最終更新:ID:AOzqSunrHA 2024年01月29日(月) 17:58:37履歴
作者:rima
プロット元に依頼して書いていただきました。
【生体実験区画を探索】
【特殊バリア装置を見つける】
ほぼ手ぶらの状態で生体実験区画内を探索していると、目の前に他とは明らかに違った形状の装置が現れた。
銀色のカプセルが不気味に直立している。同じようなものを上の層でも見た覚えがあったが、周囲に備え付けられた機器がより多く、複雑だ。
“特殊バリア装置”
備え付けの端末にはそう表示されており、細かい文字で説明文も付随している。
(うーん…独自の専門用語かしら…読めない部分が多いわね)
それでも内容が気になり、あたしは分かる部分だけでも読み進めることにした。
(装置を使うと身を守るバリアを張れるようになるのは他と同じみたい。でも…)
次に書いてある文字に下腹部が自然と反応する。
卵子の受精能を上昇させる作用あり
副作用としてはあまりに唐突過ぎる内容に目を疑う。けれど、あたしがこの施設で見受けた事象の数々を考えたら、あり得ない話ではないかもしれないと思えてしまう。
(複数の精子を同時に受精…っ。そんなことになったら…!)
普通、卵子が一度に受精できる精子は一つのみ。専門家ではないあたしでもそれくらい当然知っている。もし、複数の精子が受精すれば、正常な胎児が生まれることはないことも。
(いや…違うの…想像してなんかないから!)
思わず下腹部を押さえる右手に力がこもる。ビキニアーマーで無防備になった腹部がキュンっと疼き始めた。
異常な胎児を身ごもる恐怖。一つの卵子に多量の精子が殺到し、複数同時に受精させられていく様。胎内で異常児が育っていって…。
「イヤァァァ!」
脳裏に浮かぶ最悪なシーンに悲鳴が漏れる。震え出した身を抱いて、あたしは何とか意識を保つ。
(えっと、文章の続きは…厳密には卵子を改良するための装置?! バリアはあくまで副作用って…なによこれ!)
読み取れたのはあまりに残酷な内容だった。
本来この装置は女性の卵子を強制的に改良するために作られたものらしい。バリア効果が発現したのは副作用でしかない。逆ならまだ理解できなくもなかったけれど…。
「最低の装置ね…!」
そう言い捨てたあたしの子宮にゾクゾクとした違和感が迸る。
女性の部分が本能的に危険を訴え、今すぐこの装置から離れるべきと警鐘を鳴らしているのだ。しかし、なぜか鼓動は不気味な期待感でドキドキと激しく揺れている。
(…今はもうバリアがあるわけだし、当分使うことはなさそうね)
さしあたって装置を使う必要がないことに気づき、あたしは安堵のため息をはく。
使う気はないが念のために、と装置の場所だけ記憶して、この場から離れることにした。
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プロット元に依頼して書いていただきました。
【生体実験区画を探索】
【特殊バリア装置を見つける】
ほぼ手ぶらの状態で生体実験区画内を探索していると、目の前に他とは明らかに違った形状の装置が現れた。
銀色のカプセルが不気味に直立している。同じようなものを上の層でも見た覚えがあったが、周囲に備え付けられた機器がより多く、複雑だ。
“特殊バリア装置”
備え付けの端末にはそう表示されており、細かい文字で説明文も付随している。
(うーん…独自の専門用語かしら…読めない部分が多いわね)
それでも内容が気になり、あたしは分かる部分だけでも読み進めることにした。
(装置を使うと身を守るバリアを張れるようになるのは他と同じみたい。でも…)
次に書いてある文字に下腹部が自然と反応する。
卵子の受精能を上昇させる作用あり
副作用としてはあまりに唐突過ぎる内容に目を疑う。けれど、あたしがこの施設で見受けた事象の数々を考えたら、あり得ない話ではないかもしれないと思えてしまう。
(複数の精子を同時に受精…っ。そんなことになったら…!)
普通、卵子が一度に受精できる精子は一つのみ。専門家ではないあたしでもそれくらい当然知っている。もし、複数の精子が受精すれば、正常な胎児が生まれることはないことも。
(いや…違うの…想像してなんかないから!)
思わず下腹部を押さえる右手に力がこもる。ビキニアーマーで無防備になった腹部がキュンっと疼き始めた。
異常な胎児を身ごもる恐怖。一つの卵子に多量の精子が殺到し、複数同時に受精させられていく様。胎内で異常児が育っていって…。
「イヤァァァ!」
脳裏に浮かぶ最悪なシーンに悲鳴が漏れる。震え出した身を抱いて、あたしは何とか意識を保つ。
(えっと、文章の続きは…厳密には卵子を改良するための装置?! バリアはあくまで副作用って…なによこれ!)
読み取れたのはあまりに残酷な内容だった。
本来この装置は女性の卵子を強制的に改良するために作られたものらしい。バリア効果が発現したのは副作用でしかない。逆ならまだ理解できなくもなかったけれど…。
「最低の装置ね…!」
そう言い捨てたあたしの子宮にゾクゾクとした違和感が迸る。
女性の部分が本能的に危険を訴え、今すぐこの装置から離れるべきと警鐘を鳴らしているのだ。しかし、なぜか鼓動は不気味な期待感でドキドキと激しく揺れている。
(…今はもうバリアがあるわけだし、当分使うことはなさそうね)
さしあたって装置を使う必要がないことに気づき、あたしは安堵のため息をはく。
使う気はないが念のために、と装置の場所だけ記憶して、この場から離れることにした。
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