GURPSよろず - さらなる努力(Powersでの拡張)

『GURPS Powers』4章「POWERS IN ACTION?」の「SUCCESS ROLLS FOR ABILITIES?」より。

さらなる努力(EXTRA EFFORT) P160P

 GM は FP を支払うことで、ヒーローに通常の限界を超えた能力を発動させることができます――より速く走ったり、より重いものを持ち上げるように(「さらなる努力」B338P/2B18P参照)。さらなる努力をすべての有利な特徴に対して許可するか、特殊的なものや超常的なものに対してのみ許可するか、あるいはパワーに属する能力に対してのみ許可するかは GM次第です。
 すべての場合において、ある有利な特徴が特別な"さらなる努力"のためのルールを提供している場合には、そのルールを代わりに使用してください。例えば、「超感覚」は毎分 2FP を支払うことで 意志力判定なしで有効距離を 2 倍にすることができ、「ワープ移動」は 4FP 以上の FP を起動判定のボーナスと交換することができます。

原書表記

疲労と効果の交換(Trading Fatigue for Effect)

 さらなる努力は、定量的な効果を持つ起動型能力を、その能力の成功判定の前に、本来の「出力」より増加させることができます。例としては以下のようなものがあります。

 GM は特定の常動型能力に対してもさらなる努力を許可することができます。例えば、「力場状」の増強がなされた防護点(さらなる努力DR を増加します)や 「オーラ」の増強がなされた攻撃能力(さらなる努力は通常通り「特殊効果」ならレベルや「特殊攻撃」ならダメージを増加します)。また、パワー止め?(P168P)のために常動型能力を強化することを許可することもできます。高パワーのスーパーゲームでは、モジュール式能力のスロットのポイントを一時的に増加させることもできます。
さらなる努力をを使うためには、効果が 5%増加するごとに −1、またはその端数が増加するごとに −1 の 意志力判定 を行います。例えば、「特殊効果 9L」は「特殊効果 8L」より、12.5%効果が高いため、「特殊効果 8L」を「特殊効果 9L」にするには、判定に−3のペナルティを受けます。さらなる努力によるボーナス効果の上限は100%までで、その場合は意志力判定に −20 されます。

原書表記

修正:
 非常時のみに記載の状況下で+5(非常時のみの限定がされているかに関わらず)。通常のさらなる努力とは異なり、既に疲労していても失ったFP分のペナルティは受けません――ヒーローものでは、危険にさらされて消耗しているヒーローの方がさらなる努力を成功させやすいでしょう。パワーを使用している場合、パワーの才能に等しいボーナスを加えることができます。

原書表記

消費FP:
 成功失敗にかかわらず、さらなる努力FPを必要とします。瞬間的な能力(例えば攻撃)は試みごとに1FP消費します。維持可能な能力(「飛行」、「テレキネシス」、「気温制御」など)については、前述の意志力判定を継続使用1分につき1回行い、判定1回ごとに1FP消費します。それが重要な場合、FP意志力判定を行なった後、能力を起動するための判定の前、に消費します。

原書表記

意志力判定に成功すると:
 成功すると、あなたの能力は望んだとおりに増加します。しかし、これは能力の使用が成功することを保証するわけではありません。あなたはまだ、強力になった"破滅の矢"の<特殊攻撃>判定に失敗するかもしれません。クリティカルで成功した場合、さらなる努力FPを消費することはありません。

原書表記

意志力判定に失敗すると:
 失敗すると、さらなる努力をしなかった場合の数値で、その能力を行使しなければなりません。
 ファンブル失敗した場合、自分の能力を押し付けすぎていることを意味します。その能力は、1秒だけオフになります――攻撃は不発になり、フォースフィールドはDRを失い、空中で飛行が切れたりします。そして行動は自動的に失敗します。また、あなたは「Crippled Abilities?」(P156P)で説明されているように、能力が使用できなくなっていないかをチェックしなければなりません。あなたの能力がパワーの一部である場合、この判定はあなたのパワー全体に対して行われます。失敗なら「一時的な影響」、ファンブル失敗は「持続的な影響」となります。
訳注:
ファンブルの際の「能力が使用できなくなっていないかのチェック」やその失敗による「一時的な影響」「持続的な影響」からの回復などは、パワーに属さない能力の場合は肉体的なものは生命力を、精神的なものは意志力を使用します。パワーに属する能力の場合は、パワーごとに適切な能力値を使用した判定を行います。生物学的、自然、超力などは生命力を使用し、気、神授、魔法、超能力、精霊などは意志力を使用します。また、宇宙パワー(増強ではなくパワーの名称の方)は使えなくなることはないため、これらの判定は不要です。
「一時的な影響」とは、失敗度1につき1分の間はその能力が属するパワー全体が使用できなくなり、その期間の終了後1分毎に再度能力値判定を行い、成功したら回復します。
「持続的な影響」はパワーが1Dか月間使用できなくなります。GMは、「使えなくなった部位(持続)の治療」における<医師>技能と同じように適切な技能による治療で回復を早めることができるとしても構いません。

原書表記

補足
 「疲労と効果の交換」は、上記以外の常動型能力では、能動的な使用であっても不可能です。「治療できる」のように効果が使用したFPと結びついているような能力や「チャネリング」のように数値化できない効果を持つ能力でも使用できません。

原書表記

機械とさらなる努力: Machines and Extra Effect
 「機械」(B253P)の共通性質を持つものは、さらなる努力を使用できません。ですが、GMは超科学メカやスペースオペラの宇宙船が登場するようなキャンペーンでは特例を認めるかもしれません。前述のルールを基本として、意志力判定生命力判定に置き換え、FPコストは生命力を減少させます。オペレータがいる「機械」については、GMが望むなら意志力判定を<エンジニア>や<操縦>などの技能判定に置き換えても構いません。その場合、オペレータの敏捷力知力の代わりに「機械」の生命力を基準にして下さい(「技能を他の能力値で使う」B166P参照)。生命力の損失とその回復のための修理は、メンテナンスを怠ったことによる生命力の損失として扱います。(「メンテナンスが必要」参照)

原書表記

神のごときさらなる努力:Godlike Extra Effort
 英雄的な叙事詩や大げさな漫画を再現することを目的としたキャンペーンでは、GMはヒーローがさらなる効果のために1FP以上を交換することを許可することができます。同様ルールを使用しますが、ボーナス効果には使用したFPを掛け、「ボーナス効果の上限は100%まで」という制限を無視します。例えば、意志力−3判定をするヒーローは 15%のボーナス効果を得るために 1FP を消費することができます。または、150%の効果を得るために 10FP を消費することができます。これは大きな「エネルギーリザーブ」(P119P)を持つヒーローの力を大幅に拡大します。扱いには注意してください。

原書表記

疲労と技能の交換(Trading Fatigue for Skill)

 焦点に対するさらなる努力の代わりに、集中力高めることで、あなたの成功判定に1回だけボーナスを与えることができます。これには判定に+1するごとに一律1FPのコストが必要で、最大で+4までです。このさらなる努力の使用は実際に制御力を高めるので、壊滅的な失敗のリスクはありません。これを「疲労と効果の交換」と組み合わせることができるかどうかは GM にお任せします。
このオプションは、起動するために判定を必要とする起動型能力や、対象との即決勝負で使用できます。常動型能力では、このオプションを使用できません。起動判定の代わりに命中判定を必要とする能力でも同様に使用できません――攻撃における同等のオプションは、全力攻撃必中の一撃です。

原書表記

関連


意志力判定

有利な特徴