快進撃を続ける
グラスシードだが、彼の前に
アニエスが指揮するカイザラス城が立ちふさがる。
かつて、
六柱将が
魔族の猛攻をしのいだ名城であり、現在は廃城となっているが、それでも城壁は健在で、まともに攻略するにはあまりにも時間がかかりすぎる。
そこで、
アレイナの策略により、あえて城を無視して進軍を開始、篭城部隊は自分達が無視されたことの怒りと、このまま
グラスシード部隊を追撃すれば、本国の部隊と挟撃できるという作戦により、
アニエスの制止を聞かず城から出陣する。
しかし、こうして城からおびき出すこと自体が
グラスシード軍の策であり、すぐさま反転、篭城部隊を野戦にて壊滅させると、再反転して挟撃の為に出陣してきた部隊をも撃破する。
だが、この戦いの中、計算外の部隊が突如戦場に乱入する。
リアムス国の
コルカフォーンと
ルーザリットであった。
帝国の策略により、国としての軍勢は派遣されなかったが、滅亡をただ待つことに納得せず、意地を見せるために自らの意思で出陣した
コルカフォーンと、彼に従う兵士、共感した
ルーザリットによる完全な私兵集団であった。
彼らの存在は確かに計算外ではあったが、あくまでも私兵集団であり、
グラスシードは戦局に影響はないと判断、
アニエスを説得により降伏させ、そのまま進軍を再開した。
この時
アニエスが降伏したのは、王都への道案内を務めて
グラスシードに首都一番乗りの功績を立てさせた上で、その見返りとして
ミッツ国王の助命を嘆願する為であったが、それは一歩間違えれば裏切り者と言われる危険な降伏でもあった。