないんだ。それに・・・」
「？」
「いい機会だなって。弟はこもりがちでアタシ以外に知り合いいないんだ、だからもしよかったら先輩が友達に・・・」
「ハァ・・・イヤだね。そんな理由なら弟クンにツラだけ見せて帰って寝る」
縋るような目の紅井に対し、バカバカしいと急に冷めた様子になる大井。
これだから人型は・・・と差別的煽りを添えることも忘れない。
「なっ・・・！アタシに意地悪するのはいいけど弟はッ！！」
「『友達いないお前が哀れだからおねーちゃんが紹介してやったぞ。よかったな、嬉しいだろう』これで満足か？義理や同情フレンズの弟はさぞや惨めなことだろうな？？」
「あっ・・・？あ、あああ」
「友達とか仲間になるのを決めるのは当人同士の問題。弟を思うのはわかるが首突っ込みすぎだ気に入らねえ」
「『姉ちゃんが友達紹介してやる！』なんて間違っても当人に言うなよ。弟クンにも、俺にも失礼だからな」
「俺が誰と仲良くなってどうするかは自分で決める。少なくともお前に頼まれたからお情けで弟クンと友達に『なってやる』ことは、絶対に無い！」
「ごめん・・・ごめん、なさいっ・・・！」
「あっ、ちょっおい泣くなよ、また人型泣かせってあだ名されるんだからな！」
「会ってみないことにはわからんが、存外弟クンも友達いなくて平気なタイプかもだし気にしすぎるなって！泣くなって！！」
「あーんあーん！先輩ごめんなさいっ！アタシはダメなおねーちゃんだああああ！！」
「怒ってないから！お前が弟想いなのは泣けるくらい伝わったからもぉ勘弁してくれぃ・・・」
これまで何度か紅井に説教をすることはあったが、赤子のように泣かれるとどうにも弱い大井であった。
・・・
そんなわけで翌日。
大井に住所を伝えた紅井は出迎えのための買い物に出ていたのだが・・・。
「うーん、張り切って時間かけすぎちゃった。先輩のヤツ迷ってないといいけど・・・」
思い返せば紅井の上司、大井に会ってみたいと話した弟の様子はいつもと違う雰囲気をまとっていた・・・気がする。
物わかりがいいようで頑固なところがある弟、ちゃらんぽらんで金がかからないと真面目にやらない大井・・・。あの二人を会わせると良くないのでは？
今更ながら紅井に嫌な予感が走る。遅い、遅すぎる。というか買い出しくらい事前に済ませておけよと思うのだが。
「た、ただいまー」
そして帰宅した紅井が見たものは。
「まったくその通りだよねー。おじさんよくわかってるー」HAHAHAHA
「ハハハ誰がおじさんだ俺はおにーさんだぞ少年」ﾊﾊﾊﾊﾊ
「もっと妖精の話聞かせてよ、外に出ないとわからないことばっかりだなあ」
「いいぞぉ、次は『ずんだ妖精vsあんこ妖精vs俺ら』の話にすっかー」ﾀﾞﾚｶﾞｶﾂｶﾅｰ?
玄関先で仲良く談笑する紅井弟と大井の姿であった。一体何がどうなっているのやら。
「ああ、姉さんおかえりー。聞いてよこのおにーさんがね・・・」
「アンズ！？アンズが何故ここに・・・逃げたのか？自力で脱出を？」
「あの、お前ら・・・その・・・？」ﾀﾞﾚｶﾞﾆｹﾞﾀｯﾃ??
「・・・？」(そういえば誰なんだこの人)
「・・・！」(おもしれーヤツ)
見つめあって硬直する三人。
落ち着いて脳内で状況を整理した大井と紅井弟が導き出した答えは同じ、かつ同時であった。思考の方向性が似ているのかもしれない。
「おまえが姉さんをいじめる悪い上司かーッ！！！！」
「待て待て弁解させろ！ってか弟ってヒトかよーッ！？同じく人型だと思ってたーーーーッ！！！」
・・・
しばらくして。
冷静になった紅井弟に紅井大井の両名から真面目に職務説明をされ一応の納得を得られ、束の間の平穏が訪れた。
「すみませんでした。大変ご迷惑をおかけしました」
「悪いのは君じゃなくて姉さんだから。ちゃんと反省してるみたいだし怒ってないから。気の長さに定評あるからよ」
深々と頭を下げる紅井弟に珍しくタジタジの大井。紅井はお茶菓子の準備とややこしくなるからと席を外している。
それよりさっきの仲良しトークの続きをしたいところだ、やっと再開できる・・・！などと大井が思ったところ。
「ところで姉さんのことをどう思いますか？異性としてですよ？？」
このガキ、危険球を顔面目掛けて放り投げやがった。
「可愛いけど好みのタイプじゃないな。幼すぎるし仕事とそういうのは分ける派・・・」
「何だと姉さんが魅力的じゃないってのかーッ！姉さんはなーっ」ﾊﾞﾋｭｳｰｯ!!
「じゃ、じゃあイイ女・・・」
「じゃあ、って何ですか！子供みたいなことを言うな―ッ！！」ﾄﾞﾊﾞﾋｭｳｰｯ!!!
「おぎゃーっ！助けてーッ！！どっちが子供ーーーー！？」ﾅﾝﾅﾉｺﾉﾋﾄ
瞬間湯沸かし器、特大地雷っぷりを発揮する紅井弟に振り回される大井。
なんとかなだめすかして落ち着かせ、二度と紅井の容姿やらセクシャルな話題を振るまいと固く誓う。大井の性対象じゃなくてよかった。
「随分お疲れだな先輩。坊との話そんなに盛り上がってたのか？」
「お、おかげさまで・・・ナ」
またしても何も知らない話題の中心が呑気に茶など淹れてくれる。
文句の一つ二つ言いたいところだが紅井弟の地雷をいつ踏むか知れないので全力でスルーしていく。これ以上体力を持っていかれるのは勘弁である。
「で、弟クン」
「虎太郎。白井虎太郎です」
「虎太郎クン、オトナの話なんだけど・・・妖精への知識と情熱お金に換えたくない？」
あっ、仕事モードだ。大井の目つきが変わったのを察する紅井だが、口を挟まずにはいられない。
「ちょっと待てよ先輩！坊はまだ子供だぞ、何考えてんだ！？」
「小ウルセエ保護者のネーチャンは一旦置いといて、君本人がどうしたいか考えてもらえるとオジサン嬉しいなーって」
「うーん・・・ひとまずお話聞かせてもらえませんか？あと姉さんを置いとくのは同意です」
「ひ、ひでえ！？」
「まあネーチャンにも聞いてもらった方が二度手間にならずに済むか。あくまで俺と虎太郎クンの交渉だ余計な口を挟むなよ」
ぴしゃりと言われて縮こまる紅井。こんな時、弟はというと何の援護もしてくれない・・・。
「話したりざっと見してもらった範囲、素人目で見ても君の知識や成果物は世の中の数歩前を行ってる。おめえはすげえよ、たった一人で・・・」
「・・・思えば姉さん以外の大人と話すの久しぶりで、ストレートに褒められると照れますね」
利発だがとんでもねー激情家で姉ラブ勢、アンバランスな子供と思ってたが、年相応の可愛げもあるじゃねえか。と少し安心する大井。
「専門家と接触する機会があればもっといいアイデアや刺激をもらえたり、技術発展に貢献できるかもしれん。いや多分すると思う」
「・・・貴方にお任せすれば、その機会を与えてもらえるんですか？」
「狭くて広い業界だからね、研究者やら偉ぇ学者先生のアテは多少だけどあるよ？」
「君はおカネが得られてハッピー、俺は紹介料を得てハッピー、世間も妖精技術の発展でハッピー。みぃんな幸せさ」
「うぅん・・・機会を得られるのはありがたいですけど、話がうますぎる気がするんですよね」
「まあ胡散臭い自覚はあるけどね。君がその気になれば間に俺挟む必要性も無いっちゃ無いし・・・」
「君がいるのは数歩前、時間が経てば縮まる差・・・。鮮度あるうちに金にしようと思わんかい？」
「俺は電話一本で今すぐ都合できるよ。君が俺抜きで無人の野を駆けるって言うなら忘れてもらって構わんけど」
「ぼ、坊・・・。確かにこいつは胡散臭くてウソつきで、妖精を虐めるのが趣味の最低野郎だけど」
「仮にも上司にそんなこと言っちゃダメだぞアタイ泣いちゃおうかしら・・・」
日頃の行いだろ！と大井を黙らせる。
真面目な商談に口を挟んでいるようで落ち着かないが、自分から見た意見も伝えなければいけない。弟の判断材料に出来るかもしれない。
「でも！アタシを助けてくれたんだ、ビジネスとかおカネが絡んだこいつは信用できる！ウソは言わない！！」
「・・・随分姉さんに信用されてるみたいですね。ちょっと嫉妬します」
「気のせいだよ。勝手に助かった気になってるだけ。君のネーチャンは最高だよ、いいように使わせてもらってます」
「確かに。元を辿れば姉さんのお仕事が安定して、おカネに余裕が出来て、ボクがのんびり引きこもってられるのも大井さんのおかげと言えますね」
引きこもってないで表に出てくれればいいのに。思わず漏らしそうになったが姉力でなんとか封じ込める紅井。
「姉さんに感謝しなきゃな。でもこれからは収入マウント取られなくて済むと思うぞ、たぶん」
「あの、あんまりピンとこないんですがそんなにおカネになるモンなんですか・・・？」
ああ、そういうことか。鉱脈を持っていて、山ほど金が掘れたところでその価値を知らなければこうもなってしまうのか。と得心がいった大井。
「じゃあ目に付いたヤツを適当に拾い上げてみよっか。まず妖精の飛行器官まとめなんだけど、多分これ活かせば既存の『飛べなくなるガス』改良できるね、おカネ」
「あとあと。妖精の食性実験だけど、忌避エサやらスプレーに活かせる。成長段階の変遷もペットの品種改良に応用できると思う。おカネ」
「まァ何よりだよ。俺みたいな人間からすりゃ妖精とは何ぞやと、詳しく知れば知るほど痛めつけたり虐めたりするレパートリーや手段が広がるのよ。お虐様ぁん♡相手の商売は儲かるぞぉ」
「君ら姉弟は興味が無くても、世間は妖精虐待コンペディション・グランプリの渦中だからね。より長く苦しめたり、痛めつけて遊ぶためのグッズが生まれると思うととんだビッグビジネスだよこりゃ」
こいつ妖精虐の話になると急に饒舌になるの怖いな。元から口は回る方だけど・・・。
「・・・大体わかりました。その気にさせるのお上手ですね」
「ネーチャンが言ってたろ？俺ァ口が巧くて胡散臭いの」
・・・
こうして話は纏まった。大井が紹介したのは急襲地方で妖精研究が最も盛んなズマートブレインの研究ラボであったが、まあ色々と上手くいったらしい。良かったね。
そして大井と虎太郎は晴れて友人同士となるのだが、本件は特に関係なくゲームの趣味が合うのが決め手だった。人が仲良くなるきっかけなんてのはそんなもんである。
ともあれこの件で白井家(一応家の名義はそういうことになっている)の財政は潤沢なものとなり、生活は安定し不自由のない生活を送ることができるようになった。
そんなある日のこと。
「聞いてくれよ先輩、最近坊が〜」
「それは〜、とてもいいことだなあ〜」
ウキウキな紅井の話を適当に聞き流す大井。
どうせ虎太郎が仕事で褒められただの、また特許を取っただのいつものことだろう。
あの子にしても少しばかり内向的なだけで、妖精オタク共な研究者の中に放り込んでやれば共通の話題で盛り上がれるだけの社交性は持ち合わせている。
友達作りだ何だと外野が気を回す話ではない。それより次こそヤツにゲームで負けないようにしなければ、大人のパワーを分からせなければいけないと一人対抗心を燃やしていた。
「それはそれとして、辞令だ」
「おっ、何だ？新しい部下でも増えるのかな？？教えて教えて〜」
「アンズ、お前来週からズマブレ行きだ。新天地でも頑張ってな！」
「はッ！？」
「ま・・・また急に、何を・・・！？」
「急なのはいつものことだろ。俺の部下になった時、隊長に祭り上げられた時のこと思い出せ」
「うーん、大体先輩のせいじゃん・・・。また今回もか！？」
「知らないなあ〜」
「・・・こんな泥舟企業よか胡散臭いけど羽振りがいい方がいいよな？向こう専属の妖精狩りが欲しいって言われて、推薦しといた」
「やっぱりオマエのせいじゃないか！」
「あっ・・・、その、ごめんなさい先輩」
「もう先輩でも上司でもなくなるから別にいいよ。まずお前が勝手に始めた縛りじゃん自縄自縛かよ、マゾだなあ」
顔を真っ赤にしたり真っ青になるの忙しいな、といつまでも変わらない紅井に笑ってしまう大井。
「恥ずかしいこと言うなッ！」
「それに無理だよ・・・アタシ独りじゃ何もできない、ズマートになんて行けないよぅ・・・」
「誰が独りと言った？妖精狩りはチームでやるもんだろ？チーム紅井纏めてズマートに所属換えでーっす！！」
「ホントか！？みんな一緒？やった、だったら大丈夫だ！！」
さっきまでのオロオロ顔はどこへやら、パアッと明るい表情になる紅井。本当に忙しいヤツである。
「既に部下なバカ共には伝えてある、お前が最後だ達者でな」
通達は以上だと切り上げて去っていく大井の背中に違和感やら疑問を感じる紅井。なんだろう？これは良くない感覚だ・・・。
「待って！なんでそんな他人行儀なんだ？達者でなって何だよ、オマエも来るんだろ！？」
「やだなあ俺は行きませんよ。ここに居残りで、お前ら売った功績で悠々自適の楽しい隠居生活よ？」
「オマエ何言ってんだ！？チーム紅井って言っただろ、あのこっぱずかしいやつ！！」
「俺ァ最初から最後までティーム大井だ。お前らとの慣れ合いも飽きた、THEOLZの厄介モン共を一掃するいい機会だって上もお喜びだったぜ」
胸ぐらを掴まれ揺さぶられてもヘラリヘラリとしてみせる大井。その様子に紅井もヒートアップする。
あと多分THEOLZにとって最大の厄介者は大井である。
「ばか！ばかっ！！アタシまだオマエに全然恩返しできてない！そのチャンスまで取り上げるのかよ！？」
「恩返し？忘れていいよ、じゃーね！」
「じゃ・・・『じゃあね』なんて言わないでっ！せめて『またね』だろ！？」
適当に切り上げて帰ろうとした大井だが悉く回り込まれ、逃げるのを諦める。
「恩だなんだと言うがな。俺に言わせりゃ身に覚えがない。お前が勝手に助かってその気になってるだけだろ、詐欺師相手に入れ込むの重いぞ？」
「ハァ・・・。お前はよく頑張ってる。凄いよ。どこに出しても恥ずかしくない立派なヤツだ。オイ泣くなよまたヘンな目で見られるんだからな・・・？」
「こうしてるとお前いい匂いするな？ちょっと離れて？ねえ離れて？？俺の理性が残ってるうちに早く、早くーッ！！！！」
「ふぅ。俺にも色々あるのよ、こっちで後始末しなきゃいけないの。お前らは気にせず新天地で頑張んな」
「さっき自分で言ってたが、お前独りじゃ何もできない。自然と周りが助けてくれる立派なリーダーだよ。その立ち回り俺は恥ずかしくて出来ないね」
「痛いッ！？泣くか叩くかどっちかにしろッ！俺？俺は真面目なの苦手だからお茶を濁すよ〜」
「はー？お前も最後までクソ真面目だねえ・・・。そうだな、俺がTHEOLZクビになってアテが無くなったら頼らせてもらうわ、それまで頑張って出世してくれぃ！」
「うう、うううう、うううう〜っ・・・。おぉいに会えない、寂しい、寂しいよお〜」
とりあえず、一応の納得を得て縋りつく紅井を引き離すことに成功した大井。駄々を捏ねる子供の相手をしているようだと嘆息する。
「寂しいことねーだろ、週末ボンちゃんと遊ぶ約束してるんだぜ？」
「は？」
「職場が別になっても普通に会うだろ、そりゃあ毎日とは言わんがお前らと遊ぶの楽しいからな〜」
「ば、ばかっ！ばーぁくわあああああっ！！！！！」
結構吞気してた大井も、今日一、いや知り合って一番の怒号にはビビった！
あとがき
紅井さん編がこんなに長くなるとは思わなかった！精神虐精神虐・・・。
これでも余計(？)なやりとり言葉遊びはカットした方なんです、放っておくと無限にバカなことを話させてしまうのです・・・。
次回は多分ズマートブレイン編(のつもり)
このページへのコメント
杏ちゃんの「あーんあーん(泣)」が可愛い
動画で見てぇ！
Nostalgiaシリーズ(？)は元々動画作るの面倒臭くなってイヤになった手慰みというか、逃避エネルギーによるものなので申し訳ありませんが動画化の予定はありません。
動画が文章が〜というより、俺のやり方だと動画制作に3倍くらいのキャロリーかかっちゃうのでぇ…。
会話メインで虐シーンも少なく「余計な要素が多い」「他所でやれ」とおキモちんちんされるのがこわいー><ので勘弁してくだサイヤ。
それはそうと俺の癖で手垢とか恥垢まみれの紅井さんが好評なのは嬉しいので、別の形で泣かせたり工口い目に遭わせるプランは考えております。
まあ、過度に期待されずあったらいいな程度でどうか…
またしても何も知らない紅井杏子さん
慰安旅行と言われたのにジャングルへ連れていかれそう
１円と絶頂期の１ジンバブエドルが同じ価値なわけがないわけで
ジンバブエドルで交渉しても成立しないっす
紅井さん事務作業させちゃいけない(絶望的にできない)タイプの人なので…
身売りというか大井が親心で逃したに近いので突発なのは許してネってことでひとつ。
価値についてはヒトと妖精の件でしょうか(文脈読めてなかったらごめんなサイヤ)
暗に「お前らゴミと違って部下と紅井は価値あるから信頼できるんだぜ〜」と言ってるに近い大井。こいつデレすぎでは…？
北海道ローカルから全国区となった俳優と同じような騙されっぷりなので連想を
この間観た映画の上映前予告でもその俳優の主演作品がありましたねぇ
騙し続けたディレクター曰く「純朴だった」とのことです
価値についてはおっしゃる通りです。
たしかうまい棒買うのに６４穣ジンバブエドル必要になりますんで
(紅井さんについて)純粋だったさ…赤子のようにな(精神年齢一桁)
過去編とはいえ出すたび泣かすたびに幼くなっていって不安です、全部無軌道な俺が悪い。
64穣は草。ガキの頃架空資産ごっこしてたのを思い出します(？)
掌の上で転がされる紅井さん可愛い！
無様にブチ転がされるずんだ虫も可愛い…くはないか。
勘違いさせて裏切るみたいに、ずんだ虫にも過失がある方法ではなくて、最初から反故にする気満々で約束してから裏切るやり方が、人間の悪辣さが出ていて良かったです。
颯爽と現れヒロインの座(というか俺の欲望発散のためのオモチャポジ)を奪い去っていった紅井さん。嬢ちゃんと奥様ぁん♡もブチ切れてると思います(？)
ヒト相手じゃない蟲畜生との約束()なんぞ守る意義を感じませんし、滲み出る悪意や悪辣さ大好きなんですよね。
誰かを救ったその手で他のモノを殴る矛盾というか混沌とした内面、差別etc.とぐちゃどろの姿。
弱いものいじめが大好きな極悪クソ野郎共が嗤いながら黒い享楽に溺れる姿をお届けできればなあ、と割と初期から変わらず思っています
紅井さんかわいい（こなみかん）
でもなんで苗字が・・・？
集落の全てと引き換えに選んだ、大切にしていたおちびたちに散々に恨まれ、呪詛吐かれた親妖精・・・ｗ
絶望から瞬時に切り替えて「うまれかわったら〜〜」の立ち直りの早さよｗ
＞「約束は大事なんだぜ？だからお互いが対等で、信用に値しないと成立しないんDA」
ここほんと大事
＞「だから反故にされても文句を言えないんだよ？保護されてないからね」
「ほご」でかけたんですねｗ
弟のためにと空回ったり、職場変わったらもう会えないと寂しがったり
紅井さんかわいい（大事なことなので（ｒｙ ）
苗字に関しては妖精時代の紅井さんは白井夫妻(ボン両親)のペットだったため本家はそっちという帰属意識云々…。
登場順が紅井さん→ボンちゃん(白井虎太郎)だったせいもあって赤いのに白井はおかしいだろ！を回避するためとか、まあいろいろです(あまり深く考えてない、いつもの)
反故×保護はセリフ思いついた時会心のデキだ！と思ったのですが時間が経つにつれなんか違うなあ？と首を傾げるハメになりました。
友達云々の説教で泣かせるシーンは土壇場で生えてきたので紅井さん登場=泣かせる になりつつあります、かわいいですね
今思い出して取って付けたんですが、紅井さんが経験した「別れ」って白井夫妻との死別くらいなのでトラウマというか、拒否反応出るのもしゃーないのかなあと
『あたりまえなのだ！おちびはたからもの なのだ、ぼくが まもってみせるのだ！』→『守護れてないけど』……本当に、美しい……
『う、うまれかわったら・・・こんどは、こんどこそは、みんなしあわせに・・・』というセリフからもわかるように、現世で「満足」が出来ないならばと来世を途端に期待し始めるのも面白い生態ですよね！
会話メインの展開で、妖精の異質性と人間側の圧倒的なパワーを感じられて非常に満足です！同じ土俵に立ててすらいないという一方的な蹂躙！！爽快！！
とっ捕まっておいて守ってみせる！(守護れてない)と宣う度胸だけは褒めて殺りたいです。
絶望を極めて現実逃避→ヘンなシューキョーみたいなアレくらいのつもりでした。とうとうセリフ以外書くのすらサボり始めてもうダメかもしれません