プリンセスティアーズ第2禁書庫

書いた人：35HR

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　用意された撮影スタジオの扉を開いた瞬間、視界にとびこんできた
おぞましい物体の姿に、ヒロインである彼女の背筋に悪寒がはしる。
　それは、予算を惜しまず精巧に再現された触手分娩台と呼ばれる
巨大なセットだった。無数の肉管で覆われたおぞましい生体ベッドは、
まるで、実際に生きているかのような生々しさと存在感を放つ。
　しかも、撮影が終われば、このベッドはＣＧ加工され、
驚くほどの生命感を発揮することになる。
　それを熟知しているだけに、彼女の憂鬱はますます重く体積を増していく。
「エルシーさん、お待ちしてました」
　セットの影から、三々五々、スタッフ達が現れる。
　男性も居るが、女性も居る。
　そして、どの瞳にも輝く、その好奇の光は隠しようもなかった。

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