田中東志（野球外伝）
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mua19_1000ace 2020年08月10日(月) 10:31:09履歴
「ワシにしかできん仕事なんは事実……あいつらの前では、
最後までかっこつけたる。そうやないと、真っ先に
ワシが折れてまう。この部屋を出た後は、どんな時でも、
顎を上げて言え。これは……ワシにしかできん不可能やと」
概要
性格
人物関係
暁樹里亜（ジュリア）
三分類（さんぷん るい）
古宮麗華（こみや うららか）
佐藤拿（ツカム）
鈴木宝馬（ホウマ）
ミシャンドラ
投神
強さ
歴史
トウシたちは、三人とも同じ場所に返されたが、
試合の疲労は残っており、まともに動けない程疲れていた。
三人で情報共有を行い、まともに高校野球や甲子園の常識が
欠如しているツカムに、いかに高校野球の五連覇が難しいか
二人で説明して、難しさを把握したところでツカムに
「トウシ君は天才だから何とかできるんじゃないか」
という言葉を受けて、長考した末に思考は実る、という
フリをして、「可能性はある」と答えた。「不可能ではなく
実際に達成できる算段はついている。細かい話の積み重ねに
なるから全部の説明はできない。０%じゃない。任せとけ、
これは自分にしかできない不可能だ。」と勇気づけ、
一旦帰宅。実は、長考は実ってなどおらず、人前だから
カッコつけて、希望を持たせただけだった。ベッドに
ダイブして弱音を垂れ流し、深いため息を吐いていた。
しかし、涙は流さないよう、何とか我慢していた。
二週間後、担任の男性教師である高橋幸一（２９）に
呼び出され、友達作りや部活動所属をするように言われる。
『イジメの未然に防げば高く評価される』という方針と、
行方不明になった親戚の件から『単に点数稼ぎの為であり、
言葉も薄っぺらい』と判断し、テキトーに会話していたが、
最後に野球部に入る予定であることを伝えると、『高三生は
今週で抜けるのが伝統』と言われて、赤高野球部の現状を認識。今後、どうするかを三人で話している途中、
古宮麗華を見かけた。その後、放課で帰宅。ベッドに
ダイブして涙を流し、弱音を一通り垂れ流し終えると、
野球部を本気でシメて統制する事を決意した。
翌日、金曜日で野球部の活動日になり、部室の扉を
乱暴に開けて、開口一番大声でキャプテンを呼び、
キャプテンの座を譲るよう命令。トウシは文句言ってくる
上級生を実力で黙らせて、全体を統治する作戦を考えて
いたが、あっさりと譲られた上、感謝の意を向けられた事で
作戦はあっさりと失敗。その後、気を取り直して、
自分が今日からキャプテンであり監督になるから
自分の命令は絶対だと宣言。部室に座っていた１年５組の
三分類に話しかけられ、三分が投手である事、どんな
投手であるか、将来どのような野球選手になるか、などを
推察してみせた。トウシは三分を高校野球五連覇の為に
相応しいと判断し、賭けを持ちかける。三分はこのままだと
プロにはなれないと伝え、挑発をした上で賭けを実行。
三分が一級目を投げた後、三分にショートアッパーを
くらわせて丹田に全力を込める感覚を覚えさせ、挑発して
イラつかせる事で無自覚な保護のリミッターを外し、
鉛入りのグラブを渡すことで右腕を思いっきり引かせるよう
誘導し、数秒うずくまる程度の金的をくらわす事で
ステップ幅を適正位置に戻す、などの策を積んだ上で、
三分にトウシの顔面に投げるよう誘導して投げさせ、
見事ホウマの所にドンピシャであっさりと打ち返す。
そして、三分から敗北宣言を取り、今日は５００本、
明日からは毎日２００本、体軸の矯正の為に利き腕と
逆の腕で投げるよう指示すると、ホウマとツカムと三人で
話し終えた後に帰宅した。
帰宅すると、いつも通りベッドにダイブし、三分は
内面的に問題だらけだが助かったと思いつつも、止まらない
ため息と不安に押し潰されそうになるが、今後の事への
思考に切り替える。しかし、どんなに甘く計算しても、
必ずどこかで『怪しまれずに甲子園五連覇』の計画は
破綻すると考えつつも、考えることだけは止めず、思考を
し続ける。そして、『自分にしかできないのは事実。
部屋を出たら、あいつらの前では最後までずっと
カッコつけ続けろ。どんな時でも顎を上げて「これは
自分にしかできない不可能」だと言え」と自分を激励した。
そうでないと、トウシが先に折れてしまうからであった。
そしてトウシは、必死になって頭を回転させ続ける。
次の日、ホウマとツカムに付き合ってもらい、自分の
野球選手としての設定通りの投球ができるよう、投球練習を
していたが、途中、三分の話を聞いてトウシに興味を
抱いていた古宮に見つかってしまう。
しかも、１６０キロを投げていた所を見られてしまい、
強く食いついてくる古宮に、ヤバい人間を演じて関わらない
ようにしたり、何とか三分のような理由づけで相手を
納得させようとしたりしたが、話を聞かない古宮に
ため息をつくも、トウシが１６０キロの投球をした映像は
撮ってない事を聞くといくらでも誤魔化せると判断し、
テキトーに話を合わせて会話を終わらせた。
その後、１２０キロを投げる練習をしている最中、古宮が
ドジャースのスカウトを連れてくるという暴挙に驚愕。
しかし、最後の１２０キロ代の２球しか、スカウトには
見られていない事を知り、一安心した。そして、怒って
話を聞かない古宮に対して、第一の理由として頼んでも
いない事であり、第二の理由として「自分は神を相手に
投げて勝つ。それに比べれば３億ドルの年俸の野球選手
なんて大したことない」と、明らかにラリった狂人だと
分かる発言をして、古宮を遠ざけようと画策した。
しかし、次の日トウシは教室でいつも通り一人で
昼休みに昼食をとっていると、突然三組の古宮が
教室に入ってきた。先日のトウシの狂言を信じた
アホの子の古宮は、トウシを野球の神（投神）との
試合に万全な状態で送り出す為に、わざわざ
味はイマイチだが栄養バランスが取れている弁当を
三食分持ってきたのだった。しかも、水分管理やサプリ、
プロテインも最上級の物を用意すると言う。そこで、
横から入ってきて話をややこしくするジュリアに、
トウシはちょっとだけ黙ってもらい、その間に弁当の
栄養バランスが適切である事を確認。古宮を『使える』と
判断して、明日以降も来るよう頼んだ。また、ジュリアと
人通りの少ない踊り場まで行き、「古宮は頭はおかしいが、
知識は使える。けど、いつ殺意の波動に目覚めて自分を
刺してくるか分からない。自分のことをジュリア自身の手で
殺したいのなら、困るだろうから監視を頼む」と伝えて、
厄介ごとを相殺させるよう企み、教室に戻る。自分の賢さに
酔いながら教室に戻ったトウシだったが、クラスメイトから
注がれる気分の悪い野次馬的視線から、すぐに教室から
逃げ出した。
後日、トウシはジュリアと古宮に頼み、西教高校の偵察に
行ってもらう。三分を特訓して鍛えつつ、途中、偵察を
終えた古宮から電話で感想だけ聞き、明日部室で詳細を
聞く事にして、電話を切る。２０キロのロードを三分に
させた後、型を整える為に疲れきった状態で矯正シャドーを
させた後、鏡の前でのバスケシャドー百回、サッカー、
スローイン百回、平均台シャドー百回、片足シャドー二百回
ダンベル体操をやって今日の練習は終わり、と伝えた。
三分から「お前は練習しなくていいのか？」と聞かれ、
「野球魔人に練習は意味をなさない」とは言えないので、
「自分は完璧なので適度に調整するだけでいい」と
返し、
ブルペンに向かった。そして、ツカムに投球の調整を
させようと、ツカムに設定方針を伝えたが、そこで
ツカムやホウマが魔球を数種類しか投げれない事を知り、
計画の見直しを余儀なくされる。ツカムには１３５キロ程の
荒れ球を投げさせる方針にして練習させる。その設定を
やってきた古宮に伝える。その後、トウシたちの設定を
いくつか伝えた後、古宮から西教高校の練習試合の
ＤＶＤとスコアと記録ノートを受け取ると、古宮は
帰って行った。古宮が完全に立ち去った後、設定が
通用するかどうか不安なツカムとホウマを説得したが
途中、ジュリアがブルペンにやって来た為、二人を先に
帰宅させ、ジュリアと話す。
ジュリアに「古宮は異常だ」という事と、「本気で勝ちに
行くつもりか？」と問われてジュリアに「甲子園に
お前を
最低でも五回は連れて行く」と伝え、自分の覚悟を
ジュリアに告げた。そして、「取材陣に勝利の理由となった
マネージャーとしてのインタビューの内容を考えておけ」と
言って、去って行った。トウシはジュリアの事を目撃者役と
幸運の女神役の、野球部の顔として、『使える駒』として
利用して益を得る事を決めた。そうすることで、自分の
過去の行いを『意味のある事』だと認識する。
二ヶ月半後、抽選会によりトウシたちの部は新輝高校
（三強に善戦した高校）と一回戦で当たり、三国高校
（三強の高校）と二回戦で当たり、西教高校（三強の高校）
と三回戦で当たる事になる。野球事情に疎いツカムに
相手校の強さとそれに勝つ難しさを伝え、また、三分と
古宮とジュリアの三人に目を向けさせる作戦をツカムと
ホウマに伝えた。その上で、新輝高校のエース投手、
山田という人物が中途半端に上手い故に、秩序を乱さない
ための理由作りが非常に難しい事を二人に話し、また、
常々トウシ一人に任せきりになっている事が心苦しく、
何かできる事があれば協力すると申し出て来た。しかし、
野球の理論や確率論の勉強をしていない二人ではできないと
説明し、命令を聞いてくれればそれでいいとだけ話した。
その後、帰宅するといつも通りベッドにダイブ。強豪校と
三連続で当たるという嫌がらせのような試合相手に
ため息は止まらず、自分ばかり辛く苦しい目に遭い、
最近は「つらい」「苦しい」とばかり言葉を零す、
自分の人生に苦しんでいた。
その後、新輝高校の試合では最初に先頭打者として
打席に立ち、ポテンヒットで出塁。その後は盗塁で二塁、
さらに三塁へと進み、ツカムのスクイズで一点奪取。
その後は三分をメインで時々ツカムが投げて抑え、
１：０で見事勝利。帰宅後、ニュースや新聞を見て、
奇跡扱いはされているものの不審がられてはいない事に
トウシは安堵した。しかし、二回戦の三国高校戦では
よりうまく、より慎重にやらなければいけない事を
自己確認し、強い不安と今回の試合での精神的負担から、
吐きそうになり胃液で喉に痛みを感じていた。
「つらい、つらい」と何度も言って自分を慰め、しかし、
「やるしかない」「最後の最後までカッコつけなければ」と
自分の覚悟を言った。
その後、三国高校との試合に臨む。世間に納得を
して
もらえるか不安な二人に対して、三国高校は筋トレ重視の
特化型ゆえに、ハマれば強いが崩されると脆いという点を
利用して、赤松高校のデータを重視するというチーム性の
設定をアピールする機会にはちょうどいい、と話した。
また、三分がピッチャーとして不足ではないか、と考える
二人に対して、三分が真剣勝負で伸びるタイプの
選手である事と、その根拠を説明した。しかし、トウシの
推測以上に三分は伸び、三分の持つ『強靭な背筋』
『高身長』『掌の大きさ』『手足の長さ』などの『トウシが
持たないものを持つ』三分にイラつきと嫉妬を覚え始める。
つい感情のまま、三分に八つ当たりをしてしまい、
ベンチが何となく気まずい雰囲気になってしまう。運が
まわりすぎている、と感じつつも、ツカムとホウマには
「三分に自分がリードをかけている限り一点も取られない。
ミスを待って奇襲をかけて一点を取り、それで勝ちだ」と
作戦を伝えた。そこで、ツカムの「何故自分は捕手特化の
野球魔人だったのか」という質問から、『ミシャンドラが
悪魔側チームに欲しかった人材は、自分たちではなく
三分類であり、自分たちは三分を開花させるための餌に
すぎない』ということに気づく。ミシャンドラの命令や
魔球の種類の違い、ホウマが半分壊れかけた事や三分の
才能とそのタイプなどから、先述の事実をツカムとホウマに
わかりやすく説明し、その事実に笑うしかなかった。
その後も三分はグングンと才能を開花させていき、
トウシは捕手としてミットを動かす必要がないほどの
正確な球を捕る事になる。
試合に勝った後、帰り道でミシャンドラが接触。
今後の予定について聞かれ、「予定に変更はないが今後は全て自分が大半を投げる＝三分は投げない、
つまり三分の成長が止まる＝三年後の神との試合は....」
という事を話し、ミシャンドラが口を滑らした
「三分が必要」という言葉から『神との試合では必ず、
人間の投手が投げなければいけない』という事を推察。
自分の存在を無視するミシャンドラにイラつきを覚えつつ、
三分をどうしても強くして欲しいミシャンドラに取引を
持ちかけ、『一時的に人間に戻る代わりに、負けたら
即座に魂が奪われる』という契約をした。
翌日、トウシは古宮とジュリアと三人でファミレスに
集まり、ミーティングをしていた。三分の事を称える
ジュリアに、気に入らないという感情と嫉妬から顔を歪め、
ジュリアと古宮の口論を遮り、二人に「次の西教高校戦では
自分が投げる」と宣言。帰宅後、「ジュリアも三分のような
選手の方が好みなのではないか」と思い、普段以上に深い
ため息を吐く。世間をごまかす為に、三分に
植え付けたかったイメージが全て現実のものに
なるという事を「いい事だ、自分の望み通りだ」と
自分に言い聞かせようとしたが、三分ばかりが自分の
持っていない身体的長所を持っている事と、三分ばかりが
評価されている事に本気で嫉妬。『このまま』は嫌だ！と、
自分の投球理論を実現させる為にジュリアと古宮に
集めてもらった西教高校野球部のデータを片っ端から
見ていき、分析をしていったのだった。
西教高校との試合、トウシは最初から『投手として』
球場に立つ。その事で話しかけてきたツカムに
「ポテンヒットを初回に一発だけ打ち、後はただ捕手だけ
していればいい」と指示。聞く耳は持たず、ツカムの
「勝てるのか」という質問に「ああ」とだけ肯定で返して、
投手として試合に臨む。暗算力が必要な『触った個所と
触った指を足した数＝球種』というサインを投手が使って
投球をする。（ツカムは勉強ガチ勢なので暗算力は十分）
ただし、初回からバラすつもりで出していた。事実、
ストレートの時は『絞っていけ』、変化球の時は
『かっとばせ』、その二つを大声で相手チームがバッターに
知らせていたのにトウシも気付いていた。トウシは、
関節も非常にしなやかで柔らかい事と肩の稼働域が
相当広い事の二つの資質を活かし、九分割以上の
コントロールと、全球種を一キロ単位で調整することで、
簡単にキャッチしてアウトにできる球を打たせるなどして
完全試合を展開。途中、サインを出して解析される事を
不安に思うツカムが二回の守りの時に提案してきたが、
「既に相手にサインがバレている」「相手に速球と
変化球の時で掛け声を変えるアホがいるから間違いない」
「しかし、バレる前提で分かりやすいサインを出している。
だからから問題ない」「審判は遅延を何よりも嫌う
珍生物だ。早く守備に戻れ」と伝えた。相手打者の桑宮を
『分かった気になっている馬鹿』と称し、ツーボールの後に
捕手の後ろに打たせてあっさりアウト。その後も完全試合を
展開し、ツカムに完全試合を展開しているは阿呆を説明。
『デビルの力を限界まで使わず』にここまでの事が
できた事を称えられたトウシだったが、この時、トウシは
一時的に人間に戻っていたのだった。その後も完全試合を
展開。古宮や投神すら驚嘆させた。そして、試合が
進むにつれ、トウシは絶対的な投手としての純度の
高い
プライドを持つようになり、高校野球の絶対王者である
西教高校を『カス』と呼ぶほどのプライドを持つに至る。
その後も完全試合を展開し続け、最後にツーアウトで
桑宮が打者となり、反射で打とうとする桑宮の
反射の調整のクセを既に見抜いていたトウシにとって
打撃という複雑な技能を脊髄反射でする事は必ず頭の中で
調整が入る為、その調整をズラせば一番のカモになる事が
分かっていた。あっという間にツーストライクになり、
桑宮は焦ってタイムをとるが、そこでミシャンドラに
操られる。トウシは桑宮の異様な変貌にミシャンドラが
乗り移った事を悟る。
ミシャンドラの憑依に気づくと、すぐにタイムを取り、
ツカムを即座に呼び出してミシャンドラにテレパシーで
通訳させて「ふざけんな」と一言伝えさせたが、
ミシャンドラにはとぼけられてしまい、戻るように
伝えた上で、デビルの力を使った本気でのキャッチングを
するよう指示。そして、ツカムに『今まで我慢して
自分についてきてくれた事』に感謝を告げた。すると、
ツカムからは「人前では評価を下げたくないからトウシとは
関わらないが、一緒にいて面白いと思う」と、ホウマからは
ツカムを通じてテレパシーで「ミシャンドラが相手でも
ねじ伏せてみせて！あなたならできるでしょ。あなたは
自分が認めた数少ない男、悪魔程度にビビるな！」と
激励の言葉を送られた。天を仰ぎ、ツカムとホウマが
自分と一緒に選ばれた幸運に感謝した。また、
ミシャンドラが自分の邪魔をしてきた理由について考え、
そのまま『投神側も人間を投手にする必要があり、自分は
投神側チームの投手に選ばれていた』という思考に
たどり着く。自分がやはり選ばれていた事に震え、
笑いが溢れたがすぐに諫め、トウシのモチベーションは
上がる。負けたら魂を奪われる、という極限状態で、
トウシは気力と集中力を爆発させて３球目を投げるも、
目付の終わった脳を即座に修正され、カットするのも
難しいはずの球をキチンと合わせられた上、途中で
軌道修正し、絶対にとれないポイントに落とされて
ファールにされた。しかし、このような勝負をしたかった
トウシは、真剣勝負に快楽を感じていた。次で勝負を決める
つもりで、トウシは振りかぶる。トウシの全てが沸騰し、
咆哮して球速も回転速度も上昇している一球を投げ、
トウシはミシャンドラ相手に見事ストライク三振をとる。
トウシはガッツポーズを決めて、雄叫びをあげたのだった。
試合後、球場を後にしたトウシの前に物凄い速度で
ミシャンドラが詰め寄ってきて、軽い口喧嘩と睨み合いを
したが、契約を忘れず三分を鍛えるよう言うと、
ミシャンドラは去っていった。トウシはミシャンドラから
視線を切ると、トウシは二人のマネージャーと対面。
古宮からは長くなりそうな称賛の言葉をもらい、それを
一刀両断したジュリアからは「何となくトウシがどういった
野球選手なのか理解した」と言われ、「甲子園五連覇という
最高の栄冠を手に入れた時まで復讐の実行は保留にする」と
言われて、トウシはジュリアに『自分が栄冠を掴む時
ジュリアにそれを死んでも隣で見せる事』を約束した。
それで赤くなったジュリアを横目に、トウシは視線を
感じて振り返ると、三分がいた。三分の視線の強度から、
三分が言いたい事を察すると、古宮とジュリアに他の試合の
データ集めを指示すると、三分から話を聞き、『自分と
三分で甲子園五連覇をする。登板回数は半々になるから
諸々覚悟しろ』という事を伝えた。いつの間にか、天候は
『雨が降るかもしれない曇り』から『快晴』へと
変わっていたのだった。
余談
最後までかっこつけたる。そうやないと、真っ先に
ワシが折れてまう。この部屋を出た後は、どんな時でも、
顎を上げて言え。これは……ワシにしかできん不可能やと」
概要 
千増県立赤松学園高等学校に通う一年生。長身で三白眼。
悪魔に拉致られ、体を野球魔人に改造されている。
異常な演算力を持つ頭脳と、異常な天才性を持つ。
ボッチ、陰キャ、高潔、孤高主義、と閃壱番に似ているが、
しかし、どこか違う存在。この項目では、野球外伝の
タナカトウシについてまとめる。
悪魔に拉致られ、体を野球魔人に改造されている。
異常な演算力を持つ頭脳と、異常な天才性を持つ。
ボッチ、陰キャ、高潔、孤高主義、と閃壱番に似ているが、
しかし、どこか違う存在。この項目では、野球外伝の
タナカトウシについてまとめる。
性格
高潔。絶望的状況で死にそうな者がいれば、希望を
持たせようとして、嘘をついてでもカッコつけ続ける。
自分の事を頭がいいと自覚しており、また、プライドも
それなりに高く、物語終盤の試合にて純度の高いプライドを
持つ事になる。
恋愛観についても同じかどうかは不明。また、トウシは
『自分が何らかの価値や意味がある行動を見事果たして
みせた。だから自分は完璧だ。』と自分に言い聞かせ
続けなければ自分を保つ事ができないなどと、精神性が
センエースにおける田中東志よりも脆いように思える。
恋愛観については相変わらずの純情で、一人だけを
愛するのがいいと考えている。
家の外ではカッコつけているが、帰宅すると大抵はベッドに
倒れ込んで、弱さを吐き出す。
持たせようとして、嘘をついてでもカッコつけ続ける。
自分の事を頭がいいと自覚しており、また、プライドも
それなりに高く、物語終盤の試合にて純度の高いプライドを
持つ事になる。
恋愛観についても同じかどうかは不明。また、トウシは
『自分が何らかの価値や意味がある行動を見事果たして
みせた。だから自分は完璧だ。』と自分に言い聞かせ
続けなければ自分を保つ事ができないなどと、精神性が
センエースにおける田中東志よりも脆いように思える。
恋愛観については相変わらずの純情で、一人だけを
愛するのがいいと考えている。
家の外ではカッコつけているが、帰宅すると大抵はベッドに
倒れ込んで、弱さを吐き出す。
人物関係
暁樹里亜（ジュリア）
ジュリアのことを明確に愛しており、三分に嫉妬したりも
した。関係性は、本編と同じく奇妙ではあるものの、
そこに野球部監督とマネージャーという、別の関係も
生まれている。
した。関係性は、本編と同じく奇妙ではあるものの、
そこに野球部監督とマネージャーという、別の関係も
生まれている。
三分類（さんぷん るい）
自分が欲しいと思うような、強靭な背筋、高身長、
掌の大きさ、手足の長さなどを持っている為、ライバル視を
している。一時は三分が悪魔に選ばれて、自分は悪魔に
選ばれなかった事もあり、強く嫉妬していたが、終盤では、
黒い感情のないライバル関係になった。
掌の大きさ、手足の長さなどを持っている為、ライバル視を
している。一時は三分が悪魔に選ばれて、自分は悪魔に
選ばれなかった事もあり、強く嫉妬していたが、終盤では、
黒い感情のないライバル関係になった。
古宮麗華（こみや うららか）
神と試合をすると告げた結果、それを信じ込んだ古宮は
野球部のマネージャーになっている。野球のサポートでは
一級の彼女は、トウシに認められて弁当を作ったり、
敵チームの視察を任されたりしている。トウシは樹里亜に
惚れている為、彼女に恋愛感情は抱いていない。
野球部のマネージャーになっている。野球のサポートでは
一級の彼女は、トウシに認められて弁当を作ったり、
敵チームの視察を任されたりしている。トウシは樹里亜に
惚れている為、彼女に恋愛感情は抱いていない。
佐藤拿（ツカム）
悪魔に拉致られた者仲間。本人からは、「クラスでは
仲間と思われたくないから話しかけないでください」とは
言われているものの、凡人と一緒にいるよりかは、よっぽど
トウシといる方が楽しいと思われており、トウシはその事と
自分ができると言ったら何も言わずについてきてくれた事に
感謝をしている。
仲間と思われたくないから話しかけないでください」とは
言われているものの、凡人と一緒にいるよりかは、よっぽど
トウシといる方が楽しいと思われており、トウシはその事と
自分ができると言ったら何も言わずについてきてくれた事に
感謝をしている。
鈴木宝馬（ホウマ）
悪魔に拉致られた者仲間。自分ができると言ったら
何も言わずについてきてくれた事と、終盤でミシャンドラの
憑依を察してエールを送ってくれた事に、感謝している。
何も言わずについてきてくれた事と、終盤でミシャンドラの
憑依を察してエールを送ってくれた事に、感謝している。
ミシャンドラ
自分のことを拉致った悪魔。怒りなどの感情を向けており、
互いに嫌悪している。一度でも負けたら魂を奪う、という
契約を中盤で交わしており、対価として終盤では人間に
戻してもらっている。そんなバチバチの関係とはいえ、
トウシはミシャンドラの野球技術を認めており、彼女
（が憑依した相手選手）との勝負を楽しんでいた。
互いに嫌悪している。一度でも負けたら魂を奪う、という
契約を中盤で交わしており、対価として終盤では人間に
戻してもらっている。そんなバチバチの関係とはいえ、
トウシはミシャンドラの野球技術を認めており、彼女
（が憑依した相手選手）との勝負を楽しんでいた。
投神
自身を評価して選んだことを、トウシは察している。
また、投神との試合を非常に美しく、楽しい試合だったと
認識している。
また、投神との試合を非常に美しく、楽しい試合だったと
認識している。
強さ
戦闘をするような世界観ではないので、戦闘力は不明だが、
高くないと思われ、また、存在値は、２００を切っている。
とはいえ、野球魔人に改造されたこともあって、彼は
１７００キロの豪速球を投げる事ができるようになり、
また、野球魔人としてメタル系、幻覚系、支配系の
デビルの魔球は粗方投げられる事が推察される為、
投手としての素質はなかなかに高い。人間の状態であっても
投手として強豪校相手に０点で抑えられるほどに
完成された野球理論と投球法を持ち、体の資質として、
非常にしなやかで柔らかい関節と相当に広い肩の稼働域を
持っている。それらの資質と優れた頭脳を活かすことで、
本当に上がるライズと本当に落ちるスプリットを投げる事が
できる。野球外伝における田中トウシは、投神のチームに
求められるほど、野球における実力は高い。
高くないと思われ、また、存在値は、２００を切っている。
とはいえ、野球魔人に改造されたこともあって、彼は
１７００キロの豪速球を投げる事ができるようになり、
また、野球魔人としてメタル系、幻覚系、支配系の
デビルの魔球は粗方投げられる事が推察される為、
投手としての素質はなかなかに高い。人間の状態であっても
投手として強豪校相手に０点で抑えられるほどに
完成された野球理論と投球法を持ち、体の資質として、
非常にしなやかで柔らかい関節と相当に広い肩の稼働域を
持っている。それらの資質と優れた頭脳を活かすことで、
本当に上がるライズと本当に落ちるスプリットを投げる事が
できる。野球外伝における田中トウシは、投神のチームに
求められるほど、野球における実力は高い。
歴史
野球外伝開始以前
トウシたちは、三人とも同じ場所に返されたが、
試合の疲労は残っており、まともに動けない程疲れていた。
三人で情報共有を行い、まともに高校野球や甲子園の常識が
欠如しているツカムに、いかに高校野球の五連覇が難しいか
二人で説明して、難しさを把握したところでツカムに
「トウシ君は天才だから何とかできるんじゃないか」
という言葉を受けて、長考した末に思考は実る、という
フリをして、「可能性はある」と答えた。「不可能ではなく
実際に達成できる算段はついている。細かい話の積み重ねに
なるから全部の説明はできない。０%じゃない。任せとけ、
これは自分にしかできない不可能だ。」と勇気づけ、
一旦帰宅。実は、長考は実ってなどおらず、人前だから
カッコつけて、希望を持たせただけだった。ベッドに
ダイブして弱音を垂れ流し、深いため息を吐いていた。
しかし、涙は流さないよう、何とか我慢していた。
二週間後、担任の男性教師である高橋幸一（２９）に
呼び出され、友達作りや部活動所属をするように言われる。
『イジメの未然に防げば高く評価される』という方針と、
行方不明になった親戚の件から『単に点数稼ぎの為であり、
言葉も薄っぺらい』と判断し、テキトーに会話していたが、
最後に野球部に入る予定であることを伝えると、『高三生は
今週で抜けるのが伝統』と言われて、赤高野球部の現状を認識。今後、どうするかを三人で話している途中、
古宮麗華を見かけた。その後、放課で帰宅。ベッドに
ダイブして涙を流し、弱音を一通り垂れ流し終えると、
野球部を本気でシメて統制する事を決意した。
翌日、金曜日で野球部の活動日になり、部室の扉を
乱暴に開けて、開口一番大声でキャプテンを呼び、
キャプテンの座を譲るよう命令。トウシは文句言ってくる
上級生を実力で黙らせて、全体を統治する作戦を考えて
いたが、あっさりと譲られた上、感謝の意を向けられた事で
作戦はあっさりと失敗。その後、気を取り直して、
自分が今日からキャプテンであり監督になるから
自分の命令は絶対だと宣言。部室に座っていた１年５組の
三分類に話しかけられ、三分が投手である事、どんな
投手であるか、将来どのような野球選手になるか、などを
推察してみせた。トウシは三分を高校野球五連覇の為に
相応しいと判断し、賭けを持ちかける。三分はこのままだと
プロにはなれないと伝え、挑発をした上で賭けを実行。
三分が一級目を投げた後、三分にショートアッパーを
くらわせて丹田に全力を込める感覚を覚えさせ、挑発して
イラつかせる事で無自覚な保護のリミッターを外し、
鉛入りのグラブを渡すことで右腕を思いっきり引かせるよう
誘導し、数秒うずくまる程度の金的をくらわす事で
ステップ幅を適正位置に戻す、などの策を積んだ上で、
三分にトウシの顔面に投げるよう誘導して投げさせ、
見事ホウマの所にドンピシャであっさりと打ち返す。
そして、三分から敗北宣言を取り、今日は５００本、
明日からは毎日２００本、体軸の矯正の為に利き腕と
逆の腕で投げるよう指示すると、ホウマとツカムと三人で
話し終えた後に帰宅した。
帰宅すると、いつも通りベッドにダイブし、三分は
内面的に問題だらけだが助かったと思いつつも、止まらない
ため息と不安に押し潰されそうになるが、今後の事への
思考に切り替える。しかし、どんなに甘く計算しても、
必ずどこかで『怪しまれずに甲子園五連覇』の計画は
破綻すると考えつつも、考えることだけは止めず、思考を
し続ける。そして、『自分にしかできないのは事実。
部屋を出たら、あいつらの前では最後までずっと
カッコつけ続けろ。どんな時でも顎を上げて「これは
自分にしかできない不可能」だと言え」と自分を激励した。
そうでないと、トウシが先に折れてしまうからであった。
そしてトウシは、必死になって頭を回転させ続ける。
次の日、ホウマとツカムに付き合ってもらい、自分の
野球選手としての設定通りの投球ができるよう、投球練習を
していたが、途中、三分の話を聞いてトウシに興味を
抱いていた古宮に見つかってしまう。
しかも、１６０キロを投げていた所を見られてしまい、
強く食いついてくる古宮に、ヤバい人間を演じて関わらない
ようにしたり、何とか三分のような理由づけで相手を
納得させようとしたりしたが、話を聞かない古宮に
ため息をつくも、トウシが１６０キロの投球をした映像は
撮ってない事を聞くといくらでも誤魔化せると判断し、
テキトーに話を合わせて会話を終わらせた。
その後、１２０キロを投げる練習をしている最中、古宮が
ドジャースのスカウトを連れてくるという暴挙に驚愕。
しかし、最後の１２０キロ代の２球しか、スカウトには
見られていない事を知り、一安心した。そして、怒って
話を聞かない古宮に対して、第一の理由として頼んでも
いない事であり、第二の理由として「自分は神を相手に
投げて勝つ。それに比べれば３億ドルの年俸の野球選手
なんて大したことない」と、明らかにラリった狂人だと
分かる発言をして、古宮を遠ざけようと画策した。
しかし、次の日トウシは教室でいつも通り一人で
昼休みに昼食をとっていると、突然三組の古宮が
教室に入ってきた。先日のトウシの狂言を信じた
アホの子の古宮は、トウシを野球の神（投神）との
試合に万全な状態で送り出す為に、わざわざ
味はイマイチだが栄養バランスが取れている弁当を
三食分持ってきたのだった。しかも、水分管理やサプリ、
プロテインも最上級の物を用意すると言う。そこで、
横から入ってきて話をややこしくするジュリアに、
トウシはちょっとだけ黙ってもらい、その間に弁当の
栄養バランスが適切である事を確認。古宮を『使える』と
判断して、明日以降も来るよう頼んだ。また、ジュリアと
人通りの少ない踊り場まで行き、「古宮は頭はおかしいが、
知識は使える。けど、いつ殺意の波動に目覚めて自分を
刺してくるか分からない。自分のことをジュリア自身の手で
殺したいのなら、困るだろうから監視を頼む」と伝えて、
厄介ごとを相殺させるよう企み、教室に戻る。自分の賢さに
酔いながら教室に戻ったトウシだったが、クラスメイトから
注がれる気分の悪い野次馬的視線から、すぐに教室から
逃げ出した。
後日、トウシはジュリアと古宮に頼み、西教高校の偵察に
行ってもらう。三分を特訓して鍛えつつ、途中、偵察を
終えた古宮から電話で感想だけ聞き、明日部室で詳細を
聞く事にして、電話を切る。２０キロのロードを三分に
させた後、型を整える為に疲れきった状態で矯正シャドーを
させた後、鏡の前でのバスケシャドー百回、サッカー、
スローイン百回、平均台シャドー百回、片足シャドー二百回
ダンベル体操をやって今日の練習は終わり、と伝えた。
三分から「お前は練習しなくていいのか？」と聞かれ、
「野球魔人に練習は意味をなさない」とは言えないので、
「自分は完璧なので適度に調整するだけでいい」と
返し、
ブルペンに向かった。そして、ツカムに投球の調整を
させようと、ツカムに設定方針を伝えたが、そこで
ツカムやホウマが魔球を数種類しか投げれない事を知り、
計画の見直しを余儀なくされる。ツカムには１３５キロ程の
荒れ球を投げさせる方針にして練習させる。その設定を
やってきた古宮に伝える。その後、トウシたちの設定を
いくつか伝えた後、古宮から西教高校の練習試合の
ＤＶＤとスコアと記録ノートを受け取ると、古宮は
帰って行った。古宮が完全に立ち去った後、設定が
通用するかどうか不安なツカムとホウマを説得したが
途中、ジュリアがブルペンにやって来た為、二人を先に
帰宅させ、ジュリアと話す。
ジュリアに「古宮は異常だ」という事と、「本気で勝ちに
行くつもりか？」と問われてジュリアに「甲子園に
お前を
最低でも五回は連れて行く」と伝え、自分の覚悟を
ジュリアに告げた。そして、「取材陣に勝利の理由となった
マネージャーとしてのインタビューの内容を考えておけ」と
言って、去って行った。トウシはジュリアの事を目撃者役と
幸運の女神役の、野球部の顔として、『使える駒』として
利用して益を得る事を決めた。そうすることで、自分の
過去の行いを『意味のある事』だと認識する。
二ヶ月半後、抽選会によりトウシたちの部は新輝高校
（三強に善戦した高校）と一回戦で当たり、三国高校
（三強の高校）と二回戦で当たり、西教高校（三強の高校）
と三回戦で当たる事になる。野球事情に疎いツカムに
相手校の強さとそれに勝つ難しさを伝え、また、三分と
古宮とジュリアの三人に目を向けさせる作戦をツカムと
ホウマに伝えた。その上で、新輝高校のエース投手、
山田という人物が中途半端に上手い故に、秩序を乱さない
ための理由作りが非常に難しい事を二人に話し、また、
常々トウシ一人に任せきりになっている事が心苦しく、
何かできる事があれば協力すると申し出て来た。しかし、
野球の理論や確率論の勉強をしていない二人ではできないと
説明し、命令を聞いてくれればそれでいいとだけ話した。
その後、帰宅するといつも通りベッドにダイブ。強豪校と
三連続で当たるという嫌がらせのような試合相手に
ため息は止まらず、自分ばかり辛く苦しい目に遭い、
最近は「つらい」「苦しい」とばかり言葉を零す、
自分の人生に苦しんでいた。
その後、新輝高校の試合では最初に先頭打者として
打席に立ち、ポテンヒットで出塁。その後は盗塁で二塁、
さらに三塁へと進み、ツカムのスクイズで一点奪取。
その後は三分をメインで時々ツカムが投げて抑え、
１：０で見事勝利。帰宅後、ニュースや新聞を見て、
奇跡扱いはされているものの不審がられてはいない事に
トウシは安堵した。しかし、二回戦の三国高校戦では
よりうまく、より慎重にやらなければいけない事を
自己確認し、強い不安と今回の試合での精神的負担から、
吐きそうになり胃液で喉に痛みを感じていた。
「つらい、つらい」と何度も言って自分を慰め、しかし、
「やるしかない」「最後の最後までカッコつけなければ」と
自分の覚悟を言った。
その後、三国高校との試合に臨む。世間に納得を
して
もらえるか不安な二人に対して、三国高校は筋トレ重視の
特化型ゆえに、ハマれば強いが崩されると脆いという点を
利用して、赤松高校のデータを重視するというチーム性の
設定をアピールする機会にはちょうどいい、と話した。
また、三分がピッチャーとして不足ではないか、と考える
二人に対して、三分が真剣勝負で伸びるタイプの
選手である事と、その根拠を説明した。しかし、トウシの
推測以上に三分は伸び、三分の持つ『強靭な背筋』
『高身長』『掌の大きさ』『手足の長さ』などの『トウシが
持たないものを持つ』三分にイラつきと嫉妬を覚え始める。
つい感情のまま、三分に八つ当たりをしてしまい、
ベンチが何となく気まずい雰囲気になってしまう。運が
まわりすぎている、と感じつつも、ツカムとホウマには
「三分に自分がリードをかけている限り一点も取られない。
ミスを待って奇襲をかけて一点を取り、それで勝ちだ」と
作戦を伝えた。そこで、ツカムの「何故自分は捕手特化の
野球魔人だったのか」という質問から、『ミシャンドラが
悪魔側チームに欲しかった人材は、自分たちではなく
三分類であり、自分たちは三分を開花させるための餌に
すぎない』ということに気づく。ミシャンドラの命令や
魔球の種類の違い、ホウマが半分壊れかけた事や三分の
才能とそのタイプなどから、先述の事実をツカムとホウマに
わかりやすく説明し、その事実に笑うしかなかった。
その後も三分はグングンと才能を開花させていき、
トウシは捕手としてミットを動かす必要がないほどの
正確な球を捕る事になる。
試合に勝った後、帰り道でミシャンドラが接触。
今後の予定について聞かれ、「予定に変更はないが今後は全て自分が大半を投げる＝三分は投げない、
つまり三分の成長が止まる＝三年後の神との試合は....」
という事を話し、ミシャンドラが口を滑らした
「三分が必要」という言葉から『神との試合では必ず、
人間の投手が投げなければいけない』という事を推察。
自分の存在を無視するミシャンドラにイラつきを覚えつつ、
三分をどうしても強くして欲しいミシャンドラに取引を
持ちかけ、『一時的に人間に戻る代わりに、負けたら
即座に魂が奪われる』という契約をした。
翌日、トウシは古宮とジュリアと三人でファミレスに
集まり、ミーティングをしていた。三分の事を称える
ジュリアに、気に入らないという感情と嫉妬から顔を歪め、
ジュリアと古宮の口論を遮り、二人に「次の西教高校戦では
自分が投げる」と宣言。帰宅後、「ジュリアも三分のような
選手の方が好みなのではないか」と思い、普段以上に深い
ため息を吐く。世間をごまかす為に、三分に
植え付けたかったイメージが全て現実のものに
なるという事を「いい事だ、自分の望み通りだ」と
自分に言い聞かせようとしたが、三分ばかりが自分の
持っていない身体的長所を持っている事と、三分ばかりが
評価されている事に本気で嫉妬。『このまま』は嫌だ！と、
自分の投球理論を実現させる為にジュリアと古宮に
集めてもらった西教高校野球部のデータを片っ端から
見ていき、分析をしていったのだった。
西教高校との試合、トウシは最初から『投手として』
球場に立つ。その事で話しかけてきたツカムに
「ポテンヒットを初回に一発だけ打ち、後はただ捕手だけ
していればいい」と指示。聞く耳は持たず、ツカムの
「勝てるのか」という質問に「ああ」とだけ肯定で返して、
投手として試合に臨む。暗算力が必要な『触った個所と
触った指を足した数＝球種』というサインを投手が使って
投球をする。（ツカムは勉強ガチ勢なので暗算力は十分）
ただし、初回からバラすつもりで出していた。事実、
ストレートの時は『絞っていけ』、変化球の時は
『かっとばせ』、その二つを大声で相手チームがバッターに
知らせていたのにトウシも気付いていた。トウシは、
関節も非常にしなやかで柔らかい事と肩の稼働域が
相当広い事の二つの資質を活かし、九分割以上の
コントロールと、全球種を一キロ単位で調整することで、
簡単にキャッチしてアウトにできる球を打たせるなどして
完全試合を展開。途中、サインを出して解析される事を
不安に思うツカムが二回の守りの時に提案してきたが、
「既に相手にサインがバレている」「相手に速球と
変化球の時で掛け声を変えるアホがいるから間違いない」
「しかし、バレる前提で分かりやすいサインを出している。
だからから問題ない」「審判は遅延を何よりも嫌う
珍生物だ。早く守備に戻れ」と伝えた。相手打者の桑宮を
『分かった気になっている馬鹿』と称し、ツーボールの後に
捕手の後ろに打たせてあっさりアウト。その後も完全試合を
展開し、ツカムに完全試合を展開しているは阿呆を説明。
『デビルの力を限界まで使わず』にここまでの事が
できた事を称えられたトウシだったが、この時、トウシは
一時的に人間に戻っていたのだった。その後も完全試合を
展開。古宮や投神すら驚嘆させた。そして、試合が
進むにつれ、トウシは絶対的な投手としての純度の
高い
プライドを持つようになり、高校野球の絶対王者である
西教高校を『カス』と呼ぶほどのプライドを持つに至る。
その後も完全試合を展開し続け、最後にツーアウトで
桑宮が打者となり、反射で打とうとする桑宮の
反射の調整のクセを既に見抜いていたトウシにとって
打撃という複雑な技能を脊髄反射でする事は必ず頭の中で
調整が入る為、その調整をズラせば一番のカモになる事が
分かっていた。あっという間にツーストライクになり、
桑宮は焦ってタイムをとるが、そこでミシャンドラに
操られる。トウシは桑宮の異様な変貌にミシャンドラが
乗り移った事を悟る。
ミシャンドラの憑依に気づくと、すぐにタイムを取り、
ツカムを即座に呼び出してミシャンドラにテレパシーで
通訳させて「ふざけんな」と一言伝えさせたが、
ミシャンドラにはとぼけられてしまい、戻るように
伝えた上で、デビルの力を使った本気でのキャッチングを
するよう指示。そして、ツカムに『今まで我慢して
自分についてきてくれた事』に感謝を告げた。すると、
ツカムからは「人前では評価を下げたくないからトウシとは
関わらないが、一緒にいて面白いと思う」と、ホウマからは
ツカムを通じてテレパシーで「ミシャンドラが相手でも
ねじ伏せてみせて！あなたならできるでしょ。あなたは
自分が認めた数少ない男、悪魔程度にビビるな！」と
激励の言葉を送られた。天を仰ぎ、ツカムとホウマが
自分と一緒に選ばれた幸運に感謝した。また、
ミシャンドラが自分の邪魔をしてきた理由について考え、
そのまま『投神側も人間を投手にする必要があり、自分は
投神側チームの投手に選ばれていた』という思考に
たどり着く。自分がやはり選ばれていた事に震え、
笑いが溢れたがすぐに諫め、トウシのモチベーションは
上がる。負けたら魂を奪われる、という極限状態で、
トウシは気力と集中力を爆発させて３球目を投げるも、
目付の終わった脳を即座に修正され、カットするのも
難しいはずの球をキチンと合わせられた上、途中で
軌道修正し、絶対にとれないポイントに落とされて
ファールにされた。しかし、このような勝負をしたかった
トウシは、真剣勝負に快楽を感じていた。次で勝負を決める
つもりで、トウシは振りかぶる。トウシの全てが沸騰し、
咆哮して球速も回転速度も上昇している一球を投げ、
トウシはミシャンドラ相手に見事ストライク三振をとる。
トウシはガッツポーズを決めて、雄叫びをあげたのだった。
試合後、球場を後にしたトウシの前に物凄い速度で
ミシャンドラが詰め寄ってきて、軽い口喧嘩と睨み合いを
したが、契約を忘れず三分を鍛えるよう言うと、
ミシャンドラは去っていった。トウシはミシャンドラから
視線を切ると、トウシは二人のマネージャーと対面。
古宮からは長くなりそうな称賛の言葉をもらい、それを
一刀両断したジュリアからは「何となくトウシがどういった
野球選手なのか理解した」と言われ、「甲子園五連覇という
最高の栄冠を手に入れた時まで復讐の実行は保留にする」と
言われて、トウシはジュリアに『自分が栄冠を掴む時
ジュリアにそれを死んでも隣で見せる事』を約束した。
それで赤くなったジュリアを横目に、トウシは視線を
感じて振り返ると、三分がいた。三分の視線の強度から、
三分が言いたい事を察すると、古宮とジュリアに他の試合の
データ集めを指示すると、三分から話を聞き、『自分と
三分で甲子園五連覇をする。登板回数は半々になるから
諸々覚悟しろ』という事を伝えた。いつの間にか、天候は
『雨が降るかもしれない曇り』から『快晴』へと
変わっていたのだった。
余談
野球外伝の世界観は、そもそもセンエースとは異なる
可能性が非常に高い。田中トウシが中３の時にデスゲームに
拉致られておらず、高１でミシャンドラに拉致られて
いる点や、ソンキーとの関わりがないなど、世界線の違いと
解釈するには、収束点となるであろう出来事が、あまりに
違いすぎている。
可能性が非常に高い。田中トウシが中３の時にデスゲームに
拉致られておらず、高１でミシャンドラに拉致られて
いる点や、ソンキーとの関わりがないなど、世界線の違いと
解釈するには、収束点となるであろう出来事が、あまりに
違いすぎている。
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