RIを取り扱う施設や、一般公衆が居住・生活する場所の、環境の放射線レベルや放射性汚染のレベルを、一定の基準内に維持することにより、作業者はもちろん、一般公衆に対しても、放射線による被ばくをできるだけ低く抑えることが必要です。
環境管理では放射線測定が重要な部分を占めています。すなわち、外部被ばくに備えて、RIを取り扱施設内および事業所境界の線量当量率を測定するとともに、内部被ばくに備えて取り扱い施設内の空気、表面汚染及び排気・排水のRI濃度を測定することが必要です。
測定を通じて放射線防護上の措置を行うことをモニタリングといいますが、モニタリングには、施設・環境など場のモニタリングと、人のモニタリングとに区分することができます。
場のモニタリングの中心は測定で、人のモニタリングは過去の結果の確認であり、一般的には、放射線防護の観点から、場のモニタリングを優先して考えることになります。
モニタリング手順および評価
外部放射線管理
使用施設などの外部放射線を測定して作業環境における放射線業務従事者等の被ばく線量当量をできるだけ低くするために、サーベイメータ、エリアモニタなどを用いてモニタリングが行われます。
放射線モニタリング
測定機器・設備
排水管理
排水設備
排水モニタリング
空気汚染管理
汚染防御設備・装置
排気設備
空気汚染モニタリング
表面汚染管理
直接モニタリング
間接モニタリング
環境管理では放射線測定が重要な部分を占めています。すなわち、外部被ばくに備えて、RIを取り扱施設内および事業所境界の線量当量率を測定するとともに、内部被ばくに備えて取り扱い施設内の空気、表面汚染及び排気・排水のRI濃度を測定することが必要です。
測定を通じて放射線防護上の措置を行うことをモニタリングといいますが、モニタリングには、施設・環境など場のモニタリングと、人のモニタリングとに区分することができます。
場のモニタリングの中心は測定で、人のモニタリングは過去の結果の確認であり、一般的には、放射線防護の観点から、場のモニタリングを優先して考えることになります。
モニタリング手順および評価 
馬のモニタリングには、それぞれの目的に応じて適切な測定機器・設備があります。
モニタリングの結果を評価する場合には、基準となる数値と比較する必要があります。一般的には、法令基準に基づいて参考レベルの設定をします。参考レベルは、記録レベル、調査レベルおよび介入レベルに区分されます。
１）記録レベル：超えた場合には、結果を記録する。
２）調査レベル：超えた場合には、原因調査などを行います。
３）介入レベル：超えた場合には、何らかの改善措置をとります。
なお、記録レベルを使用する場合には、結果が記録されていなければ記録レベルを超えなかったという事実を、明確にしておくことが必要です。
モニタリングの結果を評価する場合には、基準となる数値と比較する必要があります。一般的には、法令基準に基づいて参考レベルの設定をします。参考レベルは、記録レベル、調査レベルおよび介入レベルに区分されます。
１）記録レベル：超えた場合には、結果を記録する。
２）調査レベル：超えた場合には、原因調査などを行います。
３）介入レベル：超えた場合には、何らかの改善措置をとります。
なお、記録レベルを使用する場合には、結果が記録されていなければ記録レベルを超えなかったという事実を、明確にしておくことが必要です。
外部放射線管理
使用施設などの外部放射線を測定して作業環境における放射線業務従事者等の被ばく線量当量をできるだけ低くするために、サーベイメータ、エリアモニタなどを用いてモニタリングが行われます。
放射線モニタリング
モニタリングは目的により一般モニタリングと作業モニタリングに区分されます。
一般モニタリングと作業モニタリング
一般モニタリングと作業モニタリング
| 種類 | 内容および特徴 |
| 一般モニタリング | �（�射線漏洩が基準値以下であることを確認 |
| 定期サーベイ：事業所全域での線量当量率測定 | |
| 固定モニタ：定点測定による計時変化の確認 | |
| �∧�射線量のレベル分布測定 | |
| 周知による従事者の注意喚起（被ばく低減） | |
| �０枉鑛�射線レベルの有無確認 | |
| 施設、作業方法の変更時での確認（改善等の措置実施） | |
| 作業モニタリング | �“錣个�が予想される作業で実施 |
| 作業手順確認（計画的な実施、被ばく低減、汚染防止） | |
| �⇒汁杠蚤臉�量当量率地点での測定 | |
| ��作業環境での異常放射線レベルの確認 |
測定機器・設備
外部放射線のモニタリングには設置型モニタや稼動型モニタが使用されます。
線量当量率測定を行なう測定器として一般的なものはサーベイメータです。サーベイメータにはいくつかの種類があり、それぞれに特徴があります。
外部放射線モニタリングでは、測定場所により対象とする線質と放射線レベルが異なるので、性質等を勘案して、使用する測定器を決定する必要があります。
測定器には、それぞれ固有の感度があり、通常、その取扱説明書に校正定数が与えられているが、校正定数は測定器の経年変化とともに変わる可能性があるので、定期的に校正し、確認しておくことが重要です。
線量当量率測定を行なう測定器として一般的なものはサーベイメータです。サーベイメータにはいくつかの種類があり、それぞれに特徴があります。
外部放射線モニタリングでは、測定場所により対象とする線質と放射線レベルが異なるので、性質等を勘案して、使用する測定器を決定する必要があります。
測定器には、それぞれ固有の感度があり、通常、その取扱説明書に校正定数が与えられているが、校正定数は測定器の経年変化とともに変わる可能性があるので、定期的に校正し、確認しておくことが重要です。
排水管理
非密封RIを使用する施設においては、RI施設やRIを含む洗浄水等が生じます。使用機器等の洗浄水を主とするRI排水は直接外部に排水せずに、いったん貯留槽に貯留します。その後、放射能濃度を測定し、濃度限度以下であることを確認した後下水等に排水することになります。
排水設備
排水設備は作業室などから排出された汚染排水を浄化し、定められた濃度限度以下にして排出する能力を持つものです。浄化には希釈あるいは吸着などがありますが、使用されるRIの数量が少ない場合には貯留槽を２基以上と希釈層を設けることが多いです。貯留層の１基に排水を貯留し、濃度を測定し、必要に応じて元帥を待つか、または希釈層を用いて希釈し、濃度限度以下にしてから排出します。
排水モニタリング
排水中のRI濃度測定には、水モニタによる方法とサンプリングによる方法とがあります。
空気汚染管理
非密封RIを使用する施設においては、排気中にRIが存在するだけでなく、作業室内の空気中にもRIが含まれている可能性があります。排気中のRIは直接事業所外に影響を与えるので、十分な監視が必要になります。また、作業室内の空気汚染は、作業者の体内被ばくに関係するので、これもまた管理が必要です。
通常の空気汚染モニタリングの目的は、排気系統の正常な作動確認が中心となります。空気汚染を防止するためには、作業室から排気設備の出口まで空気の流れが政情であることが必要です。
通常の空気汚染モニタリングの目的は、排気系統の正常な作動確認が中心となります。空気汚染を防止するためには、作業室から排気設備の出口まで空気の流れが政情であることが必要です。
汚染防御設備・装置
作業室の空気汚染の防止は、作業者の安全取扱いによるところが大きいのはもちろんであるが、フード、グローブボックス内での取扱いが最大の防護対策であるといえます。
排気設備
排気設備は施設内の汚染空気を排除することによって空気中の放射性同位元素の濃度を限度以下にし、また排出空気を浄化して排気中のRI濃度を濃度限度以下とするものです。
浄化には大量の空気で希釈するか、フィルタが用いられます。フィルタはプレフィルタとしてガラス繊維フィルタ、ついで高性能粒子(HEPA)フィルタ、または、ヨウ素などの吸着のために活性炭フィルタが用いられます。
浄化には大量の空気で希釈するか、フィルタが用いられます。フィルタはプレフィルタとしてガラス繊維フィルタ、ついで高性能粒子(HEPA)フィルタ、または、ヨウ素などの吸着のために活性炭フィルタが用いられます。
空気汚染モニタリング
空気汚染管理の測定は、作業室内などにおける空気汚染モニタリングと排気口付近における排気モニタリングに区分されます。
モニタリングの対象となる放射性物質は、空気中の物理的性状により、放射性ダストのようにろ紙で捕集されるもの、ヨウ素のような揮発性物質であって活性炭で捕集されるもの、トリチウム水蒸気あるいは希ガスのような放射性気体などに分類できます。
空気汚染モニタリングの方法および使用測定機器の特徴
モニタリングの対象となる放射性物質は、空気中の物理的性状により、放射性ダストのようにろ紙で捕集されるもの、ヨウ素のような揮発性物質であって活性炭で捕集されるもの、トリチウム水蒸気あるいは希ガスのような放射性気体などに分類できます。
空気汚染モニタリングの方法および使用測定機器の特徴
| 1. 粒子状（放射性ダスト） | |
| 直接測定法 | ダストモニタ |
| 間接測定法 | 捕集材 集塵ろ紙 |
| 捕集法 ダストサンプラ | |
| 測定器 GM計数装置、ガスフロー型比例計数装置 | |
| 2. 気体状（揮発性物質） | |
| 直接測定法 | ヨウ素モニタ等 |
| 間接測定法 | 捕集材 活性炭 |
| 捕集法 活性炭含有ろ紙、活性炭カートリッジ | |
| 測定器 NaI(Tl)シンチレーション計数装置、Ge半導体検出装置 | |
| 3. 気体状（放射性希ガス、3H、14C等） | |
| 直接測定法 | 捕集材 直接捕集 |
| 捕集法 電離箱内に試料空気を封入あるいは流通させて計測 | |
| 測定器 電離箱、ガスフローカウンタ | |
| 4. 水蒸気（3H） | |
| 直接測定法 | 気体状のトリチウムを直接捕集して電離箱で放射能測定 |
| 間接測定法 | 捕集材 水蒸気濃縮 |
| 捕集法 コールドトラップ | |
| 測定器 液体シンチレーション計数装置 | |
| 5. 水蒸気、ミスト（3H、14C） | |
| 間接測定法 | 捕集材 液体捕集 |
| 捕集法 水バブラ | |
| 測定器 液体シンチレーション計数装置 | |
表面汚染管理
非密封RIを使用する以上、汚染の完全な防止は困難です。そこで作業後を含む定期的な表面汚染モニタリングを実施することにより作業環境の表面汚染管理を行う必要があります。
表面汚染の測定結果は放射線管理上非常に重要です。測定を行うべき主な対象を以下に示します。
表面汚染を行うべき主な対象
表面汚染モニタリングは非密封RI取り扱いのみに必要なのではなく、密封線源の使用においても、密封性の経年劣化を監視するために必要です。
少なくとも年に一度、定期的に、線源または線源容器の汚染検査を実施することが望ましいです。また、線源を移動して使用する場合には、使用後、測定器を用いて異常の有無を確認することが義務付けられています。
表面汚染には、取れにくい汚染（固着性汚染）と、取れやすい汚染（遊離性汚染）とがあります。前者は外部被ばくのみを考慮すればよいが、後者はむしろ、汚染物質が舞い上がり室内の空気を汚染し、内部被ばくが起こりうることに注意を払う必要があります。
両者ともにサーベイメータあるいは専用のフロアモニタなどによって測定できます。これを直接モニタリング法といいます。一方、後者についてはスミア法（拭き取り試験法）がよく用いられます。これを間接モニタリング法といいます。
表面汚染の測定結果は放射線管理上非常に重要です。測定を行うべき主な対象を以下に示します。
表面汚染を行うべき主な対象
| �ー莪珪貊� | ・作業室内の床・壁 |
| ・実験台、機器等の施設・設備類 | |
| ��動線の集中場所 | ・作業室内の床（特にフードや流しの前） |
| ・作業室の出入り口付近の床・扉 | |
| ��作業者 | ・手・足および衣服 |
表面汚染モニタリングは非密封RI取り扱いのみに必要なのではなく、密封線源の使用においても、密封性の経年劣化を監視するために必要です。
少なくとも年に一度、定期的に、線源または線源容器の汚染検査を実施することが望ましいです。また、線源を移動して使用する場合には、使用後、測定器を用いて異常の有無を確認することが義務付けられています。
表面汚染には、取れにくい汚染（固着性汚染）と、取れやすい汚染（遊離性汚染）とがあります。前者は外部被ばくのみを考慮すればよいが、後者はむしろ、汚染物質が舞い上がり室内の空気を汚染し、内部被ばくが起こりうることに注意を払う必要があります。
両者ともにサーベイメータあるいは専用のフロアモニタなどによって測定できます。これを直接モニタリング法といいます。一方、後者についてはスミア法（拭き取り試験法）がよく用いられます。これを間接モニタリング法といいます。
直接モニタリング
直接モニタリングの特徴と注意事項
表面汚染モニタリングを行う上で重要な測定機器にハンドフットクロスモニタがあります。これは、手・足、衣服などを測定するための据え置き型の測定装置です。この特徴は、個人の汚染状況のチェックに有効であるだけでなく、非密封RI使用施設からの退出時に必ず測定を実施することにより、物の汚染による環境汚染、管理区域外への汚染拡大などの早期発見に役立ちます。
検出部には、GM計数管、ガスフロー比例計数管などが用いられており、トリチウムは検出が難しいが、14Cや125Iなどの低エネルギー放射線の検出は可能です。
放射線の種類により使用すべき測定器の選択と留意点
| 長所 | �� 遊離性、固着性の両汚染量測定 |
| �� 作業場での直接測定 | |
| �� 広域を連続的に把握 | |
| �� 迅速簡便に、直接、作業台の上、衣服、皮膚などの表面汚染の有無が調べることができます。 | |
| �� 密封線源の収納容器の汚染は、線源を取り出しておけば、サーベイメータで十分可能です。 | |
| �� スポット状、タイル目地等に有効 | |
| 短所 | �� 高線量当量率場ではバックグラウンドが高く、不適 |
| �� 低エネルギーβ線を過小評価する可能性があるので、専用の測定器を選ぶ必要があります。 | |
| �� 時定数の３倍以上静止するなど走査速度に注意しないと見落とす恐れがあるので注意が必要です。 | |
| �� サーベイメータなどで汚染の表面密度を算出し表面密度限度と比較しますが、換算係数が必要です。 |
表面汚染モニタリングを行う上で重要な測定機器にハンドフットクロスモニタがあります。これは、手・足、衣服などを測定するための据え置き型の測定装置です。この特徴は、個人の汚染状況のチェックに有効であるだけでなく、非密封RI使用施設からの退出時に必ず測定を実施することにより、物の汚染による環境汚染、管理区域外への汚染拡大などの早期発見に役立ちます。
検出部には、GM計数管、ガスフロー比例計数管などが用いられており、トリチウムは検出が難しいが、14Cや125Iなどの低エネルギー放射線の検出は可能です。
放射線の種類により使用すべき測定器の選択と留意点
| α汚染 | ・硫化亜鉛ZnS(Ag)シンチレーション式サーベイメータ、ガスフロー型（比例計数管式）サーベイメータ、半導体式サーベイメータ |
| α線は吸収されやすいので、測定時にはできるだけ汚染表面に近づけて真の放射能レベルを示すよう注意が必要 | |
| β汚染 | ・GM計数管式サーベイメータ |
| ・β線用サーベイメータはγ線にも感じるので、γ線のバックグラウンドが高いところでは直接測定できない | |
| ・トリチウムは、汚染レベルが高い場合、検出器の薄いガスフロー型サーベイメータで可能 | |
| 低エネルギーγ汚染 | ・125Iは、低エネルギー用NAI(Tl)シンチレーション式サーベイメータで直接測定可能 |
間接モニタリング
直接測定することが不向きな表面汚染には、スミア法が用いられます。
3H（トリチウム）は最大エネルギー 18 keVのβ放射体であり、トリチウム用サーベイメータでは限界があるので、スミア法による試料採取、液体シンチレーション計数装置による測定が汚染検出に最適です。
拭き取りは、検査しようとする表面約100 cm2を乾いたろ紙で敗れない程度に強くこすり、直径約2 cmの円内にほぼ一様に汚染物質が付着するようにします。
スミア法においては、測定機器は液体シンチレーション計数装置（液体シンチレーションカウンタ）、半導体式検出装置（半導体式スペクトロメータ）など目的に合ったものを使用します。
スミア法の特徴および測定上の留意点
3H（トリチウム）は最大エネルギー 18 keVのβ放射体であり、トリチウム用サーベイメータでは限界があるので、スミア法による試料採取、液体シンチレーション計数装置による測定が汚染検出に最適です。
拭き取りは、検査しようとする表面約100 cm2を乾いたろ紙で敗れない程度に強くこすり、直径約2 cmの円内にほぼ一様に汚染物質が付着するようにします。
スミア法においては、測定機器は液体シンチレーション計数装置（液体シンチレーションカウンタ）、半導体式検出装置（半導体式スペクトロメータ）など目的に合ったものを使用します。
スミア法の特徴および測定上の留意点
| 特徴 | ��α放出核種や低エネルギーβ線放出核種の測定に適しています。 |
| �▲丱奪�グラウンドの高い場所での測定に適しています。 | |
| �Ｍ�利性汚染の程度を測定するものであり、固着性汚染は測定できません。 | |
| �だ�源の表面汚染測定可能 | |
| 留意点 | �／，�取り効率に注意 平滑で非浸透性の材質：0.5 |
| 浸透性の材料：0.05 | |
| 浸透性、非浸透性の区別なし：0.1 |
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